部品設計は慣れないと難しい

 ウチの自作PCのケースの側面には、通気口となる穴が空けられている。
 当然、それを通気口として使用しない時は塞ぐ為のパネルがあるのだが、昨今のGPUの放熱っぷりから考えて、この通気口を使わないというのはあり得ない話。
 ウチのGPUである、GeForce GTX 260も、その高熱から側面からの吸気は欲しいところ。
 しかし、このBlogでも前に書いたとおり、今使っているビデオカードは6ピンコネクタがビデオカード側面にあるため、ケース側面に取り付けるファンガードとコネクタが接触して、側面パネルをハメられないという事が起きている。
 なので、実は今のところ側面パネルの通気口は自然吸気させるために開けているという段階。
 自然吸気であるから思っているほどの冷却性能はないハズで、実はいろんな事を検討して何とかファンを使った強制吸気にできないかと試行錯誤している。
 一番いいのは、ファンガードを取り外したファンを側面に取り付ける事で、おそらく取り付ける事ができれば側面パネルの通気口に直接くっつける形で吸気ファンを実現できると思われる。
 その為には取付ステーを自作する必要があり、とりあえず図面を書いてみる事にした。


 まず、ファンガードを取り外したファンを固定するため、ファンの外周パーツのネジ穴ピッチを測定し、次に側面パネル側の取付穴ピッチを計測。その後、ファンとパネルの接点位置までの距離を計測し、ネジ穴のX軸とY軸の距離を確定させる。
 この数値が出てしまえば、現時点の取り付けるものと取り付かれるものの位置関係が判明するため、あとはこの割り出されたネジ穴に取り付くステーを板厚を考慮して設計するだけである。
 …と、文字で書くとものすごく簡単そうになるのだが、これが実際にやってみるとそうでもない。というか、慣れていない為、上手く行かないのである。
 で、結局できた図面がコレ。

 だが、実はこの図面には大きな落とし穴があったのである。


 この部品、実は知っているある業者が特別に作ってくれたのだが、出来上がった製品を組み付けてみて間違っていた部分がある事に気がついた。
 ステーに開けたネジ穴、実はコレ、ネジ穴である必要がないのである。
 というのも、もともとファンの外周パーツにネジ穴があるため、このステー側の穴をネジ穴にしてしまうと、ネジの位置関係から密着した状態にステーを取り付けられないという事態に…。
 なので、コレはマズイと、ステー側の穴を広げるため、径の大きいドリルで追加工して普通のキリ穴にした。
 だが、この行為にも問題があった。
 私は焦るあまり、ステーにある4カ所の穴すべてをキリ穴にしてしまったのだが、よく考えればファン側の穴だけをキリ穴にして、パネル側の穴はそのままにしておけばよかったのである。
 というのは、パネル側の穴にはもともとタップが切られていない為、このステーのタップで固定してやれば、パネルに完全密着させる事が出来たのである。逆にパネル側の穴までキリ穴にしてしまった為、今度はパネルに固定できないという問題が発生。完全に焦りからきた設計ミスである。
 つまり、正式図を書くとこんな感じになる。

 側面2個の穴をタップ穴として、下面部の穴をキリ穴とすればよかったのだ。
 で、この作ってもらったステーがまるまる無駄になるかというとそうでもない。
 要するにこのキリ穴に対してネジとナットで固定できれば問題ないハズ。
 と言うわけで、M3ナットで固定してみた。
 すると…まぁ、なんてことなく、普通に固定でき、無事難を逃れた。
 これでとりあえずPC本体側面から強制的に吸気させる事になるため、PC内部の温度は数℃は下がるだろう。
 極端に下がらないとは思うが、全体的な温度が数℃下がるだけでシステム全体が冷やされ、結果主要部の温度にも影響を与える。
 今の時代、何よりもGPUの温度が問題。
 水冷という手段ももちろんあるが、水冷は耐久性などに不安が残る。空冷で何とかやり過ごせるなら、できれは空冷の方がいい。
 ある程度高性能なGPUを使う場合はシステム全体の温度も気にしてやらないといけないだろう。
 もっとも、高性能なGPUを搭載していないPCなら、こんな事を気にするまでもないかもしれないが。

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武上

18歳の時、人生の最大の選択ミスをしてしまい、いきついた場所として山梨県人となる。 その後、建設業に身を投じ、資格をいくつか取得するものの、結局自分の性格と合わない事を理由に上京。 上京後、世間で話題になりつつあったアニメ・ゲームを主体とする業界の人間となり、デジタルコンテンツ業界を含む数々の著名人と同じ土俵でマルチメディアな仕事をするに至る。 一見華やかなメディアの世界の、その闇の深さたるやハンパない事こそ世間に何となく知られてはいるが、業界人しか知らないその氷山の全体像を十分すぎるほど目の当たりにした後、家庭の事情で再び甲州へと帰還。 しかし、この帰還も人生の選択ミスだったかもしれないなぁ…と今では思うものの、時既に遅し。 今は地元の製造業を営む会社の総務・品質保証という地味ではあるものの堅実な職につき、いつか再びやってくるだろう夢の実現を信じて隠者的生活を送っている…ハズだったのだが、またしても周囲の事情で運命は波乱の様相を見せ始めた。 私の人生は一体どの方向を向いているというのだろうか? ちなみに筆者はPCとの付き合いはかなり長いと思っている。 古くはPC-8801 mk2 SR、X1 Turbo、X68000、FM-Towns、PC-9801シリーズ(互換機含む)、PowerMAC 9500等をリアルタイムで使い、その後は、Windows PCの自作機を中心に現在に続いている。 デジタルガジェットに関しては興味もある事から、その時代の時々において、いろいろ使ったり調べたりして、専門家ほどではないが知識は蓄えてきたと思っている。 そうした経験を元に、今の時代へ情報発信させてもらっている。少々くどい言い回しが多いかも知れないが、お付き合いいただけるとありがたい。 連絡先:takegami@angel-halo.com (@を小文字にしてください)

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