セカイカメラ

  今更ながらという気持ちがないワケでもないし、iPhoneの事なので自分には全く接点がない話ではある。しかも時期としてはハズしてしまった感じでもあるし、どうしようか悩んだのだが、とりあえず新しい事ではあるため、私も自分の思ったなりの事を書いてみたい。
 セカイカメラは頓知・(とんちどっと)という会社が作ったiPhone用アプリケーションの事で、iPhoneのカメラとネット情報、タギング、GPS、加速度センサー、電子コンパスを連動させたものだ。ひょっとしたら他にも連動したデバイスがあるかもしれないが、現時点では多分間違っていないと思う。
 多分、Google Earthなどはコレに近い機能をずいぶんと前から備えていたのだろうが、セカイカメラはその機能をiPhoneというモバイルデバイスで実現し、しかもモバイルデバイスから得られる情報と連動させてしまったところに意味がある。

(IT mediaのニュースより)


  現実世界に電子タグ(セカイカメラではエアタグと呼ばれる)を貼り付ける事ができるというのが、その主たる機能なのだが、貼り付けられる情報はテキストだけに留まらず、音声データであったり、写真データも貼り付ける事ができる。
 おそらく、iPhoneがもっと電子デバイスとして性能が向上し、かつネットワークの通信速度がさらに向上した先には、このエアタグの中に動画も含まれるようになるのではないかと思うが、現在はまだ未対応のようである。
 実際にどんな感じに見えるかというと、前述の画像でもある程度わかるだろうが、デモンストレーションがYouTubeに公開されているので、そちらを見てもらいたい。


 この動画を見ると、街のいろいろな所にエアタグを見る事ができる。
 これらは、ネット情報も含まれているが、個人が埋め込む事もできる。
 おそらく、ある程度のフィルタリングはできるのだろうが、各個人が埋め込む事で、その施設などの便利さなどのユーザー視点の生の声が聞けるわけである。
 はて、こんな世界、どこかで見たな…と思いきや、言うまでもなくこれは名作アニメ「電脳コイル」の世界である。
 これらは拡張現実(AR技術)と言われる技術で、現実を電子デバイスというフィルター越しに見る事で、いろいろな情報を得られる事を言う。
 つまり、今までクチコミという実際にその場で聞く事のできなかった個人的見解を、エアタグを通して利用できる仕組みである。
 もちろん、拡張現実にはもっと違ったものもあるわけで、セカイカメラはその第一歩でしかない。
 ちなみに、このセカイカメラが利用できるようになって一番活性化したのは、言うまでもなく秋葉原である。
Biz.ID 誠
「3分LifeHacking:セカイカメラ入門―世界にタグをつけまくろう」
http://bizmakoto.jp/bizid/articles/0909/30/news113.html
 正直、これをiPhoneだけのものにしておくのは勿体ないと思う。
 ニンテンドーDSではパワー不足だろうが、今のケータイやPSPなんかだと実現できそうなアプリケーションではないかと思う。
 ただ、汎用性の高いデバイスでないと実現が難しいのも間違いないだろう。
 iPhoneは加速度センサーやGPS、電子コンパスなどが搭載されたデバイスだから爆発的に得られる情報が多いわけで、GPSだけでは無理だろうし、無線LANだけでも無理だろうし、ワイヤレスWANは最低限必要になるだろうから、今のところ現実的に実現できるのがiPhoneだけという事なのかもしれない。
 ただ、iPhoneでこれだけのものを作ったわけだから、今後はセカイカメラが出来る事を他デバイスが最低限必要な要素と受け止めれば、iPhoneに限らず、他デバイスでも使えるようになるかもしれない。
 そしてそのデバイスが眼鏡の形をしていたならば、それは紛れもなく電脳コイルの世界である。
 …なんか、電脳コイルの世界が非現実的でなくなってきたところが実に興味深い。
 というか、私が生きている間にそんな世界になって欲しいと思っていたのだが、意外と早くそういう世界になりそうで非常に楽しみである。
 あー、なんかiPhoneが欲しくなってきた(爆)

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武上

18歳の時、人生の最大の選択ミスをしてしまい、いきついた場所として山梨県人となる。 その後、建設業に身を投じ、資格をいくつか取得するものの、結局自分の性格と合わない事を理由に上京。 上京後、世間で話題になりつつあったアニメ・ゲームを主体とする業界の人間となり、デジタルコンテンツ業界を含む数々の著名人と同じ土俵でマルチメディアな仕事をするに至る。 一見華やかなメディアの世界の、その闇の深さたるやハンパない事こそ世間に何となく知られてはいるが、業界人しか知らないその氷山の全体像を十分すぎるほど目の当たりにした後、家庭の事情で再び甲州へと帰還。 しかし、この帰還も人生の選択ミスだったかもしれないなぁ…と今では思うものの、時既に遅し。 今は地元の製造業を営む会社の総務・品質保証という地味ではあるものの堅実な職につき、いつか再びやってくるだろう夢の実現を信じて隠者的生活を送っている…ハズだったのだが、またしても周囲の事情で運命は波乱の様相を見せ始めた。 私の人生は一体どの方向を向いているというのだろうか? ちなみに筆者はPCとの付き合いはかなり長いと思っている。 古くはPC-8801 mk2 SR、X1 Turbo、X68000、FM-Towns、PC-9801シリーズ(互換機含む)、PowerMAC 9500等をリアルタイムで使い、その後は、Windows PCの自作機を中心に現在に続いている。 デジタルガジェットに関しては興味もある事から、その時代の時々において、いろいろ使ったり調べたりして、専門家ほどではないが知識は蓄えてきたと思っている。 そうした経験を元に、今の時代へ情報発信させてもらっている。少々くどい言い回しが多いかも知れないが、お付き合いいただけるとありがたい。 連絡先:takegami@angel-halo.com (@を小文字にしてください)

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4 Responses

  1. 関西の人 より:

    iPodが調子悪かったので、下取りに出してiTouch32GBに買い替えたっす。
    マップの貯まってたポイントとあわせて、金かけずに。
    セカイカメラは、すでにauとかではキャリアとかで利用できるように動いてるみたいですね。
    相変わらず、docomoって遅い…。
    iTouchでも、セカイカメラ使えるなら、ちょっとさわってみるかなぁ 。
    でも、iPhoneみたいに、いつでも使えるわけじゃないから不便かなぁ。

  2. 武上 より:

    auのサービスというのは、多分「実空間透視ケータイ」の事を言っているんじゃないかと思います。
    それともセカイカメラがauキャリアで使える?
    調べて見たけど、そんな感じはなかったんだけど…
    まぁ、キャリアが相互的にサービスの乗り入れの為に動いているって意味なのかもしれませんが。
    ちなみにiTouchでセカイカメラって使えるのかな?
    無線LANで自分の位置を特定する事はできるだろうけど、そもそもGPS機能がないとセカイカメラの機能は使いようがないように思う。
    まぁ、iTouchにも(無線LANを利用した)GPS機能が付いているなら使えるんじゃないでしょうか。
    ただ、セカイカメラは基本的にどこでもネットに繋がる状態で使用するのがベストでしょうね。
    そもそも情報の共有が基本概念にあるアプリケーションでしょうし。
    そうなると、ワイヤレスWANを基本として+無線LANとかそういう通信方式でないと使い勝手はよくなさそうな気がします。
    私はソフトバンクの圏外のような地域に住んでるからなぁ…
    自宅近辺でしか使えないiPhoneだと意味がない… orz

  3. ruser より:

    セカイカメラ、ようやく実装ですか。
    以前展示会に出展してからもう半年近く経つんじゃないでしょうか。
    面白い機能だと思いますが、なんかバッテリーの持ちが気になります。
    拡張現実は使い方次第で色々な可能性があると思うので今後が楽しみですね。
    そう言えばiPodはnanoにすらカメラが実装されましたが、セカイカメラまで行かなくてもこう言った画像からの情報取得や検索の布石だったり?
    なんにせよ、総メガネっ娘が実現に近付いたと言う事ですね!(爆違)

  4. IMAGE MEDIA より:

    セカイカメラって?

    セカイカメラは、頓知・(とんちどっと)という会社が作ったiPhone用アプリケーションで、起動するとiphoneのカメラが起動してカメラを通して色々なタグが表示されているというものだそうです。そのタグは自由に誰もが作成することが可能で、既に日本中のいたるところで

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