新機種ハードのテストはPSP2(仮)?

 先日、SCEが新機種ハードのデバッグスタッフを募集しているという事を書いたが、どうもそれはPSP2(仮)の事ではないかと思っている。
 PSPは登場してからすでに5年目に突入し、通常のコンシューマ分野で見れば次世代機が出てきてもおかしくない頃合いだ。
 実際、最近ではiPhoneなどスマートフォン及び携帯電話が従来の電話機能から大きく逸脱する使われ方をしているため、モバイル用途のゲーム機はそのシェアを奪われかねない。
 PSPはもともとゲーム機だけのプラットフォームという位置づけではないが、電話機能がSkypeしか存在しないPSPと携帯電話は相容れない立ち位置というわけではない。
 電話機能が希薄な分、PSPが今や機能的に劣ってくる可能性もあるわけで、そろそろ次世代へと目を向けざるを得ない時期なのかもしれない。
 PSP2(仮)はおそらくハードウェア性能的には大きな進化はないだろうと思われる。
 もちろん、性能アップはするだろうが、主にメモリ周りの強化に始まり、おそらくは何かしらインターフェースに特殊なものが増えてくるのではないかと思われる。
 ま、私の予測の範囲ではあるが。
 だが、私が一番気にしているのは実はPSP2(仮)ではない。
 先日書いたPS4の内容にどうも変化が見られたようである。


 PS4(仮)はPS3と同様にCellベースで性能はそこそこアップに留まる…的な事を書いたが、その情報そのものは数ヶ月前のものである。
 どうもその時と今とでは状況が違うようで、SCEがCellベースのPS4を作った場合のゲームベンダーの反応を調査していたらしい。
 で、その結果だが、どうもサードパーティにはウケはよくなかったらしい。
 開発ツールを揃えていないサードパーティからすると、Cellベースでの開発は依然困難を極める事は予想出来る事であり、そこに乗り込んでくるには相当な覚悟を要する。
 逆にファーストパーティ(SCE系ベンダー)はCellを発展させていく事に関しては好意的なようで、自社開発のタイトルを強化するのであればCellベースを継続する方がSCEにとって得策と判断できる。
 問題はこのファーストパーティとサードパーティの温度差にある。
 Cellベースで行くべきか、それとも非Cellベースにするべきか?
 このあたりをSCEは未だ迷っているらしいのである。
 で、その非CellベースのPS4のコアとして浮上してきたのが、Intelの対GPUメーカーの切り札である、Larrabeeらしい。
 Larrabeeはx86コアを拡張して、GPU並のパフォーマンスを発揮できるというスループットプロセッサで、ゲーム機に載せるなら、LarrabeeだけでCPUとGPUを兼ねることが可能になると予測される。
 開発側からすると、GPUをCPUと同じ手法でプログラムできるのと同じことになるわけで、プログラム性においてCPUとGPUの垣根が完全になくなるというメリットが生まれる。
 それにこのLarrabeeのプログラム開発はIntelが精力的に協力しているため、PS4に搭載されるとなるとIntelはかなり好意的になるのではないかと予想もできる。
 開発ツールに泣かされてきたPS3を持つSCEにとっては、中々にして魅力的なプロセッサになるだろう。
 だが、Larrabeeを仮にPS4のコアとした場合も問題が全くないわけではない。
 何しろの、未だLarrabeeは全く性能実証されたコアではないからだ。
 今回、SCEはMicrosoftの次世代機よりも早い段階でPS4を投入しようと画策しているだろうから、Larrabeeが間に合わない可能性もある。
 また、Larrabee以外にPS4のコアとして名乗り出てくるコアが出てくるかも知れない。特にGPUメーカーが打ち出してくるGPGPUの概念はグラフィックスコアをプログラマブルに扱う概念だから、コンシューマ機のメインコアになる可能性も棄てきれない。
 PS3がCellだったからPS4もCellベース…とは言えないところに、PS3の悲しさがある。
 とにかく、今SCEはPSP2(仮)とPS4(仮)で大きく揺れ動いていると思われる。特にPSP2(仮)は私の予測ではおそらく今年中にその概要が見えてくるはずだ。
 PSPはここのところかなり順調に来ているため、PSP2(仮)を出すタイミングとしては悪くない。
 それにニンテンドーDSはDSiという新しい遊びを提唱した新ハードが登場している。ましてDSiウェアという、配信コンテンツを販売する方向に確実に動いている。
 PSPもPS Networkでソフト販売を始めたとはいえ、PSPがそれらを得意としているワケではない。あくまでもPSPの標準的機能を利用して今その形に収まっているに過ぎないのである。
 だが、PSPが最も恐れなければならないのは前述した通り携帯電話系デバイスだ。何と言っても販売される台数は桁違いであり、機能がPSPに近づいてくればその分PSPは不利になる。
 PSPのソフト資産と新たな機能でPSP2(仮)はどこまで有利に戦えるのか?
 話題として興味は尽きない。

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武上

18歳の時、人生の最大の選択ミスをしてしまい、いきついた場所として山梨県人となる。 その後、建設業に身を投じ、資格をいくつか取得するものの、結局自分の性格と合わない事を理由に上京。 上京後、世間で話題になりつつあったアニメ・ゲームを主体とする業界の人間となり、デジタルコンテンツ業界を含む数々の著名人と同じ土俵でマルチメディアな仕事をするに至る。 一見華やかなメディアの世界の、その闇の深さたるやハンパない事こそ世間に何となく知られてはいるが、業界人しか知らないその氷山の全体像を十分すぎるほど目の当たりにした後、家庭の事情で再び甲州へと帰還。 しかし、この帰還も人生の選択ミスだったかもしれないなぁ…と今では思うものの、時既に遅し。 今は地元の製造業を営む会社の総務・品質保証という地味ではあるものの堅実な職につき、いつか再びやってくるだろう夢の実現を信じて隠者的生活を送っている…ハズだったのだが、またしても周囲の事情で運命は波乱の様相を見せ始めた。 私の人生は一体どの方向を向いているというのだろうか? ちなみに筆者はPCとの付き合いはかなり長いと思っている。 古くはPC-8801 mk2 SR、X1 Turbo、X68000、FM-Towns、PC-9801シリーズ(互換機含む)、PowerMAC 9500等をリアルタイムで使い、その後は、Windows PCの自作機を中心に現在に続いている。 デジタルガジェットに関しては興味もある事から、その時代の時々において、いろいろ使ったり調べたりして、専門家ほどではないが知識は蓄えてきたと思っている。 そうした経験を元に、今の時代へ情報発信させてもらっている。少々くどい言い回しが多いかも知れないが、お付き合いいただけるとありがたい。 連絡先:takegami@angel-halo.com (@を小文字にしてください)

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