PS5の価格が見えた

やはりMicrosoftと戦う為に逆ざやビジネスに突貫したと言わざるを得ない戦略価格だと思う。

我がメインPC超え

PlayStation5の詳細情報が発信された。
発売日は11月12日で、税別価格はUltra HD Blu-ray搭載の通常モデルが49,980円、光学ドライブ非搭載のPSデジタル・エディションは39,980円となる。
価格と発売日が明確になった流石にXbox Series Sの32,980円(税別)の価格と張り合う事はできなかったようだが、PS5のディスクレス仕様は、ディスクがない以外の部分ではフルスペックのPS5と同等性能なので、価格的にはお得感はあるかもしれない。
スペックは以前から言われていたように、AMD製Zen2アーキテクチャのAPU(8コア/16スレッド、最大3.5GHz駆動)を搭載し、GPUはRadeon RDNA2(最大2.23GHz、10.TFLOPS)をAPU内に内包している。搭載メモリはGDDR6を16GB(448GB/s)で、ストレージは825GBのSSD(最大リード5.5GB/s)を搭載する。
インターフェースは光学ドライブ(通常モデルのみ)、HDMI 2.1、USB 3.1×3(1基はType-C)、USB 2.0、Wi-Fi 6(IEEE 802.11ax)、Bluetooth 5.1、Gigabit Ethernetなどが搭載される。
総合スペックで言えば確実にXbox Series Xが上回るが、正直、私は決定的な性能差ではないと思っている。
それよりも、私のメインPCのゲーム性能を超えてきたかな? という事の方がショックである(爆)。

逆ざやビジネス

Xbox Series X/Sもそうだったが、おそらくこの5万円以下(税別)という価格は原価割れを起こしていると考えられる。
普通のPCと異なり、大量生産する事であらゆるコストを小さくしてはいるとは思うが、これだけの性能のものを5万円以下で提供しても、利益など出るとは到底思えない。
以前、SonyはPS3の時に同じような戦略で、本体価格は後々の半導体シュリンクで吸収するとして、まずはプラットフォームの成長を促す目的で原価割れの価格でPS3を販売した。
売れば売るほど赤字になるが、それに伴ってソフトが売れれば全体として利益が出る…という戦略だったが、PS3はCell Broadband Engine&Emotion Engineという、今までと異なるアーキテクチャだったため、ソフト開発が難航、結局売るべきソフトがなかなか揃わない等の問題から、赤字路線が随分長く続いてしまったという事があった。
PS4はその教訓からPS3ほどの価格抑え込みは実施しなかったようで当初から良好な利益が出たばかりか、米国市場や欧州市場でも広く普及したため、当初から利益を出せる製品となった。但し、噂に伝え聞くところでは当初は僅かながら逆ざや価格だった、という話もある。それでもx86コードによるソフト開発が可能だった事などもあり、ソフト供給がうまくいった事から、全体的に利益が出る形となったため、PS4は成功したケースと言えた。
おそらく、Sonyは今回のPS5に関してもPS4と同じような戦略で進めようとしていたに違いない。しかし、ここで手を打ってきたのがMicrosoftで、今回の価格問題になった、というワケである。
Microsoftの価格戦略に乗らざるを得ない事で、PS5は最大でも49,980円(税別)という値付けになったワケだが、こうなるとユーザー側はこの恩恵を受けてより多くのタイトルを購入するコトで、貢献するしかない。逆ざやビジネスは、メーカーを疲弊させる戦略でもあるので、業界が崩れてしまう事を私は懸念する。

DualSenseは6,980円

PS5の価格が発表されただけでなく、いくつかの周辺機器の価格も発表された。以下は全て税別である。
コントローラーであるDualSenseは税別で6,980円と、コレまた安くない製品になった。
Pulse 3Dワイヤレスヘッドセットは9,980円、HDカメラは5,980円、メディアリモコンは2,980円、DualSense充電スタンドは2,980円と、公式の周辺機器はこのような感じである。
思いの他、高い価格になったなと思ったのが、Pulse 3Dワイヤレスヘッドセットである。今回のPS5は、3Dオーディオが特徴の一つと言われているので、それを完全再現する為にジャイロなどを搭載していると考えられるので、それで高価になった、と言うことかもしれない。
新しいプラットフォームになるので、以前のものはほぼ使えないと考えるのが妥当だが、一応一部の製品に関してはPS5でも利用可能という話はある。
但し、そういった以前の製品はPS5専用のソフトにおいての利用はできないとの事なので、結局は新たに周辺機器も揃える事になるだろうと考えられる。
但し、PSVRに関してはそのまま利用可能、という話を以前見た記憶があるので、今後の詳細情報に期待したい。

気になるPS4互換

そしてもう一つ気になる事がある。
それがPS5向けの新たな特典とされる「PlayStation Plus Collection」である。
これはピックアップされたPS4タイトルをPS5でダウンロード、プレイできる新サービスの事で、まだ具体的な利用価格や利用方法は今回明らかにされていないサービスだが、今まで散々言われてきたPS4互換機能とは独立して異なるサービスの事を指すのだろうか?
というのは、今までさんざんPS4との互換性については、多くのソフトが対応する、という話をしていたワケで、それら確認が取れたタイトルに関しても「PlayStation Plus Collection」で管理運用する、となると、今まで購入してきたPS4タイトル資産が活かせない事になる。
私などは、今後は同一プラットフォームでプレイできるもの、と考え、PS4タイトルもダウンロード版しか購入してこなかったワケで、それらがPS5で利用できないとなると、相当な痛手としか言いようがない。
また、光学メディアでソフトを購入していた人であれば、物理的にPS5のドライブで読み込む事でソフト起動が成立するかもしれないが、ダウンロード版ではこれができない。
もし「PlayStation Plus Collection」でタイトルを管理するなどという話になると、ダウンロード版購入者はただひたすら涙目状態である。
今までの情報から考えると、ダウンロード版を既に持っている人はそれらを直接PS5でダウンロードしてプレイする事はできるとは思うが「PlayStation Plus Collection」という新たな特典という名のサービスがどのようなものなのかが明確になるまでは安心できないような気がしてならない。
ま、心配する程の事にはならないとは思うが…。

とりあえず両雄の価格、発売日が明確になった。
あとは宣言しているローンチタイトルが予定通りになるのか、またその後の追っかけタイトルの発売が間に合うのか、ユーザー体験がどれだけユーザーに響くかで、今後が決まるだろう。
この先には、Nintendo Switchの上位版の話もあったりするので、最終的な覇権はどのプラットフォームが獲るのかはわからないが、少なくともPS5とXbox Seriesは逆ざやビジネスである以上、そこそこ売れてくれないと最終的な事業が縮小という事に繋がりかねない。業界が縮小してしまうと、消費者が欲しいものを手にできなくなるので、理想を言えば市場は綺麗に三つ巴の戦いになってくれればいいなと思っている。

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武上

18歳の時、人生の最大の選択ミスをしてしまい、いきついた場所として山梨県人となる。 その後、建設業に身を投じ、資格をいくつか取得するものの、結局自分の性格と合わない事を理由に上京。 上京後、世間で話題になりつつあったアニメ・ゲームを主体とする業界の人間となり、デジタルコンテンツ業界を含む数々の著名人と同じ土俵でマルチメディアな仕事をするに至る。 一見華やかなメディアの世界の、その闇の深さたるやハンパない事こそ世間に何となく知られてはいるが、業界人しか知らないその氷山の全体像を十分すぎるほど目の当たりにした後、家庭の事情で再び甲州へと帰還。 しかし、この帰還も人生の選択ミスだったかもしれないなぁ…と今では思うものの、時既に遅し。 今は地元の製造業を営む会社の総務・品質保証という地味ではあるものの堅実な職につき、いつか再びやってくるだろう夢の実現を信じて隠者的生活を送っている…ハズだったのだが、またしても周囲の事情で運命は波乱の様相を見せ始めた。 私の人生は一体どの方向を向いているというのだろうか? ちなみに筆者はPCとの付き合いはかなり長いと思っている。 古くはPC-8801 mk2 SR、X1 Turbo、X68000、FM-Towns、PC-9801シリーズ(互換機含む)、PowerMAC 9500等をリアルタイムで使い、その後は、Windows PCの自作機を中心に現在に続いている。 デジタルガジェットに関しては興味もある事から、その時代の時々において、いろいろ使ったり調べたりして、専門家ほどではないが知識は蓄えてきたと思っている。 そうした経験を元に、今の時代へ情報発信させてもらっている。少々くどい言い回しが多いかも知れないが、お付き合いいただけるとありがたい。 連絡先:takegami@angel-halo.com (@を小文字にしてください)

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2 Responses

  1. 士之 より:

    とりあえず、私は、発売日に手に入れるのは、一旦やめておこうかと思っています。

    PS4ですら、現在持て余し気味で、ローンチ予定タイトルも引かれるものもなく…。

    ただ、年末位に、品薄でなければ買おうかと思ってます。
    予想価格より、2万くらい安かったですし。

    ただなぁ、ソフトがなぁ…。
    今のところ無いんですよ、惹かれるものが…。

    • アバター画像 武上 より:

      私は予約だけはしました。予約時に倍率5倍とか出てきたので、当たる気は全くしませんが…。
      PS5のソフト?
      私もローンチタイトルに引っかかるタイトルなんて皆無ですよ(爆)
      ただ、PS4のソフトを全てダウンロード版で購入しているので、それらの資産をPS5で利用できるのか、というのを試したりしたいだけです。
      利用できなきゃ悲しいけど(-_-;)

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