ミラーレスでもOVF?

ミラーレス一眼デジカメのファインダーと言えば電子ファインダー(EVF)が一般的…というか、その他を知らないんだが。

パナソニックが特許出願

デジカメinfoに興味深い記事が掲載されていた。
パナソニックが、マイクロフォーサーズ用の光学ファインダー(OVF)の特許を出願しているというのである。
ファインダーとは、カメラの焦点を目で確認するものの事で、最近のコンパクトデジカメや一部レンズ交換式ミラーレスカメラでは省かれているものもある。背面液晶があればいらないだろ? という事である。
しかし、私は電子式でも良いのでファインダーは欲しい人である。
ファインダーから覗き見る世界は何か特別なものがあり、そこには切り出された世界がある。写真というものが「切り出す世界の時を封じ込める」という表現のものであるならば、ファインダーはまさにその「封じ込める世界を切り出すもの」である。
そう考える私からすると、できるなら光学、電子問わずファインダーが欲しいと思うワケで、ただ、真にカメラに拘る人は、このファインダーが光学なのか、それとも電子なのかという所から遡って気にするようだ。

今回パナソニックが特許出願をしたのは、レンズの焦点距離に連動する光学ファインダーの特許である。
ペンタプリズムを持たないミラーレス機なら、普通はEVFを使用するのが一般的。実際、今発売されているミラーレス一眼デジカメでファインダーを持つものはEVFが搭載されている。
しかしパナソニックは光学ファインダーの特許を出願したのであり、ひょっとしたら光学ファインダーを搭載する新機種を出してくる可能性もある。
しかも、レンズの焦点距離に合わせて連動する光学ファインダーである。EVFはダメだ、という人には朗報かもしれない。

意味があるのか?

ただ、私としては「意味があるのか?」と、その存在を疑問に思ったりしている。
理由は単純で、昨今のEVFはとても高速動作するし、視野角なども随分と光学ファインダー並になってきている。しかもEVFはその表示される情報を電子的に操る事ができるため、例えばカメラを横方向にした場合でも正しい位置に情報を修正表示させる事もできる。
進化したEVFは、OVFと同じレベル…とは言わないが、かなり近いところまで進化している現状にあって、あえて今光学ファインダーという方向に持って行く必要があるのか、甚だ疑問に思うのである。
もちろん、パナソニックも特許だけ出願して製品を出さない、という可能性もある。
他社から同じ技術で製品を出させない為の手段としての出願の可能性は否定できない。
ただ、光学ファインダーが欲しい、というニーズが確かに一定数あり、ビジネスに繋がるのであれば、そういった製品を見てみたい、という気持ちはある。

趣味の世界の話とは言え、この辺りはなかなか難しい問題である。
技術があるから商品化しました、で上手くいかないのがビジネスであり、かといって出してみたら売れました、という事があるのも事実である。
果たして、この特許を使った製品が発売されるのか?
興味深い話である。

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武上

18歳の時、人生の最大の選択ミスをしてしまい、いきついた場所として山梨県人となる。 その後、建設業に身を投じ、資格をいくつか取得するものの、結局自分の性格と合わない事を理由に上京。 上京後、世間で話題になりつつあったアニメ・ゲームを主体とする業界の人間となり、デジタルコンテンツ業界を含む数々の著名人と同じ土俵でマルチメディアな仕事をするに至る。 一見華やかなメディアの世界の、その闇の深さたるやハンパない事こそ世間に何となく知られてはいるが、業界人しか知らないその氷山の全体像を十分すぎるほど目の当たりにした後、家庭の事情で再び甲州へと帰還。 しかし、この帰還も人生の選択ミスだったかもしれないなぁ…と今では思うものの、時既に遅し。 今は地元の製造業を営む会社の総務・品質保証という地味ではあるものの堅実な職につき、いつか再びやってくるだろう夢の実現を信じて隠者的生活を送っている…ハズだったのだが、またしても周囲の事情で運命は波乱の様相を見せ始めた。 私の人生は一体どの方向を向いているというのだろうか? ちなみに筆者はPCとの付き合いはかなり長いと思っている。 古くはPC-8801 mk2 SR、X1 Turbo、X68000、FM-Towns、PC-9801シリーズ(互換機含む)、PowerMAC 9500等をリアルタイムで使い、その後は、Windows PCの自作機を中心に現在に続いている。 デジタルガジェットに関しては興味もある事から、その時代の時々において、いろいろ使ったり調べたりして、専門家ほどではないが知識は蓄えてきたと思っている。 そうした経験を元に、今の時代へ情報発信させてもらっている。少々くどい言い回しが多いかも知れないが、お付き合いいただけるとありがたい。 連絡先:takegami@angel-halo.com (@を小文字にしてください)

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2 Responses

  1. ruser より:

    はたして、ミラーレスで光学ファインダーが必要か?
    そのそもコンデジに慣れててファインダーなんて必要ないと感じる人も結構いそうなんで、趣味の世界ですかねぇ。

    私もファインダー大好き人間なんでファインダーは欲しいけど、ミラーレスに光学ファインダーが必要かというとちょっと微妙な気がします。
    理由の一つは使い勝手の問題。
    私は光学ファインダーの眼レフも使ってるわけですが、遠景で厳密にフォーカスしようとすると光学ファインダーでは限界があります。
    小さくて見えないので、そういう時はライブビューに切り替えて拡大表示してフォーカスしてます。
    そういった使い方をする人なら最初からEVFの方が合ってると思います。
    光学ファインダーの実相の仕方にもよるけど、ホットシューに外付けする場合は、他のデバイスと同時に使えない事やルックスの問題が出そう。
    富士フィルムのハイブリッドビューファインダーみたいに内蔵ファインダーをOVFとEVFを切り替えられるようにするならアリかなと思います。

    素子サイズが決まってるm4/3だけに、付加価値で差別化してくるのは自然な流れなんでしょうけど、どんなものが出てくるのか楽しみですね。

    • アバター画像 武上 より:

      私は何となく商品化されないような気がします。
      今回のPanasonicの特許出願は、同じ技術で製品が投入される事を防衛するだけに終わるのではないかと。

      EVFで困るのはホントに一握りの存在だろうし、場合によってはプロの要望しかないかもしれない。
      それにおそらく今回のOVFは動画向きなのかもしれない。
      いろいろ考えられるけど、あまり現実的ではないように思う。

      とりあえず商品化されればどんなものか見てみたいな。

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