知らなかったとは言え…

最近はちょっと落ち着いた感じのあるVOCALOIDサウンド。しかし、VOCALOIDを使ったいろんなデバイスが登場している所を見ると、再び盛り上がる日もくるのかもしれない。

確かに2年前に知っていた

Mitchie Mという人がVOCALOIDの曲で一躍話題に挙がったのを確かに2年前に知っていた。
神調教と言われたそのMitchie Mの歌わせる技術は、まさにとんでもない技術だと思っていた。

VOCALOIDはその初代が2003年に提供され、2007年に大幅に強化されたVOCALOID2が提供された。
VOCALOID2は今まではノイズとしてカットしていた息づかいを原音のまま残しており、今までできなかった系統の歌まで可能にした。ただ、できる事を増やせばリアルな歌わせ方はできるものの、技術的にはさらに高度になり、その歌の出来上がりの差がより大きくなったと言える。
ちなみに初音ミクはVOCALOID2で登場したキャラクターであり、世間の人がVOCALOIDをよく知るようになったのはVOCALOID2からだったと言える。
VOCALOID3が登場したのは2011年10月。発表は6月にあったものの、製品として流通したのは10月だった。VOCALOID3はVOCALOID2の小変更に留まったバージョンアップで、音色変化の滑らかさの向上や早口表現の強化が成されている。
また、エディタとライブラリが別売となったのもこのVOCALOID3で、他社製エディタが登場したのもこのVOCALOID3からである。エディタの充実で今までよりもリアルに歌わせるのが楽になった…と言われた事もあるが、やってみればわかるがそんなに簡単な事ではない事はすぐに分かる。

Mitchie M氏の『FREELY TOMORROW』はその公開時期から言ってもVOCALOID2での制作である事は明白である。
今のような進化したエディタ上ではないところで、これぐらいの曲に歌わせる事がどれだけ難しいかは、VOCALOID2を触った事のある人ならすぐに分かる事で、それ故に「神調教」と言われているのだろう。
実際、私もそう思う。とにかく聞けばわかるのだから。

久々に観たMitchie M氏の作品

突然、どうしてMitchie M氏の事を記事にしたのかというと、つい先日、ニコニコ動画内で久々に氏の作品を観る機会があったからだ。
私がその動画を観る3週間ほど前、実は8月4日に公開された動画で、ロート製薬の目薬「デジアイ」と初音ミクがコラボした際にある一つの動画が公開された。

https://www.youtube.com/watch?v=jrtl1K_is2g
この動画はデジアイ×初音ミク プロジェクトムービーである。
Mitchie Mは楽曲提供という立ち位置で、他に各方面のプロ達が集まって一つの作品を創り上げていく企画になっている。
今の今までMitchie M氏の事すらすっかり忘れていた私からすると、あの時の人がこんなになったのか、と驚きを隠せなかったワケだが、その驚きは前述した8月29日に公開された、Mitchie M氏の新作動画で爆発する。
8月4日のコラボ動画の曲だったのか! という驚きもそうだったが、何より、氏の名前すら忘れていた私がこの新作動画を視て、かつて感じたものを思い出したという事にも相当驚いた。

 

映像もさることながら…

まずはその8月29日に公開された動画を視るべし。

まさに神調教。
この言葉以外に必要だろうか?
映像もスゴイなと思ったが、私はやはりこの楽曲が実に良い…というか、Mitchie M氏の楽曲対応の幅をこの曲で観たような気がした。
この動画を視たあと、他にどんな動画を公開しているのかを調べ、さらに驚く事になる。感じた通り、実に幅広い楽曲性を見せているのである。
しかもそのどれもが神調教。いや、実にスゴイ。
私が存在をすっかり忘れていた間に、ファンは確実に増え続け、そのほとんどの公開動画がミリオン達成という快挙を成し得ていたのである。
しかも…なんとメジャーデビューすらしていたようで、2013年11月にファーストアルバムが発売されていた事を知ることになった。

アルバムタイトルはMitchie M feat.初音ミク『グレイテスト・アイドル』。
初回盤と通常盤が存在し、パッケージイラストは貞本義行という、実に豪華な仕様だった。
知らない間にこんな事になってたのか…と内心思ったのだが、コレは買わねば…と思い、早速ネットで調べて見た。
正直、2013年11月発売だったため初回盤はもうないだろうな、と思っていたのだが、どうも思ったよりは売れていない様子。オリコンで発売日4位、発売週で6位と随分と頑張ったようだが、それでも販売数は10,000を超えるレベルのようだ。

初音ミクで10,000毎超え?
正直、私はコレにも驚いた。
今のご時世、よほど売れているメジャーアーティスト出ない限り、10,000枚を超えるなんてのはそうそう無理な時代なのだ。これで売れていない? とするネットの話は正直適切な評価ではないと私は思う。

ま、その販売枚数は置いておき、私はもう一つ驚いた事実を知る。
単価が高いのである。実売価格で初回盤が3,400円前後、通常版が3,000円弱という価格なのだが、通常、初音ミクのタイトルのほとんどは2,000円台である。
2,000円という価格でも10,000枚を超える作品が少ないという事実に対し、3,400円前後の本作が10,000枚と実に素晴らしい結果を残しているのである。
これは売れていないのではなく、作品評価が高く、また価格が高くてもその結果が残せているという事実は作品満足度が高いという証である。

で、買ってみた

これだけの評価がある作品となれば、やはり買うしかない、という事で、早速ネットでポチったわけだが、本日それが届いた。
そしてまず一つ驚いた事。
…でけぇよwwwデカいっ!
家に届く際、届く品物はせいぜいCDサイズだから小さいだろうと思っていたのだが、いざ届いてみたら、荷物がデカく、何事かと思ったのだが、どうも届いたのは初回盤だったらしく、LPジャケットタイプだった。
比較用にマウスを隣に置いてみたが…これで大きさがよく分かるだろう。
映像付きというのがミク作品らしいこれが見開き。
13曲入りのCDが1枚と映像付き8曲が収録されたDVD、そして特製ブックレットがこのように収められていた。貞本義行氏の大きいミクイラストが欲しい人は初回盤が残っているウチに押さえた方がいいだろう。
正直、私はこの大きさに困っていたりする。
さて…どうやって保管しようかな(-_-;)

で、どんな感じなのか?

こればっかりは聞いてもらうしか方法がないのだが、ニコ動にアルバム視聴動画が公開されているので紹介しておく。

結構ボリュームのある視聴動画のため、これで満足…という人が出てくる可能性があるかもしれない。それぐらい奮発した視聴動画と言えるかもしれない。
しかし、実際にアルバムを購入するだけの価値がある…と私は思っている。
この作品が10,000万を超える程度で収まってしまっている事実は、ちょっと嘆かわしいところがあるが、おそらくiTunes Storeなどでもダウンロード販売されていたりするようなので、そういった所でも普及はしているのだろう。
この視聴動画を視て頂ければわかると思うが、作られた楽曲が実に多彩である事に気付く。
通常、どうしても似たような曲調が多くなるものだが、テンポ含めて実に多彩な構成になっている。
また、Mitchie M氏は実に初音ミクを綺麗にしゃべらせている。ミクは歌わせるよりもしゃべらせる方が数段難しいのだが、それでも実に普通にしゃべらせている。これはある意味ものすごい事である。
ここまでよく歌ってしゃべると、本来の中の人である藤田咲の仕事がなくなるんじゃないかと心配にすらなってくる。
そういう面でみても、完成度で言えばかなり高い作品である。興味のある人はぜひ購入して頂ければと思う。

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武上

18歳の時、人生の最大の選択ミスをしてしまい、いきついた場所として山梨県人となる。 その後、建設業に身を投じ、資格をいくつか取得するものの、結局自分の性格と合わない事を理由に上京。 上京後、世間で話題になりつつあったアニメ・ゲームを主体とする業界の人間となり、デジタルコンテンツ業界を含む数々の著名人と同じ土俵でマルチメディアな仕事をするに至る。 一見華やかなメディアの世界の、その闇の深さたるやハンパない事こそ世間に何となく知られてはいるが、業界人しか知らないその氷山の全体像を十分すぎるほど目の当たりにした後、家庭の事情で再び甲州へと帰還。 しかし、この帰還も人生の選択ミスだったかもしれないなぁ…と今では思うものの、時既に遅し。 今は地元の製造業を営む会社の総務・品質保証という地味ではあるものの堅実な職につき、いつか再びやってくるだろう夢の実現を信じて隠者的生活を送っている…ハズだったのだが、またしても周囲の事情で運命は波乱の様相を見せ始めた。 私の人生は一体どの方向を向いているというのだろうか? ちなみに筆者はPCとの付き合いはかなり長いと思っている。 古くはPC-8801 mk2 SR、X1 Turbo、X68000、FM-Towns、PC-9801シリーズ(互換機含む)、PowerMAC 9500等をリアルタイムで使い、その後は、Windows PCの自作機を中心に現在に続いている。 デジタルガジェットに関しては興味もある事から、その時代の時々において、いろいろ使ったり調べたりして、専門家ほどではないが知識は蓄えてきたと思っている。 そうした経験を元に、今の時代へ情報発信させてもらっている。少々くどい言い回しが多いかも知れないが、お付き合いいただけるとありがたい。 連絡先:takegami@angel-halo.com (@を小文字にしてください)

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