撮影できるといいなと思う迎賓館

迎賓館赤坂離宮、通年公開始まる。

10日間の呪縛、解かれる

迎賓館赤坂離宮。
かつて東宮御所として建設されたこの建物は、現在は諸外国の国賓や公賓といった来賓に対して開かれる迎賓館赤坂離宮となっているワケだが、一般に公開されるのは夏の期間の10日間だけであった。

非常に豪華絢爛な造りの建物で、東宮御所として造られた当時、嘉仁親王(後の大正天皇)は外観が華美過ぎて御所としてほとんど使用せず、その後、裕仁親王(後の昭和天皇)が婚儀を迎えた後は数年間東宮御所として使用されたが、天皇として即位後は離宮として使用される事も稀になり、終戦時には高松宮宣仁親王が昭和天皇に皇居を出て赤坂離宮に移り住む事を提案したものの経費が嵩むとして拒否。その後は赤坂離宮は皇室から国に所有権が移管され、いくつかの役割を持った建物として変遷したものの、その後外国の賓客を迎えることが多くなった事を受け、1962年に迎賓館を新設する話から発展、1967年に赤坂離宮を迎賓館として改修する事となった。
その改修費用は総額108億円という、ホントに改修費かよと言いたくなるぐらいの費用がかかっているワケだが、それだけに豪華絢爛なのもうなずける話だ。
面白いのは、明治以降の文化財としては初の国宝に指定されたのだが、それが2009年だというから、日本は如何に明治時代以前の国宝しかないかという事が窺い知れる。迎賓館赤坂離宮こんな豪華絢爛な迎賓館が、今年4月19日より通年にわたって一般公開される事となった。
公式行事に支障のない範囲で、という事ではあるが、本館・主庭は1日あたり3000人の定員制での公開になる。
申込はWebサイトから先着順に受け付け、参観料として大人1,500円、中高生700円(予定)が必要になる。
但し、前庭は事前申込も参観料も不要で公開されるというから、以前から比べればホントに開かれた施設になったな、と言える。

撮影可能なのか?

こうした動きから、多数の人が訪れる観光スポットになるだろう事は予測できるのだが、私が気にするのはただ一点のみ。
迎賓館赤坂離宮は撮影可能なのか? という事である。
こういう公的施設において、公開はされても写真撮影が可能か? となるとまた話は別。ま、公的施設だけの話ではないのだが、公開はしても撮影できないという所は意外と多い。
寺社仏閣などはそういう傾向がものすごく多く、構造物を撮りたい私などは撮影が出来ないとなった時点でまず行きたいと思わなくなる。
それでも外観は遠景から撮影できるワケで、行くだけの意味がないわけではないのだが、できるならやはり中も撮影したいところ。
特に迎賓館赤坂離宮は、フランス製の大理石がふんだんに使われているところや、天井などはそれは豪華なレリーフが多数ある。全体の雰囲気も含めてファインダーに収めて撮りたいと思うのだが、実際はどうなのだろうか?

ただ、撮影可能だったとしても懸念すべき事もある。それは…行きすぎた撮影愛好家が行きすぎた行動を取って、一般公開そのものを中止させてしまう可能性があるという事である。
自撮りという行為が広まったあたりから、世界各地で行きすぎた自撮り行為によって被害を被る、あるいは自らが被害者になるといった事件が多発している。
自らが犠牲になるのはまだ自己責任と言えるが、周囲に被害をもたらす事は害悪でしかなく、それが心ない撮影者達が原因という事自体、それは撮影を禁止される原因であり、また最悪は公開されていたものが中止になる原因になってしまう。
最近、この心ない撮影者によって被害被るという事が非常に多く、真っ当に撮影を楽しんでいる人も同類とみられるケースが多いのが非常に残念でならない。
デジカメが広く普及した事で、あらゆる人が撮影者となり得る状況だからこその問題なのだが、もっと人としてのマナーを持てないものか? と思うのだが、現実はそう上手くいかないようで、先日も鉄道会社が鉄道写真愛好家に対して苦言を呈している。…いや、おそらく苦言の対象となる人は、本当の意味での鉄道写真愛好家ではないのかもしれないが。

迎賓館赤坂離宮は、おそらく撮影不可ではないかと思うのだが、何か情報を持っている人がいたらぜひ教えて欲しい。

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武上

18歳の時、人生の最大の選択ミスをしてしまい、いきついた場所として山梨県人となる。 その後、建設業に身を投じ、資格をいくつか取得するものの、結局自分の性格と合わない事を理由に上京。 上京後、世間で話題になりつつあったアニメ・ゲームを主体とする業界の人間となり、デジタルコンテンツ業界を含む数々の著名人と同じ土俵でマルチメディアな仕事をするに至る。 一見華やかなメディアの世界の、その闇の深さたるやハンパない事こそ世間に何となく知られてはいるが、業界人しか知らないその氷山の全体像を十分すぎるほど目の当たりにした後、家庭の事情で再び甲州へと帰還。 しかし、この帰還も人生の選択ミスだったかもしれないなぁ…と今では思うものの、時既に遅し。 今は地元の製造業を営む会社の総務・品質保証という地味ではあるものの堅実な職につき、いつか再びやってくるだろう夢の実現を信じて隠者的生活を送っている…ハズだったのだが、またしても周囲の事情で運命は波乱の様相を見せ始めた。 私の人生は一体どの方向を向いているというのだろうか? ちなみに筆者はPCとの付き合いはかなり長いと思っている。 古くはPC-8801 mk2 SR、X1 Turbo、X68000、FM-Towns、PC-9801シリーズ(互換機含む)、PowerMAC 9500等をリアルタイムで使い、その後は、Windows PCの自作機を中心に現在に続いている。 デジタルガジェットに関しては興味もある事から、その時代の時々において、いろいろ使ったり調べたりして、専門家ほどではないが知識は蓄えてきたと思っている。 そうした経験を元に、今の時代へ情報発信させてもらっている。少々くどい言い回しが多いかも知れないが、お付き合いいただけるとありがたい。 連絡先:takegami@angel-halo.com (@を小文字にしてください)

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2 Responses

  1. ruser より:

    迎賓館、TVでちらっと中を見ましたが、あれは是非撮影してみたいですね。

    でも、武上さんが懸念しているような行き過ぎた撮影行為…いや、普通に迷惑行為と言うべきでしょうか、それがエスカレートした結果撮影禁止になるという最悪のシナリオが恐ろしいです。(>_<)
    最近は特に鉄道関連でそう言った話を良く聞きますが 、立ち入り禁止の柵を越えて花を撮っている人なんかも見かけます。
    それが自分の首を絞める行為だって事に気付いて欲しいですね、ホント。

    • アバター画像 武上 より:

      鉄道関係の例の問題ですが、ホントに一部の鉄道マニアによる行為で、本当にオリジナリティある鉄道写真を撮りたいと思っている人にとっても迷惑行為と言われています。

      そもそも、どうして鉄道写真で行きすぎた行為が行われているかというと、お立ち台と呼ばれる、プロの写真家が撮影したポイントの争奪戦に破れた挙げ句、出来る限りそれと同じようなポイントを得ようとして、禁止区域に入り込んで撮影に及ぶ…というのが理由の一つなんだとか。

      そもそも、プロと同じポイントで写真を撮っても、鉄道写真コンテストなどでは弾かれるんですけどね(爆)
      オリジナリティという言葉を完全に忘れた結果でしかないのに、そこで勝負しようとするのは、既にその人は鉄道マニアでもなければ写真撮影マニアでもない、と思うのです…私としては。

      なので、迎賓館赤坂離宮が撮影可能だったなら、こういった間違った認識で撮影する人が出ない事をホントに祈ります。

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