ダークファンタジーARPGの金字塔となるか?

PS3用ソフトとして2009年の初めに発売された『デモンズソウル』は、その難易度の高さからプレイヤー評価を二分する作品となった。あまりに難しく、またあまりにも理不尽に倒される主人公に、もうやっていられないと酷評する人もいれば、その難しさの先にある攻略した達成感にすばらしさを感じる人もいる。
「心が折れそうだ…」
この名言はまさにこのデモンズソウルから一般的になったと言っても過言でないほど、このゲームには当たり前の感想であった。
私も、その映像の美しさとゲーム性の高さから、一度はプレイしてみようかな…と思った事もある。
だが、このデモンズソウルは表現としてあまりにも暴力的な部分とあまりにも生理的に受け付けない表現などがあり、私は躊躇した。
暴力的な部分もそうだが、生理的に受け付けないシーンが多発すると、どうもモチベーションが維持できない。意外かもしれないが、私は過去の映像やゲーム等すべてにおいて、実はスプラッター表現を避けてきている。
オカルトっぽいのが好きなヤツなのに、この矛盾した嗜好は何なんだ? と言われてしまうかもしれないが、どうしようもないのだから仕方がない。
という事で、今までデモンズソウルをずっと避けてきたのである。
ところが…そのデモンズソウルの流れを組む新作が発表された。
その名も『ダークソウル』。
紛れもないダークファンタジーのアクションRPGである。

(映像は後発のリマスター版と差し替えております)

今回のダークソウルは、前作デモンズソウルよりもフィールド探索の要素が大きく向上しているという。
広いマップはシームレスに移動可能で、これも前作同様、ネットワークによる各プレイヤーの痕跡を観ることができるようだ。
まだ正確な所は不明だが、前作デモンズソウルで言うところの各プレイヤーの痕跡というのが、書き入れられたメッセージであり、各プレイヤーが死んだ場所に残す血痕である。
メッセージは各プレイヤーがその場に残すもので、例えば「敵がいる」とか「ここは注意しろ」とかそういうもの。時には攻略方法を記載したものもあるそうだが…そもそも、そのメッセージが本当に信じるに足るものなのかは全くわからない。その真偽が不明な所もまた一層デモンズソウルを難しくしている要素と言える。
そして血痕だが、それは紛れもなく他プレイヤーがそこで死んだという証になる。つまり、そこには何らかの罠や敵が存在している事を意味する。これは攻略の重要なヒントになるだろう。
このようなデモンズソウルの面白い要素はそのまま取り込んでいるだろうから、ダークソウルはそれ以上のものがある可能性が高い。
また、これも可能性でしかないが、おそらくネットワークを介して他プレイヤーが敵としてPvPを挑んでくる可能性もある。前作デモンズソウルでは、死んだ時に主人公がソウル体となるが、そのソウル体の時に“黒い瞳の石”を所持していると、他プレイヤーの世界に“黒いファントム”として姿を現し、その世界の主人公を倒す事で復活できるシステムが存在する。
この要素はPvP要素としての面白さもさることながら、入り込む世界の他プレイヤーのレベルは、ソウル体プレイヤーのレベルよりも上という条件があり、とても大きなリスクを背負っての侵入となる。つまり、侵入された側は有利なハズなのだが、そのリスクを知っての侵入である以上、侵入してくるプレイヤーの技量は相当なものかもしれない、という駆け引きがそこに発生する。ただのPvPとはちょっと意味が違っているのである。
正直、デモンズソウルで一定のシステムの完成は見ているのではないかと思わせるため、ダークソウルはそのシステムをそのまま踏襲していたとしても楽しめる作品と言える。
もちろん、前述したデモンズソウルの暴力的表現や生理的嫌悪感を覚える表現に耐えられれば、という条件付きでの面白さではある。
それだけに、デモンズソウルを絶賛する人には、このダークソウルは期待してやまない作品なのではないかと思う。プレイしていない私ですら、そう思うほどなのだから。
何はともあれ、私はまずデモンズソウルをどうするか考えようと思っている。
面白いとは思うが、表現をどう受け止める事ができるかで、心の持ちようが変わる。
プレイもしていないのに、こんなに悩ませる作品も珍しい。
まぁ、バイオハザードを難なくプレイする人であれば、おそらく問題ないだろうと思う。
私は…2作目まででギブアップした口だから、ここまで迷うのである。
ひょっとして私はヘタレ? orz

この記事が気に入ったら
いいね!しよう

Share
アバター画像

武上

18歳の時、人生の最大の選択ミスをしてしまい、いきついた場所として山梨県人となる。 その後、建設業に身を投じ、資格をいくつか取得するものの、結局自分の性格と合わない事を理由に上京。 上京後、世間で話題になりつつあったアニメ・ゲームを主体とする業界の人間となり、デジタルコンテンツ業界を含む数々の著名人と同じ土俵でマルチメディアな仕事をするに至る。 一見華やかなメディアの世界の、その闇の深さたるやハンパない事こそ世間に何となく知られてはいるが、業界人しか知らないその氷山の全体像を十分すぎるほど目の当たりにした後、家庭の事情で再び甲州へと帰還。 しかし、この帰還も人生の選択ミスだったかもしれないなぁ…と今では思うものの、時既に遅し。 今は地元の製造業を営む会社の総務・品質保証という地味ではあるものの堅実な職につき、いつか再びやってくるだろう夢の実現を信じて隠者的生活を送っている…ハズだったのだが、またしても周囲の事情で運命は波乱の様相を見せ始めた。 私の人生は一体どの方向を向いているというのだろうか? ちなみに筆者はPCとの付き合いはかなり長いと思っている。 古くはPC-8801 mk2 SR、X1 Turbo、X68000、FM-Towns、PC-9801シリーズ(互換機含む)、PowerMAC 9500等をリアルタイムで使い、その後は、Windows PCの自作機を中心に現在に続いている。 デジタルガジェットに関しては興味もある事から、その時代の時々において、いろいろ使ったり調べたりして、専門家ほどではないが知識は蓄えてきたと思っている。 そうした経験を元に、今の時代へ情報発信させてもらっている。少々くどい言い回しが多いかも知れないが、お付き合いいただけるとありがたい。 連絡先:takegami@angel-halo.com (@を小文字にしてください)

You may also like...

4 Responses

  1. ruser より:

    デモンズソウルはARPGが好きな人には自信もって薦められる作品でした。
    ただ、武上さんが気にしている様に生理的受け付けない人も多そうと感じてます。海外のダークファンタジー映画のエグさや残虐なシーンが大丈夫ならイケます。
    キャラクター育成の自由度の高さも面白い理由のひとつで、生まれの違いはステータス初期値や初期レベル、若干の所持品の違いでしかなく、そこから先はプレイヤー次第です。
    個性的なボス(デーモン)は一筋縄では攻略できず、倒しかたを探す必要があります。フィールドにも様々な仕掛けがありますが、この探索も楽しい要素のひとつです。
    …話が尽きないのでこの辺で止めときますw
    DarkSoul? 勿論買いますとも!

  2. 武上 より:

    デモンズソウル、真剣に考えてるんですよ。
    ビビリのヘタレなんで、バイオハザードは3作目に挑戦せず、
    そのくせ、ハウスオブザデッドは初代作からやってるという
    その意味不明な血が、デモンズソウルを囁くのですよ(爆)
    んー、ドッキリ脅かし要素がなければ案外いけるのかもなぁ…

  3. ruser より:

    ドッキリ要素はさほどないと思います。
    気付いたら接敵されて殺されました! とか、暗がりからわんこがじゃれついて来て殺されました!とか、近寄ったら炎のブレスでこんがり殺されました!とか…。そんなステキイベントが満載なだけです、はい。

  4. 武上 より:

    気づいたら接敵されて殺されましたってのは、突発的にドッキリという事だとは思うけど…まぁ、そういうのが全くなくなるとゲームとしても変でしょうな。
    何となく普通に遊べそうな気もするなぁ。
    ちょっと考えてみよう。

武上 へ返信する コメントをキャンセル

メールアドレスが公開されることはありません。 が付いている欄は必須項目です

CAPTCHA


コメントは承認待ちです。表示されるまでしばらく時間がかかるかもしれません。

Desktop Version | Switch To Mobile Version