Category: AV/PA機器

そういえばアレはどうなった?

SonyがWF-1000XM4をマルチポイント接続対応にすると言っていたが…。

昨年末には未対応

当Blogでも、昨年10月26日に記事として取り上げたが、Sonyの「WF-1000XM4」と「LinkBuds」、「LinkBuds S」の3モデルがアップデートでマルチポイント接続に対応する、とSonyが発表した。
ようやくマルチポイント接続に対応その後、「LinkBuds」、「LinkBuds S」は11月にはアップデートでマルチポイント接続に対応したようだが、何故か「WF-1000XM4」だけがアップデートが遅れ、年内にはアップデートが実施される、としていたものの、結果的にはアップデートの情報は出されず、現在もそのまま放置されている状態になっている。
公式サイトのアッブデートを確認しても、昨年12月5日にバッテリー容量減少抑制のアップデートが行われたが、マルチポイント接続に対応する内容のアップデートは未掲載のままである。

WF-1000XM4 本体ソフトウェアアッブデートのお知らせ
https://www.sony.jp/headphone/update/?searchWord=WF-1000XM4

完全ワイヤレスイヤフォンとして、私としてはAirPods ProよりもWF-1000XM4は上位にくる製品だと思っている。
それだけに、このマルチポイント接続ができないという欠点が唯一の欠点であり、これが可能になれば現時点では最上位のイヤフォンになると思っているだけに、このアップデートが何かしらの問題で延期されているとしたら、それはとても残念な話であり、技術的に不可能という事にならない事を今も祈ってアップデートを待っている。

日常で使うイヤフォン

最近、ノイズキャンセリングヘッドフォンが出回るようになり、その機能の一つとして外音を取り込むモードを持つ製品が出てきた事で、ヘッドフォンやイヤフォンの製品としての幅がかなり広くなってきた。
つまり、日常の音を取り込みつつ、聞きたい音楽を自分だけ聞きながら活動する、という事が可能になったわけで、自分だけに聞こえる音楽と、自然界で聞こえる音を自分だけがミックスして聞く事で、日常生活をそのまま送る事ができる、というスタイルが確立した。
そして、そのスタイルをコンセプトとして明確に打ち出してきた製品が現れた。
それがSonyの「LinkBuds」であり、「Linkbuds S」である。「LinkBuds」は穴あきのイヤフォンで外の音を取り込むことができる(というか絶対に聞こえるとわかる)事を前提とした製品で、「Linkbuds S」は第二世代機はノイズキャンセリング機能をもったカナル型という出で立ちである。
この二つは見た目的には異なる製品に見えるが、一応兄弟機という位置付けという事らしいが、出来る事を列記すると「Linkbuds S」は「WF-1000XM4」と変わらないものであり、唯一の違いであるサービス連携を有効にしてしまうと、ホントに「WF-1000XM4」と同じ機能になってしまうので、「LinkBuds」らしさは感じない製品と言える。
こうしたSony製品の位置付けは良いとして、こうした製品が登場した背景にはもう一つの無視できない製品がある。
それが骨伝導イヤフォンである。
骨に振動を伝え、それで音を聴くという機構から、耳からは普通に外音の生音が聞こえてくる。だから日常生活の中で起きる音を聴きつつ、骨伝導で聞きたい音をミックスさせて聴くという事が可能な製品である。
こういう製品が登場した事で、日常生活での活用方法が大きく広がった。
それぞれの製品にメリットデメリットがあるが、こうした日常生活で使うようになってくると、接続する機器も当然増えてくるわけで、マルチポイント接続という要望が強くなってくる。
そうしたニーズから、昨年Sonyが現行機種でアップデート可能な機器に、マルチポイント接続機能を持たせるとしたのだろうが…。

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軟骨伝導のヘッドフォン

オーディオテクニカから発売された世界初の軟骨伝導ヘッドフォン。

軟骨伝導とは

骨伝導ヘッドフォン(イヤフォン)が数年前から話題になっていたりするのだが、正直、私は今までコチラに手を出したことがない。
一応、気にはなっていて、過去の当Blogでも記事に取り上げた事はある
その際にはShokz製の「OpenRun Pro」という製品を取り上げたのだが、この製品は、いわゆる硬い頭蓋骨を振動させてその振動を音を感じる蝸牛に直接伝える事で音を感じさせる製品で、鼓膜や中耳内の三骨(つち骨・きぬた骨・あぶみ骨)を軽油しないで直接蝸牛へ振動を伝える仕組みを利用している。
ものすごく簡単に説明すると、頭蓋骨をスピーカーにして、蝸牛へ直接そのスピーカー振動を伝えているという感じである。
しかし、この方式のデメリットは、左右の耳に届ける音が頭蓋骨を経由する段階で混ざってしまうというもの。
また、高域の抜けはよいものの、低域の音の出方が非常に悪いのだが、この低域の弱さに関しては、前述のShokz製の「OpenRun Pro」ではアクチュエータ部に複数の開口部を設ける事で、低域特性を大幅に改善できた。
だが、それでもステレオ感は弱いという問題は仕組みの関係上どうする事もできないのが弱点と言える。
軟骨伝導という世界初のデバイスだが、オーディオテクニカが発売した「ATH-CC500BT」は軟骨伝導という方式を世界で初めて採用した。
この軟骨伝導は2004年に発見された新しい方式で、500年以上前に骨伝導が発見されて以来の大発見と言われているものである。
耳の周りには軟骨が多く、また外耳の周囲も軟骨で覆われているため、この軟骨に振動を伝えることで外耳道内に空気振動を作りだし、それを鼓膜がキャッチする事で音を聞く事ができる、というのがその仕組み。なので通常の骨伝導では使用しない人体部位も使用するのが、軟骨伝導というわけである。
メリットは左右それぞれの軟骨に振動を伝えるので、独立したステレオ音声を再生できるという事。そしてデメリットは鼓膜や中耳の三骨を使用するので、骨伝導補聴器としては使えない、という事である。
ATH-CC500BTは、軟骨伝導を利用した世界初の骨伝導ヘッドフォンと言われている。やはり気になるのはその音質だと思うが、実際の使用感はとても気になる所である。

音は良いようだが…

軟骨伝導によって、従来の骨伝導とは異なるアプローチから音を耳に伝えている仕組みのおかげで、音そのものは従来品よりもずっと良いらしい。
実際に私も聴いたことがあるわけではないので、詳細な事は言えないが、従来の骨伝導が苦手としていた低域の音再生は無理なく達成しているようである。
ただ、残念なのは全体的な音のボリュームが小さいようだ。
本来、この手の製品は日常生活の中で周囲の音を聴きながら音楽など別の音源を聞くという事に使用する事を想定しているものだが、その周囲の音が大きすぎるような環境に入ると、本機からの音がかき消えて聞こえなくなるようである。
例えば、駅のプラットホームなどで電車が通過する時の音などであれば音がかき消えても仕方が無いと思えるが、そんな大きな音ではない音であってもかき消えるような弱さのようだ。
全くダメだ、というわけではないだろうが、各所で音は小さいと言われている事を考えると、周囲がうるさい環境ではあまり使えない可能性がある。
また、ATH-CC500BTにもマイクは付いているが、このマイクで拾う音についても小さめのようで、ATH-CC500BTを付けたまま通話した際、相手側には声が小さく遠くで話しているように聞こえるようだ。
今回、ATH-CC500BTが世界初の軟骨伝導機器という事を考えると、まだまだ改良の余地があるのかもしれない。

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WF-1000XM4はまだ終わらんよ

ようやくマルチポイント接続に対応。

今まで未対応

私はSonyのワイヤレスヘッドフォン「WH-1000XM4」とワイヤレスイヤフォン「WF-1000XM4」を所有している。
自宅で使用している時は主として「WH-1000XM4」を使い、出かけた時に「WF-1000XM4」を使う事が多いのだが、この2つ、単に形が違うだけの製品というわけではない。
「WH-1000XM4」は、ヘッドフォン型という事もあり、そのノイズキャンセリング能力はずっと高く、またマルチポイント接続に対応している事から、PCとスマホに接続し、PCの音を聴いている時に電話などがかかってきた際、何もせずに接続先が切り替わり、通話可能になるなど、とても便利に使えている。
一方、「WF-1000XM4」はイヤフォン型なので取り回しはとても楽で便利なのだが、マルチポイント接続に対応していない事から、現状ではスマホ、もしくはiPad Proのみに接続して使用している。
マルチポイント接続に対応していないだけで、その使い勝手が大きく変わってしまう事に、自分としては「何とかならないものか?」と思う事も多々あったのだが、Sonyは本日、発売中の「WF-1000XM4」と「LinkBuds」、「LinkBuds S」の3モデルに対し、アップデートでマルチポイント接続に対応すると発表した。
ようやくマルチポイント接続に対応今までマルチポイント接続に対応していなかったのが不思議なくらい、最近では当たり前のような機能だったワケだが、Sony製品では完全ワイヤレスイヤフォンでは今まで対応していなかったのである。
気になるアップデート時期だが、「LinkBuds S」と「LinkBuds」が11月17日、「WF-1000XM4」が今冬としている。「WF-1000XM4」のアップデート時期が明確になっていないのはとても残念だが、まずは発表があった事は喜ばしい事と受け止めよう。

穴あきのLinkBuds

正直、私は「LinkBuds」という製品が世の中に登場した時、これがバカ売れするという予想はしていなかった。
外音取り込み機能があれば「WF-1000XM4」で十分だろうと思っていたからだ。
だが、実際には「LinkBuds」はヒット商品となり、この「LinkBuds」の常時装着というコンセプトから、穴が空いていない「LinkBuds S」が登場し、穴が空いていないのであれば、この製品の存在意義は何なのか? とSonyのワイヤレスイヤフォンの戦略が見えなくなっていた。
だが、よくよく考えて見たら、この常時装着というコンセプトを前面に押し出したからこそ「LinkBuds」から「LinkBuds S」が生まれたという事が見えてくる。
そう、「WF-1000XM4」だと存在感がありすぎるのである。
また「LinkBuds S」は「LinkBuds」と「WF-1000XM4」のイイとこ取りをした製品だと言える。
音質は「WF-1000XM4」に寄せ、外音取り込みを「LinkBuds」に寄せた製品になっているのである。
常時装着だからこそ、外音取り込みの機能は重要であり、その部分は価格的にも上位な「WF-1000XM4」より性能向上させた…それが「LinkBuds S」だと言える。
まぁ…私は遮音性や音質の良さを重視するので「WF-1000XM4」の方が好みに向いているのだが。

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FX-502J PROを使ってみて

アンプを入れ替えて一週間ほど経過した。思ったより良い感じ。

普通に使う分には十分

DellのAW3821DWにモニタを替えた事で、私のPC周りの機器をいろいろと見直す事となり、長年使用してきた雑誌付録のLXA-OT3というアンプから、FX-AUDIOのFX-502J PROにアンプを切り替えたという話を当ブログでも記事として書いた
アンプを入れ替えてから、すでに10日間ほど経過したわけだが、トーン・コントロールを適正値にしてからというもの、音は非常に安定し、普通に使う分には何ら困ることのないアンプになった。
もちろん、プロが聞いたら音の違いが明確に出たりもするのだろうが、素人の耳では大きな違いは感じられないほどである。
ついでにスピーカーケーブルもJVCのものに切替えたが、こちらは末端処理が未処理だったのが痛恨のミスで、現時点では自分の手で撚って使用している。ホントはココにハンダ付けでもすればまた違うのだろうが、とりあえず撚ったところにバナナプラグを取り付けてFX-502J PROとスピーカーに接続している。
拘る人だと、このハンダ部分でも音質に劣化が…とか言い出すのだろうが、そういう人はそもそもFX-502J PROは使わないと思うので、そこまで拘らない人で撚ったケーブルがイヤという人は、ハンダで留めてしまった方がよいだろう。
で、あまりにも普通に使えてしまっているFX-502J PROなので、音としてもっと面白く手を入れられないかな、と先日ケースを空けてみた。
もともと、2箇所だけオペアンプになっていて、交換できる仕様になっている事は知っていたのだが、中を空けてみてその事を確認した。
というか、こういうのをいとも簡単に分解してみようと思ってしまう所が、私もバカだな、と思ったりもするのだが。

お手軽にアップデート可能

FX-502J PROは、スピーカーケーブルを繋げる端子の近くに、2箇所だけオペアンプがソケットに取り付けられている。
もうケースを空けてすぐにわかるところに付いていて、あとは工具でオペアンプを引き抜いて、別のものと差し替えればそれでお手軽アップデート、という感じになる。
構造は簡単なんだけどね…もともと取り付けられているオリジナルのアンプは、TI製のNE5532というオペアンプ。決して悪いものではないのだが、これを高級品に入れ替えると、また違った奥行きが出たりする。
1つのソケットで2回路必要なので、1回路のオペアンプだと2個を連結してやる必要があるので、それに適応したソケットも用意する必要があるが、もともと2回路のオペアンプならそのまま差し替えて使用する事ができる。
取り替えるオペアンプは、それぞれ「前段増幅オペアンプ」と「負帰還式トーンコントロール回路オペアンプ」で、トーンコントロールを積極的に使わないのなら「前段増幅オペアンプ」だけでも交換するだけでも音は大きく変わると考えられる。
問題は交換するオペアンプだが…ここはやはり日清紡マイクロデバイス(元新日本無線)のMUSESシリーズ、それもMUSES 02あたりと交換するのが良いのではないかと思う。
1個あたり3,400円もするオペアンプだが、その作り出される音は素晴らしいと評判のオペアンプである。
もちろん、同じ日清紡マイクロデバイスのMUSES 8820や8920でも良いが、こちらは価格的に400円とか480円というものなので、価格だけ見ればMUSES 02の方が高級品と言える。
だが、人によって音の聞こえ方も違うだろうから、案外MUSES 8820でも耳に馴染む人もいるだろうし、いろいろ試してみるのが良い。
まぁ…MUSES 02の3,400円を気軽にお貯めしというのも問題はあるかもしれないが。
また、同じTI製でもOPA627BPやOPA627AUなんかでもよいかも知れないが、こちらは1回路なので、2回路に連結できるソケット基板を用意する必要がある。
定番の改造だが、簡単に音をリッチにできるので、オススメである。

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PCの音周りを入れ替え

モニタの入れ替えに伴い、全ての接続を見直した。

HDMIセレクターの排除

モニタをDellのAW3821DWに変更するにあたり、今までの映像、音声まわりの機材を全て見直す事にした。
今まではモニタにDellのU3415Wを置き、DisplayPortでPCと接続、HDMIはセレクターで出力を2系統に分け、1つをU3415Wへ、もう1つをキャプチャユニットに接続し、HDMIセレクターの入力にPS4とSwitchを接続する事で、U3415WにPS4とSwitchの映像を直接表示させるのと、キャプチャユニットに映像入力を行うのを同時に行えるようにしていた。
だが、ここ最近配信という事を全くしないようになったので、もうキャプチャユニットを外しても良いだろう、という判断を下した。配信する時はPCゲームを配信すればよいので、あえて外部入力に拘る必要がない、と考えたわけである。
というわけで、PS4もSwitchも映像出力を直接AW3821DWに行えばよい事になったため、HDMIセレクターの意味がなくなってしまった。
不要なら外してしまえ、という事で、今回の機材入れ替えでHDMIセレクターを排除、全てをAW3821DWで切替える事にした。ただ、この事で一つ問題がでたのも事実。それが音周りで、今まではHDMIセレクターの音声出力からYAMAHA AG06のライン入力へ入れて、AG06からスピーカーやヘッドフォンに出力する、という方法を採っていた。HDMIセレクターを排除した事でそれができなくなったので、さてどうするか? と考えた所、HDMIでAW3821DWに入力をしているのだから、AW3821DWのライン出力からAG06のライン入力に入れてやれば同じ事ができると考え、音声の流れも一斉に切替える事にした。

アンプの入れ替え

で、そこで先日のアンプ故障の問題から、新たにFX-AUDIO-のFX-502J PROを購入、AG06の出力からFX-502J PROに音声を入力し、そこからウッドコーンスピーカーで音を鳴らす事にした。
まだ仮置きだけれど、性能実験は良好だった正直、今までのLXA-OT3という雑誌付録アンプがあまりにもよい出来だったので、入れ替えた途端に音に問題が出るかも知れない、という不安はあったものの、FX-502J PROの音も悪い音ではない事がいくつかのテストで判明、上手くトーンコントロールを使いながら、良い音を模索する事ができる環境を作り上げた。
と言うわけで、音周りはAG06を中心にPS4の音もSwitchの音もAW3821DW経由でAG06に入れ、PCの音はUSB入力でAG06に入り、それらにMIXする形でマイクの音声も入り、今までとほほ同じ環境を再現する事が完了した。
正直、外部入力をキャプチャしなくなる事で、今までの再生環境はもっと複雑にしないとダメかな、と思っていたが、要するにPS4とSwitchの映像をキャプチャしなくなるという事は、それらの音も単に鳴らすだけの話になる事から、結構単純かでき、セレクター機能をAW3821DWが担ってくれたおかげで、簡略化させる事が出来た。
結果的にとても良い構成になったのではないかと思う。

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アンプが壊れた

モニタの入れ替えのついでに周辺を整理したらトラブル続出。

ついに壊れた?

昨日、モニターを入れ替えたという話をしたが、結局、そのモニターはモニターアームが合わないという事でトラブルのある状態のまま、モニターアームが伸びた状態で接続されている。
これはモニターアームを交換するしか方法がないので、今、交換の手配をしているのだが、このモニター入れ替えに際して、PC周りをガサッと整理した。
特にHDMIセレクター周りはケーブルなどが煩雑になっていて、一度整理する必要があると思っていたし、今までセカンドモニタを置いていた場所が空いたので、そちらに機器を移動したりする関係から、大がかりな整理が始まった。
そこで従来使っていたPCに接続していたアンプ類も取り外したりしたのだが、ここでまた別のトラブルが発生した。
アンプを再接続したら…電源が弱いのである。
いや、正確に言うと、もう電源が途中で落ちるようになってしまった。
これは電源として使用しているアダプタにトラブルが起きたのか、それともアンプそのものにトラブルが起きたのか、どちらなのかはわからない。
ただ、アンプの電源が維持できない状態になってしまった事は間違いが無く、PCからの音をスピーカーを経由して出す事ができなくなってしまった。
今まで使っていたアンプだが、実はちゃんとしたものではなく、Stereoという雑誌に付録として付いてきた、LUXMANのアンプ「LXA-OT3」というものである。
雑誌では基盤しか付いてこないのだが、この付録企画に連動した企業が台座などを発売したので、その台座に付けて使用していた。
その付録を手に入れたのが2013年の12月なので、既に9年もこのアンプを使っていた事になる。ちなみに手に入れた時のBlog記事はコチラ

付録の寿命か

このLUXMAN設計の付録アンプだが、実に良く出来ていて、今までこれで事足りていた。
このアンプーにケンウッド(現在はJVC)のフルレンジウッドコーンスピーカーを接続して使用していた。
ウッドコーンスピーカーを購入した時にもBlog記事を書いたのだが、木の特性を活かしたスピーカーで、自分としてはその音の鳴りが気に入っていたので、今までずっと使っていた。
何の問題もなく今まで使えていたので、そのまま使用していたのだが、今回の件で電源が怪しいとなると、遂に寿命か、という事も視野に入ってくる。
ある意味、丁度良い時期だったのかもしれない。
スピーカーはそのまま使用出来るので継続使用になるが、アンプは完全に入れ替える事になるので、あまりサイズが大きくなく、ちゃんと音が出る製品を探す事にした。
サイズの大きなアンプは、探せば沢山出てくる。それこそ格安機から高級機までいろいろである。だが、サイズが小さいとなると、その格安機から高級機までの落差がもっと広い感じがして、自分としての最適解がなかなか出てこない。
しかも、スピーカーケーブルは特殊なものでなく、線がそのままのものを使用するので、できればバナナプラグが差し込めるものが理想である。
で、いろいろ探した結果、やはりFX-AUDIOの製品にたどり着いた。
ココにきてアンプの交換とは…製品名は「FX-AUDIO- FX-502J PRO」である。

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平面駆動ヘッドフォンを自作

フォステクスから先行販売していたものが一般販売に。

RPKIT50

当Blogでも2021年7月に紹介した事があるが、フォステクスのオンラインショップで先行販売していた、平面駆動型振動板搭載のヘッドフォン組立キット「RPKIT50」が一般販売を8月上旬から開始する。
価格はオープンプライスだが、先行販売をしていた時と同じで33,000円前後になる予定のようである。
自作キットではあるが、難易度は高くないこのフォステクスのヘッドフォンは、独自開発のレギュラーフェーズテクノロジーを採用した振動班を搭載したもので、それを完成品ではなく、組立キットとして販売する。
スピーカーもそうだが、案外こうしたものの構造は単純なものが多く、それだけに調整でいろんな変化が起きる。
例えばこのキットだと複数の吸音材を取り付ける事でいろいろなチューニングが可能で、趣味の音楽鑑賞用としたり、あるいは正確な音を出すようにモニターヘッドフォンのような出音にチューニングしたりする事ができる。
ただ、いくら単純といっても電子機器なので、作るのはちょっと…と思えるかも知れない。だが、ベースとなるハウジング部分は既に組立済みになっているので、ハンダ付けはスピーカーユニットのプラスとマイナス端子にリード線をくっつけるというのみで作れてしまう。
なので、自分で自由にチューニングできるヘッドフォン、という捉え方で挑戦してみるのも面白いかも知れない。

平面駆動

この「RPKIT50」は平面駆動型のヘッドフォンだが、前述したように、独自開発のレギューフェーズテクノロジーを採用している。
このレギュラーフェーズというのは、全面駆動型という意味で、反発する協力な磁石で平面の振動板を挟み込むという構造になっている。コンデンサスピーカーのように高い電圧を掛けなくても平面駆動できるという利点がある、実に独特な方式である。
ドライバーユニットとして平面駆動型のヘッドフォンというのは、従来高級な製品しか存在していなかったのだが、フォステクスでは独自開発技術でこれを3万円台のキットとして提供できた、というところが面白い所である。

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シリーズ最大のNC進化

新型が登場したのはいいが、さらに高価格帯になったのはどうかと思う。

WH-1000XM5

Sonyから、ノイズキャンセリング機能付きBluetoothヘッドフォンのフラッグシップモデル「WH-1000X」シリーズの最新モデル「WH-1000XM5」が発表された。
発売は5月27日で、価格はオープンプライス。店頭予想価格は5万円前後と、シリーズ最高価格になると予想されている。
今回、この新型モデルが発売になるにあたり、旧来は従来機が生産中止になり、完全に入れ替わるのだが、今回の「WH-1000XM5」の場合は、従来機である「WH-1000XM4」はそのまま併売されるとしている。
おそらく、Sony側も価格の高さを理解している、という事でもあり「WH-1000XM4」の性能でも十分ノイズキャンセリングヘッドフォンとして利用価値があるという事なのだろうと思われる。
現時点で最強のノイズキャンセル性能とは思うが、価格がね…「WH-1000XM5」の最大の特徴は、そのノイズキャンセル機能にある。
従来機では外音を取り込むマイクが片側2基、計4基だったものが、片側4基、計8基と倍増。これに組み合わせるのが従来機にも搭載されていた高音質ノイズキャンセルプロセッサ「QN1」と、ワイヤレスノイズキャンセルイヤフォン「WF-1000XM4」に搭載されていた統合プロセッサ「V1」の2個のプロセッサで、8個のマイク信号を制御する事でシリーズ最大のノイズキャンセル性能を実現したという。
マイクの音の制御が高度化した事で、ノイズキャンセル性能が向上しただけでなく、アンビエントサウンド機能における自分の声の取り込み機能も向上、よりクリアな音を取り込めるようになった。

搭載ドライバーは30mm径

従来モデルでは搭載されているドライバーは40mmを使用していたが、今回の「WH-1000XM5」では30mm径のドライバーとサイズダウンしている。
音質に影響があるように思えるが、エッジ周りの部材の変更や最適化で、低音域感度が上昇、ノイズキャンセリング性能を向上させると共に低音域の再現性を向上させている。
またドーム部には高剛性カーボンファイバーコンポジットを採用し高域感度が向上したとしている。
総合的にドライバー径は小さくなったものの、その音質はSony品質に達しているとする。
気になる対応コーデックだが、これは「WH-1000XM4」と同じくSBC、AAC、LDACとQualcomm系のapt-Xシリーズには対応しない。
この辺りは従来機と同じで、スマホなどにインストールするアプリ「Sony | Headphones Connect」で、圧縮音源をハイレゾ相当にアップコンバートするDSEE Extremeも引き続き搭載する。
また、360RA認定を取得しているので、立体音響にも対応するし、ハウジング部をおさえると一時的に外音を取り込むクイックアテンションや、自分の発する声に反応して音楽再生を停止し、外音を取り込むスピーク・トゥ・チャットなども引き続き搭載しているが、唯一、NFCは非搭載になった。
連続再生時間はNC ONで30時間、NC OFFで40時間で、3分の充電で最大1時間再生できるクイック充電に対応する。また、3分の充電で最大3時間再生できるUSB PD充電にも対応しているので、突然のバッテリーアップでも困る事はないだろう。

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高音質でノイズキャンセル

Noble Audioから、ついにアクティブノイズキャンセルなイヤフォンが登場。

FALCON ANC

Noble Audioというメーカーの話を、当Blogでは過去何回か記事にしている。
その際「FALCON」シリーズという左右独立ワイヤレスイヤフォンを取り上げているのだが、このFALCONシリーズは音の良さに特化したワイヤレスイヤフォンである。
ジョン・モールトンという通称ウィザードと呼ばれる聴覚専門医の博士がチューニングしたそのイヤフォンは、異次元の音の良さで定評があり、Noble Audioにはハイエンド製品ばかりが並んでいた。
しかし、この「FALCON」シリーズの登場で価格的に手の出しやすい製品が登場した事で、その音の良さを低価格で実感できるようになった。
これはとても喜ばしい事だが、残念な事に今まではアクティブノイズキャンセル機能は搭載されていなかった。
これには理由があり、ノイズキャンセルというのは外の音と逆位相の波形をぶつける事でノイズを消すという事をしているので、その仕組み上、本来の音にとってあまり良い影響とは言えない。それを嫌ってNoble Audioでは純粋な音の良さだけで勝負していたとされていたが、世間の波には勝てなかったのか、ついにアクティブノイズキャンセル機能を搭載した製品を投入してきた。
Noble Audioからついにノイズキャンセル製品が出たそれが「FALCON ANC」という製品で、5月13日に発売が予定されており、その価格はオープンプライス、店頭予想価格は19,800円前後になるらしい。

10mm径ドライバー

気になるそのスペックだが、搭載されるのはPU層とチタン層の2層構造となる10mm径ダイナミック型ドライバーとなる。
FALCON2がフルレンジ6mm径ダイナミックドライバー、FALCON PROが6mm径ダイナミックドライバーとBAユニットで構成されていたワケだが、今回のFALCON ANCはダイナミック型のみの10mm径ドライバーとなる。
再生周波数帯域は20Hz~42kHzとかなりワイドレンジ再生に対応するもので、チューニングは前述のジョン・モールトン氏が行っている。
ANCを使うと少なからず音質に影響はでるのだが、ジョン・モールトン氏のチューニングでANC時、ヒアスルー(アンビエントサウンド)時、ANC無効時において、帯域バランスの変化は極力抑えたものとなっているようだ。
これらの音を正確に耳に届けるため、イヤーピースも表面にコーティング加工を施したものになる。初回生産分にはSpinfit製の完全ワイヤレス用イヤーピース「CP360-F」も同梱され、これは米国FCC認可済みの医療グレードシリコンで作られている。
また、装着時の落下防止のため、イヤーフックも同梱される。これらを使用する事でランニング時などでも落下を防ぐ事ができるという。
再生コーデックとしては、SBC、AAC、aptX、aptX Adaptiveをサポートする。aptX Adaptiveは、96kHz/24bitというハイレゾ音源再生に対応している。また、aptX Adaptive Low Latencyモードも利用できるので、低遅延が要求されるコンテンツなどでも積極的に使っていけるものとなっている。
連続再生時間は、ANCオフ/SBC接続時で最長約8.5時間という事が公式で歌われているのみで、ANCオンの時の連続再生時間は公開されていない。おおよそ5時間ほど保つ程度、といったところか。充電ケースでは4回分の充電ができるので、実幼児用はそんなに問題はないだろう。ちなみにケース内で充電する場合、約2時間で充電は完了する。

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WH-1000XM5の噂

意外と早くに出てきそうな感じの新型。

ノイズキャンセリングの雄

SonyのWH-1000XM4が発売されたのは2020年9月の事。
あれからもう1年半が過ぎたワケだが、最近になって後継モデルの噂が出てきた。
今の所、WH-1000XM5(仮)と名付けられたその新型は、リーク情報とともに画像が漏出した。
噂の出所はドイスとのTechnikNewsで、匿名の小売店関係者の話として出てきた。
形には賛否両論ありそうな感じ内容はデザイン変更、バッテリー駆動時間の改善といったもので、最大40時間の駆動時間を実現したものとなるらしい。充電時間は3.5時間で従来より30分長くなっているが、30分で10時間分延びたと考えれば、より便利になった感じがわかりやすいかも知れない。
新しいデザインだが…これは人によって好き嫌いが出そうな感じである。
AirPods Maxとは明らかに異なるが、BOSEの「Bose 700」のような印象はあるかもしれない。
イヤーカップはより柔らかさを増したような感じはあるが、これはノイズキャンセリング機能とは相反するケースがあるので、見た目ほど柔らかくないのかも知れない。
ノイズキャンセリングに必要なマイクは3個で数は変わらないが位置は変更されているし、NC/AMBボタンが別にあり、以前のようにCUSTOMボタンでNC/AMBを切替えるという感じではない。これによってわかりやすくなる事は間違いないので、より扱いやすくなる可能性はあるかもしれない。
また、ノイズキャンセリング機能のためのドライバーが新しくなり、内部には2個のプロセッサが搭載されているという話もある。この追加されるプロセッサがどんな仕様のものなのは不明だが、より演算能力を高め、周囲の環境に適した制御を実現するものになるだろう事は想像に難くない。

登場は秋ごろか?

もし、現モデルの発売日が参考になるのなら、登場は秋頃になるだろう。
ただ、半導体の入手性などを考えれば、それよりも遅くなる可能性もあるし、実際の所はわからない。
ただ、おそらくは2022年中には登場するだろうという感じはある。この時、機能として強化される部分が最終的にどんなものになるのかは、今のところ判らない。
リーク情報から前述のような違いを列記はしたものの、それに留まらない可能性は高い。
この分野において、ノイズキャンセル機能ナンバー1のタイトルは、結構熾烈な争いが繰り広げられている。SonyとしてはWH-1000XMでBOSEの牙城を崩した手前、世界最高を謳うために技術開発をしているだろうから、今回の新型も形からして異なる事から単なるマイナーチェンジではない可能性が高い。
この手の製品に興味のある人は、期待して待っていてもよいのではないかと思う。

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ST-90-05

アシダ音響のコスパ最強ヘッドフォン。

業務用を民生用に

ちょっと前くらいに、ネットで話題になったヘッドフォンがあった。
アシダ音響という創業70年を超える業務用音響機器を製造しているメーカーが、業務用であるヘッドフォン「ST-90」をベースに、音楽用の「ST-90-05」として製品化したヘッドフォンである。
コストパフォーマンス抜群の逸品
この「ST-90-05」の最大の特徴は、何と言っても国内製造品だという事。
恐ろしく堅実なその姿も、いかにも業務用といった赴きがあるが、それは使われているパーツなどを見てもよくわかる。
ケーブルは医療・産業用ケーブルメーカーのもののような高耐久のものを使用し、ヘッドバンドもあえて樹脂押しだし材を使用しているのも、PUレザーのように化学変化で材質が崩壊するのを防ぐため。とにかく使用後3年経過した時の製品品質を考えてデザインされている。
おそらく、原価率は相当低いと考えられる。利益度外視の製品ではないかと。
で、問題の音質だが…実にリファレンスな音がする。
低音が強めに出るが、オンイヤータイプなのでそういう仕様にしているのかもしれない。ただ、それが虚飾過ぎるかといえばそうでもない。
あくまでもイメージはリファレンスである。
シンプルなデザインでありながら、音もまさにシンプル。派手さはないが堅実性を感じられるのは、その見た目と同じ。そんなヘッドフォンである。

噂に騙されるな

ただ…この「ST-90-05」だが、ネットで評判を呼び、価格が急高騰したりもした製品だが、過大評価になっているのではないかと思わせるところもある。
というのは、独特のクセがあるのも事実で、音質という面でみれば、もっと高級品で良いものがあるのは事実である。
ただ、同じコストの製品と比較すれば「ST-90-05」は飛び抜けて良い音という事になる。
つまり、価格帯効果が高い製品であって、音質が最高の製品ではない、という事である。
「ST-90-05」の元々の価格は6,380円である。
この価格の他製品と比べれば、その音質も、製品品質も圧倒的である。
ただ、基準はあくまでも6,380円というところを中心に持ってきた時の品質である。
たとえば、私がメインで使用しているAKGのK702やその上位のK712の方が、音質でいえばより上を行くだろうが、価格は普通に1万円を超え、2万円を超えてくる。
基準をどこに持ってくるかで、評価が変わるので「ST-90-05」を過大評価してしまわない方が良いだろうと思う。

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骨伝導ヘッドフォン

今、自分の中でちょっと興味のあるアイテムがコレ。

耳を塞がないヘッドフォン

ちょっと前から、骨伝導の仕組みを利用したヘッドフォンやイヤフォンが販売されはじめた。技術的には昔からあるものではあるものの、ここ最近注目されてきているのには、おそらくノイズキャンセリングベッドフォンが台頭してきた事に原因があり、それと同じように外音を取り込んで「ながら」聴きができるというところが注目されたからではないかと思う。
骨伝導ヘッドフォンは、その名の通り、音を聴かせるために骨伝導を利用する。
つまり、耳の少し前側の骨に振動を与えて、その振動で音を聴かせるという方法である。
それによって、耳の鼓膜を塞ぐ事なく音を伝えることができるため、周囲の音を聴きながら特定の音を聴き続けることができる。
ジョギングなど、外で運動をしている時に使うことで、交通安全をはかりながら音楽を聞く事ができるので、そうしたスポーツ目的で使う人も多いデバイスというのが、私の今の認識なのだが、聞くべきものを周囲の音を拾いつつ聴くことができるという利便性は、情報過多な現代においては、非常に有用な事なのかもしれない。
骨伝導ヘッドフォンは、そうした今までとは異なる技術のヘッドフォンだが、思いの外、価格は安く設定されている。
もちろん、価格の高低はその品質に左右されるのだが、骨伝導ヘッドフォンの中でも比較的高価な製品に、Shokz製の「OpenRun Pro」という製品がある。
手軽に使える骨伝導前モデルは「OpenRun」となっていて、今回その名称の通りPro版という位置付けに見えるが、実際には後継機種である。

Shokz OpenRun Pro
https://jp.shokz.com/products/openrun-pro

いろいろな方式

「ながら」作業で使えるヘッドフォンやイヤフォンは、何も骨伝導ヘッドフォンだけではない。
他にも穴あきイヤフォンや耳元スピーカーなど、耳に直接音を伝える製品にも、そうした「ながら」作業を可能にする製品は存在する。耳というピンポイントな場所にフォーカスするだけでなく、肩に載せて使うタイプも存在し、それぞれにメリット・デメリットが存在する。
耳元スピーカー、肩載せスピーカーなどの使用感は、開放型ヘッドフォンのような聞こえ方がするイメージで、耳には開放感があるにも関わらず、そこへ包み込むような音が届けられるような感じである。
穴あきイヤフォンは、普通のイヤフォンのように耳に入れて使用するが、そこに穴が開いていて外の音が聞こえるというもの。それだけにイヤフォンをしているという印象は強いが、音の聞こえ方はソフトである。
これらの「ながら」作業を可能にするイヤフォンは、その構造上どうしても音漏れが発生する。ただ、骨伝導イヤフォンは発生する音を相当に大きくしないと音漏れがないという特徴があり、遮音性では一つ頭が飛び抜けているかな、という印象が私にはある。
ただ、e-イヤフォン公式のYouTubeチャンネルで行った製品比較では、骨伝導でなくても結構音漏れしない製品が最近は多い様で、そのあたりの認識は実際に製品を使ってみてから判断するのが良いかも知れない。

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