1SlotタイプのGeForce GTX 260

  ここ最近、AMDのRadeon HD 5800シリーズが登場し、DirectX 11対応ビデオカードが登場したものの、今以て現役なのはDirectX 10対応のビデオカードであり、その最大の理由はコストであったりする。
 Radeon HD 5700シリーズが登場し、コストの面もハイエンドほどではないが問題が解消されたとは言え、依然商品の中核を担う製品はもっと下のバリュークラスになるが、そのバリュークラスがDirectX 11対応になるにはまだ半年くらいはかかるのではないかと勝手に予測していたりする。
 人によって様々だと思うが、ビデオカードにつぎ込めるコストは幾らぐらいの人が多いのだろうか?
 私などは4万円台以上なら超豪華、3万円台ならちょっと豪華、2万円台なら普通、1万円台ならお買い得、1万円以下なら格安と考えているが、多分私の考え方は若干贅沢な考え方なんじゃないかと思う。
 1万円台が普通と考えている人が多数を占める…とするならば、確かに今のビデオカード情勢は普通の人には優しくない状態だと思う。
 なので、この話はちょっと贅沢な話かもしれない。

 GalaxyからPCI Express x16対応ビデオカード“GeForce GTX 260+ Razor Version”が発売となった。価格は23,000円前後。
 このビデオカードの良点は言うまでもなく1スロットタイプだという事。
 ここ最近では珍しいスタイルである。情報ソースはココ


  スペックはコアクロックが576MHz、メモリクロックが999MHz(GDDR3の為実働は1998MHz、搭載量は896MB)、メモリバスが448bit、搭載しているStream Processorは216基となっている。
 純粋に考えてミドルクラスより上といったところだろう。
 これだけの性能を持っていても、コアがDirectX 10にしか対応しないため、Windows 7のDirectX 11には対応しない。
 誤解を招くとイケナイので書いておくと、DirectX 11に対応しないだけでWindows 7で使えないワケではない。DirectX 11のプログラムを実行しようとすると10までの部分はハードウェア処理するが11の追加部分はソフトウェア処理となるというだけの事である(まぁ、そこが大きいんだが)。
 ただ、DirectX 11対応のゲームなどが出てくるのはまだ先の事になるだろうと思うし、日本のPCゲームの状況を見ていると使われる事すら珍しいのではないかと思う。当初は海外のFPSやそれに近いオンラインゲームに使われ始め、浸透してきたところで裾野が広がっていく感じではないかと思う。
 こんな情報、私みたいに注視している人であれば知っていて当然のような内容だが、実際PCを日常生活で意識せずに使っている人からすれば、知る事すらあまりない話だと思う。
 そういう意識せずに使っている人がWindows 7(DirectX 11)完全対応ビデオカードを使うようになるのは、まだ年単位で先の話ではないかと思う。
 ビデオカードメーカーは高性能や先進性に高付加価値を付けて発売しているわけだから、浸透するまでに相当のタイムラグがあるのは分かるが、処理する性能は別にしても対応するしないというレベルでもっと底辺を優先して出してくれれば…と思う事がある。
 ま、思うようにはならないという事だが、せめてOSのメジャーアップデート時ぐらいはそうした底辺優先のスタイルがあると、メーカーPCベンダーは売り込みしやすいハズである。
 Windows 7プリインストール、DirectX 11対応…という事が謳える商品であれば、乗り換えを促進する事もできるのではないだろうか?
 今回のWindows 7はそんな事をしなくても、Vistaが1年かけて達成した販売本数を4日ほどで達成した(何かで読んだ情報より)らしいが、それでOSの刷新が出来たかというとそうではない。サポートの面でも、また初心者レベルの情報共有の面でも、使われるOSやハードウェアレベルは近い方が良い面が多いと思う。
 話が相当ズレ込んでしまったが、話を今日紹介したビデオカードに戻す。
 このビデオカードの最大のポイントは1スロットタイプである事、と最初に書いたが、そもそもちょっと前のビデオカードは1スロットが当たり前だった。
 ここ最近のハイバリュー、ミドルレンジ以上のビデオカードは2スロット仕様が当たり前のように展開してきている。
 そもそもそのスタイルこそ間違っているように思うのだが、もはや排熱というだけに1スロット使うのは当たり前の時代という事なのだろうか。
 たしかにその性能を叩き出すだけのコアを搭載すれば熱を大量に発生させる事は分かるが、GPUもそろそろ本格的に電力管理せざるを得ない時代がやってくる…というか来ていると思う。
 最近発表されたRadeon HD 5800/5700シリーズはアイドル時の消費電力が恐ろしく低い設定となっているが、そうしたスタイルから今度は稼働状態の時の排熱システムを見直す必要があると思う。
 そうすれば、1スロットタイプのビデオカードが発売されたという事で記事になるように時代は終わるのではないかと思う。

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武上

18歳の時、人生の最大の選択ミスをしてしまい、いきついた場所として山梨県人となる。 その後、建設業に身を投じ、資格をいくつか取得するものの、結局自分の性格と合わない事を理由に上京。 上京後、世間で話題になりつつあったアニメ・ゲームを主体とする業界の人間となり、デジタルコンテンツ業界を含む数々の著名人と同じ土俵でマルチメディアな仕事をするに至る。 一見華やかなメディアの世界の、その闇の深さたるやハンパない事こそ世間に何となく知られてはいるが、業界人しか知らないその氷山の全体像を十分すぎるほど目の当たりにした後、家庭の事情で再び甲州へと帰還。 しかし、この帰還も人生の選択ミスだったかもしれないなぁ…と今では思うものの、時既に遅し。 今は地元の製造業を営む会社の総務・品質保証という地味ではあるものの堅実な職につき、いつか再びやってくるだろう夢の実現を信じて隠者的生活を送っている…ハズだったのだが、またしても周囲の事情で運命は波乱の様相を見せ始めた。 私の人生は一体どの方向を向いているというのだろうか? ちなみに筆者はPCとの付き合いはかなり長いと思っている。 古くはPC-8801 mk2 SR、X1 Turbo、X68000、FM-Towns、PC-9801シリーズ(互換機含む)、PowerMAC 9500等をリアルタイムで使い、その後は、Windows PCの自作機を中心に現在に続いている。 デジタルガジェットに関しては興味もある事から、その時代の時々において、いろいろ使ったり調べたりして、専門家ほどではないが知識は蓄えてきたと思っている。 そうした経験を元に、今の時代へ情報発信させてもらっている。少々くどい言い回しが多いかも知れないが、お付き合いいただけるとありがたい。 連絡先:takegami@angel-halo.com (@を小文字にしてください)

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