微妙な価格設定

 リードテックから独自設計のGeForce8600GTS採用のビデオカード“WinFast PX8600GTS TDH 256MB Extreme LEADTEK Exclusive モデル”が発売になる。
 GPUコアクロックが710MHz、シェーダクロックが1,674MHzと、共に標準設定よりオーバークロックされた製品だが、店頭予想価格は32,000円前後の見込みと、イマドキの状況で考えて決して安いと言えない価格設定なっていると私は見た。
 もちろん、これが高すぎるという事はない。
 GeForce8600GTSのオーバークロック製品ともなれば、30,000円超というのは極々当たり前の価格設定だろう。
 だが問題は、この製品に搭載されているGeForce8600GTSの一つ上のランクである、GeForce8800GTS搭載製品との価格差にある。


 GeForce8800GTS搭載の320MBモデルは店頭価格で38,000円前後で存在する。
 となると6,000円の差で1ランク上に行ける事になるのだが、では性能差はどれぐらいあるのかというと、3Dベンチで言うならかなりの差がつくと言って過言ではない。
 8800系でもGTSは決して性能が高いとは言えないビデオチップだが、それでも8600系よりはずっと高性能だ。
 唯一8600系がアドバンテージを示しているのがPureVideo2.0に対応しているという事であり、これはH.264をハードウェアデコードできるという利点があるが、この機能が有効になるのは対応ソフト上での話。
 現実的にPureVideo2.0が威力を発揮するのは数年先と私は見ているため、この6,000円の価格差をより大きくする材料にはならないと考える。
 まぁ、このあたりは各個人の考え方にもよるし、ビデオカードに3万円も出せるかよ、という人からすれば、そもそも見当違いな比較になるだろう。
 だが、8600GTSは私的にはかなり良いビデオカードだと思うし、もし3万円までなら出せるというのなら、+2,000円での今回のオーバークロック製品はおすすめと言える。
 ただ、純粋に3D性能をある程度の価格で得たいという人にとっては、価格差6,000円をどう判断するかを求められる。
 8800系に進むか、8600系で止めるか。
 悩ましい選択である。

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武上

18歳の時、人生の最大の選択ミスをしてしまい、いきついた場所として山梨県人となる。 その後、建設業に身を投じ、資格をいくつか取得するものの、結局自分の性格と合わない事を理由に上京。 上京後、世間で話題になりつつあったアニメ・ゲームを主体とする業界の人間となり、デジタルコンテンツ業界を含む数々の著名人と同じ土俵でマルチメディアな仕事をするに至る。 一見華やかなメディアの世界の、その闇の深さたるやハンパない事こそ世間に何となく知られてはいるが、業界人しか知らないその氷山の全体像を十分すぎるほど目の当たりにした後、家庭の事情で再び甲州へと帰還。 しかし、この帰還も人生の選択ミスだったかもしれないなぁ…と今では思うものの、時既に遅し。 今は地元の製造業を営む会社の総務・品質保証という地味ではあるものの堅実な職につき、いつか再びやってくるだろう夢の実現を信じて隠者的生活を送っている…ハズだったのだが、またしても周囲の事情で運命は波乱の様相を見せ始めた。 私の人生は一体どの方向を向いているというのだろうか? ちなみに筆者はPCとの付き合いはかなり長いと思っている。 古くはPC-8801 mk2 SR、X1 Turbo、X68000、FM-Towns、PC-9801シリーズ(互換機含む)、PowerMAC 9500等をリアルタイムで使い、その後は、Windows PCの自作機を中心に現在に続いている。 デジタルガジェットに関しては興味もある事から、その時代の時々において、いろいろ使ったり調べたりして、専門家ほどではないが知識は蓄えてきたと思っている。 そうした経験を元に、今の時代へ情報発信させてもらっている。少々くどい言い回しが多いかも知れないが、お付き合いいただけるとありがたい。 連絡先:takegami@angel-halo.com (@を小文字にしてください)

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2 Responses

  1. 士之 より:

    私は、グラボは高くても二万までと思っている人なので、この領域は未知ですねぇ。
    CPUもそうだけど、微妙な価格設定が多い…。まぁ、少しは知識かあることを前提としてるんで、そこの情報は自分でひらってこいってことなんでしょうなぁ。

  2. 武上 より:

     二万円までの価格帯だとすると、候補に挙がってくるのはGeForce8600GTかRADEON HD2600XTのどちらかってところでしょうか。
     こちらもオーバークロック品も多いので、価格も結構バラつきがあり、選ぶのが困難な価格帯です。
     ただ…偏見かもしれませんが、最近のPC事情の流れを見ていると、ちょっとした3D系ソフトを動かすとなると価格帯3万円クラスが当たり前の時代に入ってるような気がします。
     もっとも、3D系ソフトのみがそういう流れになっているワケですが…
     RO2なんかは、正直3万円クラスのビデオカードで普通って感じだと思います。もちろん、不足してるワケでもないんですが。
     イマドキの価格設定は確実に昔より高いところにある…と考えた方がいいでしょう。

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