歩かずに足を鍛える

歩けばいいだけの事だが、それが無理な人もいる。

歩くという事

私自身の話ではない。ウチの母親の事である。
最近、足腰が弱くなってきているという事はわかっていたのだが、先日、自宅の中で転倒するという事故が起きた。
その事故で、特にケガをしたとかそういう事はないのだが、転倒した理由は明らかに足腰が弱ってきたことによるもので、年齢によるという事はわかるのだが、どうもそれだけに留まらない原因があるのではないかと考えた。
人間、年を取ると足腰が弱ってくるので、次第に歩く距離が短くなる。いや、短くなるだけならまだマシで、家の中でもできるだけ歩かないようにする傾向が見て取れる。
また、同様にモノをあまり考えなくなる…というか、考える事を諦める事が多くなる。
私はウチの母親に、父親の時の教訓から、できるだけ頭でモノを考える癖を付けるように言っている。ウチの父親は最終的には認知症に近い症状があったのだが、それは脳の衰えからくる事が原因と言われている。
できるだけ頭で考える事を止めないようにすることで、認知症は予防できる。そういった事が医学的に正しいのかはわからないが、私はそういった理由から母親には考えるクセを付けるようにするため、できるだけクイズ番組を見る事を勧めている。幸い、母親自身もクイズ番組が嫌いではないようなので、それでモノを考えるという事は補えているのだが、足腰は自分の意思で外に出るようにならないと、なかなか鍛える事が難しくなる。
結局、母親は自宅からあまり出ないという傾向になり、足腰が弱ってきている傾向が見て取れた。母親曰く、脳梗塞を患った時から、足の感覚にしびれに似たものがあり、そもそも歩くにあたって、感覚が鈍く、足裏が滑っていくように感じられ、歩く事そのものに恐怖を覚えるとの事。
脳梗塞による感覚神経の異常は、脳梗塞後のリハビリによって回復させていくのだが、母親はその感覚の鈍さが戻るまでリハビリしなかったようで、今ではこの状態が通常の状態に固定してしまったようなのである。
こうなると、家の中でも歩くという事が特に問題になり、より足腰を弱らせる原因になっているようである。
だが、だからといってこのままにしてしまうと、より歩けなくなる事は間違いない。これを防止する為には、足裏神経を元にもどすのが重要なのだが、それはとても難しい事なので、他の手段としてとにかく足腰の筋肉を鍛えるしかない。しかし、そもそも歩く事に恐怖がある以上、歩けと言っても本人に積極性が出ないし、恐怖が先に来てしまえば歩く事そのものを止めてしまうので、対策するのが非常に困難なのである。

歩かずに鍛える

状況と対策が上手く比例しない中で、どうやって母親の足腰を鍛えるか?
いろいろ考えたのだが、そもそも相反する事を実現しようというのだから、通常の方法では無理だという事は、ちょっと考えただけでも分かる話である。
で、いろいろ考えた。やはりこれを使うしかないかな、と。
これはSIXPADという腹筋などを電気刺激で鍛える機器を発売しているMTGというメーカーが販売している足を鍛える機器「Foot Fit Lite」という製品である。
健康に良いという事もよくわかっている元々「Foot Fit」という製品が存在しているのだが、それをより簡単なシステムにして、動作電力を省電力化したモデルである。「Foot Fit」の方は最近「Foot Fit2」が発売され、より強力な筋力トレーニングができるようになったようだ。
この「Foot Fit」シリーズが腹筋を鍛えるSIXPADと異なるのは、人体に触れる部分に専用のジェルシートを必要としないというところ。つまり、この装置にそのまま足裏を乗せるだけで利用できるという事である。
「Foot Fit」と「Foot Fit Lite」の違いは、強弱レベルが20段階から10段階に減った事、リモコンがついた事、一時停止機能がついた事、残時間が表示されるようになった事、重量が10%ほど軽くなった事、使用電池が単3形電池4本から3本になった事である。
デメリットは、スマホアプリに対応しない事、リモコン用のコイン電池が必要な事で、要するにスマホと連動させる事を前提としていないぐらいの違いである。
しかも強弱レベルが20から10段階になったといっても、それは制御レベルの段階が減ったというだけで、「Foot Fit」の20段階目と「Foot Fit Lite」の10段階目は同じ強さなので、性能的には何ら変わらない。
これを使う事で、足裏筋肉、前すね筋肉、ふくらはぎ筋肉を鍛える事ができ、歩く上で使用する頻度の高い筋肉を強制的に鍛える事ができる。
ある意味、座ったまま鍛えられるので、足腰の弱った老人には最適な機器と言えるだろう。

SIXPAD Foot Fit Lite
https://www.mtgec.jp/wellness/sixpad/products/footfitlite/

価格は高い?

結構よさげなトレーニング機器なので、これを母親に…と思ったのだが、これが意外と高い。
「Foot Fit Lite」で税込38,800円もする。
「Foot Fit」だと税込40,480円なので、それよりかは5%弱安いのだが、それでも絶対価格として高いのが問題だ。
ただ、これで歩かなくても足腰が鍛えられるのなら、この機器の導入はアリかもしれない、と今の所、考えている。
幸い、MTGでは最近、手数料をMTG負担にして買いやすくした分割支払いのプランがある。これを利用すると、月々600円からの支払いで購入する事ができる。
まぁ…ローンなのでそれが良いのかどうかはいろいろ意見が分かれるところではあるが、導入しやすくなるのは間違いない。
運動という習慣がない人にとって、体を鍛えるという事そのものが実は大きなハードルになっていて、ましてその運動そのものが何かしらの障害でやりにくくなってしまっていると、より一掃運動しない方向に意識が動く。
そういった悪循環をどこかで断ち切るには、こうした機器に頼るのも一つの方法ではないかと思っている。
自分の事ももちろん考えねばならないが、母親が今このような問題に直面している以上、そこに何かしらの対策をしない事には、自宅の中であっても事故に繋がる事になる。
そう考えると、この金額はむしろ安い方なのかもしれない。

 

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武上

18歳の時、人生の最大の選択ミスをしてしまい、いきついた場所として山梨県人となる。 その後、建設業に身を投じ、資格をいくつか取得するものの、結局自分の性格と合わない事を理由に上京。 上京後、世間で話題になりつつあったアニメ・ゲームを主体とする業界の人間となり、デジタルコンテンツ業界を含む数々の著名人と同じ土俵でマルチメディアな仕事をするに至る。 一見華やかなメディアの世界の、その闇の深さたるやハンパない事こそ世間に何となく知られてはいるが、業界人しか知らないその氷山の全体像を十分すぎるほど目の当たりにした後、家庭の事情で再び甲州へと帰還。 しかし、この帰還も人生の選択ミスだったかもしれないなぁ…と今では思うものの、時既に遅し。 今は地元の製造業を営む会社の総務・品質保証という地味ではあるものの堅実な職につき、いつか再びやってくるだろう夢の実現を信じて隠者的生活を送っている…ハズだったのだが、またしても周囲の事情で運命は波乱の様相を見せ始めた。 私の人生は一体どの方向を向いているというのだろうか? ちなみに筆者はPCとの付き合いはかなり長いと思っている。 古くはPC-8801 mk2 SR、X1 Turbo、X68000、FM-Towns、PC-9801シリーズ(互換機含む)、PowerMAC 9500等をリアルタイムで使い、その後は、Windows PCの自作機を中心に現在に続いている。 デジタルガジェットに関しては興味もある事から、その時代の時々において、いろいろ使ったり調べたりして、専門家ほどではないが知識は蓄えてきたと思っている。 そうした経験を元に、今の時代へ情報発信させてもらっている。少々くどい言い回しが多いかも知れないが、お付き合いいただけるとありがたい。 連絡先:takegami@angel-halo.com (@を小文字にしてください)

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