デジカメスマホ

カテゴリーとしてデジカメとしたが、本来はスマートフォンなのかもしれない。

Panasonic LUMIX CM1

昔、ケータイに本格的なデジカメを合わせた、サイバーショットケータイなんてものも存在していたが、時代がケータイからスマートフォンへと移り変わった後は、そうした本格的なデジカメを併せ持つ移動通信媒体は登場していなかった。
その最大の理由は、スマートフォンのカメラ自体が高性能化した事により、本格的なデジカメの必要性がなくなった、という事ではないかと思う。
実際、私もiPhone6 Plusのカメラ機能で困るという事もない。よほど本格的に写真を撮影しよう、という人でない限りは、スマートフォンのカメラで十分と考えるのではないかと思う。
しかし、ここ最近コンパクトデジタルカメラも高級化が進んでいる。その多くは撮像素子を大型化したもので、より高画質な写真が手軽に撮影できるという所を訴求している製品と言える。
その流れで言えば、確かにスマートフォンの撮像素子は非常に小さい。大きな撮像素子を持つカメラと比較すると明らかに質では劣ると言える。
そうなると、製品として考えられるのは、大きな撮像素子を持ったスマートフォン、つまり古(いにしえ)のデジカメケータイのスマートフォン版である。非常に安直と言えばそれまでだが、それだけに非常にわかりやすい製品である。
登場したのはPanasonicのLUMIX CM1という製品で、撮像素子は1型という、Nikon 1と同サイズの素子を持つデジカメスマホである。1型センサーを持つ凄いスマホ

ライカレンズを持つ凄いヤツ

LUMIX CM1のスペックはというと、有効2,010万画素の1型高感度MOSセンサーを搭載し、RAW記録もできるデジカメ部分を持つスマートフォンである。搭載OSはAndroid4.4で、LTE、3G、2Gの通信に対応し、GPS、無線LAN、Bluetooth、NFCも利用可能となっている。microSIMに対応し、SIMロックフリー。もちろん通話も可能である。
デジカメ部分をもっと掘り下げると、35mm判換算で焦点距離28mm相当、F2.8のLEICA DC ELMARIT銘の単焦点レンズを搭載している。非球面レンズ3枚を含む5群6枚構成でMFにも対応。もう本格的なカメラである。ちなみに最短撮影距離は10cm。
最高感度はISO12800。拡張設定ではISO25600での撮影もできる事から、内蔵ストロボを搭載しないがそれなりに暗い場所でも撮影は可能と言える。
そしてここらへんがPanasonicらしく、4K動画(3,840×2,160/15p)も撮影可能。フルHD撮影時は30p記録となる。所謂4Kフォト撮影も可能で、4K動画から約800万画素の静止画切り出す事ができる。

…何かもう、立派なカメラでしかないスペックである。
ただ、それだけに価格が12万円前後となるのは仕方が無いのかも知れないが、それでは数を売るのはさらに難しい。限定2,000台で本機は終わってしまうかも知れない。

 

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武上

18歳の時、人生の最大の選択ミスをしてしまい、いきついた場所として山梨県人となる。 その後、建設業に身を投じ、資格をいくつか取得するものの、結局自分の性格と合わない事を理由に上京。 上京後、世間で話題になりつつあったアニメ・ゲームを主体とする業界の人間となり、デジタルコンテンツ業界を含む数々の著名人と同じ土俵でマルチメディアな仕事をするに至る。 一見華やかなメディアの世界の、その闇の深さたるやハンパない事こそ世間に何となく知られてはいるが、業界人しか知らないその氷山の全体像を十分すぎるほど目の当たりにした後、家庭の事情で再び甲州へと帰還。 しかし、この帰還も人生の選択ミスだったかもしれないなぁ…と今では思うものの、時既に遅し。 今は地元の製造業を営む会社の総務・品質保証という地味ではあるものの堅実な職につき、いつか再びやってくるだろう夢の実現を信じて隠者的生活を送っている…ハズだったのだが、またしても周囲の事情で運命は波乱の様相を見せ始めた。 私の人生は一体どの方向を向いているというのだろうか? ちなみに筆者はPCとの付き合いはかなり長いと思っている。 古くはPC-8801 mk2 SR、X1 Turbo、X68000、FM-Towns、PC-9801シリーズ(互換機含む)、PowerMAC 9500等をリアルタイムで使い、その後は、Windows PCの自作機を中心に現在に続いている。 デジタルガジェットに関しては興味もある事から、その時代の時々において、いろいろ使ったり調べたりして、専門家ほどではないが知識は蓄えてきたと思っている。 そうした経験を元に、今の時代へ情報発信させてもらっている。少々くどい言い回しが多いかも知れないが、お付き合いいただけるとありがたい。 連絡先:takegami@angel-halo.com (@を小文字にしてください)

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2 Responses

  1. ruser より:

    スマートフォンがエントリークラスのコンデジを脅かして絶滅に近い状態まで追い込んだけれど、CM-1の流れが一般化してスマートフォンとコンデジが完全に一体化したら、ミドルクラスのコンデジも止めを刺されかねませんね。
    そうなると、大型素子(1型もコンデジとしては十分大きいけれど)や高倍率ズーム、EVF等の付加価値のある機種しか残らない…?
    排熱の問題とか、まだ改善の余地はあるみたいだけれども、カメラ業界に一石を投じる事になるだろうから、他社の影響が気になります。
    ソニー辺りはXperiaにカメラ強化版を出したりしそう。
    更に斜め上行って、スマートフォン背面にEマウント付けるとかあったら面白いんだがw

    • アバター画像 武上 より:

      コンパクトデジカメは、最終的にスマートフォン等のデバイスに完全吸収されても不思議じゃないな、と思います。
      例えば…今の高級コンデジを制御するOSとしてAndroidを使用したら、多分その上で通信機能を持たせてスマートフォンと同等の事をできるように製品設計すると思います。だって今の時点でWi-Fiを搭載したりしてますから。
      Androidで制御しない独立したコンデジを作る方がメリットがあるのか? それともAndroidデジカメを作る方がメリットがあるのか? この比較で製品群が変わってくるように思います。

      あと、ソニーはXperiaデジカメを展開するか、それともレンズスタイルカメラをより進化させるか、のどちらかに進むでしょう。レンズスタイルカメラでも既にレンズ交換式なんてものを作っているので、レンズ交換式のXperiaデジカメは実現できそうな話だと思います。
      ただ、レンズスタイルカメラはスマートフォンやタブレット側の機器を選ばないので汎用性が高いのが最大のメリットなので、リスクを小さくするならレンズスタイルが良いのかも知れません。
      レンズスタイルカメラと同じような展開をオリンパスがm4/3ではじめると、もっとこの手のジャンルが広がるように思います。

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