発表されたPSP Go

 昨日書いたPSP Goが正式に発表された。
 噂で言われていたことや私が予測した事はそのほぼすべてがその通りだったワケだが、それだけに残念に思えてならない所もいくつかある。
 まずはその手に取った時の感覚だが…

(impress AV Watchより転載)
 どう見ても持ちやすそうには見えない。
 このデザインなら従来機のPSP-3000の方が私は好みである。
 おそらくPSP-3000の方が持ちやすいだろうし、見た目にもイイ。
 使用するメモリースティックもメモリースティックマイクロへと切り替わったこともマイナス点だ。価格的に不利だ。
 今回のPSP Goで私なりに良い点だと感じたのは、Bluetooth対応となった事と16GBのユーザーメモリが搭載された事ぐらいで、その他は全てマイナス点としか思えない。
 日本では26,800円で11月1日発売だというが…はたして初日にどれだけの数が動くというのか…
 逆にPSP-3000が売れ始める…なんて事もあるかもしれない。


 今回のPSP Goで私がかなり気にしているのは、ハードウェア的優位点がほとんど見られない事である。
 もし、本気でSCEがPSP Goへとプラットフォームを移行していきたいと考えているならば、その内部ハードウェアに上位互換を持たせた上でのブラッシュアップがあって然るべきだと思った。
 例えば液晶パネルにシャープが新開発した光センサー液晶パッドのようなタッチパネル的な使い方ができる機能を搭載するとか、もっと単純なところでCPUやGPUがより高性能もしくは高クロック化になる等、そうしたブラッシュアップが不可欠だと思う。
 極論から言えば、単純にメインメモリが大幅に増えたとか、無線LANがIEEE802.11nに対応したとか…でもいいと思う。
 ただ、あまりに進化のない形であれば、PSP2を名乗る事もできないとは思うが、それなりの性能アップは必要だろう。
 ところが今回のPSP Goは、単純にUMDメディアをやめてネット強化した…ぐらいの感じにしか見えない。
 固定のユーザーメモリを搭載する事で完全にネットに依存した使い方が出来るようになったのはわかるが、違いがその部分にしか見えてこない。
 おそらく、エンジニアからすればかなり変わったのではないかとは思う。
 前に何かの記事に読んだが、PSPはXMB周辺(ようするにゲーム以外のメニューまわり)に使用できるメモリなどがもう限界点に達しているという話らしい。
 なのでPSP Goはそのあたりが大幅に改善されている可能性はある。
 だが、そんなのは使用ユーザーからすれば全く分からない部分であり、従来機との違いとは感じられない。
 あくまでもモバイル端末としての性能を判断する材料で考えれば、PSP GoはPSP-3000と大差ないモデルである。
 PSP-3000と併売するという事で考えると、やはり私の読み通りニンテンドーDSとニンテンドーDSiの関係に近いのかもしれない。
 後々PSP Go専用タイトルなんてものが拡充してくる可能性もあるが、ゲームとしての性能はPSP-3000と全く同じであろうから、ゲームソフトに関しては専用タイトルなんてのは存在しないかもしれない。
 もし本当にそうであれば、PSP Goの存在価値はPS2とPSXぐらいの差と同じという事になるだろう。
 私でなくとも、こういった事に関心を持つ人達からすると、PSP2がもうちょっと先に登場するかも知れないという思いを持つだろう。
 私はこのPSP GoがiPhoneや最近のケータイと渡り合えるデバイスだとは到底思えない。
 SCEがiPhoneやケータイを仮想敵とした新型を検討しているという噂がもし本当なら、PSP Goは茶番だとしか思えない。
 PSP GoがPSP2を発表する前座だというのなら、逆にいろんな仕様の違いをもつPSP Goが、SCEの足枷にならないか気になってしょうがない。
 とりあえず、年内はPSP Goで話題を取り、来年夏前ぐらいでPSP2を発表…とか考えているのだろうか?
 もしそうなら…PSP Goはかわいそうな存在にしかならないだろう。
 本当にPSXのような存在になってしまう。

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武上

18歳の時、人生の最大の選択ミスをしてしまい、いきついた場所として山梨県人となる。 その後、建設業に身を投じ、資格をいくつか取得するものの、結局自分の性格と合わない事を理由に上京。 上京後、世間で話題になりつつあったアニメ・ゲームを主体とする業界の人間となり、デジタルコンテンツ業界を含む数々の著名人と同じ土俵でマルチメディアな仕事をするに至る。 一見華やかなメディアの世界の、その闇の深さたるやハンパない事こそ世間に何となく知られてはいるが、業界人しか知らないその氷山の全体像を十分すぎるほど目の当たりにした後、家庭の事情で再び甲州へと帰還。 しかし、この帰還も人生の選択ミスだったかもしれないなぁ…と今では思うものの、時既に遅し。 今は地元の製造業を営む会社の総務・品質保証という地味ではあるものの堅実な職につき、いつか再びやってくるだろう夢の実現を信じて隠者的生活を送っている…ハズだったのだが、またしても周囲の事情で運命は波乱の様相を見せ始めた。 私の人生は一体どの方向を向いているというのだろうか? ちなみに筆者はPCとの付き合いはかなり長いと思っている。 古くはPC-8801 mk2 SR、X1 Turbo、X68000、FM-Towns、PC-9801シリーズ(互換機含む)、PowerMAC 9500等をリアルタイムで使い、その後は、Windows PCの自作機を中心に現在に続いている。 デジタルガジェットに関しては興味もある事から、その時代の時々において、いろいろ使ったり調べたりして、専門家ほどではないが知識は蓄えてきたと思っている。 そうした経験を元に、今の時代へ情報発信させてもらっている。少々くどい言い回しが多いかも知れないが、お付き合いいただけるとありがたい。 連絡先:takegami@angel-halo.com (@を小文字にしてください)

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2 Responses

  1. アバター画像 ruser より:

    新聞にも載ってましたが…やっぱり欲しいと言う気に全くならないですねw
    SCEがどう考えているのかは分かりませんが、私も後継機が別に開発されていると思います。
    なぜなら、
    PSシリーズの利点の一つは上位互換機だと言う事(PS2-PS3は一部不可ですが)だと思うのでUMDに対するフォローが無いのはらしくない。
    PSP2ならロゴも統一感がある。
    後継機を出す度に劇的にハードウェアを進化させて来たのに、今回はそれが無い。
    カッコワルイ。
    等の理由からです。
    なんか、とてもSCEらしくないですね。
    PS.画像サイズが大き過ぎて携帯では画像非表示でしか見れなくなりました(メモリ不足になるとテキストもそれ以降表示されない仕様)。サイズって変わってます?

  2. アバター画像 武上 より:

    まぁ、カッコワルイと感じるのはほとんどの人が同じだとおもいます。
    今回のPSP Goは多分派生モデルでしょうね。
    というか、そうでなきゃPLAYSTATIONプラットフォームは終わりを告げそうな気がします。
    画像に関してですが、今回のはこちらのサーバにアップした画像を貼り付けているのではなく、直接記事元の画像を引っ張ってきて、サイズ指定で小さく表示しています。
    なので、元サイズは800×600ドット、121KBありますので、いつもの100KB以下にはなっていません。
    このBlogでの表示は360×270にしてますけどね。
    (PCだと普通に表示されるハズです)

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