真・三國無双10周年記念タイトル

 本日、PS3版「真・三國無双6」が発売となった。
 無双シリーズという既にシリーズ名にもなった、大量の敵をなぎ倒していくという爽快感を求めたこの作品のオリジナルが真・三國無双になるわけだが、最初のPLAYSTATION版の真・三國無双が発売されたのが2000年の8月3日だった。
 無双シリーズはその後、世界観を日本の戦国時代に特化した戦国無双、ガンダムとのコラボを果たしたガンダム無双、北斗の拳とのコラボを実現した北斗無双と、既に三國志からかけ離れたシリーズへと展開していったワケだが、無双シリーズの最先端を行くのは、やはりオリジナルである三國無双ではないかと思う。
 今回の真・三國無双6は、10周年記念作品という事もあり、かなりの力が入っているように見受けられる。
真・三國無双10th Anniversary 公式サイト
http://www.gamecity.ne.jp/smusou10th/


 私はかつてPS2版の真・三國無双2をプレイしたことがあるが、そのときから比べればかなりの進化をしていると言える(当たり前と言えば当たり前だが)。
 ただ、そのときから感じている事の一つに「コレ、三國志って言っていいのか?」というものがある。
 もちろんゲームだからデフォルメされている事も理解するし、フィクションがある事も理解する。
 だが…この三國無双を見た中国の人はどう思ってコレを見るのだろうか?
 もう気になって仕方がない。


 この三國無双シリーズは、おそらく三國志演技を読んだことがない人でも何ら問題なく遊べる内容だと思う。
 たとえ読んだことがあっても、多分それはあまり意味をなさない。
 もちろん、時系列で三國志のエピソードを知っていればおもしろさは倍増するかもしれないが、そのことがこのゲームをより深く面白くする要素とは言えないように思えてならない。
 同じ光栄のゲームでも、ストラテジーシミュレーションの三國志シリーズは、まだ三国志演義の知識がおもしろさを格段に上げてくれるような感じに思えるが、もうこの真・三國無双シリーズはそうした知識よりもアクションの爽快さだけを追求した…そんなゲームではないかと思える。
 まぁ、捉え方は人それぞれだから、こういうのもアリだと思うし、ゲームの一つの要素として爽快感を求めたこの無双シリーズが10年も続いたという事は、それなりの需要があったという事の証だろう。
 そういう観点から見れば、このゲームは面白いと言えるのかもしれない。
 ただ、残念な事に真・三國無双5は評判がよくなかった。それだけに今回の真・三國無双6を警戒している人もいるかもしれないが、ネット上を見る限りでは評判は上々のようである。
 今回の真・三國無双6は、10周年記念という事もあり、私も実は購入を決めていた。
 発売日の今日に届くはずだったのだが、どうも何かの手違いか何かで遅れる事になってしまった。
 多分週末か週明けぐらいには届くと思うので、手元にくればまたちょっとレビューらしきものを書いてみようとは思うが、出来る事の多さと手軽さのバランスがとれていれば、名作になるのではないかという予感はしている。
 最近ゲームで思うことは、やり込み要素の多いゲームであったとしても、出来る事の多さばかりに着目してしまうとただめんどくさいゲームになりがちだという事である。まして爽快感を謳う真・三國無双シリーズであるならば、そうしためんどくささはあってはならない要素でもある。
 しかし、その一方で出来る事が少なければ、今度は物足りなさが残る。
 今回の真・三國無双6が、そうした要素のバランスがうまくとれていれば良いのだが…。
 とりあえず届いた段階でプレイして確かめてみたいと思う。
 ただ…。
 今回の真・三國無双6だが、もし公式サイトに紹介されているキャラクターがすべてであったとしたら、実に各勢力のバランス配分が悪いように思えてならない。
 他にもいるのであれば問題はないが、もしそうでないならば、そうしたバランスは次回作で調整すべきではないかと思う。
 どうしても三國志演義となると、蜀や呉に肩入れしたくなる人も多いかもしれないが、今回は晋という勢力も加わっているのだから、そうしたバランスはもっと綿密に必要になるのではないかと思う。
 どうも…キャラクターの配し方などが、歴女をターゲットにしているような感じがしてならない。
 デザインなどは言うまでもなく、ホントにそれでいいのか? とちょっと考えてしまった。
 ネットで見かけた真・三國無双6の動画コメントに「コーエーはだんだん三國志をバカにしてるんじゃないかと思えてきた…」というものがあった。
 行きすぎればそれが現実となってしまう事をもうちょっと見直した方がいいのかもしれない…と私もちょっと思ったりした。
 バランスは難しいな、ホントに…。

この記事が気に入ったら
いいね!しよう

Share
アバター画像

武上

18歳の時、人生の最大の選択ミスをしてしまい、いきついた場所として山梨県人となる。 その後、建設業に身を投じ、資格をいくつか取得するものの、結局自分の性格と合わない事を理由に上京。 上京後、世間で話題になりつつあったアニメ・ゲームを主体とする業界の人間となり、デジタルコンテンツ業界を含む数々の著名人と同じ土俵でマルチメディアな仕事をするに至る。 一見華やかなメディアの世界の、その闇の深さたるやハンパない事こそ世間に何となく知られてはいるが、業界人しか知らないその氷山の全体像を十分すぎるほど目の当たりにした後、家庭の事情で再び甲州へと帰還。 しかし、この帰還も人生の選択ミスだったかもしれないなぁ…と今では思うものの、時既に遅し。 今は地元の製造業を営む会社の総務・品質保証という地味ではあるものの堅実な職につき、いつか再びやってくるだろう夢の実現を信じて隠者的生活を送っている…ハズだったのだが、またしても周囲の事情で運命は波乱の様相を見せ始めた。 私の人生は一体どの方向を向いているというのだろうか? ちなみに筆者はPCとの付き合いはかなり長いと思っている。 古くはPC-8801 mk2 SR、X1 Turbo、X68000、FM-Towns、PC-9801シリーズ(互換機含む)、PowerMAC 9500等をリアルタイムで使い、その後は、Windows PCの自作機を中心に現在に続いている。 デジタルガジェットに関しては興味もある事から、その時代の時々において、いろいろ使ったり調べたりして、専門家ほどではないが知識は蓄えてきたと思っている。 そうした経験を元に、今の時代へ情報発信させてもらっている。少々くどい言い回しが多いかも知れないが、お付き合いいただけるとありがたい。 連絡先:takegami@angel-halo.com (@を小文字にしてください)

You may also like...

2 Responses

  1. 関西の人 より:

    そして歴男へ(爆
    武上さんは、今はKSR趣味に無双してるから、歴男ではなく、バイク野郎かなw

  2. 武上 より:

    そっちにもお金はかかるんだけどね。
    でも昔から三國志は好きなんですよ。
    今でも学ぶ事の多い作品なんでね。

関西の人 へ返信する コメントをキャンセル

メールアドレスが公開されることはありません。 が付いている欄は必須項目です

CAPTCHA


コメントは承認待ちです。表示されるまでしばらく時間がかかるかもしれません。

Desktop Version | Switch To Mobile Version