有線LANと無線LANの混在ネットワーク

 世間では2020年の東京オリンピック開催決定で随分と賑やかな事になっている。
 純粋に国際スポーツを日本に呼び込む事自体も喜ばしい事だが、何より、経済効果3兆円と言われている経済的な恩恵を、非常に喜ばしい事とする人が多いのではないかと思う。
 私もこのオリンピック東京招致は喜ばしい事と思っている。だが、私の周囲の一部からは「東京にオリンピックが来たからと言って自分の景気が良くなるわけじゃない」なんて声も聞こえてくる。
 だがこの考え方は最終的には間違っていると言える。たしかに当人には感じにくいかもしれないが、確実に生活に影響を与えてくるハズだ。それこそ、アベノミクスなんて経済政策なんかよりずっと確実に。
 まず考えなければならないのは、オリンピックによって直接外貨が国内に落とされるという事だ。輸出業者や輸入業者が差益で儲けるのと違い、東京の小さな商店ですら、直接外貨を得る事が出来るのである。この事の意味は大きい。
 あらゆる所で外貨流入の影響が出てくれば、そこから必要なものを購入したりする需要と、それを供給するというサイクルが回り始める。最近では、投資を絞って貯蓄に回すという動きが以前より顕著に表れるようになっているため、なかなかこのサイクルが回らないのだが、それでも景気が悪ければそもそもこのサイクルが回らないのだから、外貨流入で僅かでもこのサイクルが回りやすくなる事自体は間違いない話と言える。
 こうしたサイクルが回るという事の中に、仕事量の増加や雇用の創出というものも入ってくる。スペインの若年層における失業率はとんでもない事になっていて、2013年はじめの16歳~24歳の失業率はなんと57%を超えていた。全体で見ても27%を超え、この全体失業率は今年4~6月期でも26.3%と依然高い水準にある。要するに、スペインではここ数年ずっと4人に1人は失業者だという事である。
 日本はここまで酷い状態にはなっていないが、今回の東京オリンピック招致の経済効果では、こうした失業率をさらに低下させるだけの効果も期待できる。
 ま、雇用の話になってしまえば、確かに一個人のメリットとはかけ離れてしまうのだが、全体が盛り上がる事の意味は、確実に一個人の恩恵に下りてくる事は間違いない。そういう意味で、自分には無関係とは言い切れない。ま、あとは考え方次第…といった所かも知れないが。

 さて、前置きが随分と長くなってしまった。
 無関係な話でここまで進めてくると、タイトルと内容が合致しないぞ、という話になるわけだが、ココからが本題である。
 実は、自分の契約しているインターネット回線の一部を、無線LANで無料開放しようかと思い、FC2 Wi-Fiを応募してみた。それが8月中旬の話。
 自宅周辺の20m前後くらいの影響範囲でしかないが、日中はほとんどが使われない回線であるため、それをそのままにしておくのももったいないかな、と思ったのである。
 休日などは自分の回線帯域を喰われる恐れもあるが、そもそもP2P系のデータ通信でもしない限りはそうそう帯域を奪われる事もないハズだ。これも、実効速度として常時30Mbps以上の上下帯域を確保できる今の状態だからこそ、の話である。
 FC2を選んだのは、特に意味はない。ただ、FC2の宣伝に私が引っかかっただけである。
 応募したのが8月中旬で、応募が通ったという連絡が来たのが8月下旬月末近く。そしてその無線LANルーターが届いたのが9月7日の土曜日だった。
 すぐに作業に取りかかれなかったため、翌日である本日にその作業を行ったのだが、この作業、予測はしていたものの、簡単に終わるものではなかった。
 最初からある程度ネットワークの知識が必要とは思ったが、こんなワケの分からないルーターで設定しなきゃいけないのかと、愕然とするハメになった。

 今回、FC2 Wi-Fiから届いたルーター(以下FC2ルーターと略)を加えると、我が家にはルーターが3台という事になる。1台はNTTのひかり電話用ルーター、1台が私がメインで使用しているNECのAterm、そして今回のFC2ルーターである。
 ひかり電話用のルーターは完全にブリッジモードで使用していて、光終端端末とAtermの間に入れて信号をスルーさせている。Atermは私の基幹ルーターで、コイツに我が家のネット回線情報を入れている。
 ひかり電話用ルーターとAtermは、それぞれIPv4の左から3番目を違う数字にしている。例として挙げるなら、Atermは192.168.0.0/24、ひかり電話ルーターは192.168.1.0/24という感じである。
 そこに今回のFC2ルーターを入れるわけだが…。
 もし私がAtermを持っておらず、ひかり電話用ルーターに直接ネット回線情報を入れていたなら、ここまで迷う事はなかったかもしれない。何しろ単純にひかり電話用ルーターの下にFC2ルーターを入れて、ひかり電話用ルーターをブリッジモードに、FC2ルーターにネット回線情報を入れて、運用すれば事足りるからである。
 だが、我が家にはAtermがあり、またAtermの方がルーターの性能が段違いに上という事もあって、どうしてもAtermを使いたい…となると、繋げる順番を試行錯誤するしかない。
 そもそも、FC2ルーターの指定できるIPアドレスが、左から3番目の数値しか変更できないようになっている為、ひかり電話用ルーターと同じように、Atermと違うネットワーク区分を作るしか方法がないのである。
 ひかり電話用ルーターはそもそもNTT東日本の地域ネットワークを利用している為、プロバイダ情報は不要かつ、その設定を変更する必要がない。
 ではFC2ルーターはどうやってPPPoEの通信を取得するのか? ハッキリ言ってさっぱりわからない。


 順当に考えると、繋ぎかたはこんな感じか?

<ケース1>
ひかり電話用ルーター → Aterm → FC2ルーター

 だが、AtermとFC2ルーターは同じネットワーク上には存在できない。ネットワーク区分を同じにしてしまうと、IPアドレスがぶつかるからだ。
 同じネットワークに属していなくて、FC2ルーターがAtermの通信に乗る事ができるのか? 上記の繋がりであれば、同じネットワークに属していないとFC2ルーターは通信できないように思えるのだが…。
 であるなら、こんな繋ぎ方ではどうか?

<ケース2>
ひかり電話用ルーター → Aterm
ひかり電話用ルーター → FC2ルーター

 つまり、ブリッジモードで稼働するルーターの下に2つのルーターをぶら下げるという方法である。
 だが、当然だがこれだとFC2ルーターはネット回線情報を持たない機器で通信する事になる。そもそもそれが可能なのか?

 とまぁ、いろいろな流れでルーターの接続方法を試してみるしかないワケで、実際にやってみた。
 まず<ケース2>だが、上手く行かなかった。やはりそもそもインターネット回線情報のない所に繋いでもネットに繋がるハズがない。
 で<ケース1>だが、当初は上手く行かなかった。FC2ルーターのLANポートでAtermと同じネットワークへ参加させていたからだ。これをFC2ルーターのWANに繋いでやると…何故か上手くいった(爆)

 
単純にFC2ルーターのネットワークが、Atermのネットワークにぶら下がった、という事なんだと思う。但し、そのぶら下がり方は単純に構成の違うネッ
トワークというわけではなく、FC2ルーターのネットワークはAtermネットワークに依存した形のネットワーク…という事なんだと思う。
 とりあえず、これでウチの近辺では無線LANのフリーアクセスポイントが出来たワケである。

 目的は達成できたが、実は私としてはやってみたい事がある。
 それは1台のPCに有線LANと無線LANが繋がっている状態を作り、基本は有線LANでネットワークに接続し、特定のアプリケーション、もしくは特定のURLに接続する時だけ無線LANに接続する…という方法である。
 果たしてこんな事が可能なのかどうかもわからない。
 ただ、これが出来ると、今までと違ったネットワークの使い方ができるな…と思うワケである。
 ネットワークに詳しい人、こういう事ができるのか教えて下され…。

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武上

18歳の時、人生の最大の選択ミスをしてしまい、いきついた場所として山梨県人となる。 その後、建設業に身を投じ、資格をいくつか取得するものの、結局自分の性格と合わない事を理由に上京。 上京後、世間で話題になりつつあったアニメ・ゲームを主体とする業界の人間となり、デジタルコンテンツ業界を含む数々の著名人と同じ土俵でマルチメディアな仕事をするに至る。 一見華やかなメディアの世界の、その闇の深さたるやハンパない事こそ世間に何となく知られてはいるが、業界人しか知らないその氷山の全体像を十分すぎるほど目の当たりにした後、家庭の事情で再び甲州へと帰還。 しかし、この帰還も人生の選択ミスだったかもしれないなぁ…と今では思うものの、時既に遅し。 今は地元の製造業を営む会社の総務・品質保証という地味ではあるものの堅実な職につき、いつか再びやってくるだろう夢の実現を信じて隠者的生活を送っている…ハズだったのだが、またしても周囲の事情で運命は波乱の様相を見せ始めた。 私の人生は一体どの方向を向いているというのだろうか? ちなみに筆者はPCとの付き合いはかなり長いと思っている。 古くはPC-8801 mk2 SR、X1 Turbo、X68000、FM-Towns、PC-9801シリーズ(互換機含む)、PowerMAC 9500等をリアルタイムで使い、その後は、Windows PCの自作機を中心に現在に続いている。 デジタルガジェットに関しては興味もある事から、その時代の時々において、いろいろ使ったり調べたりして、専門家ほどではないが知識は蓄えてきたと思っている。 そうした経験を元に、今の時代へ情報発信させてもらっている。少々くどい言い回しが多いかも知れないが、お付き合いいただけるとありがたい。 連絡先:takegami@angel-halo.com (@を小文字にしてください)

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