IPoE接続、あれから

安定して高速化した通信環境だが…。

専門知識はあった方がいい

我が家も1月中旬には光回線をIPoE接続へと切り替えたわけだが、その後高速通信環境はどうなったかというと、安定して高速通信が可能な状態にはなったと言える。
だが、混雑時に下り200Mbps程度というラインは、決して速いとは言い切れない速度であり、これではIPoE接続した意味があまりない。
ではどうしてこんなに遅いのか?
おそらく、速度を計測しているサイトそのものがIPv4でのみアクセスできるサイトだから、というのもある。ちなみにGoogle検索で「スピードテスト」と検索して、Google検索内でも速度測定ができるのだが、そちらだと確実に300Mbpsを超え400Mbps近い値が出る。これはGoogle検索の速度測定サイトがIPv6によるアクセスが可能だからである。
IPoE接続は、そもそもIPv6通信を行う接続方式なので、IPv4サイトへアクセスするにはIPv6からIPv4へ変換が必要になる。
この変換を実現するサービスがIPv4 over IPv6と総称して言うのだが、厳密には、v6プラス、transix、IPv6オプションと言った各社名前がバラバラなサービスだったりする。これらは一見同じ変換サービスと思われるかも知れないが、実は方式としては2つに分類される。
v6プラス、IPv6オプションといったサービスは、その方式がMAP-Eという方式で最近増えているOCNバーチャルコネクトもMAP-E方式を採用している。その他、transixというサービスはDS-Liteという方式になる。
この2つの方式はともにIPv4をIPv6に変換するものだが、技術的には異なるものになり、その違いのもっとも重要な部分は“どこでIP変換をするのか?”という事である。
DS-Liteは事業者側のネットワークでIP変換が行われるため、ユーザーの手の届かないところで変換が行われている。よってポートの開放はユーザーではできない。
対してMAP-Eは家庭に設置した通信機器、いわゆるルーターでIP変換を行う。ユーザーのコントロール下にあるルーターでIP変換を行うので、一定の制限はあるものの、ユーザーの手によるポート開放が可能というメリットがある。

ルーター

こうした2つのIP変換の方式があるわけだが、ルーターメーカーはそれらの各方式に対応した変換機能をルーターのファームウェアに組み込んでいく。
この時、より高速変換が可能なようにファームウェアをアップさせていくのだが、これがメーカーによって温度差があったりするわけである。
モンスター級!私が導入したルーターはBuffaloの「WXR-5950AX12」なので、コイツのファームウェアで高速化してくれれば、今よりも高速化する。
だが、もともと「WXR-5950AX12」はIPoE接続が始まった時期から考えて後発製品になるので、最初のファームウェアの時点である程度の速度が出るようになっている。
今よりも高速化が可能になるには、内蔵されたCPUをより効率良く動作させるファームウェアにする必要があり、現時点ではそれを待つしか高速化の手段がない。
うーん…手詰まり感を感じるな(-_-;)

無線LANの設定

光回線の高速化は、現時点では手詰まりになってしまっているので、これは致し方ない話と諦めるしかないが、あと改善させる事ができる部分すればWi-Fiの高速化になるだろう。
私が購入した「WXR-5950AX12」は、MU-MIMOという複数同時通信機能に対応しているが、これは同時に無線を受ける側にもMU-MIMO対応を要求する。
残念だが、私が持つ端末でMU-MIMOに対応したものはおそらく存在しない。
いや、あるとしたらNintendo Switchがひょっとしたら対応しているかもしれない。
だが、こういう無線LANの技術的な部分の情報は、何故か探してもなかなか見つからないというのが常で、それが80MHz通信をしているのか、160MHz通信をしているのかなどもわからないので、ルーターの設定一つとっても困る事が多々ある。
例えば「WXR-5950AX12」では、160MHzの帯域幅で通信している機器はMU-MIMOによる通信が利用できない。だから、もしNintendo SwitchがMU-MIMO対応だったとしても、160MHz帯域で通信している場合は「WXR-5950AX12」ではMU-MIMOの機能をOFFにするか、そもそも160MHz帯域での通信そのものをカットするしかない。
無線LANの技術的な問題も、高度になればなるほど難しくなる部分もあり、額面通りの性能を出せるかは、設定次第という事になる。
いやはや、一言でWi-Fiと言っても、最適に利用するには知識が必要だという事である。

有線LANの速度

次に気になるのは、有線LANの速度である。
メインPCは、既に最速で動作する構成にしている。「WXR-5950AX12」の10Gbps LANからカテゴリー8のケーブルを使って直接メインPCの10Gbps LANに接続しているので、これ以上の設定は存在しない。
では他のPS4等はどうか?
「WXR-5950AX12」の4つある有線LANは、すべて1Gbps LANになっているが、それに1Gbps通信対応のハブを接続し、そのハブ経由でPS4やその他の機器に有線LAN接続している。
計算上では苦もなく1Gbps通信が可能なのだが、実際速度を計測してみると、意外と速度が出ていない、という事があったりする。
この場合、各機器の処理等の問題があったりするので、理論値がいくら1Gbpsだったとしてもその速度が出ない事は間違いないのだが、考えられる事としてLANケーブルが多少なり劣化している可能性はある。
一応全てのケーブルをカテゴリー6以降にしているので、劣化していても1Gbps通信は問題がないと思うが、もしどうしても速度的に満足いかなければ、LANケーブルの交換というのも視野にいれる必要があるかも知れない。
こういうLANケーブルなどは、意外と交換したりせずに使用していたりするので、ボトルネックがLANケーブルだった、という事は起こり得る話だ。
有線LANでは物理的にケーブルを挿すだけなので具体的な知識は不要だが、こうしたケーブルカテゴリーの知識はあって損はない。

できる事をやっておきたい

というわけで、安定通信している事実はあれど、思った程の高速化に繋がっていないというのが、今の我が家の状況である。
PPPoE時かつ100Mbps契約の時ですら、平均的に60~80Mbps出ていて、その後PPPoE時かつ1Gbps契約にした時でも400Mbpsという速度がピーク時に出ていて、混雑時に100Mbpsを下回った事から、ついにIPoE接続にして理論値1Gbpsに近づけるべく速度向上を狙ったが、混雑時で180Mbpsくらいで落ち着いた。
下りの混雑時で180Mbpsも出ていれば遅くない、という人もいるかもしれないが、設備や機器でその速度が改善するなら、できる事はやっておきたいところである。
ただ、現状できる事を探してみたら、そんなにできる事そのものがなかった、というのが今回改めて調べて分かった事。
これはもう、地域の局内設備が増強されるのを待つしかないのか?
ただ、一つだけ救われているのは、ウチで通信機器を積極的に使っているのは私だけ、という事である。
複数同時に激しい勢いで通信する事はあまりないので、案外MU-MIMOのような複数機器同時接続機能は不要なのかもしれない。

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武上

18歳の時、人生の最大の選択ミスをしてしまい、いきついた場所として山梨県人となる。 その後、建設業に身を投じ、資格をいくつか取得するものの、結局自分の性格と合わない事を理由に上京。 上京後、世間で話題になりつつあったアニメ・ゲームを主体とする業界の人間となり、デジタルコンテンツ業界を含む数々の著名人と同じ土俵でマルチメディアな仕事をするに至る。 一見華やかなメディアの世界の、その闇の深さたるやハンパない事こそ世間に何となく知られてはいるが、業界人しか知らないその氷山の全体像を十分すぎるほど目の当たりにした後、家庭の事情で再び甲州へと帰還。 しかし、この帰還も人生の選択ミスだったかもしれないなぁ…と今では思うものの、時既に遅し。 今は地元の製造業を営む会社の総務・品質保証という地味ではあるものの堅実な職につき、いつか再びやってくるだろう夢の実現を信じて隠者的生活を送っている…ハズだったのだが、またしても周囲の事情で運命は波乱の様相を見せ始めた。 私の人生は一体どの方向を向いているというのだろうか? ちなみに筆者はPCとの付き合いはかなり長いと思っている。 古くはPC-8801 mk2 SR、X1 Turbo、X68000、FM-Towns、PC-9801シリーズ(互換機含む)、PowerMAC 9500等をリアルタイムで使い、その後は、Windows PCの自作機を中心に現在に続いている。 デジタルガジェットに関しては興味もある事から、その時代の時々において、いろいろ使ったり調べたりして、専門家ほどではないが知識は蓄えてきたと思っている。 そうした経験を元に、今の時代へ情報発信させてもらっている。少々くどい言い回しが多いかも知れないが、お付き合いいただけるとありがたい。 連絡先:takegami@angel-halo.com (@を小文字にしてください)

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