これこそ待ち望んでいたiPadアプリ

 MetaMoJiがまたしても私好みのiPadアプリを公開した。
 基本アプリは無償公開という、実にありがたいアプリで、このアプリこそiPadの良さを引き出したアプリだと私的には思う。
 Note Anytimeと名付けられたそのアプリは、iPadを紙にしてフリーで絵や文字を書けるというもの。そんなアプリなら他にもあるじゃないか…と思う人もいるかもしれないが、このNote AnytimeにはMetaMoJiならではの技術が盛り込まれている。
 それが7notesに実装されていた日本語手書き入力“mazec”であり、これを組み合わせる事で、手書きの絵にフォント文字を組み合わせて文書を作成する事ができる。

 これがそのイメージ。これをiPad上で手書きで書くことができる。
 このサンプル画像には活字体は入っていないが、mazecによる日本語変換文字を使う事も出来る。
 しかも、このNote Anytimeで作成した文書は、MetaMoJiが運営するクラウドストレージ“Digital
Cabinet”へ保存が可能。そのストレージ容量は無料で2GBまで利用できる。そのストレージ内では、文書タグを設定してタグからフォルダを生成することで文書を見やすく整理できるという機能を持つ。タグは複数付与すること
ができる為、使い方は広がりそうだ。
 しかも7notesと同じく、他アプリとの連携も可能で、メールにNote Anytime形式、PDF、画像ファイルで添付して送付できるだけでなく、Twitter、Facebook、Tumblrなどとも連携できるようになっている。
 この連携という所で気づいた人もいると思うが、Note Anytime形式でのデータ保存ができるという所にポイントがある。このNote Anytime文書は、他OSで展開するNote Anytimeと連携する事ができるのである。


 このNote Anytimeは世界展開を視野に入れたアプリで、iOS、Android、WindowsすべてのOSに対応する事をコンセプトに考えられている。
 今の所デモではWindows8上では動作しているようだ。Windows8のタッチパネル対応がよりNote Anytimeの可能性を広げる事になりそうだ。

 そしてこれが最も活用箇所が広いのではないかと思うが、このNote Anytimeの使い勝手をそのままPDFデータの校正などに使用する事ができる。
 既存のPDFデータを取り込んで、手書き文字や“mazec”で活字を書き入れるアノテーションも可能で、文書の校正やチェックに利用できるのである。書き入れた文字もベクターデー
タやテキストとして保持していて、後から編集も可能。
 また、他ソフトとの連携が可能な事から、PDFデータに赤修正したファイル全体をPDFデータとして再出力し、メールで送ったり印刷することもできるのである。

 さらに高度な使い方ができるアドオンも有償で用意される。
 前述したmazecもその一つで600円で提供される。他にもカスタマイズカリグラフィーペンが450円、追加ノート(プレゼンテーション)
が85円~、追加用紙(表紙)85円~、追加アイテムは170円~となっている。書き込む文字のインクセットにも他にバリエーションがあり、パステル、グレイッシュ、アースカラーの3種が用意され、それぞれ170円となっている。このインクセットは消耗型で、使用に応じて減っていき補充が必要になる仕組み。このあたりは消費者としては残念としか言いようがないが、これは文具としてペンを購入した、と考えて割り切る必要があるだろう。というか、こういう課金スタイルこそ、こうしたデジタルガジェットの一つの方向性ではないかと思う。それとカリグラフィーペン用グラデーションインク(消耗型)というものもあり、これは350円となっている。

 海外製にもひょっとしたら同じようなアプリがあるかもしれない。
 だが、少なくとも国内でこれだけのアプリは他にはないのではないかと思う(もちろんあるかもしれないが私は知らない)。
 文書を作成する、という事に関してはこれほど便利に使えるアプリは珍しい。7notesの時にも使い勝手の良い書き込みツールだと思ったが、Note Anytimeはそれらを内包しつつ、本当の意味でデジタル文書の作成ができるアプリではないかと思う。
 ちなみに7notesとの互換性は現時点ではないが、MetaMoJi側は「7notes側がNote Anytimeに合わせる形で互換性をとる方向で、来年春ごろまでには対応したい」とコメントを出している。
 これは期待しなければならないだろう。

 iPadをビジネスで大いに活用したい人としては、このNote Anytimeはかなり使えるアプリではないかと思う。

Note Anytime 公式サイト
http://product.metamoji.com/ja/anytime/

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武上

18歳の時、人生の最大の選択ミスをしてしまい、いきついた場所として山梨県人となる。 その後、建設業に身を投じ、資格をいくつか取得するものの、結局自分の性格と合わない事を理由に上京。 上京後、世間で話題になりつつあったアニメ・ゲームを主体とする業界の人間となり、デジタルコンテンツ業界を含む数々の著名人と同じ土俵でマルチメディアな仕事をするに至る。 一見華やかなメディアの世界の、その闇の深さたるやハンパない事こそ世間に何となく知られてはいるが、業界人しか知らないその氷山の全体像を十分すぎるほど目の当たりにした後、家庭の事情で再び甲州へと帰還。 しかし、この帰還も人生の選択ミスだったかもしれないなぁ…と今では思うものの、時既に遅し。 今は地元の製造業を営む会社の総務・品質保証という地味ではあるものの堅実な職につき、いつか再びやってくるだろう夢の実現を信じて隠者的生活を送っている…ハズだったのだが、またしても周囲の事情で運命は波乱の様相を見せ始めた。 私の人生は一体どの方向を向いているというのだろうか? ちなみに筆者はPCとの付き合いはかなり長いと思っている。 古くはPC-8801 mk2 SR、X1 Turbo、X68000、FM-Towns、PC-9801シリーズ(互換機含む)、PowerMAC 9500等をリアルタイムで使い、その後は、Windows PCの自作機を中心に現在に続いている。 デジタルガジェットに関しては興味もある事から、その時代の時々において、いろいろ使ったり調べたりして、専門家ほどではないが知識は蓄えてきたと思っている。 そうした経験を元に、今の時代へ情報発信させてもらっている。少々くどい言い回しが多いかも知れないが、お付き合いいただけるとありがたい。 連絡先:takegami@angel-halo.com (@を小文字にしてください)

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