私が過去含め名作と呼ぶゲームはそれなりにあるが、その中でも群を抜いて面白いと思っている作品の一つが『かまいたちの夜』である。
かまいたちの夜は、スーパーファミコン版を元祖とするサウンドノベルというジャンルのアドベンチャーゲームで、どちらかというと行動選択肢のある小説という感じのゲーム。
とにかく画面上に出てくる文章を読み、そのストーリーの中で最適と思われる選択肢を選んでいくことで物語が進行していくのだが、その選択肢がプレイするたびに増えていき、最終的にはとんでもない文章量のストーリーへと膨れあがっていく。
ストーリージャンルはミステリー。冬のペンションを舞台とした物語で、そこで殺人予告が行われるところで物語りは次第にサスペンス・ホラーの様相を見せ始める。
登場する人物を薄い青色のみで塗りつぶした影絵にし、背景を実写にする事で、登場人物の姿を読み手の想像力に任せるというスタイルを取った事で、このゲームの面白さはより際だったのではないかと思う。
このゲームほど脳の知的感性を刺激されるゲームは内のではないかと思える程で、そのストーリーの幅の広さには脱帽するばかりである。
ミステリーで始まったハズのストーリーが、変な選択肢の登場でスパイ物語になったり、あるいは悪霊の話になったり、宝探しの話や探偵物語になったりと、実に多岐にわたる展開を見せる。チュンソフ党の陰謀なんてシナリオもあり、このシナリオに進むには隠しメッセージを見つけ、ある操作をしなければならない…と、遊び心満載の仕掛けなどもあったりする。
このように非常に希有な魅力を持ったかまいたちの夜という作品は、その後PlayStation版が発売、さらにゲームボーイアドバンス版が発売され、Internet版が展開され、さらにケータイゲームになった。
グラフィックパワーが必要なワケでもないため、あらゆる機種に進出しやすかったというのもあるだろうが、とにかく幅広い機種で発売され多数のユーザーに愛される作品となった。
そんなかまいたちの夜も、続編となる2作目、3作目が作られたが、初代の面白さを超えたとユーザーに認められる作品とはならなかった。
この結果は偏にストーリーの内容による評価だと思うが、残念な事にストーリー分岐そのものも初代ほど多くはなく、見せ所の幅そのものが狭かった、というのもあるのかもしれない。
このように2作目、3作目が思った程の評価を得ることのできなかったかまいたちの夜シリーズを再度復活させるべく、PS3およびPS Vitaで最新作が作られることが発表された。
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