UHS-II対応SDカード

対応機器でも対応しない事があるとして交換。

SDカード問題

私自身、SDカード含めた、NANDフラッシュメモリ媒体をあまり信用していない。
というのは、いつ使えなくなるかなどの問題が結構頻発するからである。
私自身、USBメモリが突然認識しなくなったり、SDカードが認識しなくなったりと、認識しないトラブルを酷い時は年に数回経験している。
つい最近だと、ニンテンドー3DSに入れていたSDカードが全く認識しなくなった例などがある。
それと、安いUSBメモリ…特に中華製などに多いようだが、一定以上のデータを描き込んだ媒体が突然読み込めなくなる、という問題もあるようで、何が問題発生のトリガーになるのかがよく分からないものもある。
NANDフラッシュメモリは、手軽に扱える事もあって、単に記憶メディアだと思っている人も多いが、正確に言えば半導体である。
まぁ、記憶メディアそのものが半導体だという事なのだが、この半導体という考え方が全くない人が多い。
通常半導体と言えば、CPUやコントローラーなど基盤にはんだ付けされているチップを想像する人も多いと思うが、決してそれだけではない。NANDフラッシュメモリも、れっきとした半導体部品である。
ただ、ROMやRAMに使われるような半導体と比較して、アクセス速度は遅いが、不揮発性でありながら書き換えが可能というメリットが、広く普及する最大の原因となったメモリというだけの事である。
この便利に使える理由が同時に脆い部分を作り出しているとも言えるわけで、前述のような認識トラブルが絶えない。
SDカードやUSBメモリでトラブルに出会った事がない人というのは、かなり希有な存在なのではないかと思う。

Sony製

このトラブルが多いSDカードのウチ、2016年3月発売のSony製SDXC/SDHCのUHS-II対応メモリーカードにトラブルが発生する事が判明し、メーカー側で無償交換のアナウンスが出ている。

Sony 製品に関する重要なお知らせ
http://www.sony.jp/rec-media/info/20170203.html

UHS-II対応規格というのは、アクセス速度が高速化されている規格で、最近のデジタル一眼カメラ等に使用されるケースが多い。
最近のデジタル一眼カメラは、連写も秒間に10数枚とか撮れるものも多く、結構な大きさのバッファサイズを持っている。
しかしバッファメモリはあくまでも揮発性メモリであるため、バッファに記録したデータを外部メモリに描き込む必要がある。
ところが連写などをしていると、次々と書き換えないとバッファメモリもすぐに一杯になってしまう。そこでそのバッファメモリのデータを書き出す為にもUHS-II対応メモリという高速対応のSDカードが使われるようケースが増えてきている。
ところが、このような高速化対応SDカードは、度々故障する。もちろん、この故障が直るケースは稀で、トラブルが発生したなら、そのSDカードは今後常に問題を孕んだままになり、直る事はない。
この「直らない」という事こそ、NANDフラッシュメモリが半導体である事を表している端的な事だと思うが、とにかくSony製品で問題が発症したなら、即座に期間以内に交換した砲が良い。
SDカードは消耗品だという事をよく理解し、各々対応した砲がよいだろう。

不揮発性メモリの次世代

NANDフラッシュメモリの最大の利点は不揮発性メモリだという事だが、この不揮発性メモリも次々と新しいものが開発されている。
だが、残念な事にまだ実用域を超える新技術は登場していない。そもそも、NANDフラッシュメモリが安くなり過ぎて、新技術が投入されても乗り換えるだけのコストとして見合わなくなってしまっているのである。
MRAMと呼ばれる磁気を併用する技術しかり、光をもっと上手く活用する技術しかり、新しい方式は次々と生まれ開発されてきたが、その後コスト面でNANDフラッシュメモリに駆逐されてしまう。そういう意味では、NANDフラッシュメモリは確かに強い存在ではあるが、このトラブルという弱点を何とかできないかぎり、信用性という問題でメモリ業界の主力になる事はないと私は思う。
主力にはなれないのに、他技術を駆逐してしまうので、このNANDフラッシュメモリは実に厄介な存在で、ある一定の割り切りがないと、次世代の不揮発性メモリが生まれる事はないように思う。

たしか以前の目論見では、PCのメインメモリを不揮発性メモリにして基本リブート不要PCが実現できるかもしれない、なんて夢物語も言われていた事があるが、現時点ではたしかに夢物語で、実現できる見通しはまだまだ遠いところにある。
これが夢物語ではなく、実現が見えてくるのは一体いつ頃の話になるのだろうか?
やはりそこに行くには、NANDフラッシュメモリから脱して新しいメモリが開発される事になるのか、それともNANDフラッシュメモリの信用性がもっと向上するのか…未来は誰にもわからないだけに、これら全てが夢物語にならないよう祈りたい。

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武上

18歳の時、人生の最大の選択ミスをしてしまい、いきついた場所として山梨県人となる。 その後、建設業に身を投じ、資格をいくつか取得するものの、結局自分の性格と合わない事を理由に上京。 上京後、世間で話題になりつつあったアニメ・ゲームを主体とする業界の人間となり、デジタルコンテンツ業界を含む数々の著名人と同じ土俵でマルチメディアな仕事をするに至る。 一見華やかなメディアの世界の、その闇の深さたるやハンパない事こそ世間に何となく知られてはいるが、業界人しか知らないその氷山の全体像を十分すぎるほど目の当たりにした後、家庭の事情で再び甲州へと帰還。 しかし、この帰還も人生の選択ミスだったかもしれないなぁ…と今では思うものの、時既に遅し。 今は地元の製造業を営む会社の総務・品質保証という地味ではあるものの堅実な職につき、いつか再びやってくるだろう夢の実現を信じて隠者的生活を送っている…ハズだったのだが、またしても周囲の事情で運命は波乱の様相を見せ始めた。 私の人生は一体どの方向を向いているというのだろうか? ちなみに筆者はPCとの付き合いはかなり長いと思っている。 古くはPC-8801 mk2 SR、X1 Turbo、X68000、FM-Towns、PC-9801シリーズ(互換機含む)、PowerMAC 9500等をリアルタイムで使い、その後は、Windows PCの自作機を中心に現在に続いている。 デジタルガジェットに関しては興味もある事から、その時代の時々において、いろいろ使ったり調べたりして、専門家ほどではないが知識は蓄えてきたと思っている。 そうした経験を元に、今の時代へ情報発信させてもらっている。少々くどい言い回しが多いかも知れないが、お付き合いいただけるとありがたい。 連絡先:takegami@angel-halo.com (@を小文字にしてください)

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2 Responses

  1. ruser より:

    私もSDカードに撮った写真が読み込めなくなった事が二度ぼどあります。
    RAW+JPEGで撮影しているので、完全には無くならなかったのは幸い(バックアップの意味でもこのモードで撮影してます)でしたが、いつ壊れるか分からないのは恐怖ですね。
    今後、この分野にパラダイムシフトが起きるのか、リスクを抱えた今の技術で突き進むのかが見所ですね。

    • アバター画像 武上 より:

      まだSDカードが認識してくれただけマシですよ、それ。
      認識しないレベルで壊れると、そもそも認識しないので読み出せませんから。
      なので、一番良いのはカメラ自体がダブルスロット仕様で、RAWとJPEGを別々のSDカードに書き込むモードが使えるというのが最適と言えます。
      SDカードは、絶対に安心できるメディアではないので、この信頼性がどこまで向上できるかが一つの壁かな、と思ってます。

      というか、他技術がもっとコスト的に戦える状態だといいんですけどね。

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