E-Pシリーズが8年ぶりに更新される。
新体制後の初の製品
OMデジタルソリューションズから、ミラーレスカメラ「OLYMPUS PEN E-P7」が6月25日に発売されると発表された。
価格はオープン価格だが、店頭予想価格はボディ単体で税込94,000円前後、14-42mm EZレンズキットが税込108,000円前後となり、カラーバリエーションはシルバーとホワイトの2色構成となる。
OlympusからOMデジタルソリューションズに体制が変更となった後の初の製品だが、Olympus時代の製品の後継機という形での発売になり、前モデルでいうとE-P5が発売されたのが2013年になるので、実に8年ぶりの新製品となる。
なお、E-Pシリーズの一つ格下の製品なるE-PLシリーズは2019年に「OLYMPUS PEN E-PL10」が発売されているが、私の予想ではおそらく今後E-PLシリーズは登場しないものと考えている。理由は単純で、現在ではデジタルカメラ市場が縮小してしまっており、専用機は高級モデルしか残っていないという事がその理由である。なので廉価シリーズのE-PLシリーズはE-Pシリーズへと統合し、1モデル体制になるのではないかと予想している。
また、Olympus時代から言われていたが、PEN-Fの後継機も現時点で発売する予定がない、と言われているが、これも私は今回のE-P7にその機能を集約してしまっているのではないかと予想している。何故なら、搭載されている機能に「カラープロファイルコントロール」と「モノクロプロファイルコントロール」があり、これらはPEN-Fの機能だったからだ。
つまり今回のE-P7は、今までOlympus時代に広げた製品ラインナップの整理を行った結果デザインされた、集約モデルではないかと予想する。
シンプルなデザイン
性能などの話は製品が発売された後のカメラ系技術サイトに譲るとして、外観的なところで私が思った事を書いていきたい。
まずパッとみて、古き良きPENシリーズだと一目でわかるようなデザインは実に好感触である。
Olympusのカメラの良いところは、そのデザインが古き良き時代を反映しているところで、それらはほぼ全てのOMシリーズやPENシリーズで言える事である。
実にシンプルかつスッキリしたデザインで、右上軍幹部にダイヤルが集中しているところも昔のカメラそのままである。
唯一、右全面下にセルフタイマー風のレバーが取り付けられているが、これはプロファイルコントロール(カラー/モノクロ)のレバーで、PEN-Fの時にはシャッターダイヤル風だったものが今回はセルフタイマー風のものに置き換えられたものである。
また、軍幹部左側にはポップアップ式のストロボも内蔵しているが、これはE-P5にも同じようなモノが取り付けられていたので、この部分からはE-Pシリーズの流れが見て取れる。
機能だけでなく、そのデザインからもE-PシリーズとE-PLシリーズ、そしてPEN-Fシリーズを踏襲しているので、まさにこの1台に従来のラインナップを集約しているように思える。
唯一の残念ポイント
PENシリーズなので、AFは像面位相差AFは搭載しておらず、あくまでもコントラストAFのみになっている。AFでOM-Dシリーズとの棲み分けをしているのだからこれはやむを得ないところはあるが、同様にボディ内手ブレ補正も5軸ではあるが最大4.5段分とOM-Dシリーズと差がつけられている。普通に使う分には4.5段分でも何ら問題はないと思うが、6.5段分の驚異的な補正性能を知っている人からすると、安心感が落ちるかもしれない。
また「顔優先/瞳優先AF」を搭載しているので、この辺りは普段使いで楽かもしれない。
バッテリーは「BLS-50」を採用しているので、従来のOlympus PENシリーズや一部のOM-Dシリーズを使っている人であれば、互換性が保たれている。
また、USB充電に対応しているのだが、何故かこの対応しているUSB端子がMicro-B端子と、イマドキとしては古い規格になっているのが実に残念である。唯一の残念ポイントといっても過言ではない。
イマドキならUSB Type-Cを採用すると思うのだが、何故にMicro-B端子にしたのか…。普及してしまっている安定した規格を採用した、という事なのか、それともType-Cを利用するにあたって特別なライセンス料がかかるという事なのか?
とにかく、今後長く使っていこうと思えば、このMicro-B端子がちょっと厄介な存在になるのではないかと予想する。
OMデジタルソリューションズからようやく最初の製品が投入される。
マイクロフォーサーズの今後を考えれば、OMデジタルソリューションズには魅力的な製品を投入してもらいたいところであり、そうなると気になるのはハイエンド製品という事になる。
フルサイズセンサー機と違い、センサーはどうしても小さくなる分、その機動力を活かした高性能機を作る必要がある関係で、その開発は難航するものと思われるが、今後はフルサイズセンサー機に負けない高性能機が登場する事を期待したい。