梶浦世界にしてやられた

鬼滅の刃を初めて観た。

時代に取り残されている私

鬼滅の刃を初めて観た。
先日テレビで特別編集版が放送されたが、それを録画していた。
人気があるという事の意味がわかった実の所、私はあまりマンガも読まないし、アニメも観ない。たしかに過去にはそれらに携わる仕事はしてきたが、その時ですらそれを専門に仕事している人の中でも、おそらくあまり観ないし読まない人だったかもしれない。
正確に言うと、観ている作品に偏りがあった、というべきか?
それよりも、それらに携わる仕事をしてきた時は、如何にしてその素材を使って話題性のある事をするか? という事に注力する事ばかり考えていた。
アニメやマンガ、ゲームを趣味にしている人から、趣味を仕事にできるのは羨ましい、という事も言われたこともあるが、趣味を仕事にして良かった、と心から言える人は、クリエイターとして結果を残せた人だけではないかとすら思う事がある。趣味は趣味だから良いのであって、それを仕事にした時から、趣味レベルで片付けられないものを背負うのである。
だから、自分の好きな事をして、結果が残せた人は最終的には生みの苦しさを味わうものの、好きな事で商売をして、それが楽しいという結果を伴った生き方を人々に示すことができるようになる。
そこに至らねば、趣味を仕事にする事など、土台無理な話である。まぁ、私の持論ではあるが。
このように考えている私なので、自分の嗜好にそぐわない作品はまず観ないし、自分からその嗜好に沿う作品を追いかける事も積極的しない事が多い。だから今まで鬼滅の刃も全く観ていなかった。
世間があれだけ話題性をアピールしていた時ですら、全く観ようとしなかった。
…のだが、流石にテレビで特別編集版が放送された、となれば、観てみようかな、という気も起きる。折角nasneも接続しているので、先日の放送を録画したワケである。
ただ…その録画もすぐに観ようという気もなかったのだが、ここに来てちょっと時間が出来たので、ようやく重い腰を上げた次第である。全くもって時代に取り残されるべくして取り残された私である。

記憶にひっかかる

早速、竈門炭治郎 立志編の最初となる「兄妹の絆」から見始める。ああ、鬼って人喰いなのか、とここで初めて知り、その世界設定などを把握したワケだが、まず「兄妹の絆」を見て思ったのは、人気が出る秘密が何となく見えてきた、という事。確かに設定も良く出来ているし、盛り上げ方、そしてその見せ方など、非常に良く出来ていると思った。編集版だから、というのもあるかも知れないが、テンポもよく、それぞれの要素として面白さがある事は端々から見て取れる。
その後「浅草編」まで観て、ちょっと記憶に引っかかるものを感じた。おそらくそれは、鬼の存在が何となく菊地秀行著作の「バンパイアハンターD」の吸血鬼の存在とよく似ているからではないかと思う。
「バンパイアハンターD」に登場する吸血鬼は、貴族と呼ばれ夜の世界を支配する、人間を捕食する絶対権力者だったが、それらは全て真祖とよばれる吸血鬼から派生した存在であり、その真祖と呼ばれる吸血鬼を他の貴族は崇めていたところがある。何となく、鬼滅の刃の鬼も鬼舞辻 無惨が他の鬼を生み出しつつも恐怖で支配しているところがあるので、全く同じではないものの、その構成などは似ているかな、と。
そう考えると、この手の作品というのは、大凡その作りは似てくるものなのかもしれない。
時代と共に作品は変われど、その内容としての記号は、同じ方向性を持っているのかも知れない。

作品音楽の存在

私は、過去コンテンツ業界にいた頃から、コンテンツの良さを決める要素として音楽の存在はとても大きいと思っている。それこそ、レトロゲームの頃から、BGMによって名作と駄作が明確に分かれた事もあるぐらい、音楽の重大さはとても大きいという事を、地で見てきている。
鬼滅の刃の音楽を担当しているのは、梶浦由記という音楽家と、椎名豪という音楽家。
椎名豪という人は、私自身とても好きな楽曲を手がけた人で、THE IDOLM@STERの如月千早の曲「蒼い鳥」や「眠り姫」、同系作品である CINDERELLAGIRLSの高垣 楓の曲「こいかぜ」の作曲を手がけた人で、私からすると私の嗜好にとても相性の良い作曲家である。
梶浦由記という人は…もう言うまでもない。この人が手がけた作品で何度泣かされたかわからないぐらいの人で、音楽が作品に与える影響の大きさを私に教えてくれた数少ない人の一人である。
今回の鬼滅の刃でも、特別編集版「那田蜘蛛山編」で、案の定泣かされた。まさに予想外である。ココまで来ると、私は梶浦世界には抗えないのではないかと思う。
実際、アニメ制作において梶浦由記という人を制作時にアサインしたくても、予定が入りすぎていて頼めない、という状況らしい。この人の、作品の世界観の表現の仕方は、私にとってはどハマりする事間違いなしなので、ある意味、危険人物である。

次は無限列車編

とりあえず、竈門炭治郎 立志編は特別編集版で押さえたので、次はいよいよ無限列車編となる。
正直、ここまで続きが見たいと思う作品ではないかな、とも最初は思っていたが、結果的には私も人並みに魅入る事となってしまった。
というか、時代に付いていくためにも、知っておくべきなのかもしれない。
ただ、今回観たのはあくまでも特別編集版と考えると、普通に編集版でなく、放送された作品そのままを観てみたいような気もする。
というわけで、無限列車編を観た後に再度見直す時には、特別編集版でなく通常放送されたものを観てみようと思う。
何か…結構ハマッてるかもしれない(爆)

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武上

18歳の時、人生の最大の選択ミスをしてしまい、いきついた場所として山梨県人となる。 その後、建設業に身を投じ、資格をいくつか取得するものの、結局自分の性格と合わない事を理由に上京。 上京後、世間で話題になりつつあったアニメ・ゲームを主体とする業界の人間となり、デジタルコンテンツ業界を含む数々の著名人と同じ土俵でマルチメディアな仕事をするに至る。 一見華やかなメディアの世界の、その闇の深さたるやハンパない事こそ世間に何となく知られてはいるが、業界人しか知らないその氷山の全体像を十分すぎるほど目の当たりにした後、家庭の事情で再び甲州へと帰還。 しかし、この帰還も人生の選択ミスだったかもしれないなぁ…と今では思うものの、時既に遅し。 今は地元の製造業を営む会社の総務・品質保証という地味ではあるものの堅実な職につき、いつか再びやってくるだろう夢の実現を信じて隠者的生活を送っている…ハズだったのだが、またしても周囲の事情で運命は波乱の様相を見せ始めた。 私の人生は一体どの方向を向いているというのだろうか? ちなみに筆者はPCとの付き合いはかなり長いと思っている。 古くはPC-8801 mk2 SR、X1 Turbo、X68000、FM-Towns、PC-9801シリーズ(互換機含む)、PowerMAC 9500等をリアルタイムで使い、その後は、Windows PCの自作機を中心に現在に続いている。 デジタルガジェットに関しては興味もある事から、その時代の時々において、いろいろ使ったり調べたりして、専門家ほどではないが知識は蓄えてきたと思っている。 そうした経験を元に、今の時代へ情報発信させてもらっている。少々くどい言い回しが多いかも知れないが、お付き合いいただけるとありがたい。 連絡先:takegami@angel-halo.com (@を小文字にしてください)

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