CPU由来のVRAMエラー?

Intel製CPUで発生しているVRAM不足エラーの原因はCPUにある?

高クロックだからこその問題

Intelの第13世代および第14世代のハイエンドCPUで高負荷時にVRAMエラーが発生する不具合が報告されているらしい。
マイナーチェンジ過ぎるモデル
主となる製品はCore i9 13900KSやCore i9 14900KSといった、最上級高クロックモデルが中心だったが、最近ではCore i7でも発生しているようで、単に高クロックモデルだから発生する、といった問題ではない様子。
具体的には、対象CPUを使用してUnreal Engine 4/5採用のゲームなどをプレイしている時に、シェーダーコンパイルなどのCPU負荷の高い処理を実行すると「VRAM不足エラー」が発生し、クラッシュするようだ。
VRAMのエラーという事でこのエラーが発生した時、ほとんどの場合グラフィックボードに何かしら問題が発生した、と思いがちだが、いろいろ調べて行くとどうもCPUに起因する問題であるらしい事が判明したようだ。
この不具合に関しては、以前から指摘されていたようだが、今年2月になってIntelから問題に関する報告を分析中であるコメントが出されていて、現在解決に向けて取り組んでいるようだ。

不安定な症状

今回のこの問題、動作クロックを引き下げて利用するアンダークロックという方法を使用すると一時的に解消した、という話もあり、シビアな調節の上で無理な高クロックを実現している事か問題の一因ではないか、とも考えられるが、厄介なのはCPUを使用開始してから数ヶ月後にこの問題が発生し始める事もあり、内部に何かしら損傷の蓄積が起きているのではないかと、いう事も考えられる。
この手の問題として思い出されるのは、昨年春にAMDでも3D V-Cacheを搭載した製品においてメモリオーバークロックを行うとコアが焼損した、という問題が出たことがある。

この時は問題が発生しない対応BIOSを適用させる事で解決したが、昨今のCPUやGPUでは、その性能を引き出すためにかなりリスキーなクロックアップをメーカー自身が実施している事もある。
Intelで発生した事がAMDで発生しないとも言えない事なので、利用する側はあまり極端なオーバークロックには十分気をつけた方がよいだろう。

省電力運用

私はRyzen7 7700Xを利用したあたりから、定格電力よりも低い電力で動作させるという事をしている。
Ryzen7 7800X3Dに変えた今は定格出力で動作させているのだが、Ryzen7 7700Xは今よりも高クロックで動作していたので、省電力設定にしていた。
これには理由があり、AMDはGPUも含めて若干省電力気味で動作させても、低下する性能は微々たるものという傾向があるからだ。
しかも、使用電力を低くする事で、逆に温度が下がることでクロック上昇幅を大きく取れるようになり、高パフォーマンスになるなんてケースもあった。
このような電力との兼ね合いで決まる性能は、時には使用電力を低くして熱を抑える事で性能を引き出すという事もありうる事なので、運用上困るような性能にならないのであれば、省電力設定で運用するのが好ましいと思っている。
実際、省電力設定にしたところで、性能下落で困るなんて事にはまず出会わないと思う。
TDP 105Wを95W運用したところで、落ちる性能は数%といったところで、105Wを65Wにしたとしても、9割くらいの性能は出たりもする。
もちろん、定格出力より低いので、どこでどれだけの性能が落ちるかはケースバイケースだが、今まで困るほどの性能低下には出会った事はない。
省電力運用はIntelコアでもAMDコアでもUEFI/BIOSの設定次第で可能なハズなので、一度試す事をお薦めしたい。

昨今ではCPUでも100Wを超える電力を使用したりするので、こうした焼けてしまう問題も起きないとは言えない状況と言える。
ホントにCPUでお湯を沸かせる時代がやってきたんだな…。

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武上

18歳の時、人生の最大の選択ミスをしてしまい、いきついた場所として山梨県人となる。 その後、建設業に身を投じ、資格をいくつか取得するものの、結局自分の性格と合わない事を理由に上京。 上京後、世間で話題になりつつあったアニメ・ゲームを主体とする業界の人間となり、デジタルコンテンツ業界を含む数々の著名人と同じ土俵でマルチメディアな仕事をするに至る。 一見華やかなメディアの世界の、その闇の深さたるやハンパない事こそ世間に何となく知られてはいるが、業界人しか知らないその氷山の全体像を十分すぎるほど目の当たりにした後、家庭の事情で再び甲州へと帰還。 しかし、この帰還も人生の選択ミスだったかもしれないなぁ…と今では思うものの、時既に遅し。 今は地元の製造業を営む会社の総務・品質保証という地味ではあるものの堅実な職につき、いつか再びやってくるだろう夢の実現を信じて隠者的生活を送っている…ハズだったのだが、またしても周囲の事情で運命は波乱の様相を見せ始めた。 私の人生は一体どの方向を向いているというのだろうか? ちなみに筆者はPCとの付き合いはかなり長いと思っている。 古くはPC-8801 mk2 SR、X1 Turbo、X68000、FM-Towns、PC-9801シリーズ(互換機含む)、PowerMAC 9500等をリアルタイムで使い、その後は、Windows PCの自作機を中心に現在に続いている。 デジタルガジェットに関しては興味もある事から、その時代の時々において、いろいろ使ったり調べたりして、専門家ほどではないが知識は蓄えてきたと思っている。 そうした経験を元に、今の時代へ情報発信させてもらっている。少々くどい言い回しが多いかも知れないが、お付き合いいただけるとありがたい。 連絡先:takegami@angel-halo.com (@を小文字にしてください)

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