X68000用ソフト、発売

33年の時を超え、今更ながらX68000のソフトが発売される。レトロブームもココまで来ると凄いとしか思えない。

その名はイース

1987年に「イース」、1988年に「イースII」がPC-8801mkIISR向けに発売された。
日本ファルコム(現ファルコム)から発売されたゲームソフトではあるが、ある意味、このゲームは衝撃的なゲームであり、その後のアクションRPGの一つの方向性を決めた一作といっても良かった作品である。
その「イース」はX68000版が電波新聞社が1991年に発売されている。従来のイースと異なり、X68000の表現力を多用した作風であったが、これは続編である「イースII」が発売されなかった。当時、X68000を所有していた私からすると、とても残念な結果だったが、それはX68000というハードウェアの終焉を迎える状況から考えれば、無理からぬ事であり、致し方ない話とも言える。
その後、イースI&IIは、数々のコンシューマ機に移植され、作品としての決定打としてはPCエンジンのCD-ROM版が出た事である意味それ以上にはならず、イースシリーズはその後3作目移行へと進んで行く事になる。
だが、そんな「イース」「イースII」のX68000版が、今頃になって発売されるという。しかもPC-8800mkIISR版の移植という形で、である。

フロッピーディスク

今回の移植版はBEEP 秋葉原店を運営する三月うさぎの森のゲーム販売部門「BEEP」ブランドからリリースされる。その媒体は5インチフロッピーディスク版と3.5インチフロッピーディスク版で、既に予約が始まっているという。発売は3月9日予定である。
価格はどちらも8,800円(税別)で、価格的には当時の価格と同等のものになっている。
フロッピーディスク(以下FDと略)という、イマドキの人は見たこともないような媒体で発売される事も驚きだが、そもそもFDは今どこかのメーカーで作っているのだろうか? そこから心配になる話である。
33年の時を超えて発売今回のX68000版のタイトルは「Ys I&II ~Lost ancient kingdom~」として、2作が含まれているものになる。内容はPC-8800mkIISR版の完全移植+αとなっていて、オリジナル版にあったバグの修正が行われている事に加え「イース」のラストボス戦のBGMがFM77AV版になっている(PC-8800mkIISR版に変更可能)という違いがある。またエンドロールには移植担当プログラマーが追記されているというのも違いである。
また、オリジナルではデータセーブ用にFDを1枚用意する必要があったが、そのセーブ用FDは不要になっている。イマドキFDは入手が難しいので、これはある意味ありがたい話であろう。

当然X68000が必要

今更ながらの話だが…今回発売される「Ys I&II ~Lost ancient kingdom~」は、当然X68000というレトロPCが必要になる。
当然だが…今X68000は発売されていないので、もし準備するとなれば中古PCとしてX68000本体を調達してこないとプレイはできない。
いや、もし現行のWindows等の機器でFDを読み取れるデバイスがあるのなら、X68000のエミュレータソフトの上で動作させる事はできるかもしれない。
ただ、エミュレータで動作させるというのも趣がない。やはりここはホンモノのX68000が欲しいところである。
中古市場ではそれなりの弾数はあるので、入手そのものは可能とは思うが、状態によっては価格は高いだろうし、安いモノを買えば修理が必要だったりメンテナンスが大変だったりといろいろある。
もし本体ごと準備して…と考えるようであるなら、相当な覚悟でもってレトロPCを趣味にするしかないだろう。
私個人としては…X68000 XIVあたりが欲しいところではあるのだが…。

レトロブームは骨董を趣味とする世界に近い何かがある。それだけにコストのかかる趣味でもあるが、古き良き時代の製品から新たなインスピレーションを受ける事もあるので、気になる人はまず調べてみる事をお薦めしたい。

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武上

18歳の時、人生の最大の選択ミスをしてしまい、いきついた場所として山梨県人となる。 その後、建設業に身を投じ、資格をいくつか取得するものの、結局自分の性格と合わない事を理由に上京。 上京後、世間で話題になりつつあったアニメ・ゲームを主体とする業界の人間となり、デジタルコンテンツ業界を含む数々の著名人と同じ土俵でマルチメディアな仕事をするに至る。 一見華やかなメディアの世界の、その闇の深さたるやハンパない事こそ世間に何となく知られてはいるが、業界人しか知らないその氷山の全体像を十分すぎるほど目の当たりにした後、家庭の事情で再び甲州へと帰還。 しかし、この帰還も人生の選択ミスだったかもしれないなぁ…と今では思うものの、時既に遅し。 今は地元の製造業を営む会社の総務・品質保証という地味ではあるものの堅実な職につき、いつか再びやってくるだろう夢の実現を信じて隠者的生活を送っている…ハズだったのだが、またしても周囲の事情で運命は波乱の様相を見せ始めた。 私の人生は一体どの方向を向いているというのだろうか? ちなみに筆者はPCとの付き合いはかなり長いと思っている。 古くはPC-8801 mk2 SR、X1 Turbo、X68000、FM-Towns、PC-9801シリーズ(互換機含む)、PowerMAC 9500等をリアルタイムで使い、その後は、Windows PCの自作機を中心に現在に続いている。 デジタルガジェットに関しては興味もある事から、その時代の時々において、いろいろ使ったり調べたりして、専門家ほどではないが知識は蓄えてきたと思っている。 そうした経験を元に、今の時代へ情報発信させてもらっている。少々くどい言い回しが多いかも知れないが、お付き合いいただけるとありがたい。 連絡先:takegami@angel-halo.com (@を小文字にしてください)

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