光学迷彩なのはわかるが…

 慶応義塾大学の研究チームが、後部座席が透明になる“プリウス”の試作車を開発したという。いわゆる光学迷彩で実現したものだが、原理は特殊な反射素材に背後の映像を投影する仕組みであり、その装置は非常に大がかりと言える。
 稲見昌彦教授率いる研究チームが開発したこの透明プリウスは、10月25日~27日に日本科学未来館で開催される“デジタルコンテンツEXPO2012”に展示されるが、まずはどんなものかコレを見て戴きたい。


 ま、車の後部座席が透けて見えて、後ろが見える為に車庫入れが簡単にできる…という車なワケである。
 これSUGEEEEEEEE!って言うと思ったら大間違いだ、コラw
 ハッキリ言おう、車庫入れできないレベルで車運転する方が危険だ。いや、まぢで。
 そもそも、車の運転は、全体的な車体感覚が全てと言える。その車体感覚の一つで速度を体感し、速度的な危険を察知するし、また車の周辺状況を把握させ、距離的危険を察知する。
 こんな光学迷彩を使わないと車庫入れができないレベルで車を運転すれば、左折時に巻き込み事故を起こすかもしれない状態の時に、その危険を察知できようはずがない。
 技術的に面白いとは思うが、もしこれを現実化しようという動きが出てきたならば、恐ろしくて車を運転できなくなる。

 これなら、まだGoogleが開発した全自動運転カーの方がまだマシというものである。

 便利な技術は時として人間をバカにする。
 技術は人が使うものであり、決して使われてはいけないのである。
 全自動運転カーも使われていると言えるアイディアだが、これはもっと突き詰めれば別の未来が見えてくる。
 しかし、前述の光学迷彩の車は、あきらかに車体感覚を身につけられない人間を増殖するだろう。それが如何に危険な事か。

 この透明プリウスが市販化されない事を切に願いたいところである。

WIRED TECHNOLOGY
光学迷彩で後部座席が透明になったプリウス

http://wired.jp/2012/10/15/transparent-back-seats/

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武上

18歳の時、人生の最大の選択ミスをしてしまい、いきついた場所として山梨県人となる。 その後、建設業に身を投じ、資格をいくつか取得するものの、結局自分の性格と合わない事を理由に上京。 上京後、世間で話題になりつつあったアニメ・ゲームを主体とする業界の人間となり、デジタルコンテンツ業界を含む数々の著名人と同じ土俵でマルチメディアな仕事をするに至る。 一見華やかなメディアの世界の、その闇の深さたるやハンパない事こそ世間に何となく知られてはいるが、業界人しか知らないその氷山の全体像を十分すぎるほど目の当たりにした後、家庭の事情で再び甲州へと帰還。 しかし、この帰還も人生の選択ミスだったかもしれないなぁ…と今では思うものの、時既に遅し。 今は地元の製造業を営む会社の総務・品質保証という地味ではあるものの堅実な職につき、いつか再びやってくるだろう夢の実現を信じて隠者的生活を送っている…ハズだったのだが、またしても周囲の事情で運命は波乱の様相を見せ始めた。 私の人生は一体どの方向を向いているというのだろうか? ちなみに筆者はPCとの付き合いはかなり長いと思っている。 古くはPC-8801 mk2 SR、X1 Turbo、X68000、FM-Towns、PC-9801シリーズ(互換機含む)、PowerMAC 9500等をリアルタイムで使い、その後は、Windows PCの自作機を中心に現在に続いている。 デジタルガジェットに関しては興味もある事から、その時代の時々において、いろいろ使ったり調べたりして、専門家ほどではないが知識は蓄えてきたと思っている。 そうした経験を元に、今の時代へ情報発信させてもらっている。少々くどい言い回しが多いかも知れないが、お付き合いいただけるとありがたい。 連絡先:takegami@angel-halo.com (@を小文字にしてください)

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2 Responses

  1. 関西の人 より:

    光学迷彩の使い方間違ってるwww
    これって、どちらかといえば、全方位モニターの実験にちかいやん。
    なにかが間違えてる気がする…

  2. 武上 より:

    いや、光学迷彩の使い方を間違えてるわけじゃないと思うよ。
    全方位モニターを実現する一つの手段として、現代で実現可能なレベルの光学迷彩の技術を利用した、というだけだと思う。
    それに、そもそもこの動画の中で最終目的とされているのは、全方位モニターだから、車内にあるものは全て透過しないと目的は達成しない。となると、自然とこういうやり方しか無くなるのではないかと思う。
    技術として着眼点はイイ。
    でもこれを利用する側のヒューマンスキル向上を、この技術が阻害する所に問題がある。
    人間をこれ以上バカにしてはいけないと思う…。

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