ここ最近の自動車産業(私見)

アメリカビッグ3が経営的危機に陥り税金投入するとかしないとか、トヨタ売り上げ7割減とかホンダ4割減、あげくの果てにはHONDAはF-1撤退を発表とか、どうにも不景気な話ばかりが出る自動車産業。
世界経済の危機であるから、そうした事が出ても不思議ではないのだが、こんな状態が良いとは多分誰も思っていない。
何故こういう状態になったのか、またどうすれば経済危機を脱する事ができるのかは、偉い(だろう)経済学者達に任せるしかないのだが、こういう状態であっても新車は発表されたりする。
ホンダはアコードをフルモデルチェンジし、ランボルギーニはガヤルドLP560-4スパイダーを国内展開する事を発表した。
アコードはわかるとして、今の日本市場にガヤルドを販売しても売れるのだろうか? 2,700万円前後の車を買おうなんて元気な人は…いないとは言えないのか orz
先日は日産が新型フェアレディZを発表し、ちょっとずつスポーツタイプが見直されてきているのかな?と思ったりもするが、今の景気から考えると一般人に向けて販売しているものとは到底思えない。
やはり世界経済危機は格差社会となった今の日本社会では何よりも深刻な問題だと言わざるを得ない。
ホンダが2009年に発売するインサイトは、そうした厳しい世の中にどう受け入れられるのか興味の沸くハイブリッドカーである。

そんな中、個人的にがんばってるなぁと思うのが光岡自動車。
変わり種ではあるが、卑弥呼なる2シーターを発表した。


オロチに続いて卑弥呼とは…古代日本をテーマにした命名が続いているとちょっと思った。
中身はマツダのロードスターがベースのようで、それらにヨーロピアンな雰囲気(少なくとも私はそう思った)の外装・内装を施している。
正直、このようなスタイルの車が、本来ならトヨタ、日産、ホンダ、三菱、マツダのような主流自動車メーカーから出てこなければならない…と私は思う。
ホンダは多少毛色が違うかもしれないが、少なくともトヨタや日産なら十分あり得るデザインである。
最初に見たとき、mitsuoka-01みたいな雰囲気だなと思った。
mutsuoka-01はヨーロッパの伝統的スポーツスーパーセブン似の車であり、やはり中身も1,600ccロードスターのエンジンを搭載していた。
今回の卑弥呼はそれよりもずっと大人なデザインと装備であり、車格はさらに上を行く。
要するに、昔mitsuoka-01を買った人をターゲットにしている…と思える。
世代的に、今の20代前半の人達よりも、30代、40代をターゲットにした方が良いという事なのかもしれない。
私がBeatに乗っていた頃、販売されている車種は非常に多種だった。
量産車である以上個性にも限界はあるが、それでも車種が多様であるため、車選びも楽しかった。
しかし、今はそうした遊び心のようなものが殆どない。
車種は絞られ、また改造品もあまり見られなくなってしまった。
もちろん今でも社外パーツは売られているが、昔ほどの流通量はないだろうし、幅も狭くなった。
街で見かける車はほとんどが純正パーツに包まれ、しかも車種も似通ってきている。
つまらない時代になったものである。
人口が減っているから。
不景気だから。
理由なんてどうでもいい。
製造業の中小企業が“多品種少量”という生産体制を強いられているのだから、自動車産業もそうした“多品種少量”生産を確立し、幅広いラインナップで車社会に彩りを添える事はできないのだろうか?
もちろん、生産ラインを多数持つ事はできないだろうし、コストに跳ね返ってくる部分も多々ある。
理由がいろいろあるからこそ、今の体制になってしまったのだろうとは思うが、本当に売れるものというのは、順番にならんでも欲しいものであり、車だって同じだと思う。
需要と供給のバランスが取れている事が理想ではあるが、売れるものにはそのバランスは関係がないのである。
今の自動車産業は、その辺りをもうちょっと掘り下げて考えて欲しいものである。
ま、アメリカ産業的思考では、行き着く答えではないとは思うが。

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武上

18歳の時、人生の最大の選択ミスをしてしまい、いきついた場所として山梨県人となる。 その後、建設業に身を投じ、資格をいくつか取得するものの、結局自分の性格と合わない事を理由に上京。 上京後、世間で話題になりつつあったアニメ・ゲームを主体とする業界の人間となり、デジタルコンテンツ業界を含む数々の著名人と同じ土俵でマルチメディアな仕事をするに至る。 一見華やかなメディアの世界の、その闇の深さたるやハンパない事こそ世間に何となく知られてはいるが、業界人しか知らないその氷山の全体像を十分すぎるほど目の当たりにした後、家庭の事情で再び甲州へと帰還。 しかし、この帰還も人生の選択ミスだったかもしれないなぁ…と今では思うものの、時既に遅し。 今は地元の製造業を営む会社の総務・品質保証という地味ではあるものの堅実な職につき、いつか再びやってくるだろう夢の実現を信じて隠者的生活を送っている…ハズだったのだが、またしても周囲の事情で運命は波乱の様相を見せ始めた。 私の人生は一体どの方向を向いているというのだろうか? ちなみに筆者はPCとの付き合いはかなり長いと思っている。 古くはPC-8801 mk2 SR、X1 Turbo、X68000、FM-Towns、PC-9801シリーズ(互換機含む)、PowerMAC 9500等をリアルタイムで使い、その後は、Windows PCの自作機を中心に現在に続いている。 デジタルガジェットに関しては興味もある事から、その時代の時々において、いろいろ使ったり調べたりして、専門家ほどではないが知識は蓄えてきたと思っている。 そうした経験を元に、今の時代へ情報発信させてもらっている。少々くどい言い回しが多いかも知れないが、お付き合いいただけるとありがたい。 連絡先:takegami@angel-halo.com (@を小文字にしてください)

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2 Responses

  1. ruser より:

    一車好きとしては何とも悲しいニュースが多いですね、ホントに。
    私は機能美が好きなので、性能を突き詰めたスポーツカーを好きになるのは必然でした。
    更に人と同じでは面白くないと感じるマイナー指向な為、車選びには色々と調べました。
    実際トヨタMR-2と言う得難い愛車を手に入れたわけですが、あーでもないこーでもないと探し回った時の事は思い出深いです。
    今は時代の流れかMTはほとんど無くなりATばかりになってしまいました。
    どこも拘ったスポーツカーより売れるファミリーカーばかりになったのもそれだけの元気がなくなったからなんでしょうね。
    …実に悲しい事です。
    いやはや、国産スポーツカーに目移りする時代はいつ戻って来るんでしょうか…?

  2. 武上 より:

    マツダのロードスターがマイナーチェンジになりました。
    正直、ロードスターも今ではライトウェイトスポーツと言うには価格が高くなってしまって3ナンバー化したけれど、もうロードスターぐらいしかあのクラスの車がないんだよね orz
    2000ccクラス(5ナンバー)のライトウェイトスポーツ、また出てきてくれないかなぁ…買えないけど(爆)

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