月姫、リメイク

たしか2008年ごろにリメイクされていたハズだったかと思ったが…。

2000年発のゲームをリメイク

おそらく、伝説のビジュアルノベルゲームと言っていいんじゃないだろうか?
「月姫」とはそんな「伝説」という名をもってしても全てを語れないほど、私の世代では圧倒的な存在感を持つ作品だと思う。
思えば元々は同人作品。それ故に、そのプログラムは汎用的なシステムの上で動いていた事もあり、結構グレーな遊び方も存在していた(これについては後述)。
そんな「月姫」が2021年夏、PlayStation4、Nintendo Switchの一般作として発売される事が2021年1月1日に発表された。
月姫 -A piece of blue glass moon-タイトルは「月姫 -A piece of blue glass moon-」とされ、あくまでもオリジナルとは異なる事を強調しているようである。
…ま、当たり前か。
オリジナルは成人作品だから、そのままってワケにはいかないのだろう。
あまりにも有名なタイトルなので、あらすじなどはバッサリと省くが、吸血鬼の姫と死を操る少年(青年?)の話である。
本作品は2003年には「真月譚 月姫」としてアニメ化もされているのだが、オリジナルの圧倒的なテキスト量をそもそもアニメ化する事はほぼ不可能なので、個人的にはオリジナルの要素の1/10も含まれていないのではないかとすら思う。
今回発売される「月姫 -A piece of blue glass moon-」は、そのアニメ版のキャストとは異なるキャスティングがなされている。これを残念ととるか、それとも斬新ととるかは人それぞれだが、個人的には変わっていても仕方が無いのかな、と思っている。さすがに20年の時を経ているので、そこはイマドキにしていかないと何の為のリメイクかと。

追加要素はあるのか?

個人的に今回のリメイクで気にしているのは、追加要素があるのかどうかという事。
そもそものオリジナルがとんでもないボリュームなので、追加要素などなくても十分楽しめる事はわかりきっているのだが、オリジナルに含まれていた要素が全て入っているという事はあり得ないので(そもそも成人作品なので全てが入っているわけがない)、それを補う、あるいはさらに増補する意味で追加要素があるのかが気になる。
基本ビジュアルノベルであるという事は変わらないだろうから、今更アニメしますとかの要素があるとそれはそれで逆に困るというか、クォリティを疑わなければならなくなるし、そもそもがテキスト要素だからこその面白さもあるので、動くとかそういうのは期待しないにしても、おそらく設定上で入れられていない要素がまだまだあると考えられるので、そういうのを追加してくるとか、そういう方が本作品を期待する人には響くのではないかと…。
TYPE-MOONというスタジオが勃興する前の作品(立ち上がるきっかけにはなっているとは思う)なので、古くからのファンからしてみれば「今更…」と言いながら期待し、新しいファンからすれば「伝説の作品」の登場でもあるので、内容についてはいやがおうにも期待したい…というのが、一般的な見方ではないかと思う。

グレーな…

後述するといった、グレーな遊び方というのをちょっと書いてみる。
まず最初にグレーという表現をしたが、普通に考えれば「黒」である事を言っておく。いや、黒でなくても薦められたものではない行為である。
前述したように、もともと月姫は同人作品である。それ故、汎用のScriptプログラムで動作していたのは有名な話だが、それだけにそのスクリプトプログラムを外に出す事ができた。
元々のオリジナルはそのBGMがまずCD-DAだった。だからPCの光学ドライブに「月姫」のソフトを入れてゲームを起動すると、その光学ドライブの音楽データをPCが取り込んで再生するという方式だった。イマドキのPCはおそらく光学ドライブから音声データをアナログ入力している事はないと思うので、2000年ごろのPCならではの話である。
最初の改造として、まずはこのCD-DA音源をMP3化し、データとしてフォルダに保存し、「月姫」のプログラムを改造してそのMP3を再生させ、ディスクレス化するというものがあった。これは比較的お手軽な改造である。
そこから先は結構本格的な改造である。
まず最初に、当時ゲームボーイアドバンスで「月姫」をプレイするというのがあった。
これは前述したスクリプトプログラムを外に出し、そのスクリプトを改造、ゲームボーイアドバンスで再生できるエンジンプログラムを通してゲームボーイアドバスン用の空ロムに入れて実現するというものだった。ちなみに私もやった事はあり、小型筐体のゲームアドバンスSP上で月姫をプレイしていた事がある。
また、さらに上級になると、当時シャープから発売されていたPDA「Zaurus」で月姫を再生するというもの。こちらは音は出せなかったと思うが「Zaurus」の上で月姫の全てのテキスト、画像が再生できた。ちなみにこちらも私は再現した事がある。
もちろん、このような改造は公式なものではなく、あくまでも有志のファンが実現させた事である。今にして思うのは、有志といえどここまで情熱を注ぎ込める作品はそうはないのではないかと思う。魔改造にも程がある(爆)

というわけで、往年の名作「月姫」がリメイクされる。
どのような作品にリメイクされるのかはわからないし、TYPE-MOON公式ではまだ全く触れられていない。
時代が変わってしまっている事もあるので、表現含めて期待したものにはならないかもしれない。覚悟して発売を待つ事になるだろう。

追記:(2021/01/03 23:32)
この記事をアップした直後にいろいろ調べていたら、公式のページが公開されていた。

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武上

18歳の時、人生の最大の選択ミスをしてしまい、いきついた場所として山梨県人となる。 その後、建設業に身を投じ、資格をいくつか取得するものの、結局自分の性格と合わない事を理由に上京。 上京後、世間で話題になりつつあったアニメ・ゲームを主体とする業界の人間となり、デジタルコンテンツ業界を含む数々の著名人と同じ土俵でマルチメディアな仕事をするに至る。 一見華やかなメディアの世界の、その闇の深さたるやハンパない事こそ世間に何となく知られてはいるが、業界人しか知らないその氷山の全体像を十分すぎるほど目の当たりにした後、家庭の事情で再び甲州へと帰還。 しかし、この帰還も人生の選択ミスだったかもしれないなぁ…と今では思うものの、時既に遅し。 今は地元の製造業を営む会社の総務・品質保証という地味ではあるものの堅実な職につき、いつか再びやってくるだろう夢の実現を信じて隠者的生活を送っている…ハズだったのだが、またしても周囲の事情で運命は波乱の様相を見せ始めた。 私の人生は一体どの方向を向いているというのだろうか? ちなみに筆者はPCとの付き合いはかなり長いと思っている。 古くはPC-8801 mk2 SR、X1 Turbo、X68000、FM-Towns、PC-9801シリーズ(互換機含む)、PowerMAC 9500等をリアルタイムで使い、その後は、Windows PCの自作機を中心に現在に続いている。 デジタルガジェットに関しては興味もある事から、その時代の時々において、いろいろ使ったり調べたりして、専門家ほどではないが知識は蓄えてきたと思っている。 そうした経験を元に、今の時代へ情報発信させてもらっている。少々くどい言い回しが多いかも知れないが、お付き合いいただけるとありがたい。 連絡先:takegami@angel-halo.com (@を小文字にしてください)

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