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発電するガラス

再生可能エネルギーを窓からも取り込む試み。

屋根だけでなく窓でも

パナソニックホールディングスが、ガラス建材一体型ペロブスカイト太陽電池なるものを使い、窓から太陽光発電をして再生エネルギーを家に取り込むという実証実験を開始したようである。
このガラス建材一体型ペロブスカイト太陽電池は、ガラス基板上に発電層を直接形成するもので、簡単に言うと「発電するガラス」である。
どこからでもエネルギーを得るために窓やバルコニーといった、太陽光は当たるが従来の結晶シリコン系太陽電池を設置するには不向きなところを発電可能にする事を目指して開発されたもので、独自のインクジェット塗布製法とレーザー加工技術とを組み合わせて、ガラスのサイズ、透過度、デザインなどのカスタマイズが可能な製品を作り出した。
これによって得られた発電効率は、従来の結晶シリコン系太陽電池と同等とされており、実用サイズのモジュールとして世界最高レベルの17.9%の効率を生み出している。
これによって、従来は屋根などに設置する結晶シリコン系太陽電池だけでなく、窓や壁といった部分でも発電を可能にし、より多くの再生エネルギーを得られるようになる、というのが、狙いである。

我が家では無関係だが

借家にいる時点で私がこれらのものを使う事はまずないのだが、光熱費がとても気になるので、今回のガラス建材一体型ペロブスカイト太陽電池が目に止まった。
他にも、フィルム型の太陽電池など最近は壁面や窓といったところを発電に使用する事を想定した実証実験は他でも行われており、NTTデータもフィルム型ペロブスカイト太陽電池を建造物壁面に設置した実験を行っている。

実際問題、どの程度の発電が可能で、どの程度の期間使用可能なのかは、これらの実験結果で分かることになるわけだが、これが息の長い再生エネルギー取得の道として確立すると、国内での電気エネルギーの補填としてはかなりのものを得られる可能性がある。
ただ、こうなってくると問題なのは日照権などの権利問題が大きく問題化してこないかという心配もある。
例えば都会では、高層の建物ほど有利になり、その周辺にいる人は太陽光を遮られる事から、得られるエネルギーが少なくなってしまう。
実際問題、日照権で争われているケースはないようだが、損害賠償という形で係争が起きているという話もある。住宅地が密集しているところでは、起こり得る話である。

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真実を知るということ

すべての教育は「洗脳」である…と堀江貴文氏は言った。

私が知りたいこと

今年の夏前くらいからだろうか。
私は今までずっと疑問だった事を調べて見たい、という気持ちで、いろいろな書籍を読もうと考えはじめた。
私がずっと疑問だった事は大きく分けると2つあるのだが、その一つが太平洋戦争の事である。
戦後70年以上が経過した今でも、日本は特亜からいろいろな要求をされ続けているわけだが、歴史を真っ当に事実だけを読み解いていくと、これらの要求はおそらく正しくはないはずなのだが、日本という国はそれでも賠償問題に向き合って対応している。
特に、隣国などは不可逆的な解決を見た条約に基づいたものであってもそれを反故にし、賠償問題へと発展させている事実があるわけだが、彼らからするとその要求は真っ当と一部では信じているわけで、解決の糸口が見えてこない。
これらはすべて反日という教育が引き起こしている問題でもあり、その教育というものが、事実上「洗脳」というものに近いものだから、いつまで経っても民意として反日が残り、国交上での問題として決して小さくない問題を残してしまっている。
そんな問題がいつまで経っても解決しない現状で、私は事実として、太平洋戦争とは何だったのか? という事が常々疑問だった。
日本は確かに米国パールハーバーを奇襲した。これは事実をもってわかっている事である。だが、日本人の多くは何故大日本帝国がパールハーバーを奇襲するに至ったかという事を理解していない人が多い。
最後通牒として突きつけられた「ハルノート」がキッカケになっているという事は学校で習ったかも知れないが、そのハルノートには何が書かれていて、結論として何故日本が米国に攻撃するに至ったかという事をちゃんと理解している人が少ないと私は感じている。
もちろん、私自身も自信をもってコレだ、と言い切れるほど知っているわけではないので、とても気になっていたのである。
なので、いろいろな書籍を読み、太平洋戦争とは何だったのか? という事をもう少し理解できるよう、自分で知識を得る事を考えた。

太平洋戦争の大嘘

藤井厳喜の書籍に「太平洋戦争の大嘘」という本がある。
真実を知りたいだけなんだが…これは元アメリカ大統領ハーバート・フーヴァーが書き残した、出版されるまでに50年も時を要した書籍の情報を元に書かれている本だという。
これによると「太平洋戦争は、日本が始めた戦争じゃない。あのアメリカの『狂人・ルーズベルト』が、日米戦争を起こさせた。気が狂っていると言っても精神異常なんかじゃない、ほんとうに戦争をやりたくてしょうがなかった…その欲望の結果が日米戦争になったんだ」とフーヴァーは言っているようだ。
しかも、フーヴァーのこの言葉に、あのマッカーサーも同意しているという。
あの当時の日本を取り巻く世界情勢が、米国という国として日本をそのままにしておけなかった何かの理由がある…そう感じさせる内容である。
書籍の内容はココでは詳しくは書けないが、太平洋戦争の時の欧米列強は、とにかく植民地政策を推し進め権益を得る為にアジアの国々に進出していた時代である。そこには自国を潤す為にアジアという国々を食い尽くす事を当たり前としていた時代ぶ、日本はその中にあって富国強兵という名の下に、何とか欧米列強と肩を並べるにまで成長した事実がある。
そうした背景の中、アジアに進出したかった米国にとって邪魔だったのが日本である。だが、当時の日本は英国との同盟によってアジアの英国の代理人という立場だった。だから日本の一つ一つの小さなミスを突き、英国との同盟を破棄させ、日本のアジアの影響力を低下させる必要があった。
そうした米国の対日政策が、最終的には日本が米国と戦争せずにはいられない状況を作った、というのが、本書の言い分である。
この本が言っている事が100%正しいのかはわからない。だが、当時の日本の状況やそれを取り巻く世界情勢を調べると、日本という国が戦争を必要とした理由があまり見えてこない。つまり、ここに何かしらの見えざる力が働かない限り、あのような戦争という状況へ進む結果とならないように私は思う。
気になる人は、ぜひ「太平洋戦争の大嘘/藤井厳喜」という書籍を読んでみてもらいたい。

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無線電力転送の夢

地道な基礎技術の開発で、夢はまだまだ広がる。

夢の無線電力転送

Qiという規格が一般的になり、現在では一部のモバイル機器等において、クレードル等に置かずとも充電できる環境が一般にも広がっている。
もちろん、コードを直接挿す方が安全かつ効率的に充電する事は可能だが、Qiを利用する事で置くだけで充電できる手軽さが実現されている事は喜ばしい事と思う。
だが、世の中はそんな置くだけ充電で満足しているわけじゃない。
昔から、電力を無線伝送できないか? と研究を続けている人達がいる。
その夢の行き着く先は、人工衛星で太陽光発電をして、その発電した電力を無線伝送で地上へと送電するという夢である。
これが実現する事で、天候に左右される事なく、大気に邪魔される事なく太陽光を受け続け、発電子続ける事が可能になる。まさに夢の技術である。
だが、当然現時点ではそこまでの技術には至っていない。
ただ、一歩ずつ確実に無線電力転送の技術は積み上がってきていて、このほど、金沢工業大学 工学部 電気電子工学伊東健治教授と坂井尚貴研究員らの研究グループが、マイクロ波(5.8GHz)による無線電力転送に用いる受電レクテナ(整流回路付きアンテナ)において、世界最高の電力変換効率である92.8%(1W入力時)を達成した事を発表した。無線電力伝送

マイクロ波の利用

今回の発表で使われたのは5.8GHzのマイクロ波で、マイクロ波を使う事で遠方に電力を転送可能だという特徴を使ったものになる。
実験では1W入力時で達成したようだが、次は10Wの高効率受電技術の確立に取り組むとしている。
何だ、10Wか、と思う人もいるかも知れないが、これぐらいの出力であっても便利に使えるものがある。
それはドローンである。
先日、当Blogの記事にも書いたが、ドローンはそのバッテリーの重さでドローンそのものの重量の多くを占めている。
もし、10Wクラスでも無線電力転送が可能になったら、プロポ(送信機)でドローンに電力を供給しつつ制御命令を送信してやれば、プロポ側にドローンのバッテリーを置けるので、従来よりずっと長時間の飛行が可能になる。
今までと全く異なるドローン運用が可能になるばかりか、場合によってはスマートフォンなどのアンテナ設備と組み合わせれば、街中で電力供給をしながらモバイル機器の運用も出来る様になるかも知れない。
もちろん、そこには電波の影響などもいろいろ試験をして調べる必要はあるが、5G技術やその次の6G技術と組み合わせてやれば、世界が変わるとすら言えるのではないかと思う。

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夏日まっさかり

梅雨が全く明けないな、と思っていたら、この暑さである。もうね…身体が暑さに慣れるとか神話だから、それ。

急激な気温上昇?

梅雨が明け、ここ数日とんでもない気温の日々が続いている。
夏、終了もともと暑さに弱い私からすると、この暑さで思考は停滞するし、意識は朦朧とするし、身体はだるくなるし、ロクな事がない。
というのも、我が家はとても機密性が低く、夏暑く、冬寒いという旧家のような作りの家だからである。
家は相当に隙間が多いので、クーラーでどれだけ冷やそうが、屋根は焼け、隙間から熱が入ってくるので、夏場の電気代はとんでもなく高く付く。
今日も部屋の温度計を確認してみたが、朝10時の段階で部屋の室温は32度もあり、それがお昼頃になると35度になっていた。もちろん室内でクーラーを付けて(設定温度27度)いて、の話である。
これでも以前はここまで室内温度は上がらなかった。
ここ数年で室温がガンガンと上がるようになった感じで、おそらく実際には1度や2度高くなっただけなのだろうが、体感温度でそれ以上に感じているのだろうと思う。
これを偏に「地球温暖化が原因」と言うのは、あまりにも乱暴だとは思うが、それでも理由の中に含まれる現象ではないか、と思っている。
北極の氷が溶け、ホッキョクグマが生息地を追われている、という話や、エスキモーの生活が豹変してしまっている、という話は、あながち嘘ではないのだろうと思う。

冷感グッズ

そんな世相を表しているのか、ここ最近冷感グッズが多種多様になったように思う。
扇子や団扇などという古典的なものは確かに昔から存在していたが、最近では保冷剤を活用するべく、いろんなグッズが発売されている。
また、当Blogでも紹介したが「着るクーラー」と呼ばれる製品も登場した。
また、最近ではモーター等が小型化した事から、手に持つ小さな扇風機も流行りで、首からかけて両頬を冷やす扇風機なんてのも登場している。
こんな製品が登場する背景には、年々気温が上がっているという事が少なからず関係しているのだろうと思う。

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E2-DR

ASIMO以外のHONDAロボット。

コッチが本命か?

HONDAのロボットと言えばASIMOが有名だが、ASIMOは人とのコミュニケーションを中心とした用途が多く紹介され、また歩いたり走ったりするデモンストレーションが多いのが特徴で、ASIMOを災害地に派遣してどうにかしようとかいうスタイルは、ちょっと想像が付かない。
しかし、東日本大震災の福島第二原発事故があってから、ロボットは災害時に運用できるものが数多く開発され、また実際に投入され、上手くいったりいかなかったりというのを繰り返している。
ロボットを作っているHONDAからすれば、ASIMOと同等に動けるものを災害地でも使えれば一番良いのだろうが、少なくとも二足歩行ロボットで不整地を歩かせるというのはまだまだ技術的には難しく、また施設内を自由に移動させるには、階段という手段以外にも昇降する為の設備が使えないといけない。
そういう理由なのかは分からないが、HONDAはASIMO以外にもそうした災害対応可能なロボットの研究をしていた。
それが「E2-DR」である。

動画を観ればわかるが、コイツははしごの昇降ができるロボットで、また不整地を四つ足で移動する事が可能なロボットである。

悪条件を考慮

このE2-DRが発表されたのは、カナダのバンクーバーで9月に開催されたロボット産業展示会「IROS 2017」で、まだプロトタイプだという。
リチウムイオン電池を電源としていて、90分の稼働が可能。はしごの昇降、階段の昇降、時速4kmでの二足歩行、瓦礫の上での四足歩行、構造物の隙間を横ばいでの移動、水平方向のプレッシャー(圧力)への耐性、他にも2m径のパイプへの進入、20分程度であれば雨天時での稼働が可能だという。これだけ対応できれば、かなりの災害時対応稼働が可能と言える。
また上半身は180度まで回転が可能なのだが、こうした動作か可能になっているのは、内部デバイスへの通信ケーブルに光ファイバケーブルを採用したからであり、このケーブルは100万回のねじり試験をクリアしているという。
頭部には2基のレーザーレンジファインダーやLEDフラッシュを持つ単眼カメラを装備し、両手にもカメラと3Dセンサーを搭載しているという。
また過酷な条件下で稼働できるよう、摂氏-10~+40度の環境で活動可能で、間接部分は凹凸の隙間を多重に配置したラビリンス構造を取り、汚染物質などはクラリスで排除できるようになっている。
手はASIMOのように人間の手に模したものというわけではなく、簡易的にモノを掴むだけの機能に止めていて、現時点では不明だが今後いろんなアタッチメントが用意される可能性がある。
耐衝撃性という意味ではまだ明確なものはないようだが、転倒しても自力で起き上がる事はできるとしたものの、現時点ではまだプロトタイプであり、今後実用化に向けていろんな改修が行われるだろうと思われる。

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