メインPC、再び考える

生活上いろいろな事があって、メインPCの入れ替えを諦めていたが…。

消費電力だけでも…

当Blogで、過去より私のメインPCの入れ替えを検討している話を随分としてきたが、現状の生活の変化から、半ばそれを諦めていた。
実際、なんとかWindows11の動作要件に入っていた事もあって、OSは最新のものを使えているおかげで、今すぐ何かをしなければならない、という状況でもない事から、今あきらめても問題はないかな、と考えたわけである。
実際、費用の事を考えると、諦めるのが正しいという結論になるのだろうが、やはりIntel第8世代コアを使い続けるのは、性能的かつ消費電力的に、ちょっとイヤだな、と私の悪いクセが出てしまい、スペックを少し落としてでも現行ハードへと置き換えできないかと考えはじめた。
少なくとも、同じ性能なら消費電力は格段に減るハズで、Core i7-8700KとRadeon VIIの消費電力を下回る、かつ空冷のシステムへと入れ替えられれば、消費電力を今より気にせずに使っていけろだろう、という事である。
自作は楽しいがスペックを追い求めると高く付く問題はどのスペック要件に落ち着かせるか? という事。
Intelコアを使うなら、やはり第12世代コアが良いだろうし、AMDならRyzen 5000シリーズになる事は間違いない。問題はそれらの中のどのあたりのレンジを狙って行くか、である。
またGPUにしてもRadeon VIIと同等の性能のものを探したとき、どれぐらいのレンジに入ってくるかを考える必要がある。GPUに関してはNVIDIA製は今のところ考えていないのでRadeonでRadeon VIIと同等の製品を探る事になる。おそらくRadeon RX 6600XT~6700XTのあたりになるだろう。性能的に言えば、その中間ぐらいの可能性があるので、狙えれば6700XTが妥当なラインか?
という事で、CPUを中心にちょっと構成を考えてみることにした。

Intelか、AMDか

一番悩むのはまさにそのメーカーである。
Intel第12世代が発売される前であれば、間違いなくAMDと答えていたのだが、Windows11環境下でのIntel第12世代コアの性能は、Ryzen 5000シリーズを平均的に上回ると考えていい。
しかも、Intel第12世代は、ハードウェアコーデックでもAV-1に対応しているのが大きい。AV-1は今後主流になるかどうかはわからないが、台頭してくるであろうコーデックの一つである。
ミドルハイクラスなら、IntelならCore i7-12700K、AMDならRyzen 5800Xもしくは5900Xといったところかもしれないが、これらだと性能は良いが消費電力が案外バカにならない。
なので、この性能から省電力性能を引き上げた製品を検討すると、Intelなら Core i7-12700、AMDならRyzen 5700Xが次候補に挙がってくる。が、これだと実は異種格闘技戦のような感じで、価格的にRyzen 5700Xの方が断然安い。安いが、絶対的性能はCore i7-12700の方が高いので、性能と価格がトレードオフになると考えれば良いだろう。
ちなみにIntelのCore i5-12600Kも性能的には候補に挙がってくる事になるが、TDP(PL1)が125Wなので、65WのRyzen 5700Xより消費電力が上がる事を覚悟せねばならない。
ではCore i5-12600だとどうか、と考えると、TDP(PL1)は同じ65Wだが、搭載しているコア数がぐっと減るので性能的に下回ってくる事が考えられる。
結局、価格優先で考えるならRyzen 5700X、性能で考えるならCore i7-12700というのが、私の許容値に入るラインではないかと考えられる。…いや、これでも十分高性能な選択なのだが。

マザーボードにも違いが…

ただ、システム全体を見るとここにも若干の不安要素が出てくる。
Ryzen 5700XはAM4ソケットなので、今後のAMDが採用するソケットAM5と互換性がなく、またメモリもDDR4までしか対応していないという問題がある。
一方、Core i7-12700はLGA1700ソケットであるため、今後互換性が多少維持される可能性はある。IntelはAMDほどソケット依存にはならないのでアテにはできないが、可能性はある。またメモリに関してもCore i7-12700はDDR5にもDDR4にも対応できる。もっとも、メモリ交換という状況になればマザーボードごと交換という事になるので、コストを抑える意味がどこまであるかは微妙なところだが、流用できるパーツが残る事は間違いない。
これらの問題を考慮しつつ、AMDはCPUとGPUを同じAMD製にしておくとSmart Memory Accessが有効化されるという利点を考え、いくつかの組合せを考えて見ると、実に面白くない結果しか出てこないのである。

組合せは…

と言うわけで、考えた組合せは以下である。

①Core i7-12700&Radeon RX 6700XT
②Ryzen7 5700X&Radeon RX 6700XT
③Core i7-12700&GeForce RTX 3060Ti
④Ryzen7 5700X&GeForce RTX 3060Ti

実に面白くない。
しかもNVIDIAのGeForce RTX 3060Tiは、価格的に妥協した結果であって、性能的に納得した上での結論ではない。
よって、④の選択は絶対にあり得ない。考えられるとしたら、①~③のどれかであり、③も選択肢としては非常に弱い。
①の利点はCPUの性能にあり、②の利点はとにかくAMDで揃えている事から、AMDが提唱する機能は全て有効にでき、なおかつ価格的に低めに抑えられるという事に尽きる。
あとはこれらに組み合わせるマザーボードで全体の価格が変わってくるのだが、マザーボードは全体的にAMD系の方が安く買える傾向にある(選ぶチップセット次第だが)。
価格的にハイエンドパーツの組合せから比べればグッと安く設定でき、CPUとマザーボード、GPUで13万円~16万円台ぐらいになり、これらにメモリやストレージを組み込んで総額20~25万円程度、というのが一つのラインになるのではないかと予想する。
…十分高いな(爆)

ようやく一段落か?

これでも2年位前で考えた価格よりはずっと安くなったのではないかと思う。
今後、今年の秋以降に出てくるであろう次世代ハードが登場すると、また状況は変わるのかも知れないが、私の予想では型落ち製品の価格は思っている以上に下落はない、と考えている。
というのはNVIDIAはRTX 40シリーズの生産数を減産する予定だという噂もあるし、そもそも潤沢と言えない状況で新製品がどれだけの物量で流通するかもわからない事から、型落ち品そのものの入手性も不確かな状態である。
となると、性能は確かに上回っても結果消費電力が悪化するなら、型落ちで以前の製品性能で十分、なんて考え方も当然出てくるわけで、相対的に型落ち品が安くなる事は考えにくい。
ゲーム用途ではハイエンドを見ていけばキリがない性能要求であっても、一般用途であれば既に性能は十分満たされているし、許容値に入ってくる環境を構築するのであれば、新製品の必要性が薄くなっているのが今である。
一定の要求が満たされた今、型落ち品が型落ち品にならないと見るべきであり、私と同じように考えてくる人からすると、あえて型落ち品待ちなんて事もある。
なので、今後の自作PCの価格は、ハイエンドとローエンドの差は開く一方になり、エントリークラスで十分という層とあくまでもミドルレンジを狙いつつ性能を追求する層が価格にシビアに立ち向かっていく事になるのではないかと思う。

検証してみたが…なんか予想を大きく外れなかったのが残念と思いつつも、価格的に「やっぱりなぁ」と思える結末であった。
20万円超は覚悟する必要はありそうである。

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武上

18歳の時、人生の最大の選択ミスをしてしまい、いきついた場所として山梨県人となる。 その後、建設業に身を投じ、資格をいくつか取得するものの、結局自分の性格と合わない事を理由に上京。 上京後、世間で話題になりつつあったアニメ・ゲームを主体とする業界の人間となり、デジタルコンテンツ業界を含む数々の著名人と同じ土俵でマルチメディアな仕事をするに至る。 一見華やかなメディアの世界の、その闇の深さたるやハンパない事こそ世間に何となく知られてはいるが、業界人しか知らないその氷山の全体像を十分すぎるほど目の当たりにした後、家庭の事情で再び甲州へと帰還。 しかし、この帰還も人生の選択ミスだったかもしれないなぁ…と今では思うものの、時既に遅し。 今は地元の製造業を営む会社の総務・品質保証という地味ではあるものの堅実な職につき、いつか再びやってくるだろう夢の実現を信じて隠者的生活を送っている…ハズだったのだが、またしても周囲の事情で運命は波乱の様相を見せ始めた。 私の人生は一体どの方向を向いているというのだろうか? ちなみに筆者はPCとの付き合いはかなり長いと思っている。 古くはPC-8801 mk2 SR、X1 Turbo、X68000、FM-Towns、PC-9801シリーズ(互換機含む)、PowerMAC 9500等をリアルタイムで使い、その後は、Windows PCの自作機を中心に現在に続いている。 デジタルガジェットに関しては興味もある事から、その時代の時々において、いろいろ使ったり調べたりして、専門家ほどではないが知識は蓄えてきたと思っている。 そうした経験を元に、今の時代へ情報発信させてもらっている。少々くどい言い回しが多いかも知れないが、お付き合いいただけるとありがたい。 連絡先:takegami@angel-halo.com (@を小文字にしてください)

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