国民意識で日本を変える事ができるハズだが…

 本日、衆議院選挙が行われた。即日開票だから本日中には概ね動向は見えてくるだろうが、この記事を書き始めた20時過ぎの段階では、出口調査で自公両党の議席が300超になる予測が出ている。
 つまり、次の政権は自民党と公明党の連立政権が執る、という事になる。
 ちなみにこの出口調査では、民主党が100議席を大きく下回るという、壊滅的な大敗になる事が確実視されており、日本維新の会が50議席を上回る勢いがあるようだ。

 今、日本経済が壊滅的な状況にある事を知らない人はよほどの子供でないかぎりはいないハズだ。欧米化した経済システムから、大手電機メーカーがリストラを敢行した結果、固有技術を海外メーカーに流出させてしまったのである。問題は、その流出した固有技術を上回る技術開発ができるだけの企業体力を持ち合わせていない事であり、流出した技術を海外メーカーが独自進化させ、日本企業はコスト的にそれに追いつけない状況に追い込まれた。
 では、この問題の発端は、一体誰の責任であったのか?
 これに明確な答えを出せる人はそうはいないかもしれない。
 端的に言えば、多分それは日本人全体だと言えるし、そうしたベクトルを植え付けた政体に責任があるのかもしれない。だが、その政体も実は国民が作り上げた結果であり、結局は日本人全体が発端だという事になる。

 古来日本は技術立国であり、営業という事が得意ではない。いや、もし大阪が首都だったなら、ひょっとしたら営業…というより商業の延長上でもっと売り込みが上手い政治体制を築き上げられたかもしれない。だが、関東が首都となり、日本は技術立国の色をさらに強め、(大凡にして)ただただ生真面目な国民になった。
 経済面だけがそうした特質を持っていたなら問題はないが、国の運営をしていく政体がそうした特質を持ってしまったが故に、生真面目かつ融通の利かない体質を昇華させてしまい、結果世界で最も売り込みのヘタな経済大国になってしまった。
 日本の不幸の原因はほぼココにあるのではないかと思う。
 しかし、政治家だけを責める事はできない。何故ならその政治家たちを選んできたのは、日本国民であり、それだけに責任は日本人全体と言える。
 そしてもっと不幸だったのは、若い世代が政治的な要求を持たなくなってしまった事にある。それはある意味仕方のない事でもある。世の中が満たされ、不満に思うことがあまりなくなってしまえば、その世の中しか知らずに生まれてきた世代は、そもそも世の中に要求するものを持たない。これは世界的に見ても日本だけの問題ではない。
 では、今どうなのか?
 今こそ、若い世代が日本を見つめ直す時に来ている。
 この記事を読んで、まさしくそうかもしれない、と思った一節がある。

選挙に行かない男と、付き合ってはいけない5つの理由
http://komazaki.seesaa.net/article/307791379.html


 この記事の一節に「選挙を放棄するということは、君にも君たちの子どもの将来にも、本気では関心ないよ、ということと一緒」というのがある。
 確かに、若い世代が選挙に投票しないという事は、今のこの日本経済の危機に対して自分に関係するだろう子どもの未来に関心が無い、という事になるし、それは逆を言えば自分の将来すら無関心に近い事と同義と言える。
 ただ、これを言い切るには親の世代の日和見主義が今の若者世代に悪影響を与えている可能性を否定できない。
 また、この記事内に「若者があまりに投票しないから、国の支出は子ども:高齢者で1:11というひどい状態になっている」とも書かれている。
 
確かにそうなのである。今の国の予算配分を見ていると福祉関係への割り当てがとんでもない金額に膨れあがっている。別に福祉関係を疎かにしろ、とは言わな
いが、国の未来を背負う子どもに使われる予算を削るという事は、自分の足下を削り取っている事と同義だという事に、日本国民が気づいていないという事であ
る。
 これは若者だけの問題でなく、今まさに国を支えている世代の問題でもある。
 今までと同じ、いやその延長上である考え方でしかモノを見ていないと、この真実にぶつかってもぶつかった時点で思考を止めてしまうのではないだろうか?

 明治維新。
 江戸という300年に渡る平和な世の中から、世界列強に立ち向かえる国を目指すために国民が立ち上がった時代。
 その時代を作り上げていく中で、おそらく江戸時代から引き継いだものはほとんど無かったのではないだろうか?(貴族院というものを作ったのは特権階級を残したとも言えるが…)

い‐しん【維新】 ヰ‥
[詩経(大雅、文王)「周旧邦と雖(いえど)も、其の命維(こ)れ新たなり」]
(1)物事が改まって新しくなること。政治の体制が一新され改まること。
(2)明治維新のこと。
 
→いしん‐しりょう‐へんさん‐かい【維新史料編纂会】
→いしん‐の‐さんけつ【維新の三傑】

広辞苑 第六版 (C)2008  株式会社岩波書店

 維新とは、広辞苑第六版で言うとこういう意味である。
 今の日本にはまさに維新という転換が必要だと言える。
 過激な物言いかもしれないが、私は今の世の中で良いとされている事すら一度捨て去ってしまっても良いから、全てを構築し直す必要があるとすら思っている。
 軍事力を持たない事が平和だという人もいる。
 だが、その軍事力は何も実際に戦争する為だけに有効に働くわけではない。外圧に対しての武器になり得るのは、北朝鮮を見ていれば一目瞭然である。
 別に維新という言葉を使った事や、軍事力をほのめかして、石原慎太郎を推しているワケではない。世界で戦える日本を作る為の一つの手法として、無視できない方向性だと思っているに過ぎないのである。

 何より目を覚まさなければならないのは、日本国民である事は間違いない。
 日本は長年アメリカ合衆国を手本にしてきたが、見習うは欧州の国々であり、そこから日本独自に進化させた体制が必要だと私は思う。
 これだけの探究心と高い技術力、そして高尚な民意を持った国民。それらはノーベル賞や東日本大震災で世界が認めたものだ。
 それらを持つ国民が住む国にしては、今の日本はダメすぎる。未来をあまりにも見ていない。そしてそれらは今回の衆議院選挙の投票率が50%に満たない事実でも立証されてしまっている。
 
今回の投票率は18時の段階で41.77%に留まっているが、スウェーデンの国政選挙投票率は2006年時で81.99%、2010年では84.63%と
いう、実に高い水準にある。スウェーデンには全国人口の10%が外国人である事を考えると、90%を超える投票率と言える。
 イキナリそこまでの高い投票率にする事はできないかもしれないが、若者がちゃんと投票できる体制を作らないと、日本の政治は高齢者に向かう政治になりがちな状況を覆す事は難しい。

 で、私は今日ちょっと思った事がある。
 私は朝8時30分頃に、近くの投票場まで行って投票してきた。その投票場には選挙管理委員以外に市の職員が5~6名いた。
 日曜日に行われる選挙投票だが、これらの市の職員には、当然休日出勤の扱いでコストがかかっている。
 規模の大小はあれど、全国に約5万件以上の投票所があり、これでも経費節減で減らしている、としている。
 今回の衆議院選挙にかかる予算は436億円。これでも前回より90億円ほど少なくなっているのだが、選挙にこれだけの巨額が投じられている。
 この中において、投票所に使われる予算がどれだけあるのかは分からないが、それでも莫大なコストがかかっている事は間違いない。
 これだけのコストを使っても、投票率が44.77%なのである。もちろんココからさらに節減すれば、もっと投票率が下がる可能性もある。
 だが、確実に投票率をアップさせる方法がある。それはネット投票を全国区で行うという事である。もちろん、これにかかる予算がどれだけになるかは全くわからない。
 
だが、もしスマホから手軽に投票できたとしたら、若者でも投票しようという気になる人は多いハズだ。個人を特定し、投票を確実にするという意味で信憑性に
欠けると言う人もいるかもしれないし、不正が起きないシステムにする為に予算がかかるだろう事は予測できるが、より欲しい年代の投票を得るには、この方法
が最も手っ取り早いような気がしてならない。
 ニコニコ動画では、出口調査ならぬ入口調査というものをやっていて、ネット状で支持する政党などの情報を入手したりしている…というかできるぐらいになっている。
 これらを利用する方が、投票率は上がるように思えてならないし、コストも削減できるように思える。ただ、アナログでしか対応できない世代に対応しようとすると、どうしても全国区で投票所が必要になるというのは理解できる。
 だから選挙管理委員会でも頭を悩ませる所なのかもしれないが、日本の未来を担う世代の民意を国政に活かそうと思えば、それなりの仕組みが必要になるという事は、国の偉い人たちにももう分かっているハズである。

 ま、私が自分個人のBlogにこんな事を書いても、実際には影響がない事は分かっているが、それでも口にしたくなるぐらい、日本事態が世界的に危機にあると私は見ている。
 日本は、世界で唯一、単一の血族が国のシンボルとして継承されている国である。
 かのアインシュタインは、それをスゴイ事だと言った。
 どんな天災が訪れても、互いを助け合い、理路整然と行動できる高い民意を持った日本人の国が、今世界的危機に陥っていると思うと、この政治腐敗を本当になんとかして欲しいと願ってやまない。
 若い世代の人は、御託を並べる前に、まず今をちゃんと見つめ直して欲しい。
 古い世代の人がやらかした、積み上げてきた罪を徹底して批判して欲しい。
 今日ほど、それを思う日はない。

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武上

18歳の時、人生の最大の選択ミスをしてしまい、いきついた場所として山梨県人となる。 その後、建設業に身を投じ、資格をいくつか取得するものの、結局自分の性格と合わない事を理由に上京。 上京後、世間で話題になりつつあったアニメ・ゲームを主体とする業界の人間となり、デジタルコンテンツ業界を含む数々の著名人と同じ土俵でマルチメディアな仕事をするに至る。 一見華やかなメディアの世界の、その闇の深さたるやハンパない事こそ世間に何となく知られてはいるが、業界人しか知らないその氷山の全体像を十分すぎるほど目の当たりにした後、家庭の事情で再び甲州へと帰還。 しかし、この帰還も人生の選択ミスだったかもしれないなぁ…と今では思うものの、時既に遅し。 今は地元の製造業を営む会社の総務・品質保証という地味ではあるものの堅実な職につき、いつか再びやってくるだろう夢の実現を信じて隠者的生活を送っている…ハズだったのだが、またしても周囲の事情で運命は波乱の様相を見せ始めた。 私の人生は一体どの方向を向いているというのだろうか? ちなみに筆者はPCとの付き合いはかなり長いと思っている。 古くはPC-8801 mk2 SR、X1 Turbo、X68000、FM-Towns、PC-9801シリーズ(互換機含む)、PowerMAC 9500等をリアルタイムで使い、その後は、Windows PCの自作機を中心に現在に続いている。 デジタルガジェットに関しては興味もある事から、その時代の時々において、いろいろ使ったり調べたりして、専門家ほどではないが知識は蓄えてきたと思っている。 そうした経験を元に、今の時代へ情報発信させてもらっている。少々くどい言い回しが多いかも知れないが、お付き合いいただけるとありがたい。 連絡先:takegami@angel-halo.com (@を小文字にしてください)

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