死に至る病、そして

 昨日、私が大病を患うかも…と、脳梗塞の疑いがあるという話を書いた。
 今日はその可能性を調べるため、病院で検査してきたので、その話を書く事にする。
 片目から涙が出て、鼻の片方から鼻水が出て、口の片方が麻痺したような感覚になる。
 それが右側だけに現れたというこの現象は、たしかに昨日書いた通り脳梗塞の可能性を否定出来ない。
 実際、訪れた病院でどの科に受診すればいいかと尋ねたところ、受付では判断が出来ず、医師に確認をとった上でまず内科受診から、という回答だった。
 内科医の診察では、まず検査をしなければならないという極当たり前なところから始まるのだが、やはり脳梗塞の疑いがあるのは間違いないという話であった。
 ただ医師は、私の手足にしびれがない事から、顔面神経麻痺の疑いもあるという判断をこの時点ではしていたようだ。しかし、その判断を鈍らせたのが、私が糖尿病の要素が強いという事。
 糖尿病はあらゆる合併症を引き起こす病気だが、私は血糖値が高いため、そこから引き起こされる脳梗塞という疑いがどうしても残るようだった。 


 検査として行ったのはまずMRIと血液検査、そして尿検査と心電図、レントゲンである。
 MRIは最近ではよく聞く画像撮影だが、正式には“Magnetic Resonance Imaging system(磁気共鳴画像装置)”と言う。磁場と電波を利用して、脳内や脊髄などCTスキャンが苦手とする部位を撮影するのに使われ、もちろん被爆する事はない。NMR(Nuclear Magnetic Resonance…核磁気共鳴)という技術を医療に応用したものなのだが、Nuclear(核)という言葉が被爆するようなイメージがあるため、現在のMRIという言葉が使われるようになったらしい。
 実際、MRIの撮影そのものは受診する側としては難しくない。30分ほど、ただ寝ているだけである。但し、頭を固定するため、ほとんど身動きできない状態で狭い円筒状の中に入れられる。この閉塞感は最悪であり、体を固定されたまま30分居続けるというのはある種の地獄である。
 最低でも2~3分耐えられれば、1面の断面撮影は可能なようだが、階層を伴なう撮影を行うためには、30分程度は必要らしい。
 で、問題の撮影だが…私としても予想外の事が起きた。
 頭と体を固定して装置に入れられた直後、じっとしていられない衝動に襲われたのである。
 特に肩から腕にかけてを拘束されたのが問題のようで、じっとしていられない。
 頭を固定されている事も精神的に圧迫されているのか、結局撮影を開始する前に中断させてしまった。
 一瞬、自分は閉所恐怖症だったか? と思ったがそんな事はない。
 今の症状が精神的に私を変えてしまったのか、それとも閉所恐怖症を引き起こすほどMRIの中は狭いという事なのか…。
 放射線技師(放射線を使用しないがMRIはこの技師が行っているらしい)が一度医師に確認してCTスキャンに切り替えるかどうかの話をしたようだが、医師からすれば脳内をCTスキャンするよりもMRIで撮影したいというのが本音のようで、何とかならないか?という話となり、結局体や頭を拘束しない形で撮影する事になった。要するに動かなければ撮影可能なのである。
 本来の撮影方法でないため、技師からは頭だけは動かさないでくれと念を押され、ひたすら禅の領域のようにじっとする事にした。技師からはとりあえず辛くなったら声で言うようにと言われ、何とか3分耐えてくれと言われたが、結果から言えば、禅経験者の私は問題なく30分持ちこたえた。最初から私には拘束具は不要なのである(爆)
 まぁ、他の検査はよくやる検査なので事細かく言うほどではないだろう。
 すべての検査を終えて内科医の診察を再開した後、医師が下した診断は“神経内科で再診”であった。
 脳梗塞の可能性は多分ない…という事だが、神経内科医の判断を入れたかったのだろう。
 結局、その後神経内科を受診する事に。
 神経内科の医師が私のカルテを見て、まず最初にやったのが、口笛吹いてみて、だった。
 …実はコレ、言われるだろうと思っていたのである。
 日曜日に、自分で口の様子がオカシイ事に気づいた後、口笛吹けるかなとやってみたのである。
 もちろん…出来なかった。口の右側から空気が漏れるため、口笛が吹けないのである。
 当然、医師の前でも結果は同じ。
 この時点で神経内科医の判断は“特発性顔面神経麻痺”と断定していたようであった。
 MRIの画像を見て、とりあえず脳梗塞の疑いはないという話だった。
 脳内の血管に詰まっている箇所は見当たらず、このあたりは今はまだ問題はないそうである。
 ただ、今回の顔右側の麻痺と関連がないが、これから先、血管内に血栓が出来て血流が悪くなった場合、顔左側の麻痺が起きる可能性があると言われた。右脳の顔面神経のすぐ横に動脈が出てきているらしく、それが血栓を避けようとして肥大化した時、その顔面神経を圧迫する可能性があるらしい。顔面神経は左右別々にあり、右脳と左脳にそれぞれ存在する。顔半分が麻痺したりするのはそのせいである。
 とりあえず、今回の症状は脳梗塞ではない事はMRIの結果からみて間違いなさそうである。
 で、問題の特発性顔面神経麻痺だが、やはり発生する原因は不明なものが多いらしい。
 ただ、ウィルス感染の疑いがあるようで、ヘルペスが絡んでいるらしい。
 ここらへん、実は詳しく説明してもらえなかった。多分聞けば教えてくれたのかもしれないが、投薬での治療で問題ないとの事だったため、あえて聞かなかった。
 但し、ほぼ治るとは言われたものの、治りきるまでに4ヶ月から半年はかかるとも言われた。
 長期戦が必要なようである。
 そしてもう一つ問題となったのが糖尿病。
 特発性顔面神経麻痺の治療として副腎皮質ステロイド療法が効果的なんだそうだが、このステロイド系の薬は糖尿病を悪化させる可能性があり、血糖値が高い私の場合、そのまま投与するのが難しいそうだ。
 で、結果的に特発性顔面神経麻痺の治療と同時に糖尿病の治療を併行していく必要があるという結論に至り、半年にわたって双方の治療を継続する事となった。
 今回は大病ではなかった…とは言い切れない。
 特発性顔面神経麻痺という診断が結果的には下されたが、その原因は不明であり、多分にストレスによる可能性を否定出来ない。
 だとしたら、私は今の生活を続けていく事そのものに原因が残っているわけであり、今後、起きうる病気は今回のものに留まらず、さらなる大病となるかもしれない。つまり、私の今の生活そのものが“死に至る病”なのかもしれない、という事である。
参考:goo ヘルスケア 顔面神経麻痺(ベル麻痺)

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武上

18歳の時、人生の最大の選択ミスをしてしまい、いきついた場所として山梨県人となる。 その後、建設業に身を投じ、資格をいくつか取得するものの、結局自分の性格と合わない事を理由に上京。 上京後、世間で話題になりつつあったアニメ・ゲームを主体とする業界の人間となり、デジタルコンテンツ業界を含む数々の著名人と同じ土俵でマルチメディアな仕事をするに至る。 一見華やかなメディアの世界の、その闇の深さたるやハンパない事こそ世間に何となく知られてはいるが、業界人しか知らないその氷山の全体像を十分すぎるほど目の当たりにした後、家庭の事情で再び甲州へと帰還。 しかし、この帰還も人生の選択ミスだったかもしれないなぁ…と今では思うものの、時既に遅し。 今は地元の製造業を営む会社の総務・品質保証という地味ではあるものの堅実な職につき、いつか再びやってくるだろう夢の実現を信じて隠者的生活を送っている…ハズだったのだが、またしても周囲の事情で運命は波乱の様相を見せ始めた。 私の人生は一体どの方向を向いているというのだろうか? ちなみに筆者はPCとの付き合いはかなり長いと思っている。 古くはPC-8801 mk2 SR、X1 Turbo、X68000、FM-Towns、PC-9801シリーズ(互換機含む)、PowerMAC 9500等をリアルタイムで使い、その後は、Windows PCの自作機を中心に現在に続いている。 デジタルガジェットに関しては興味もある事から、その時代の時々において、いろいろ使ったり調べたりして、専門家ほどではないが知識は蓄えてきたと思っている。 そうした経験を元に、今の時代へ情報発信させてもらっている。少々くどい言い回しが多いかも知れないが、お付き合いいただけるとありがたい。 連絡先:takegami@angel-halo.com (@を小文字にしてください)

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2 Responses

  1. 関西の人 より:

    とりあえず、緊急を要するものでなかったのはよかったのではないかと思います。
    ただ、長期治療になるのは辛いですね。
    私も、高脂血症と肝臓治療を平行してるので、長期戦だったりします。
    お互い、健康には気をつけましょうm(__)m

  2. 武上 より:

    私の場合、表面に出てしまっている症状なので、ホントは長期戦になるのは避けたいところなんですけどね。
    こればっかりは仕方がない。
    とりあえず地道に投薬治療で進めるしかないので、医者に言われた事は正しく用法を守って…ってところでしょうか?w

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