Nikon Df登場。だが私は…

Nikonから、Nikon Dfの発表があった。
D4と同等の35mmフルサイズセンサーを持ち、D800相当の防塵防滴性能、そしてシャッター耐久15万回などを特徴とする、コンパクトなデジタル一眼レフカメラである。
ポイントは“一眼レフ”というところ。
つまり、このサイズ・形にしてミラーが内蔵されているカメラという事である。

性能に関してはNikonのプレスリリースか専門のサイト“impress デジカメ Watch”でも見てもらった方が詳しい。

Nikon_Df
Nikon プレスリリース
http://www.nikon.co.jp/news/2013/1105_nikon-df_01.htm
impress デジカメ Watch『Nikon Df』
http://dc.watch.impress.co.jp/docs/news/20131105_621941.html

カメラの格としては、アマチュアがほいほい手にして良いカメラではない。35mmフルサイズ相当の有効1,625万画素CMOSセンサーにEXPEED 3を組み合わせるといった、高級バリバリの仕様である。その感度もISO100-12800(拡張でISO50-204800相当まで)と、アマチュアを寄せ付けない高級機仕様だ。
そして何よりアマチュア向けでない最大の理由は、ファインダーがイマドキのEVF(電子式)でなくOVF(光学式)で、しかもガラスペンタプリズムだという事。センサーと記録方式はデジタルだが、他は可能な限り光学式の完全硬派仕様。
さらに動画撮影機能を持っていないというあたり、あくまでもカメラであり、それ以上でも、それ以下でもないと、割り切った自己主張の強い一台である。

非常にレトロな作りと、最近でも珍しいぐらいの拘りの一台で、それだけでも日本のモノ作りの一つの頂点を極めたような逸品だが、正直、これを手にする勇気は私にはない(まぁ、価格的に買えるハズもないが)。ここまで来るとプロ向けと言えるだろうし、プロでないにしてもハイアマチュア向けの一台だ。
それに35mmフルサイズセンサーを扱うという事は、それなりのレンズを持つ必要に迫られるわけで、とてもではないが私では予算的に有効活用出来ようはずがない。
同じ予算的に手が出ないにしても、私ならOlympusの『OM-D E-M1』を選択するだろう。
OM_D_E_M1
こちらもプロ、ハイアマチュア向けである事に違いはないのだが、こちらはマイクロフォーサーズ機であり、選択できるレンズにまだアマチュア向けのものが選べるだけ私向きと言える(そうは言っても高級機に違いない)。
それにOM-D E-M1はミラーレスであり、ファインダーもEVF(電子式)、動画撮影機能も持つあたり、まだ緩い感じのカメラと言える。

どうしてもカメラとして完全確立したものが欲しい…という人なら、Nikon Dfは一つの選択肢になるだろうが、同じ高級志向で行くなら、普通に考えれば動画も撮れるOM-D E-M1に軍配が上がるのではないかと思う。
ま、レンズとしてNIKKORレンズが使いたい、という要望があるのなら、Nikon製カメラに進むしかないし、Nikonの他のカメラを持っていて既に持っているレンズ資産を活かしたいというような話であれば、Nikon Dfという選択肢もあるだろうが、そういう意図がないなら、あえてNikon Dfに突貫する必要はないだろう。

それにしても…最近発売されるカメラはどれもがフラッグシップ級ばかり。
エントリー機も発売されているが、徐々に方向性は高級機へと向かっているように思えてくる。
それだけかなりの層にデジカメが普及しているという事でもあり、またスマートフォンで普通のカメラは行き渡ってしまっている、という事なのかもしれない。
その中で発売される専門カメラなのだから、より高級志向が強くなるのは必然か。
そういう意味では、Nikon Dfの方向性は完全に間違っていないと言える。突き詰めた結果、突き詰めすぎとも言える結論がここに凝縮されたという事かもしれない。

あー、OM-D E-M1欲しいなぁ(爆)

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武上

18歳の時、人生の最大の選択ミスをしてしまい、いきついた場所として山梨県人となる。 その後、建設業に身を投じ、資格をいくつか取得するものの、結局自分の性格と合わない事を理由に上京。 上京後、世間で話題になりつつあったアニメ・ゲームを主体とする業界の人間となり、デジタルコンテンツ業界を含む数々の著名人と同じ土俵でマルチメディアな仕事をするに至る。 一見華やかなメディアの世界の、その闇の深さたるやハンパない事こそ世間に何となく知られてはいるが、業界人しか知らないその氷山の全体像を十分すぎるほど目の当たりにした後、家庭の事情で再び甲州へと帰還。 しかし、この帰還も人生の選択ミスだったかもしれないなぁ…と今では思うものの、時既に遅し。 今は地元の製造業を営む会社の総務・品質保証という地味ではあるものの堅実な職につき、いつか再びやってくるだろう夢の実現を信じて隠者的生活を送っている…ハズだったのだが、またしても周囲の事情で運命は波乱の様相を見せ始めた。 私の人生は一体どの方向を向いているというのだろうか? ちなみに筆者はPCとの付き合いはかなり長いと思っている。 古くはPC-8801 mk2 SR、X1 Turbo、X68000、FM-Towns、PC-9801シリーズ(互換機含む)、PowerMAC 9500等をリアルタイムで使い、その後は、Windows PCの自作機を中心に現在に続いている。 デジタルガジェットに関しては興味もある事から、その時代の時々において、いろいろ使ったり調べたりして、専門家ほどではないが知識は蓄えてきたと思っている。 そうした経験を元に、今の時代へ情報発信させてもらっている。少々くどい言い回しが多いかも知れないが、お付き合いいただけるとありがたい。 連絡先:takegami@angel-halo.com (@を小文字にしてください)

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3 Responses

  1. ruser より:

    うおぉ…Dfはプロまたは趣味を貫く人用って感じなんですね。
    フラッグシップ機なんて手が届く訳もなく、たとえ手にしたとしても使いこなせる技術も無い私には無縁でしたわ。
    でも、銀塩フィルム時代の眼レフみたいなデザインは凄く好み。しかも光学式ファインダーとか、動画機能を搭載してないとか、こういった割り切った拘りのアイテムが大好きな私には惹かれる物があります。
    使い勝手や性能よりもそういった点を重視する私の場合ですがw
    (Haswell全盛期にオールAMD製でPC組む人間なんで)

    しかし…いくら気に入っても、「欲しい」ってだけで手を出せる価格じゃないですね。
    た、宝くじがあたったらかかか買おうかなっ!

  2. 関西の人 より:

    DFとは、るーさんが選ぶサイズにしてはでかすぎるな…。
    これがプロ仕様というものかっ!w

  3. アバター画像 武上 より:

    35mmフルサイズセンサーを活かすためには、レンズも相当のものを使う必要があると思います。
    そうなると、カメラ本体の価格より交換レンズの価格に悩まされる事になるでしょう。
    実際、センサーが高度化するとレンズのアラがハッキリでるので、カメラは本体とレンズのトータルで考えた方がいいかもしれません。
    よほどカメラの趣味につぎ込めるか、或いは写真を商売にするぐらいでないと、宝の持ち腐れになると思います。

    ま、一眼デジカメの場合はエントリー機以外、みんなそんな感じなんですけどね。

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