ポタフェス2018

国内最大級のイヤフォン&ヘッドフォン体感イベント。

高級オーディオ目白押し

秋葉原で7月14日、15日にポータブルオーディオフェスティバル2018(以降ポタフェス2018と略)が開催される。
場所はベルサール秋葉原で、入場は無料のイベントだが、実に多くのブランドが出展し、各々の最新機器等を展示している。
展示される機器があまりにも高級で、とても手が届く価格帯の機器ではないというものがほとんどなのだが、現時点でのあらゆる企業の最先端を行く機器を展示しているという事もあって、訪れる人も多い。
今回のポタフェス2018では、個人的にはゼンハイザーのHD820という密閉型ヘッドフォンのハイエンドモデルが最終製品仕様となって展示されるという事で気になっているのだが、当然だがコイツも市場価格は30万円程度と、とても手の出る価格帯のものではない。
もちろん、価格として手の出る価格帯の製品の展示もあるので、今後目ぼしいものを見つけるというのもこのポタフェスの楽しみ方ではあるのだが、個人的にはハイエンドな分野でどういった製品が市場に出てきて、今後それがどのようにして展開していくのか? という動向を見るところにこそ、このポタフェスの意味はあるのではないかと思っている。
その中で、私が特に注目しているのが、KORGのNutubeという、次世代真空管を採用した製品で、最近は入手が困難になってきた真空管の今後を占う意味でも、このNutubeを採用した製品がどんなものであるのかが気になるところである。

N8

次世代真空管Nutubeを採用した製品がそろそろ登場するという話は前から出ていた。
そもそもNutubeが発表されてから結構な時間が経過している事もあり、試作機の話は結構あったものの、そろそろ市場に登場するであろう製品が見えてくる時期でもあった。
今回のポタフェスでは、コペックジャパンのCayinのポータブルオーディオプレーヤー「N8」にNutubeが採用され、参考展示されている。
発売は今年の秋頃を予定しているとの事だが、やはりその価格は高く、30万円台をイメージしているという製品らしい。
Nutubeという、まだ採用例がほとんどないような次世代真空管を使用している事もあって、その性能が気になるところだが、このNutubeは従来の真空管と同じようにアノード・グリッド・フィラメントの構造を持っているので、完全な3極真空管として動作するため、真空管特有の倍音を持ちつつも、次世代らしく省電力化や小型化が特徴となっている。
製品としてのN8は、出力として3.5mmのステレオミニ、4.4mm 5極バランス出力、さらに3.5mmのラインアウトを各1系統搭載し、シングルエンド出力時はNutubeを使用、バランス出力時にはトランジスタを使用するという違いがある。切替はプレーヤーのメニュー画面で設定するが、Nutubeに切り替えると、真空管を予熱するため「3秒待ってください」という表示が出てくる仕様になっている。3秒の予熱でスタンバイできるあたりは、次世代真空管を思わせるものがあるが、これがデジタル世代の機器との大きな違いでもある。
このN8にはDACとして旭化成エレクトロニクスの「AK4497EQ」をデュアルで搭載しているのも特徴で、ストレージとしても128GBのメモリとmicroSDカードスロットも備えている。
USBオーディオのin/outとI2SのmicroHDMI端子も装備しているのが特徴。要するに、N8経由でUSBオーディオとしても使用する事が出来るという事である。
小さな筐体ではあるが、PCのサウンドを次世代真空管で聞く事もできるデバイスという事である。

やはり価格が問題か

このN8、正直とても興味のある製品なのだが、やはり気になるのはその価格である。
30万円台をイメージとあるが、要するにこの言い回しだと30万円台後半、おおよそ38万円を超える価格になるだろうと思われるが、これでは一般人は手が出ないというのがほとんどのケースではないかと思う。
結局はNutubeは高級オーディオでしか使われないもの、という位置付けにならざるを得ないのか、そのアタリがとても気になる所で、できればもっと身近な製品にも使われるような物になって欲しいというのが、私の希望だったりする。
もちろん最初からそういう製品にはならないだろうから、今後いろんな所で使われていき、最終的に価格が落ちてくるというのが理想的な話になるわけだが、その見込みがあるのか、気になる所である。
どっちにしても、今手を出せるものではないので、現状の技術と性能を見て、まだ見ぬ未来を夢見たいところである。

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武上

18歳の時、人生の最大の選択ミスをしてしまい、いきついた場所として山梨県人となる。 その後、建設業に身を投じ、資格をいくつか取得するものの、結局自分の性格と合わない事を理由に上京。 上京後、世間で話題になりつつあったアニメ・ゲームを主体とする業界の人間となり、デジタルコンテンツ業界を含む数々の著名人と同じ土俵でマルチメディアな仕事をするに至る。 一見華やかなメディアの世界の、その闇の深さたるやハンパない事こそ世間に何となく知られてはいるが、業界人しか知らないその氷山の全体像を十分すぎるほど目の当たりにした後、家庭の事情で再び甲州へと帰還。 しかし、この帰還も人生の選択ミスだったかもしれないなぁ…と今では思うものの、時既に遅し。 今は地元の製造業を営む会社の総務・品質保証という地味ではあるものの堅実な職につき、いつか再びやってくるだろう夢の実現を信じて隠者的生活を送っている…ハズだったのだが、またしても周囲の事情で運命は波乱の様相を見せ始めた。 私の人生は一体どの方向を向いているというのだろうか? ちなみに筆者はPCとの付き合いはかなり長いと思っている。 古くはPC-8801 mk2 SR、X1 Turbo、X68000、FM-Towns、PC-9801シリーズ(互換機含む)、PowerMAC 9500等をリアルタイムで使い、その後は、Windows PCの自作機を中心に現在に続いている。 デジタルガジェットに関しては興味もある事から、その時代の時々において、いろいろ使ったり調べたりして、専門家ほどではないが知識は蓄えてきたと思っている。 そうした経験を元に、今の時代へ情報発信させてもらっている。少々くどい言い回しが多いかも知れないが、お付き合いいただけるとありがたい。 連絡先:takegami@angel-halo.com (@を小文字にしてください)

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