キャプチャ環境を変える

PS4を購入した後に考えていた事を実行に移す。

フルHD 60fps環境を

PS4を購入した時、実はそうしたゲームプレイ環境の変更に合わせて、PCへのキャプチャ環境も変更したいという事を考えていた。
私の現時点でのキャプチャ環境は、HDMIによる720p 60fpsでPS3であればこれでも問題はないかな? というものである。PS3は限られたソフト以外はすべて720pによる出力だったからだ。
しかも当時ではフルHDで60fpsという状況は不可能だったため、1080i 30fpsか720p 60fpsのどちらかを選ぶしかなかった。できるだけ画質を…と考えれば、720p 60fpsという選択肢はある意味間違っていなかったと思う。

しかしPS4は違う。ネイティブで1080p 60fpsの出力が可能で、実際ゲームの全てがフルHD対応となっている。
PS3にしても、本来ならフルHD出力をしたいところという事情を考えると、そろそろPCへのキャプチャ環境もアップグレードしても良いかも知れない…そう考えたのである。
ただ、そう考えるのと同時に、1080p 60fpsのキャプチャをするハードウェアとして、何を選択するか? というのは、大いに悩ましい現実でもあった。

結局選んだのは…

で、そろそろタイミング的にも決断したいところだったため、結局この製品を手にする事にした。問題が全くないとは言えないのだが…SKNETから発売されている「MonsterX U3.0R」である。
コイツはUSB3.0で接続する外付けのキャプチャユニットなのだが、非圧縮転送が可能という製品で、私が愛用しているアマレコTVとは相性が良い。
もともとHDMIのマトリックス分配器を使用している私からすると、HDMIパススルー機能は不要だが、いろいろな理由から今回はこの製品をセレクトした。
まぁ…ヤフオク!を見ていたら、そこそこ安いのに出くわした為に購入した…という理由が最も大きいのだが(爆)、純粋に拡張カードだけの対応よりはこうした外付けの方が環境が変わっても使いやすい…と考えたのも一つの理由である。

だが、この製品を万人にお勧めはしない。
理由は、コイツには色ズレの問題があるからだ。どうも濃い青色成分と緑色の成分の一部がズレて出力されるらしい。
まぁ…ネットでその状況画像を見たのだが…私にはよく分からなかったため、問題なしとして処理した。気になる人は手を出さない方がよいかもしれない。というか、コイツで何をしたいのか? という事だけが問題となるわけであって、そこさえ理解していれば間違った製品選びはなくなるだろう。

更なる問題

だがMonsterX U3.0Rを使う上でまだ問題となる事がある。
それは「転送速度の帯域が300MB/s以上必要」という事である。
もともとUSB3.0は5Gbpsという転送速度をもっている規格なのだが、8ビットのデータが10ビットの信号に変換されて送られる為、実際のデータ転送速度は4Gbps=500MB/sが上限となってしまうという問題のある規格である。
まぁ、それでもUSB2.0よりはずっと高速な転送速度を持っているのだが、その速度を達成するために、いろんな制約がついて回るのである。
USB3.0の物理層はPCI-Express2.0(以下PCIe2.0と略)の技術が準用されているため、マザーボード上ではほとんどの場合、PCIe2.0のコントローラーと接続されている。普段はそんな事を意識している人はほとんどいないと思うので、問題はないのだが、USB3.0の拡張カードを取付けようと考えている人は要注意である。マザーボードの拡張スロットがPCIe2.0規格でないと、USB3.0のフルパフォーマンスは発揮できない。また、PCIeはそのスロットの大きさからx16、x8、x4、x1と4つのスロットに分かれるのだが、x1というサイズだとMonsterX U3.0Rのほぼほぼ一杯の300MB/sの転送速度で帯域が埋まってしまう。つまり、USB3.0のポートが複数あっても、MonsterX U3.0Rでその帯域を埋めてしまうため、他の機器が使えないケースとなってしまうのである。
安心して他の機器も使用したい場合は、x4以上のスロットに対応した拡張カードとスロットが必要という事になる。

さらにMonsterX U3.0Rは「使用するUSB3.0コントローラーを選ぶ」という事も問題になる。
メーカーではIntel製、もしくはRenesas製を推奨としており、使用できないコントローラーも存在する。どうもIntel製やRenesas製はこの転送速度が非常に優れていて、他メーカーは公称値ほど速度が出ていないらしい。
USB3.0は、私が知る限りUSBという規格の中でもっとも相性問題が悪い規格で、転送速度が足りなくなるメーカーのコントローラーチップがあるが故にトラブルになるケースがあるらしい。
私のマザーボードではIntel製が2ポートとASmedia製が2ポートという構成だから、Intel製に繋げば問題はない…のだが、既にその2ポートは別用途で使用しており、他と変更もできない状態になってしまっている。
つまり、現時点ではUSB3.0の拡張ボードを検討する必要がある、という事になる。

拡張カード

前述の話をちょっと纏めると、USB3.0の拡張カードは以下のスペックが必須という事になる。

1.Intel製もしくはRenesas製コントローラーである事
2.PCIe x4以上の拡張カードである事
3.もしPCIe x1であるならばMonsterX U3.0R以外を接続しない使い方になる事

こんな感じである。
3.は使い方の問題だから、とりあえずは保留みたいな項目だが、注意点ではある。
で、この要件を満たす事ができるUSB3.0拡張カードはどんなモノになるのかと調べて見たところ…これが思いの外ないのである。
ほとんどがPCIe x1で提供されているもので、x4以上で提供されているものがほぼない。唯一見つけたのが、玄人志向の「USB3.0RX4-P4-PCIE」という製品である。Renesas製チップを4つも載せてる時点で高いワケであるこの拡張カードは、Renesas製コントローラーをなんと1ポートにつき1個と、実に贅沢に使用している製品で、さらに内部に対して補助電源を使用できるようになっている。
まぁ、実際にはPCIe x4のスロットから12v 2.1Aの電源が来ているため、このカードもその電力を降圧して5Vの電圧をUSB3.0に供給できるようにはなっている。
ただ、複数のデバイスを接続していくウチに電力不足になる可能性もなきにしもあらずであるため、多数のデバイスを接続する人は補助電源を用意した方が良いかも知れない。
この拡張カードであれば、確実にMonsterX U3.0Rに対応できるハズであり、動作的には問題がないハズである。
という事で、今回はこの拡張カードも用意する事にした。

とりあえずモノが揃ったら…

今回はまだ機器もカードも手元にないため、こういった機器を用意した、という話で終わる事になる。
心配な点は、MonsterX U3.0Rの色ズレがどんな形で再現するか? というのを実際に目で見てみない事にはわからないという事。
そしてもう一つ、USB3.0RX4-P4-PCIEのUSB3.0ポートが、拡張カードスロットに対して垂直に4つ並んでいる、という事である。
この並び方の場合、最悪PCケースのスロット幅に干渉して、USB3.0のコネクタが挿せない…という可能性が出てくる。
こればっかりは実際に搭載してみない事には分からない事であり、現物が届いた段階で試すしかない。

そんな実際にやってみないとわからないという問題はあるものの、とりあえずモノが揃った段階でテストしてみる。
上手くいけばキャプチャ環境が完全にフルHDに対応する事になる。

ところで…何故PCでキャプチャする必要があるのか? という問題だが…もともとニコニコ動画で生放送をしようという話があったため。
2回ほどテスト放送したっきりだが、実は諦めたわけではない、という事と、同時に録画できれば面白いな、と思っているからである。
あと、私のPCの使い勝手の問題などいろいろな問題が絡んでの話であるため、私からするとキャプチャできるかできないかは、通常運用上の問題が絡んでいる、とお考えいただきたい。

ま、とりあえずモノが揃ったらまた報告する事とする。

この記事が気に入ったら
いいね!しよう

Share
アバター画像

武上

18歳の時、人生の最大の選択ミスをしてしまい、いきついた場所として山梨県人となる。 その後、建設業に身を投じ、資格をいくつか取得するものの、結局自分の性格と合わない事を理由に上京。 上京後、世間で話題になりつつあったアニメ・ゲームを主体とする業界の人間となり、デジタルコンテンツ業界を含む数々の著名人と同じ土俵でマルチメディアな仕事をするに至る。 一見華やかなメディアの世界の、その闇の深さたるやハンパない事こそ世間に何となく知られてはいるが、業界人しか知らないその氷山の全体像を十分すぎるほど目の当たりにした後、家庭の事情で再び甲州へと帰還。 しかし、この帰還も人生の選択ミスだったかもしれないなぁ…と今では思うものの、時既に遅し。 今は地元の製造業を営む会社の総務・品質保証という地味ではあるものの堅実な職につき、いつか再びやってくるだろう夢の実現を信じて隠者的生活を送っている…ハズだったのだが、またしても周囲の事情で運命は波乱の様相を見せ始めた。 私の人生は一体どの方向を向いているというのだろうか? ちなみに筆者はPCとの付き合いはかなり長いと思っている。 古くはPC-8801 mk2 SR、X1 Turbo、X68000、FM-Towns、PC-9801シリーズ(互換機含む)、PowerMAC 9500等をリアルタイムで使い、その後は、Windows PCの自作機を中心に現在に続いている。 デジタルガジェットに関しては興味もある事から、その時代の時々において、いろいろ使ったり調べたりして、専門家ほどではないが知識は蓄えてきたと思っている。 そうした経験を元に、今の時代へ情報発信させてもらっている。少々くどい言い回しが多いかも知れないが、お付き合いいただけるとありがたい。 連絡先:takegami@angel-halo.com (@を小文字にしてください)

You may also like...

2 Responses

  1. 関西の人 より:

    私が、聞いたときにでた製品。 現在、実機配信で使ってるUSBキャプチャですね。
    拡張カードは玄人志向ではないですが、私は未だにデスクトップが古く、3.0カードを、使わざるを得なかったわけですが。

    ただ、webカメラではなく、ちゃんとしたカメラで配信できるので、画質が上がって、視聴側からも好評で、2万という価格は価値があるなと、思いました。

    わたしは、ゲーム配信などはしないので、是非拝見したい。
    テスト配信、本配信するときは、教えてくださいね。

    • アバター画像 武上 より:

      記事にも書いた通り、色ズレの問題があるのですが、おそらく気にならない程度ではないかなと思います。

      USB3.0で必要帯域さえあれば問題なく使えると思います。初期ドライバで問題なく使えれば○○○○も解除できるというメリットもありますが(爆)

      某Pではありませんが、ゲーム配信は…現在企画中です(爆)

関西の人 へ返信する コメントをキャンセル

メールアドレスが公開されることはありません。 が付いている欄は必須項目です

CAPTCHA


コメントは承認待ちです。表示されるまでしばらく時間がかかるかもしれません。

Desktop Version | Switch To Mobile Version