Radeon 7900、発売

私は蚊帳の外ではあるが。

AMD最強GPU、発売

AMDのRDNA3採用のRadeon RX 7900XTX、及びRadeon RX 7900XTが昨日19時より発売となった。夜の発売なのは海外同時発売の余波ではないかと考えられる。
価格的には、Radeon RX 7900XTXは179,000~189,800円程度、Radeon RX 7900XTは156,000~177,000円程度と、昨今のGPU高騰価格と考えれば、比較的落ち着いた価格だったかもしれない。…ま、それでも絶対価格の高さは否定できないが。
入荷数はそんなに多くはないようだが、秋葉原では午前中から店舗に並び始める人もいて、そうした人には午前中のウチに整理券配付が終わった感じらしかった。
GeForce RTX 4000系の時もそうだったが、こんな高い買い物に行列ができる、という事に、みんなお金持ってるなぁ、としか思えない自分が実に情けない。…ってか、私の生活レベルが低すぎるという事なのだろうか。
昨今の自作PC事情として、円安傾向から全てにおいて価格が上昇しているという事自体は理解しているが、普通に15万円や20万円といったものがバンバン売れていくという状況に、驚きを禁じ得ない。
ま、そうはいっても私もメインPC入れ替えでそれなりの価格を放出しようとしている所でもあるので、これらの価格が別段オカシイというわけではない、という事は理解しているつもりである。

その性能は?

各テック系サイトでは、数日前からRadeon 7000シリーズのベンチマーク情報を配信しているので、既に知っている人も多い事ではあるのだが、今回のRadeon 7000シリーズは、GPUとしては初めてチップレット技術で複数のダイを混載して製造されたGPUである。

GPUコアそのものは一つのダイに載せられているものの、利用するコントローラー部分やキャッシュメモリなどが別のダイとして纏められていて、それをチップレット技術で接続している。
また、ハードウェアエンコーダも従来より最大7倍高速化したとしていて、新たにAV-1エンコードを可能にしている。
全体的なパフォーマンスとしては、前モデルであるRX6950XTと比較して最大67%のパフォーマンスが向上しているとしている。
気になるのはライバルであるNVIDIAのRTX 4000シリーズとの比較だが、AMDは最初からこのRadeon 7000シリーズを発表した時から、NVIDIAのRTX 4080を比較対象としてスペックの紹介をしている。
そう、つまり最上位であるRTX 4090との比較を避けているワケで、そこから考えられるのはNVIDIA最上位と比較すると性能は劣るという事を最初から言っているようなものである。
性能では追いつかないものの、ワットパフォーマンスと価格で勝負する。AMDの対NVIDIA戦略は、そういった方向性のようである。
個人的には、ハイエンド製品ではあっても、最近は価格が高騰しすぎているところがあるので、今回のRadeon 7000シリーズの価格ですら安く感じる事はないのだが、製造プロセスの微細化が進んだことにより、ダイの価格が上がってしまっているので、それも致し方のない事なのかもしれない。
それでもチップレットを採用するなど、AMDは価格に関しても随分と工夫している事もあって、ライバルであるNVIDIAよりは安く買えたというのは、良い傾向ではないかと思う。

サイズも少し小さいが…

RTX 4000シリーズと比較して、Radeon 7000シリーズの良いところは価格だけではない。
そのカードサイズも扱いやすさでNVIDIAより良好だと言える。
RTX 4000シリーズは、そのカードサイズがとんでもなくバカデカイため、入れられるケースにある程度の制限が出てしまう。
またスロット厚に関してもRTX 4000シリーズは分が悪い。Radeon 7000シリーズは、少なくともスロット厚に関しては3スロットを超える事は今の所ないし、全体的なカードサイズに関しても小さめではある。
ただ、重量はそれでも1.8kgはあるという事なので、PC内でカードを支えるサポートステーは必要になるだろうと思う。
ま、これは最近の傾向なので、どうしようもないところなのだろうと思う。
また、RTX 4000シリーズと異なり補助電源も従来のPCIe補助電源で賄う事ができるので、ハードルは低いと言える。

問題はドライバ

で、テック系サイトでいろいろと言われている事ではあるが、ベンチマークの結果を見てみると性能は出てはいるものの、今一つ挙動が判らないような部分があったりと、不安定な部分があるような感じである。その傾向から見ると、まだRadeon 7000シリーズはドライバの作り込みが甘いところがあるようである。
性能が今一つ伸び悩むところがあったり、省電力チューニングが甘いところがあったりするので、今後ドライバのアップデートを数回繰り返すことで、パフォーマンスがまだ向上すると考えられる。
これはAMDの特徴でもあり、とにかく出始めはパフォーマンスが甘いところが多々見られる。今後チューニングによって最適化されていく事を期待したい。

私は見送り

私がメインPCを更新するという事はもう決めてしまっていることだが、今回、私はGPUに関しては入れ替えしない方向で考えている。
そもそもモニタの関係でどうしてもNVIDIA系を使用する事になるので、Ryzen 7000シリーズが登場したとしても、コレを購入して使用するという事はないので、価格的にリーズナブルであっても使う事はなかっただろうと思う。
ただ、レイトレーシング最重視という人でなければ、今回はRTX 4000シリーズでなく、Radeon 7000シリーズをチョイスするという方法もあるように思う。
何より、コスト的に考えて導入しやすいというのがある。RTX 4000シリーズはとにかく価格が高すぎる。Radeon 7000シリーズも絶対価格は安くはないが、RTX 4000シリーズと比較すれば選びやすいところがある。
なので、今GPUを購入するという状況ならば、検討してみる価値はあるのではないかと思う。

とりあえずNVIDIAもAMDも現時点で出せる技術を一通り出してきた、という状況になったと思う。
GPUのラインナップもそろったが、私はGPUそのものを変更しないにしても、私がメインPCを切替えるタイミングとしては、最良な時期ではないかと思う。
というわけで、そろそろ覚悟を決めてパーツを決めてしまおうか。

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武上

18歳の時、人生の最大の選択ミスをしてしまい、いきついた場所として山梨県人となる。 その後、建設業に身を投じ、資格をいくつか取得するものの、結局自分の性格と合わない事を理由に上京。 上京後、世間で話題になりつつあったアニメ・ゲームを主体とする業界の人間となり、デジタルコンテンツ業界を含む数々の著名人と同じ土俵でマルチメディアな仕事をするに至る。 一見華やかなメディアの世界の、その闇の深さたるやハンパない事こそ世間に何となく知られてはいるが、業界人しか知らないその氷山の全体像を十分すぎるほど目の当たりにした後、家庭の事情で再び甲州へと帰還。 しかし、この帰還も人生の選択ミスだったかもしれないなぁ…と今では思うものの、時既に遅し。 今は地元の製造業を営む会社の総務・品質保証という地味ではあるものの堅実な職につき、いつか再びやってくるだろう夢の実現を信じて隠者的生活を送っている…ハズだったのだが、またしても周囲の事情で運命は波乱の様相を見せ始めた。 私の人生は一体どの方向を向いているというのだろうか? ちなみに筆者はPCとの付き合いはかなり長いと思っている。 古くはPC-8801 mk2 SR、X1 Turbo、X68000、FM-Towns、PC-9801シリーズ(互換機含む)、PowerMAC 9500等をリアルタイムで使い、その後は、Windows PCの自作機を中心に現在に続いている。 デジタルガジェットに関しては興味もある事から、その時代の時々において、いろいろ使ったり調べたりして、専門家ほどではないが知識は蓄えてきたと思っている。 そうした経験を元に、今の時代へ情報発信させてもらっている。少々くどい言い回しが多いかも知れないが、お付き合いいただけるとありがたい。 連絡先:takegami@angel-halo.com (@を小文字にしてください)

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