手元を配信する人に

それ以外でも使えるが、とにかく便利。

USB書画カメラ

サンワサプライから、Web配信でも、Web会議でも使える、手元を映すカメラが発売されている。USB書画カメラ「CMS-V58BK」というカメラで、書画カメラというのは手元を映すためのカメラの事。
スタイルはちょっとした電気スタンドのような形だが、ヘッド部にカメラと照明用のLEDライトが装備されていて、手元を明るく照らしながら、ヘッド下の手元を撮影できるデバイスである。
書画カメラという専用デバイスインターフェースとしては、USB2.0とHDMIが装備されているので、USBでPCに直接挿せばWebカメラとして使用できる為、そのままWeb配信で手元を映すカメラにする事ができるが、HDMIに挿せば接続したデバイス、例えばテレビなどにそのまま映像を映す事ができるので、配信ではなく、授業のようなところで手元を大画面に映す、なんて事もできる。場合によっては、キャプチャデバイスとHDMIで接続すれば、HDMIデバイスのミキサー経由で他映像とハードウェア合成する事もできる。まぁ、最近はブロードキャストソフトで合成も出来るので、Web配信する場合はHDMIキャプチャの意味はないかもしれないが、機器構成はかなり自由になると言えるだろう。
カメラのセンサーは1/3.2インチCMOSで、800万画素、撮影解像度はビデオ・静止画ともに3,264×2,448ドットとなる。撮影フォーマットはJPEGとMJPEGで、静止画を保存するためにSDカードスロットが装備されている。
スタンド部には露出調整ボタン、シャッターボタン、ピント調節ボタン、が用意されている。ピント調節ボタンがあるので、完全なオートフォーカスという事ではないようだが、そもそも手元を映す関係から、一度フォーカスを合わせてしまえば後は問題がない、という事なのかもしれない。

創作系配信にはいいのかも

この書画カメラ、用途が特殊なのでほぼ専用機のような感じがあるためか、価格は結構高い。
メーカーが設定している標準価格は税込63,800円と個人が手軽に買える価格としてはかなり高めのものと言える。
だが、配信で手元をよく映す事になるだろう、創作系配信などでは圧倒的にクォリティが上がる事が考えられる為、そうした配信の質を上げたい人には検討する価値がある製品と言えるだろう。
この「CMS-V58BK」の800万画素より低い500万画素の製品で「CMS-V55S」という製品も存在するが、こちらはスタンド部の自由度が「CMS-V58BK」よりも少なく、フォーカスも固定なので、用途はさらに限られる可能性がある。価格は35,200円(税込)。
他にもHDMI端子は不要というのなら「CMS-V46W」という製品もあり、こちらは完全なUSB接続のWebカメラではあるが、800万画素のカメラが付いている。価格はオープン価格で、店頭価格は2万円以下となっている。
なのでWeb配信やWeb会議のみを検討している人は「CMS-V46W」の方がコストパフォーマンス的に合っているかもしれない。

プロとアマの違い

配信に関して言うと、もうプロとアマチュアの差というものは機材的には差がない状態になりつつある。
プロ機材はプロ機材でもちろん存在はしているが、アマチュアが使用可能なソフトウェアがプロ仕様に耐えるものになってきたり、ソフトウェアで補える状態になって来たため、アウトプットされる品質に大きな差がなくなってきている。
逆にプロは生産性をより高める方向に向かっていて、生み出されるコンテンツの数や必要な時間というところにプロとアマチュアの差が出てくるような時代と言える。
今回紹介した書画カメラにしても、おそらくプロだとプロ用機材を特定のスタンドに固定したスタイルで運用するのだろうと思うが、そこから生み出される映像としては、配信レベルだと差はほとんど無くなると言える。それ故、アマチュアの品質がプロの品質にかなり近づき、配信動画を見ているだけでは違いがわからないという現象が起きる。
売れているYouTuberの売上げを考えれば、それはもう既にアマチュアではない、という言い方もできるので、ホントにプロとアマチュアの差はなくなったのだな、という事がわかる。

アイディア一つで人生が変わる。
今の時代はそういう時代なのだという事がよく分かるワケだが、一つだけ間違いない事がある。
それは機材をどう集めようが、何をしようが、実行しなければ変われない、という事である。バズるにしても、実行した結果バズるのであり、実行しない者がバズる事はない。
当たり前だが、それがとても重要な事である。

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武上

18歳の時、人生の最大の選択ミスをしてしまい、いきついた場所として山梨県人となる。 その後、建設業に身を投じ、資格をいくつか取得するものの、結局自分の性格と合わない事を理由に上京。 上京後、世間で話題になりつつあったアニメ・ゲームを主体とする業界の人間となり、デジタルコンテンツ業界を含む数々の著名人と同じ土俵でマルチメディアな仕事をするに至る。 一見華やかなメディアの世界の、その闇の深さたるやハンパない事こそ世間に何となく知られてはいるが、業界人しか知らないその氷山の全体像を十分すぎるほど目の当たりにした後、家庭の事情で再び甲州へと帰還。 しかし、この帰還も人生の選択ミスだったかもしれないなぁ…と今では思うものの、時既に遅し。 今は地元の製造業を営む会社の総務・品質保証という地味ではあるものの堅実な職につき、いつか再びやってくるだろう夢の実現を信じて隠者的生活を送っている…ハズだったのだが、またしても周囲の事情で運命は波乱の様相を見せ始めた。 私の人生は一体どの方向を向いているというのだろうか? ちなみに筆者はPCとの付き合いはかなり長いと思っている。 古くはPC-8801 mk2 SR、X1 Turbo、X68000、FM-Towns、PC-9801シリーズ(互換機含む)、PowerMAC 9500等をリアルタイムで使い、その後は、Windows PCの自作機を中心に現在に続いている。 デジタルガジェットに関しては興味もある事から、その時代の時々において、いろいろ使ったり調べたりして、専門家ほどではないが知識は蓄えてきたと思っている。 そうした経験を元に、今の時代へ情報発信させてもらっている。少々くどい言い回しが多いかも知れないが、お付き合いいただけるとありがたい。 連絡先:takegami@angel-halo.com (@を小文字にしてください)

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