144Hzのウルトラワイド

21:9比率の液晶モニタは慣れると戻れない…

CINEMA SCREEN

LGエレクトロニクスから、34型の21:9比率の曲面型ディスプレイ「34UC79G-B」が発売される。34型だが2,560×1,080ドットパネルはIPSだが、144Hz駆動という世界初のパネルを採用している(TNパネルでは前例がある)。価格はオープンプライスだが、店頭予想価格は83,000円前後になるという。
没入感が高まると言われている湾曲型AH-IPSパネルで、狭額1.5mm幅ベゼルという「CINEMA SCREEN」デザインを採用しており、解像度は2,560×1,080ドットとなっている。
これが3,440×1,440ドットだったら、私も是非欲しいところではあるが、残念ながら今のところそこまでの解像度ではない。
前述の通り、144Hz表示が可能で残像を低減した表示が可能ではあるが、さらに表示フレームの1Hz毎に黒画面を挿入して残像感を減らす「1ms Motion Blur Reduction」を装備している。これによって高速かつクリアな映像表示で高い視認性を追求したとしているが、技術的は新しい機能というわけではない。昔、三菱のVISEOシリーズでも同様の黒挿入技術を採用したモニタが発売されている。
また「AMD FreeSync」対応のビデオカードと組み合わせればフリッカー問題にも対応でき、他にもタイムラグを抑える「DAS(Dynamic Action Sync)モード」や目の負担を軽減する「フリッカーセーフ」、「ブルーライト低減モード」も搭載している。
2,560×1,080ドットである事が許容できるなら、中々にして良いディスプレイではないかと思う。

4K時代を考えると…

個人的にゲーミングディスプレイと呼ばれるディスプレイの必要性をあまり感じていない私とすると、このディスプレイの良さはなかなか解らないかもしれない。
とにかく表示遅延がないモニタが欲しい人であれば魅力的なモニタかもしれないが、私としては60Hzが確実に表示できるならそれで問題がない。
どちらかというと、HDR表示であったり、高解像度である事の方が私としては求めたい機能であり、それにプラスして144Hz表示ができればさらに吉、というのが私の欲しいポジションだったりする。
こういう求めたい機能の優先順位というのは、人によって異なるものだが、4K時代を考えると私と同じようなスタンスの人の方が大多数なのではないかと思う。
ただ…4Kの高解像度を十二分に活用するには、リアルサイズで40型くらいの大きさでないと広いデスクトップを実現できないため、高解像度モニタはより精密な表示ができるモニタ、という位置付けで広まっていくのではないかと思う。
私はそれを嫌って、DELLのU3415Wという3,440×1,440ドットのモニタを導入したわけであって、広いデスクトップを現実的に運用していく上では、34型の3,440×1,440ドットモニタは現時点の理想的なサイズではないかと私は思っている。

さらに上が…

34UC79G-Bを発売するLGだが、11月にはさらに上の機種である「38UC99-W」を発売する。名前で分かる通り、38型の液晶なのだが、こちらも湾曲ディスプレイのウルトラワイド仕様なのだが、その解像度は3,840×1,600ドットと、従来の34~35型のウルトラワイド液晶よりさらに高い解像度を持つ液晶モニタになる。私からするとコチラが本命か?残念ながら、こちらはリフレッシュレートが60Hzになるようだが、34UC79G-Bと同じく「1ms Motion Blur Reduction」機能を搭載し、黒画面をフレーム間に挿入して残像感を低減させる事ができる。
私からすると前述の34UC79G-Bよりもコチラの方が本命といった所になるが、正直これで38型なら、40型の4Kモニタを導入した方が良いように思う。
何しろ横の解像度は4Kと全く同じであり、縦の解像度が560ドット少なくなっているだけなのである。
おそらくリアルサイズの横幅は4Kモニタと変わらないサイズだろうから(対角線で38型と40型の違いなら縦解像度が高い分の差しかないと考えられる)、余程横長に拘る人でない限りは4Kモニタを選択する方が利口に思える。

GeForce GTX 1080や1070、そして1060ぐらいのビデオカードを使用できるのなら、今や4Kという選択肢はそう間違った選択肢ではない時代に突入したと言える。
HDR対応も含めて、モニタを見直す時期に来ている人は、一度こうしたウルトラワイド液晶を視野に入れてみてはどうだろうか?
その上で4Kが良いという結論に至るならその選択もあるだろうし、あとは自分の環境に合わせて行けばいいだろう。
私的には3,440×1,440ドットのウルトラワイド液晶は、一つの正解だったと今も思っている。

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武上

18歳の時、人生の最大の選択ミスをしてしまい、いきついた場所として山梨県人となる。 その後、建設業に身を投じ、資格をいくつか取得するものの、結局自分の性格と合わない事を理由に上京。 上京後、世間で話題になりつつあったアニメ・ゲームを主体とする業界の人間となり、デジタルコンテンツ業界を含む数々の著名人と同じ土俵でマルチメディアな仕事をするに至る。 一見華やかなメディアの世界の、その闇の深さたるやハンパない事こそ世間に何となく知られてはいるが、業界人しか知らないその氷山の全体像を十分すぎるほど目の当たりにした後、家庭の事情で再び甲州へと帰還。 しかし、この帰還も人生の選択ミスだったかもしれないなぁ…と今では思うものの、時既に遅し。 今は地元の製造業を営む会社の総務・品質保証という地味ではあるものの堅実な職につき、いつか再びやってくるだろう夢の実現を信じて隠者的生活を送っている…ハズだったのだが、またしても周囲の事情で運命は波乱の様相を見せ始めた。 私の人生は一体どの方向を向いているというのだろうか? ちなみに筆者はPCとの付き合いはかなり長いと思っている。 古くはPC-8801 mk2 SR、X1 Turbo、X68000、FM-Towns、PC-9801シリーズ(互換機含む)、PowerMAC 9500等をリアルタイムで使い、その後は、Windows PCの自作機を中心に現在に続いている。 デジタルガジェットに関しては興味もある事から、その時代の時々において、いろいろ使ったり調べたりして、専門家ほどではないが知識は蓄えてきたと思っている。 そうした経験を元に、今の時代へ情報発信させてもらっている。少々くどい言い回しが多いかも知れないが、お付き合いいただけるとありがたい。 連絡先:takegami@angel-halo.com (@を小文字にしてください)

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