古き良きマンハッタンシェイプ

もうね…ツタンカーメンですよ(爆)

あのツインタワーが…

随分と前から話は出ていたのだが、ようやくその姿を現したX68000筐体のPCケース。
アユートのProject Mが企画し、長尾製作所が製造するというソレは、画像等は公開されていても実機を見ることはできなかった。
それが5月4日に秋葉原・ハロー貸会議室秋葉原IIで行われた「マイコン・インフィニット☆PRO-68K」というイベントで初公開となった。
このイベント自体は、コンピュータに関するハードやソフト、パーツ、同人誌などの展示・即売を目的としたイベントで、名前にある通りX68000関係を厚かったものも多く出展されるイベントである。
運営側としてはそんなに集客できないだろう…と思っていたのか、定員60名の貸会議室を会場としたようだが、実際には午前中に約200人が来場、最終的には約360人が来場するという盛況ぶり(?)であった。こんな状態だったため、午後には入場規制がかかり、早期入場打ち切りなども行われたようだ。古き良き時代のデザイン筐体このイベント、シャープも出展する事となり、その関係なのか前述のX68000復刻デザインのPCケースが展示されたようである。

マイコン・インフィニット☆ PRO-68K
http://mi68.artstage.net/

気になるその仕様は?

X68000復刻デザインのPCケースの仕様だが、Mini-ITX用として制作されており、ツインタワーを繋ぐ下部にはUSBポートが2つ、音声入出力端子が備わっている。ホンモノのX68000ではこの部分にジョイスティックポートが2つ付いていた場所である。
ツインタワーだが、ホンモノでは5インチFDが入るスリット部分にはスロットローディング方式の光学式ドライブが取り付けられるという前情報だったが、今回の展示品にはその光学ドライブは付いていないようである。なお、このスリットがある側にはFlex電源やSSDなどのストレージが内蔵されるようになるようだ。
反対側の筐体にはMini-ITXのマザーボードが装着できるようになっている。大きさの制限なのか、せめてmicroATXが搭載できれば良かったのだろうが、制約上Mini-ITX用になりそうである。
気になる拡張カードだが…多分搭載できない仕様になっていると見られる。というのは、そのままマザーボードの拡張カードを挿したとしたならば、ケースの幅を大きく超えてしまう事になる為である。まぁ…ライザーカードで横に逃がすという手もあるが、現時点ではそれが考慮されていないようである。
個人的にはライザーカード、もしくはフレキシブル基板による接続でMini-ITXマザーの上側に逃がして、2スロット幅のビデオカードくらいは搭載できるといいと思う。何故なら、X68000は自由度の高いパソコンだったのと同時に、アーケード品質のゲームを遊べるパソコンでもあったのだから、こういう所は昔を引き継ぐ意味でも継承して欲しい部分である。
しかし、現状ではMini-ITXマザーの上側には、空冷ファンが取り付けられており、そういった拡張カードを挿せるような仕様にはなっていないし、こちら側の筐体はほぼマザーボードのみを設置するという感じになってしまっている。スペースの有効活用という意味でも、ビデオカード等の拡張もぜひ検討して欲しいものである。

そして価格は…

今回のイベントでは、工作精度と価格設定に関するアンケートが行われた。
要するに工作精度を上げれば価格も上がり、工作精度をある程度で妥協すれば価格も下がる、という事である。
最終的にはどうなったかは解らないが、価格よりも工作精度を重視し、3~5万円前後の価格を期待するという声が多かった様である。
私としても工作精度重視という気持ちは同じだが、前述の拡張カード仕様に是非とも対応して戴きたい。もしそれに対応するのであれば、5万円くらいでもやむを得ないのかな? と思う。ココまで来ると価格より完成度であるただ、こういったものは数が出れば価格も下がるわけで、この筐体の発売前にはどれぐらいの予約が取れるのかを確認して欲しいと思う。ギャザリングではないが、どれだけ購入数が確約できるのかがわかれば、制作側も適正価格が出せるハズだし、購入側も覚悟が決めやすい。
最終的にどうなるか解らないが、できるだけ手の届く範囲の価格設定になる事を期待したい。

Mini-ITXでも高性能化

最近のMini-ITXマザーボードの中でも随分と高性能化が可能なマザーボードが増えてきた。
小さくても高機能…このベクトルを目指す自作ユーザーは昔から多いし、かつて私もその一人だった。私はハイエンドまでの性能を追い求められるほどお金は持っていなかったため、今でいうミドルハイクラスのPCをコンパクトキューブ型に納めたりしていたのだが、小さくてもハイパワーというのは、ある種、自作ユーザーの夢でもある。
Intel製CPUであれば、Zシリーズのハイエンドチップセットを搭載したMini-ITXマザーボードもあるし、最近はいろいろな機能を集約したHシリーズを搭載したものなどいろいろ出ている。なのでメモリも16GB~32GBまで搭載可能であり、SATAも6ポートくらいは普通に搭載していて、フルサイズのATXやmicroATXとの差はPCI-Expressスロット数の違いくらいしかないとさえ言える。
しかし問題はAMDで、AMDのMini-ITXマザーは基本FM2+までのソケットを搭載したものしか存在しない。AM3系のソケットを搭載したものはなく、APUでMini-ITXを実現するしか方法がない。
消費電力から考えれば当たり前と言えば当たり前の結果だし、現在のAMD系CPUの流通量を考えれば納得もできる事なのだが、ハイエンド系をMini-ITXに持ってくる事は現時点でAMD系では不可能である。
しかし先日も発表があったが、来年になればAMDにも望みはある。
来年になればAMDのソケットはFXシリーズもAシリーズもAM4に統一され、FXシリーズは現行のBulldozer系コアであるExcavatorよりもIPCが40%向上するZenコアへとステップアップする。
また2016年頃にはAMDも製造プロセスが16nmクラスにまで微細化される為、今よりはずっと電力効率も良くなると言われている。
AMD製コアによるMini-ITX構成は今後に期待といった所である。

こうしたハイエンドなMini-ITXとX68000復刻PCケースを組み合わせれば、かつてPC-9801シリーズを圧倒した表現力を持つX68000にちょっとでも近づけられるような感じになるのではないだろうか?
まぁ、その為にもディスクリートGPUカードを何とか搭載できるような改良をお願いしたいところである。

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武上

18歳の時、人生の最大の選択ミスをしてしまい、いきついた場所として山梨県人となる。 その後、建設業に身を投じ、資格をいくつか取得するものの、結局自分の性格と合わない事を理由に上京。 上京後、世間で話題になりつつあったアニメ・ゲームを主体とする業界の人間となり、デジタルコンテンツ業界を含む数々の著名人と同じ土俵でマルチメディアな仕事をするに至る。 一見華やかなメディアの世界の、その闇の深さたるやハンパない事こそ世間に何となく知られてはいるが、業界人しか知らないその氷山の全体像を十分すぎるほど目の当たりにした後、家庭の事情で再び甲州へと帰還。 しかし、この帰還も人生の選択ミスだったかもしれないなぁ…と今では思うものの、時既に遅し。 今は地元の製造業を営む会社の総務・品質保証という地味ではあるものの堅実な職につき、いつか再びやってくるだろう夢の実現を信じて隠者的生活を送っている…ハズだったのだが、またしても周囲の事情で運命は波乱の様相を見せ始めた。 私の人生は一体どの方向を向いているというのだろうか? ちなみに筆者はPCとの付き合いはかなり長いと思っている。 古くはPC-8801 mk2 SR、X1 Turbo、X68000、FM-Towns、PC-9801シリーズ(互換機含む)、PowerMAC 9500等をリアルタイムで使い、その後は、Windows PCの自作機を中心に現在に続いている。 デジタルガジェットに関しては興味もある事から、その時代の時々において、いろいろ使ったり調べたりして、専門家ほどではないが知識は蓄えてきたと思っている。 そうした経験を元に、今の時代へ情報発信させてもらっている。少々くどい言い回しが多いかも知れないが、お付き合いいただけるとありがたい。 連絡先:takegami@angel-halo.com (@を小文字にしてください)

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