未来のマンガ家を育てる雑誌

 今年の2月にも第一弾として行われた特別企画なのだが、その第二弾が展開された。
 少女漫画雑誌である“なかよし”の9月号に、とても付録とは思えない充実ぶりのセットが付いてきた。
 その名も「進化形まんが家究極セット」といい、その内容は、今年2月の3月号に付録として付いてきた「スーパー最強マンガ家セット」を超える充実ぶりという。
 このセットの内容物はこんな感じ。

 パッと見る限りでもマンガ家に必要なもの(と言っても最近のマンガ家はみんなデジタルなワケだが…)の大凡は含まれている。
 特に驚きなのが、3色に分けられたスクリーントーン。この3色、色具合を見ても普通の赤、黄、青ではなく、マゼンタ、イエロー、シアンの3色だ。つまり、この3枚のスクリーントーンを重ねればフルカラーのスクリーントーンになる、というワケだ。
 もちろん、モノクロのスクリーントーンも標準的なものが含まれていると言える。

 最近では、アニメショップなどに行けばスクリーントーンは普通に買える。というか、最近ではちょっとした街に行けばアニメショップがある時代なのだ。
 これは私が前々職の時にリアルに聞いた話だのだが、某大手アニメショップは人口20万人以上の国内の都市全てにアニメショップを展開する事を計画していた。おそらくその計画は既に完遂していて、今では人口10万人以上の国内都市に展開という流れになっていても不思議ではない。
 アニメ系の商売というのは、不思議と利益が落ちない。どちらかというと拡大傾向にある。それはテレビのアニメ展開を見ていてもわかる通りだ。そのアニメはほとんどのケースで小説やマンガを原作としているから、母体となるマンガを衰退させるワケにはいかない。
 今回のなかよしの企画も、未来のマンガ家になりたい少女を応援するために付録とされているという。

 子どもの頃、マンガ家になりたい、と夢見る人は多いだろうと思う。
 私も一度は思った事があるが、画力のなさから草々に諦めた。そのかわり、私はシナリオライターを夢見た。もちろん、未だに拙い文章しか書けないわけだが、小説と違いマンガは道具の使用テクニックなどが一つの課題になっている。こうした付録がある事で、早い内から道具になれるという事ができる事で、よりプロへの道も近くなるというものだ。
 もちろん、道具が使えるからといってプロになれるワケではない。マンガ家はある意味小説家よりずっとハードルが高い。ストーリーを考え、コマ割を考え、ネームを考え、そして絵を考え描く。その一つ一つに定番と言われるテクニックがあり、そしてその定番を部分的に打ち破って大成していく。マンガ家は一日にしてならずだ(小説家もそうだが…)。
 ちなみに、この付録をつけたなかよしには、16歳でプロデビューしたマンガ家や14歳でプロになったマンガ家も連載している。読者の中からプロが生まれ出てきても不思議ではないのだ。
 そのなかよしが新たな未来のマンガ家を育成する付録を付ける。これはある意味、未来への投資である。

 このBlogを見ている人に、なかよしを購読するクリティカル世代はいないと思うが、今からマンガ家めざすぜ的な人がいるなら、早い内になかよし9月号を購入する事をお薦めしたい。発売は8月3日と既に1日経過している。
 前の3月号は売り切れ続出で草々になくなった。今回もその可能性は高い。
 原価ギリギリの赤字覚悟の企画らしいので、増刷はあまりしないだろう。そう考えれば、入手は早いに越した事はない。急ぐのだ。

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武上

18歳の時、人生の最大の選択ミスをしてしまい、いきついた場所として山梨県人となる。 その後、建設業に身を投じ、資格をいくつか取得するものの、結局自分の性格と合わない事を理由に上京。 上京後、世間で話題になりつつあったアニメ・ゲームを主体とする業界の人間となり、デジタルコンテンツ業界を含む数々の著名人と同じ土俵でマルチメディアな仕事をするに至る。 一見華やかなメディアの世界の、その闇の深さたるやハンパない事こそ世間に何となく知られてはいるが、業界人しか知らないその氷山の全体像を十分すぎるほど目の当たりにした後、家庭の事情で再び甲州へと帰還。 しかし、この帰還も人生の選択ミスだったかもしれないなぁ…と今では思うものの、時既に遅し。 今は地元の製造業を営む会社の総務・品質保証という地味ではあるものの堅実な職につき、いつか再びやってくるだろう夢の実現を信じて隠者的生活を送っている…ハズだったのだが、またしても周囲の事情で運命は波乱の様相を見せ始めた。 私の人生は一体どの方向を向いているというのだろうか? ちなみに筆者はPCとの付き合いはかなり長いと思っている。 古くはPC-8801 mk2 SR、X1 Turbo、X68000、FM-Towns、PC-9801シリーズ(互換機含む)、PowerMAC 9500等をリアルタイムで使い、その後は、Windows PCの自作機を中心に現在に続いている。 デジタルガジェットに関しては興味もある事から、その時代の時々において、いろいろ使ったり調べたりして、専門家ほどではないが知識は蓄えてきたと思っている。 そうした経験を元に、今の時代へ情報発信させてもらっている。少々くどい言い回しが多いかも知れないが、お付き合いいただけるとありがたい。 連絡先:takegami@angel-halo.com (@を小文字にしてください)

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2 Responses

  1. 関西の人 より:

    週刊うんたらの漫画家のやつ、ずっと買ってやってましたが、私のクオリティーは変わりませんでした(爆)

  2. 武上 より:

    受け取る側で結果は変わるからな…提供する側はそこまで責任は持てんよw

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