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自作PCの電源を考える

今まで深く考えていなかった事だがとても重要。

考え方から変える

自作PCにおいて、電源という実に地味なパーツを購入するにあたり、今まではその選択基準はとにかく変換効率が良いという事、そして消費電力の合計がその電源ユニットのワット数内に収まっている事という2つのみ見て選んでいた。
だが、これは大きな間違いだという事に今更ながら知った。
長年、自作PCに携わってきたというのに、電源というものを真剣に考えてこなかったのはもちろん私の落ち度だが、案外知られていない事なのかもしれない。
変換効率の高いものというのは間違っていないが、出力数の考え方はそもそも表記されているワット数で考えてはいけないというのである。
例えば、私は今まで、自分のPCで使用する電力をパーツ毎にある程度想定し、その合計値に収まるワット数の電源を購入していた。いや、実際にはそれよりも大きい出力数の電源を購入していた。
だが、実は電源というのは、通常消費する出力数の半分の出力時にもっとも変換効率が良くなるので、できれば自分の構成PCの消費電力を割り出したなら、その倍の出力容量を持つ電源を購入するのがもっとも正しい買い方になるらしい。
で、そういった構成パーツから適正な電源容量を計算してくれるサイトがある。

ドスパラ 電源容量計算機
https://www.dospara.co.jp/5info/cts_str_power_calculation_main#ch2

電源容量計算機

上記サイトにもいろいろ解説が書かれているが、とにかくまず自分が想定する構成パーツの近似値を上記計算機に入れると、使用電力目安が表示され、その倍の出力数の電源が紹介される。
これによると…私が次期メインPCとして構成する内容を照らし合わせると、なんと使用電力目安で604w、つまり1200w電源が理想という事になった。
これは私が考えていた製品より400wも多い出力数である。

CPUとGPUが圧倒的

ただ、この計算機に入力したデータは、今後最大限にデバイスを接続した際の数値である。ストレージにしても、当初はM.2 SSDも1~2枚程度だろうし、HDDもせいぜい1基くらいしか接続しないと思うが、今回M.2 SSDは4、SSDが2、HDDも2という数量で計算機に入れている。
また、ケースファンにしても吸排気で4基組み込む事で計算しているので、ここらへんで僅かながら過剰に数値が出ていると言える。
だが、そうしたパーツの差し引きを組み入れたとしても、大凡600wという枠組みは意識しなければならない。結局、前述のサイトのガイドに従えば1200wの電源をチョイスするという事になるだろう。
というのも、消費電力においてはやはりCPUとGPUの消費が圧倒的だからである。
特に昨今のCPUは発熱が落ち着いていればブーストしてクロックを引き上げ、消費電力を増大させる傾向にあるため、総じて高パフォーマンスではあるものの、同時に消費電力が大きいと言える。この仕組みがある以上、電源出力は大きめのものを選ばざるを得ない事になる。
こうした事情から、昨今は普通に1000w以上の電源が商品として増えているという理由になっているのではないかと思う。

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GPUのボトルネック

具体的な指標がないからわからない。

現状のPC性能

メインPC入れ替えを決意し、現在そのパーツ選定を進めているが、昨日の記事の通り、未だマザーボードが決まらない。
実は決まっているのは、CPUとメモリ、PCケースだけで、その他はまだ曖昧な状況になっている。しかもPCケースは想定だけがあるのみで、実際、組み上げるに必要な内部寸法があるかなどは未確認である。
そんな状況ではあるが、今使用しているメインPCの性能で、果たして今のビデオカードは本当に性能を引き出せていないのだろうか? という漠然とした疑問が浮かんできた。
いや、今のメインPCをそのまま使い続ける、という事を言っているのではない。メインPCは入れ替える前提で考えているが、ビデオカードに関しては、現在使用しているGeForce RTX 3070Tiを継続して使用する事を考えている。
それだけに、今のPCでRTX 3070Tiの性能を引き出せていないのであれば、今回のメインPC入れ替えは相当に意味のある話になる。
こういう事はあまり意識しないで良いものなのだろうか?
まずそういったところから悩むわけである。

Core i7-8700K

私の今のメインPCのCPUは第8世代CoreのCoffee Lakeと呼ばれた世代のものである。
その時、同時に購入したビデオカードは、Radeon RX Vega 64だった。久々のRadeonの購入だったが、当時もほとんどの人はNVIDIAを選ぶだろう状況だった。性能はNVIDIAの方が圧倒的に高いからであり、私の選択は周囲から理解は得られにくいものだった。
とにかく時間がかかる…
何故Vega 64を選んだのかというと、単純にFluid Motionが利用できるその時の最上位GPUを選んだというのがその理由である。
コストパフォーマンスで言えばVega 56を選択する方が賢いといわれていたにも関わらず、最上位というブランドのみでVega 64を購入したワケだが、少なくともこの時はCore i7-8700KでVega 64の性能は引き出せていたハズである。
その後、Vega 64を売却し、Radeon VIIを購入、入れ替えたワケだが、この時も性能的には劇的進化というわけではなかったハズなので、CPUがボトルネックになっていたという感じではなかったと思う。
その後、RadeonはVega系からRDNA系へと進化したが、この時のパフォーマンスアップが今までよりずっと大きなジャンプアップだった。おそらくCPUがボトルネックになったとするなら、このRDNA系になった時からではないかと予想する。
その後、RDNAはRDNA2へと進化したので、Core i7-8700KではよりGPUのボトルネックになっているのだろうな、と漠然と考えている。

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決まらないマザーボード

できればX670E搭載を選びたいところだが…。

値段よりも在庫

先日、当BlogでメインPC入れ替えの方針を決めた話をした。その後PCケースの目処もついた事を記事にして、構成案をいよいよもって形にし始めたところで、躓きも出始めた。
まず最初の躓きとして大きなものが、マザーボードを決められないという事である。
特に拘りはないのだが、チップセットを何にするかでまず迷う。
コスト的にも問題だが在庫的にも問題Ryzen 7000シリーズと同時に発表されたチップセットはX670EとX670、B650EとB650の4種類だが、末尾に「E」が就いているものは、CPU直結のPCIe×16スロットにおいてGen5に対応しているかどうか、の違いである。ストレージが使用するM.2 PCIeに関しては共にGen5に対応しているが、ビデオカードをセットするスロットに違いがあるというワケである。
ちなみにビデオカードそのものにおいてGen5に対応している製品は現時点ではないはずである。
なのでX670Eを選ぶメリットはほぼないのだが、長く使っていこうと考えた時に、差が出てきてしまう。
私のように最低でも5年は使うというような流れがある人は、できれば対応しているものの法が、そのPCの継戦能力は高いと言える。
ちなみにB50系は、接続できるデバイス数が半減する。できれば上位であるX670系で選びたいと思っているが、ここに立ちはだかるのがコストである。
B650系だと3万円台からあるのだが、X670系だと安くても4万円半ば以上からで、平均すると6万円半ば程度(一部バカ高いものを除いて)になるが、ここにコストをかけ過ぎると、ストレージなどに影響が出てしまう。そこを考えて製品を選びたいのだが、問題は思っているほど在庫がない、という事。
この在庫状況で、製品選びにかなりプレが出てしまっている。
こういう時、楽に店頭に行ける人は、ここまで悩まないのだろうな、と思うと、通販一択の私は実に不利である。

UEFIで細かい設定を

今回のマザーボード選びで、一番重視しなければならないのは、UEFIで細かい設定を変更できるか否か、という事である。
というのは、私は現時点でRyzen7 7700Xの購入を前提に考えているが、これを定格通りに使用する事を考えてはいない。
できれば、提供電力を制限して、通常だとブースト時に170W程度出力するところを、ブースト時で125W程度に抑えたいと思っている。これをする事で、消費電力も下がるが、同時に発生する熱量が少なくなる関係でクロックが上昇し、発熱との兼ね合いで起きる性能の最適化が実施され、結果的にパフォーマンスが上がる事になる。
実際には個体差があるので、どこまでの最適化となるかは不明だが、とにかくUEFIでこれらの設定が出来なければ始まらない。なので、UEFIで細かい調整ができるマザーボードを選ばざるを得ないと思っている。
シミラボの清水氏がこのような設定をする動画をアップしているが、清水氏はMSIがスポンサーなのでMSIのマザーボードでそれらが実施可能だという事はわかっている。
だが、他にASUS、AsRock、GIGABYTEあたりなら、同様な設定は名称こそ違えど存在していると考えられる。
であれば、メーカーは迷わずに済む事になるが、問題はそのグレードである。
前述のチップセットとマザーボードのグレードによって、どこまでそれらが可能かが決まるので、それらを踏まえてどの製品とすべきか…実に悩ましい所である。

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PCケースを考える

メインPCはATXサイズで考えるが、できるだけ小さい方がいい。

PCケースを小さくしたい

先日からメインPCをRyzen7 7700Xで検討する事を決めた事から、より具体的な構成案を考えるようになった。
マザーボードに関しては未だ明確な製品までは特定していないものの、メモリはG.SKILLのTrident Z5 Neoのオーバークロックメモリにしようと決めたし、CPUクーラーに関してもほぼDEEPCOOL製AK620で行けるだろうと決めた。
そうした中で、PCケースをどうしようかと悩み始めた。
これは室内でメインPCがどの程度の大きさになるかを決める、結構重要な決定事項となるので、私としても慎重に選びたいところ。
だが、マザーボードをATXサイズで行くと決めた以上、ある程度の大きさになるのは覚悟すべきで、その中でも比較的コンパクトなPCケースを選び、採用したい。
という事で、今PCケースを総当たりで確認しているのだが、最近はブランド化が進んでいて、値段的にも結構な額になるものが多い印象である。
その中でも鉄板と思えるのは、Fractal Designのものだったりするが、Antec、Cooler Master、In Win、Thermaltake、CORSAIR、NZXT、LIAN LI、Zalman等々、それこそ海外にはとんでもないほどのメーカーが点在し、それぞれが個性的なケースを発売している。
最近の傾向では冷却パーツのメーカーがPCケースに進出してきたというような感じが多いような気がするが、私はもともと奇をてらったようなデザインはあまり好きではないので、シンプルかつ機能的なコンパクトケースを狙って行きたいと考えている。

煙突効果のA5

その中で、今とびきり私の目に映ったPCケースが、In WinのA5という名のPCケースである。
煙突効果で冷却を狙ったPCケースで、通常のPCケースにありがちなフロント吸気ファンを使わず、底面吸気ファンを採用したケースである。
PC前面に電源が縦に入るという変わったデザインつまり、通常なら前面から背面にかけて空気が通るような空調設計のところ、底面から吸気して背面と天面に排気を出す、という構造になったケースである。
熱い空気は上昇する、という概念で考えられたケースなので、底面から吸気する構造になっているのだが、それならばマザーボードも90度回転させて、上に向けて背面端子を挿すようデザインすればCPクーラーの排気も一緒に上に逃がす事ができるのだが、そこは通常のCPUと同じ仕組みになっているため、上昇させる排気と背面に向けて出す排気の2方向に排気を分けることになる。この結果がどういった効率を生み出すかは定かではないが、ケース内空調は一定の方向を固定させる事には成功しているものと見られる。
また、A5の構造だと電源ユニットは正面側の上部に取り付く事になる。バランス的にはあまり良い位置とは言えないが、電源の排気はそのまま天面に向ける形で電源を取り付けるので、電源の熱気をPC内部に取り込む事にはならないので、排気という面では考えられていると言える。
このようなPCパーツの取付位置の変更によって従来のPCケースとは大幅にバランスが崩されている事で、全体的なケースサイズが小さく収まるところは、ある意味製品ポイントと言えるかも知れない。

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ライバル不在はよろしくない

半導体業界は今、一強時代を迎えてしまった。価格が下がらないワケである。

気がつくと…

先日、ふとアキバで販売されているCPUの価格表を眺めていて気がついた事がある。
それは10,000以下のCPUが無くなっているという事である。
一番安いものでIntel Core i3-10100Fで11,980円という価格である。
昔はCeleronやPentiumブランドで10,000円を切る価格のCPUが存在していたと思うが、気がつけばそうした低価格ブランドのCPUの多くはその姿を消してしまっているような状況である。
CeleronやPentiumがあるのが当たり前になっていたが、遂に無くなる実際には、キャンペーンなどで10,000円を下回るような時もあるかもしれないが、基本的にはもう10,000円を下回るCPUというのは、そうそうない時代になったと言えるだろう。
この現象は、数年前から起きている半導体不足が原因…とは言えないだろうと私は思っている。
どのメーカーも製造原価が上がっている事が原因であり、その結果、各社のブランド整理が進み始めた結果だと考える。
Intelは、以前よりCeleronとPentiumを廃止し、新たにIntel Processorという名のブランドを立ち上げる事を宣言している。それによると2023年にモバイル向けから提供開始していくようで、デスクトップ向けはまだ明確なコメントが出ていないのだが、おそらくはもうデスクトップとかモバイルとかで切り分けするのかも怪しいのではないかと考える。
これはどちらも差を無くすという事ではなく、同じブランド内で型番だけ変えてデスクトップ向けとモバイルを棲み分けるという意味である。
製造原価が上がっている最大の理由は、その製造メーカーの製造ラインの中身に問題がある。技術の枯れたラインがなくなり、徐々に最先端プロセス製造のラインへとシフトしていった結果、全てのラインがある一定の微細化が可能なラインばかりになった事で、そこで使用するウェハ原価が上がった為ではないだろうか。
製造メーカーだって工場のラインを作るにはそのスペースが必要なのだから、最先端を追い続ければ自ずと古い製造プロセスのラインは姿を消していく。
そうなれば、自ずと全ての半導体製造原価が上がっていく事は明白であり、それが低価格CPUを維持出来なくなった理由と考えられる。

低価格CPUの意義

そもそも低価格CPUの存在意義とは何なのか?
それは新しい技術の普及を促す事と、高価格帯CPUの歩留りから生まれた不合格品の救済ではないかと私は考えている。
歩留りの悪さから、不合格品が生産された時、基準からこぼれた製品がそれに当たるわけだが、単に基準からこぼれているだけなので、性能を落としてやれば使えるものも出てくる。そうした不合格品で使用出来るものを値段を下げて販売するというのは、よくある話である。
だが、そうしたB級品は、性能が出ないだけでそこに内包されている新しい技術は提供できる場合がある。
その結果、新しい技術で使用する関連製品の普及が可能になり、それら周辺のものも価格が安定、普及していく事になる。
低価格である事の意義は、その価格から導入のしやすさを促し、その結果新しい技術の普及に貢献していた、という事である。
しかし、それも製造原価が許していたからこそ可能だったワケで、今後製造原価がこの流れを許容しなくなった時、新しい技術の普及にコストが大きな壁となって立ちはだかる事は容易に想像出来る事である。
そうなると、この分野は総合的にコストが引き上がっていく事になる。それを防ぐには生産数を稼いて、単価を下げていく事だが、そもそも生産数が限られる事態になっている。微細化が進んだ生産のその難しさから、メーカーが限られてしまうからだ。

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ケースファン交換でトラブル?

昨日購入の話をした92mmファンの話。

汎用品との違い

些細な問題ではあるのだが、昨日購入したという92mmのPCケースファンに関して、そのまま取り付ける事ができなかったので、その事を少し書いていく。
ま、自作PCなどをやっていると、そもそも使うパーツは汎用品が当然の世界なので、こういう事はあまりないのだが、ベースとなったPCがメーカー製造のPCだった事で、汎用品がそのまま使えなかった、という事である。
先日も説明したが、購入したケースファンはThermalright製「TL—C9B 92mmケースファン」になる。極々普通のPWM制御が可能な4ピンコネクタを持つケースファンである。
だが、前述したように、この製品は汎用品なのでコネクタの形状として、誤挿入防止の突起が3ピンに対応できるように造形されている。
汎用品はあくまでも汎用として使用出来る事が前提なので、このような形になっているのだが、残念ながら私が会社で使用しているHP製「EliteDesk 800 G2 Tower」はこの汎用品の作りになっていなくて、マザーボード側の誤挿入防止の突起(ガイド)幅が4ピン幅で作られているものだった。
普通に汎用品だと思っていたら…4ピン幅の突起に合わせるには、当然だがファンのコネクタ側も4ピンでないと差し込む事はできない。逆にマザーボード側が3ピン幅でコネクタ側が4ピン幅であったなら、1ピン分の隙間は出来るが差し込む事は出来た。だが、実際にはそうではなく、4ピン幅のガイドに3ピン幅の誤挿入防止の突起を合わせて差し込むという、そのままでは絶対に差し込めない組合せになってしまった。

ま、削ればいいんじゃない?

この誤挿入防止の突起は、あくまでもファンのコネクタが逆に取り付けてしまわないようにガイドしているだけの役目なので、突起そのものが無くてもファンとして機能する事に違いは無い。
なので、今回はこの3ピン幅側の突起を削って、差し込めるようにした。
コネクタは比較的柔らかめの樹脂なので、普通にカッターで削る事ができる。何てことは無い加工である。
ものの数分削って、誤挿入防止の突起の片側だけをガイドに沿わせてファンを取り付けた。
取り付け後、PCにもともとファンが取り付いていたネジで固定し、PCに通電して動作確認をした。
ファンは…実は前後逆に取り付けて風が吹く向きを逆にしてしまうというミスをやらかすことがたまにある。今回は排気する目的なので、通電させ、ケース外に風が吹くように動作すれば正常動作である。
PCのケーブル類を元に戻して、起動させ風がケースの外に向かって吹き出してくる事を確認、無事ファンの交換は終了した。
ファン交換に要した時間は総時間で10分程度。ま、これがもしガイドがすんなりハマる状態だったなら5分で交換終了という作業である。

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自作意欲が高まってきた

久々に自作の知識を掘り返す。

自作の知識を振り返る

私が自作PCを組んだ一つ前の時期というのは、2017年の12月頃になる。5年前、という事になるのだが、その間にPCの世界は大きく様変わりしてしまった。
特にAMDがRyzenを発表した事で、CPUコア数がエントリーモデルでも4コアとなり、ミドルレンジで6コア、ミドルハイで8コア、ハイエンドともなれば16コアと、今までとは考え方そのものが変わるぐらいのマルチコア化が進んでしまった。
私がメインPCに使っているCore i7-8700Kは、登場当時6コア12スレッドで4コア8スレッドが多かった状況で考えると6コアでも頭ひとつ飛び抜けて高性能、と言われた。
だがその翌年、Intelは遂にCore X以外で8コア製品を投入、時代はミドルハイクラスでも8コア製品が普通に出てくる時代へと変化した。
自作は楽しいがスペックを追い求めると高く付くこのように、私が自作PCを作る時というのは概ねCPUの性能を中心に検討を進めてきたワケだが、それはマルチコア化が一つのトレンドだった為であり、性能を引き上げるにはコア数を増やすというのが当たり前に考えられるようになった為でもあった。
そして今はというと、基本は8コアを真ん中にしていて、ハイエンドで16コアまで、下は4コア製品というのが基本的な構成という状況となった。おそらく今後もしばらくはこの構成が基本となった製品構成ではないかと予想されるので、今後はアーキテクチャのシングル性能の進化とその他の要素で性能差が生まれるようになるのではないかと考えられる。
つまり、今の私とすれば、Ryzenを中心に考えるとするならば、Zen3なのかZen4なのか、メモリがDDR4なのかDDR5なのかでその性能が変わってくると考えられる。もちろん、CPUの動作クロックも影響はあるのだが、そのクロックも今やベースやブーストなど一つの指標では考えられない時代なのである。

メモリレイテンシ

CPUは今言ったコア数や動作クロックでグレードが分かれているので、そのグレードを決めてしまえば性能指標は出てくる。
そしてそのCPUを収めるマザーボードによって、搭載するメモリもDDR4なのかDDR5なのかが決まるので、CPUとマザーボードが決まれば自ずとメモリの規格も決まってくるのだが、実はそのメモリに関しても、どんなメモリを搭載しても同じかというとそうではない、という話が本日の話。
最近はメモリもオーバークロックしたりして性能を引き上げるというのが当たり前のように出来る時代になった。Intelであれば、XMPという標準的なオーバークロックプロファイルが存在するし、AMDも今はEXPOというオーバークロックプロファイルが用意されたが、このプロファイルを使用してもなお、メモリ性能は全て一定にはならない。それがメモリレイテンシという存在があるため。
このレイテンシの数値が低いものほどメモリ速度(というか反応)は速くなり価格が高くなる。逆にレイテンシの数値が高いものは速度が遅くなるかわりに安くなる。メモリに価格差が往々にして存在しているのは、このレイテンシの数値の違いによるところが大きい。
数値は結構製品によってばらつきが出るし、何よりDDR4とDDR5でも大きく異なるので、これぐらいが良いという例は記載しないが、とにかくCLの数値が小さいモノを用意したい。価格が許せる限り、CLの小さな製品を購入する、とだけ覚えておけば良いだろう。レビューサイトと同じ構成なのに自分のPCは性能が出ない、という時は、大凡このメモリレイテンシが影響している可能性が高い。

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Zen3とZen4で悩む

11月27日までに決めきらねば…。

コスト最優先か?

今、Ryzen 5000 シリーズが値下げ状態にある。おそらく何かしらのキャンペーンで値下げが行われているためだろう。
先日も少し書いたが、Ryzen7 5700Xが30,800円、Ryzen7 5700Gが29,000円、Ryzen7 5800X3Dが50,800円と、かなりお得な状態にある。
安さが光るRyzen 5000シリーズなので私がメインPCのコストを気にしている今、コスト重視ならばもっとも導入しやすい状況にあるので、もしこの構成でメインPCを組む、という覚悟を決めたなら、11月27日までに購入できるぐらいに決意を固める必要がある。
コストが湯水のごとく出せるのであれば、Zen4を採用したRyzen 7000シリーズを選ぶのがマストだと思えるが、コスト最優先で考えた場合、やはり今のRyzen 5000シリーズの価格は非常に魅力的である。
しかも、Ryzen 7000シリーズはソケットがAM5に切り替わった事でマザーボードの価格も未だ高いままで、AM4ソケットのマザーボード価格から比べても異常なまでに高い。AM4マザーボードの唯一の問題は、そろそろ弾数が減ってきていて、選択肢が狭まっているという事。逆を言えば、技術的に安定し熟れたもののみが市場に残っているという事でもあるので、入手できれば非常に安定した製品として使う事ができるだろう。ま、価格もコレ異常は下がらないとは思うが。
なので、まずコスト最優先としつつも、世代の受け入れをどこまで許容するかで、Ryzen 7000シリーズとするのか、それとも5000シリーズにするのかが分かれる。
さて、どうしたものかな…。

気になるのは無印7700

この迷いが何故今以て続いているかというと、それはRyzen7 7700無印の存在があるからである。
Ryzen 7000シリーズは、とにかく発熱量が多く、消費電力も大きいと言われている。それはCPUの性能を引き上げるにあたって、CPUのチューニングを行うとそうなってしまうという状況があるためだが、これが非常に面倒くさい。
なので性能としてZen3でも十分という場合には、ワットパフォーマンスがより優れたRyzen 5000シリーズを選択するのもアリだ、と考えられるからである。
しかもコストとして見れば半額ぐらいにはなりそうな感じである。
半額と聞くと、選択肢から外すなんて言葉は絶対に出てこないだろう。
ただ、Zen4はあらゆる面でZen3を強化している事もあって、そのシングルコア性能も高く、またプラットフォームも新しいAM5ソケット&DDR5メモリなので、今後パーツを流用したりする際には非常に有効でもある。
またRyzen7 7700無印は、おそらくTDPは65wで登場するだろうと考えると、ワットパフォーマンスはさらに上をいく可能性があり、その扱いやすさもZen3とは変わらなくなっている可能性がある。
まさに私はこのRyzen7 7700無印がどのような結果を示すのかが気になって仕方が無い。
それだけに、場合によっては、来年頭まで待つという選択肢も出てくるワケである。

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RTX 4070 Tiは1月解禁の模様

1月3日発表、4日レビュー解禁、5日市場解禁という怒濤の3日間らしい。

駆け足になる動き

NVIDIAが発売を中止したRTX 4080 12GB版が、名称変更してRTX 4070 Tiとして発売されるという話は数日前にも記事にしたが、その登場時期は1月になるようである。
しかも1月3日に製品発表が行われ、4日に各Tech系情報誌のレビュー解禁、5日に市場解禁と、3日という怒濤の短さで展開していくと予想されている。

techPowerUp!
https://bit.ly/3EClxJT

techPowerUp!

スペックはほぼRTX 4080 12GB版をそのままスライドするような感じになるようだが、動作クロックに関しては調整される可能性はありそう。
どちらにしても、CUDAコアの数から考えてもRTX 4090よりグッと性能が落ちて、半分程度の性能になるのではないかと予想される。
RTX 3070 Tiと比較してメモリが12GBに増量されている点は私的にはとてもありがたいが、価格としても10万円は超えてくる可能性は高い。なので単純なRTX 3070 Tiの置き換えにはならないだろうと思う。
個人的にはこのRTX 4070 Tiが8~9万円程度で出てきてくれると、2~3年前のGPU市場に戻ったかのような感覚になれるのではないかと思うのだが、まぁあり得ないだろうな。
AMDが攻めた価格設定にしていたとしても、円安が壁になって日本国内では安さをあまり感じないというのが、実に痛いところである。

Ryzen7 7700待ち

私のメインPC構想だが、思い切り価格を抑えたRyzen 5000シリーズで組むというプランの他に、Ryzen7 7700待ちというのがある。
噂レベルでしかないが、Ryzen7 7700という無印版が登場するだろうという噂はかなり信憑性の高い噂のようで、従来のルールでいけばTDPは65wになると考えられる。
全ての状況で65w動作になるとは思わないが、Ryzen 7000シリーズのワットパフォーマンスの高さはIntelの比ではないので、一定の性能を求めつつ消費電力を抑えたいなら、現状のRyzen 7000シリーズをエコモードで動作させるか、無印版の登場を待つしかない。
Intelの第13世代であるRaptor LakeもマザーボードのUEFIで電力を絞り込めば、かなりワットパフォーマンスは向上するようだが、それでもRyzen 7000シリーズには及ばないだろうと考えられる。ま、製造プロセスの違いもあるし、そもそもEコアが物理的に数量が多いので、消費電力としては不利になるのは致し方ない話。
なので、私のもう一つのプランとしては、Ryzen7 7700を待つ事で、性能と省電力を得るという方向性で考えている。
ただ、このプランには一つ大きな問題があって、マザーボードの価格が高いという事と、メモリがDDR5なので、メモリ価格も高いという問題がある。
なので、コストを抑えたいという所にフォーカスするとなると、Ryzen7 5700X辺りで組む方がコストパフォーマンスもワットパフォーマンスも絶妙に良くなると考えられる。
まぁ、自分がやりたいことが実現できる性能で考えれば、このプランがもっとも良いプランになるのだが、そこは昔パワーユーザーだった思いがあるので、諦められない何かが私を突き動かしている…そう考えて戴ければと思う。

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ワットパフォーマンスで考える

第13世代CoreやRyzen 7000シリーズを見ていて思った事。

省電力で使いたい

Intel第13世代CoreやRyzen 7000シリーズが発売され、その頂上決戦のようなベンチマーク動画は大凡見尽くした感じがしている。
Intel第13世代がやはり頭一つ飛び抜けたかな、と思える結果ではあるものの、決してRyzen 7000シリーズが悪いというわけではなく、あくまでも性能でIntelが少し上位にきた、という程度。ワットパフォーマンスで考えればAMDの方が優れている結果が出ていることは明白で、どちらも優れたプロセッサである事は疑いようもない。
ただ…非常に残念なのだが、どちらも今回のプロセッサは電力消費に関しては重要視していなくて、演算能力を得るために電力を240W近く消費する設定にしていて、コア温度が100℃(AMDは95℃)に達するとそこで動作クロックを落としてサーマルスロットリングが効いている状態を維持して性能を出すという仕組みにしている。
これではプロセッサが動いている間はずっと電力消費も大きい状態が続くというわけで、今までのCPUの在り方とは違う様子を見せている。
ハイエンドの中でもさらにハイエンドを求める人であれば、このような設定は歓迎すべきものと言えるかも知れないが、そういった人はごく一部の人であり、ほとんどの人は扱いやすい発熱量で運用できるCPUを望み、その中で最大のパフォーマンスを発揮してくれるコアが求められているハズである。
グリスは導電性のないものを選びたいだが、今の所第13世代CoreにしてもRyzen 7000シリーズにしても、マザーボード側のUEFI設定を絞り込んで、供給電力を調整してやらないと鎮まった状況でCPUを運用できないので、万が一マザーボードの設定が吹っ飛んでしまった場合、CPUが爆熱動作する可能性があると問題なので、結局冷却能力はそれに見合ったものを装着しておかねばならない。
実に扱いが難しいコアである。
できれば、Ryzen7 5700XのようにTDP65Wに収まるような使い方をしたい、と考えている人も多いのではないかと思う。

来年頭まで待つ?

これは前世代の時もそうなのだが、最近の新製品発表は、まずハイエンド製品を発表し、その後数ヶ月の後に下位製品を発表する、という流れになっている。
つまり、Intel第13世代だとすれば、Core i7-13700Kの無印版、つまりCore i7-13700が発売されるタイミングは来年1月を回ってから、ぐらいになるという事である。Core i7-13700がどういった仕様のコアになるかはまだ不明だが、少なくとも今発売されているCore i7-13700Kよりは省電力型で登場する事は間違いないだろう。
また、Core i9-13900Kにしても、無印版のCore i9-13900も同時期に出てくる可能性が高い。これらは共に今よりは性能は出なくともずっと扱いやすいものになっている事は期待できると考えられる。
またAMDにしてもRyzen9 7900が登場するかどうかは判らないが、Ryzen7 7700は登場する見込みはあるし、更なる下位製品も期待できるかもしれない。
扱いやすいCPUを狙うなら、前世代の製品か、来年頭に出てくるであろう新製品のラインナップを狙うしかない。
私としては、今の爆熱仕様のコアで新メインPCを組む事はまず考えられない。その運用消費電力の増加はバカにならないし、冷却能力を考えてもあまり得策ではないので、できればもっとワットパフォーマンスに優れたコアで新メインPCを組みたいところである。

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GPUの重量が気になった

RTX 3070 TiにGPUを入れ替えたが、その重量がとても気になっていた。

組み込み時に取り外したステイ

当Blogでも2020年9月23日に記事にしたが、DellのAW3821DWにモニタを切替えた事で、今まで使用していたGPU「Radeon VII」ではHDRを有効化できない、という事で、GPUをNVIDIAの「GeForce RTX 3070 Ti」に入れ替えた。
その際、今まで使用していたPCケースに付属していたGPUステイを取り外さないと、その長さ故にRTX 3070 Tiが取り付けられないという問題に直面、急遽、GPUステイを取り外してビデオカードを搭載する、という事で対応した。
だが、今までRadeon VIIの重量を支えていたGPUステイを取り外して、Radeon VIIより重いであろうRTX 3070 Tiを取り付けたのだから、当然、そのGPUの重量によってマザーボードやその拡張スロットに負荷がかかる事はわかりきった事だった。
このビデオカードの重量問題を何とかすべく、対策方法はないものかと考えた結果、外部のVGAサポートステイを使う事で、その重量を支えよう、という判断をした。
ま、この手の製品が発売されていた事は知っていたので、実際は迷う事はなかったのだが。
ただ、取付に関して上手くいくのか? という不安があったので、モノは試しととりあえず購入して実際に組み込んでみた。

長尾製作所

PCにおいて、このような内部のパーツや自作PCを頻繁に組み替えたりする人にはおなじみのオープンフレームケースのメーカーに長尾製作所というところがある。
特にオープンフレームのPCケースでは有名なのではないかと思うが、このメーカーはVGAサポートステイもいくつか販売している。
私が購入したのは、この長尾製作所製のもので、マグネット式のサイズSを購入した。製品名は「VGAサポートステイSマグネット式 SS-NVGASTAY-S」になる。
マグネット吸着面から最小で30mm、最大で160mmまでの高さにサポートステイを固定できる製品で、こうしたマグネット式の他には、PCIeのステイで固定するタイプが存在する。
今回私がマグネット式を選んだのは「こちらの方が固定が簡単だから」という理由と、内部がスチール製でマグネットで固定できる事を知っていたからである。マグネット式は当然だがマグネットで固定ではないと意味がない。なので、今回は内部構造を知った上で、製品を選んでいる。
サイズはLというのも存在しているのだが、Lだと最小で30mm、最大で300mmまでの高さに対応できるもので、より大きなPCケースだと場合によってはコチラでないと使えないかも知れないが、電源ユニットがPCケースの下部に配置されるタイプであれば、Sサイズで十分だと思う。
仕組みとしてはとても単純
今回は取り付けた時の画像を撮影しわすれたので、製品紹介の画像を紹介。
これでイメージは簡単につくのではないかと思う。
これでGPUの重量も気にならなくなる、というものである。

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何度目かの自作PCの検討

予算立てはまだだけれど、一応考えてみる。

芋づる式に変わる環境

私のメインPCの入れ替えに関しては、その時期をずっと延期してきた。
結構大きな額となるため、入れ替えるとなるとそれなりの予算を取らないといけないからというのがその理由で、ここ最近さらにPCパーツの単価が上昇している事から、より一層自作PCを組立てるのが難しい状況になってきている。
こうした理由から、PCでなくモニタを最近のHDR対応のものに先に更新したワケだが、結果的にそれが原因でGPUを入れ替える必要が出てしまい、Radeon系からGeForce系にするため、またしても予算を追加投入してしまった。
ところが、このGPUの変更によって、今度はCPUが新しいGPUのボトルネックになっている可能性が出てきてしまい、結局新PCへと移行した方がよい、という判断が早まった感じすらある。
これらの経緯は当Blogにて全て情報を書いてきた。ハッキリいって、何かを一つ新しい句したら、それに引きずられる形で全てのものを新しくしていく必要が出てきた感じである。
そうは言っても予算が無限にあるわけではないので、優先順位を付けつつ、今後の入れ替えを徐々に進めていく事になるだろう。

Intelか、AMDか

さて、実際に自作PCを組んでいく事になると、考えねばならないのは、そのハードプラットフォームをIntelで行くか、それともAMDで行くか、という二択問題である。
現在のメインPCは、AMDがRyzenを発売する前の弱体化していた時代のものなので、Intel一択という状況だったのだが、今回はAMDも随分と攻勢に出ている状況で、そのCPU性能は拮抗している状態である。
特に、今日まさに今の状況では、Ryzenは7000シリーズが登場し、その性能は一歩抜きん出た状況。但し、この状況が続くのは10月21日ごろまでで、それ以降はIntelも第13世代Coreを投入してくるので、また性能は拮抗、もしくはIntelが一歩抜きん出る可能性がある。
今まさに悩み時な状況だが、この2つの選択肢は、私にとって少々厳しい選択肢でもある。
それはそのコストである。
グリスは導電性のないものを選びたいRyzen 7000シリーズはCPUは思ったより高くはならなかったものの、マザーボードの価格が半端なく高くなってしまい、PC構成コストが増大してしまっている。
Intelにしても、第13世代は第12世代と同じソケットを使用している関係から、既存製品でも利用可能になっているが、私の場合はどちらにしてもマザーボードからの購入になるため、それらのパーツ価格が安くないとコストは嵩んでしまう。
GPUは先日購入したGeForce RTX 3070Tiをそのまま流用したとしても、他のパーツ価格が高い事で、全体のコストはかなりのものになる。
これなら完成PCを買った方が満足度高いんじゃないだろうか? とすら思える。
Intelであろうが、AMDであろうが、かなりのコストを覚悟する必要はある事は間違いないので、今は双方出揃ったタイミングまでは様子見という事になるだろう。

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