フロムソフトウェア、子会社になる

個人的にはちょっとした衝撃。
自社のアーマードコアを中心に、他社発売タイトルでも3Dメカアクションを開発しているフロムソフトウェアがKADOKAWAの子会社となる事が判明した。

ダークソウルでも有名でした

ま、私がアーマードコアを最初に書いたのは、ダークソウルの面白さを理解しつつもその雰囲気に慣れ親しめないから。
世間ではダークソウルの方が人気も認知度も高いかも知れない。
そのフロムソフトウェアがKADOKAWAの子会社になるという話が昨日発表された。
KADOKAWAがトランスコスモスはじめ複数の企業からフロムソフトウェアの株式80%を買い付け、既に傘下にある角川ゲームスと合わせてゲーム事業の中核会社として事業を展開するようだ。
KADOKAWAはこれで本格的にゲーム市場の一翼を牛耳るつもりかもしれない…と私個人は結構危機感を感じたりしているのだが、徐々にゲームの開発に映画並の予算が必要になってきている現状を浮き彫りにしているのかな、と思ったりもする。
考えてみれば、今残っている有名ゲーム企業は、統廃合を繰り返している。コーエーテクモ、バンダイナムコゲームス、コナミ、カプコン、SCE、任天堂、そしてKADOKAWA…これらの企業でハードウェアを開発・提供しているSCEと任天堂を別にして、単体で展開しているのはコナミとカプコンくらいのものである(もちろん内部では開発チーム等の統廃合は行われているだろう)。
この展開は、低予算でも面白いゲームを…というキャッチフレーズはよく聞くが、結局はコンソールゲームは徐々に開発費が肥大化しているという事を裏付ける話でしかない。

フロムソフトウェアがバンダイナムコゲームスと展開しているダークソウルは、2作目まで作られたが、このフロムソフトウェアの子会社化で3作目の展開がどうなるか未知数になったように思える。
KADOKAWAサイドは、ダークソウルで儲けられるならバンナムと手を組む事もあるだろうが、問題は開発チームのリソースを優先してKADOKAWA側に回す可能性が高いという事。フロムソフトウェアは品質の高さで勝負している開発会社だったわけで、ダークソウルシリーズはそのレベルの高さ故に人気が出たゲームだけに、今回の子会社化でそうした神話が崩壊する事を恐れる人は多いのではないかと思う。

KADOKAWA系タイトルをフロムがゲーム化?

まぁ…これは私が語るよりも、普段アニメ系雑誌やゲーム系雑誌、ラノベなんかを目にする人の方が詳しい話になるが、フロムソフトウェアがKADOKAWA系タイトルをゲーム化するとなると、今までの雰囲気と全く異なる作品群になりそうで実に恐い。
単に開発会社としての位置付けにはなるだろうが、硬派なフロムの内側で萌え要素満載のタイトルが開発される可能性もかなり高いわけで、今の私からはちょっと想像ができない。
…私の偏見だろうか?w

どっちにしても、今までのようなサービス精神満載のフロムソフトウェアのゲームからはどんどん離れていく可能性はある。
企業だから儲けなければならないのは解るが、その利潤とサービスのバランスにおいて、サービスの比重が高いからこそフロムソフトウェアの人気は高かったとも言える。それがKADOKAWAの介入によってより利潤に比重がシフトしていく事で、従来のフロムソフトウェアとは異なる体質がそこに生まれる可能性もある。
いや、単純に開発会社がフロムソフトウェアというだけで、発売元がどのように展開するか次第でこの辺りが変わるわけだから、変わらない訳が無い。
願わくば、従来のフロムソフトウェアの良さがスポイルされない事を祈りたい。

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武上

18歳の時、人生の最大の選択ミスをしてしまい、いきついた場所として山梨県人となる。 その後、建設業に身を投じ、資格をいくつか取得するものの、結局自分の性格と合わない事を理由に上京。 上京後、世間で話題になりつつあったアニメ・ゲームを主体とする業界の人間となり、デジタルコンテンツ業界を含む数々の著名人と同じ土俵でマルチメディアな仕事をするに至る。 一見華やかなメディアの世界の、その闇の深さたるやハンパない事こそ世間に何となく知られてはいるが、業界人しか知らないその氷山の全体像を十分すぎるほど目の当たりにした後、家庭の事情で再び甲州へと帰還。 しかし、この帰還も人生の選択ミスだったかもしれないなぁ…と今では思うものの、時既に遅し。 今は地元の製造業を営む会社の総務・品質保証という地味ではあるものの堅実な職につき、いつか再びやってくるだろう夢の実現を信じて隠者的生活を送っている…ハズだったのだが、またしても周囲の事情で運命は波乱の様相を見せ始めた。 私の人生は一体どの方向を向いているというのだろうか? ちなみに筆者はPCとの付き合いはかなり長いと思っている。 古くはPC-8801 mk2 SR、X1 Turbo、X68000、FM-Towns、PC-9801シリーズ(互換機含む)、PowerMAC 9500等をリアルタイムで使い、その後は、Windows PCの自作機を中心に現在に続いている。 デジタルガジェットに関しては興味もある事から、その時代の時々において、いろいろ使ったり調べたりして、専門家ほどではないが知識は蓄えてきたと思っている。 そうした経験を元に、今の時代へ情報発信させてもらっている。少々くどい言い回しが多いかも知れないが、お付き合いいただけるとありがたい。 連絡先:takegami@angel-halo.com (@を小文字にしてください)

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2 Responses

  1. ruser より:

    おぅ…、この話もう現実になったのかー。
    少し前、KADOKAWAが検討中とかって話をどっかの速報サイトで見たんだけど、もうかー。(´д`)
    危惧する事は武上さんと同じですわ。
    硬派でストイックなゲームを作れる数少ない国産メーカーだけに、あのテイストが失われないと良いなぁ。
    ダークソウルは、バンナムの流通を使ってたけど、今後出るとしたらKADOKAWAになるんかな…?
    バンナムの版権がどうなるのかに寄るんだろうけど、大人の事情でシリーズが無くなるのだけは避けて欲しいな。

    世に平穏のあらんことを。

    • アバター画像 武上 より:

      ダークソウルに関して言えば、多分問題なくリリースはされると思う。
      だって売れるタイトルだから。
      問題はその開発に使われるリソース。今までの開発体制と同じ体制で開発できれば問題はないけど、そうでない時、今までと同じかそれ以上のクォリティを維持できるかが問題。
      3作目にして駄作になった、はファンを裏切る事になるわけで、私が危惧するのはそういう事。

      ま、こういう事がなくても、何れは世代交代とか起きる場合もあるわけで、品質を維持することの難しさはいつだってある。
      今回はそれが現時点で起きたという事だろうから、内部的な体制維持を願うばかりかな。

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