ウルトラワイド液晶モニター

以前にもちょっと書いたが、ウルトラワイド液晶モニターがとても良い感じである。

21:9シネマスコープ

以前にも新しいモニターが欲しいとしてBlogにも書いたのだが、4Kモニターは現実的に難しいという事が少しずつ分かってきた。
4Kモニターをフル活用するだけの私の周辺環境が整っていないという事と、実際に微細化した事で増大するPPI(pixel par inch)に対して、人間が作業的に活用できる実表示サイズとの乖離であまり効果的でない、つまり実寸でいけば32型以上、いやもっと使いやすくするためには40型くらいの実サイズがないと4Kモニターで広いデスクトップを使えない事実が分かってきたのである。
そこで私の中で急浮上したジャンルが21:9、つまりシネマスコープと呼ばれるサイズのモニター「ウルトラワイド液晶モニター」である。
現在の映画館のスクリーン比率が21:9という事で、このモニターを使う事で原理上は映画をそのままのサイズで表示する事ができる。
現在この21:9という比率を持つモニターは、縦が1080ドットのものと1440ドットの2種類が存在している。縦1080ドットのウルトラワイド液晶モニターは、価格的にはもう5万円を下回るくらいの価格で出回りはじめているため、フルHDの解像度からさらに横幅がもっと広ければ…という人はコチラを選択するのも悪くはない。
しかし、私の場合は現在がWUXGAと縦1200ドットの解像度があるため、1080ドットと小さくなると何かと不都合である。
となると、それよりさらに上の解像度となるわけだが、それが2014年11月から12月にかけて発売された34型ウルトラワイド液晶モニターである。
こちらは3440×1440ドットと、縦幅でもフルHDを超え、横幅はフルHDの1.79倍の広さを誇る。それでいてPPIは109とWindows標準の96を超える。
現在、この34型ウルトラワイド液晶モニターを発売しているメーカーは2つ。一つは韓国LGエレクトロニクスとDELLである。
おそらく、使用しているパネルはどちらも同じで、各社の違いはパネル以外の制御部分や外装等である。
この34型ウルトラワイド液晶がいいなぁと考えていたのだが、昨日秋葉原に出向く事があったため、実物を確認してきた。

実物を見ると…

ヨドバシカメラ マルチメディアAkibaの2Fに展示されていたのは、韓国LGエレクトロニクスの“34UC97-S”であった。
コッチよりDELLのU3415wがいいなぁ実際見ると結構な迫力で、横幅もかなり長く感じた。
色合いなど全く問題はないし、曲面による視差は、これだけ横長であると平面ディスプレイを見ているよりずっと見やすい感じがした。
展示機は自分の視点より高さが下にあったため、念の為自分が使用する時と同じ距離と高さに目線を合わせて見てみたが、驚く程違和感がない。
4Kディスプレイと比較して見てみたが、正直4Kディスプレイで実用域に持って行くには、やはり物理的な大きさとして32型でもまだ小さいという感じがして、実際に使用する場合はこのウルトラワイド液晶の方が迫力もあり、実用的だという感じがした。

問題もないわけではない

この34UC97-Sの最大の問題はスタンドにある。
高さ調整が出来ないのである。スタンドは取り外す事ができるようだが、それだとVESAマウントに固定という使い方になる。
一方、これと同じパネルを採用したDELLから発売されている“U3415w”はDELL特有のスタンドが装着されていて、こちらは高さ調節が可能になっている。
またDELLはスタンドを取り外すとすぐにVESAマウントになっているため、アタッチメントが不要だったりする。34UC97-Sはアタッチメントを使わないとVESA対応にはならないため、結構こんな所に差が出たりする。
ただ、DELLは制御ソフト等がLG製とは異なるため、どこまでLG製ができる事が実現可能かがわからない。
まだ流通が安定していない時期であるため、情報が少ないのもあるが、便利に使える機能なのかどうかなのか等の情報が少ないのはLGもDELLも問題である。

ちなみにこのウルトラワイド液晶モニターにPS4やPS3等のフルHDの出力しか持たない機器を接続すると、モニターの真ん中部分に1920ドット分表示され、左右に黒帯が表示されるようだ。また上下の余り部分(上下合わせ360ドット分)も上下で180ドットの黒帯が表示されるようである。

LG製はデュアルリンクアップという機能で、画面を左右に分割し、2つのデバイス出力をそれぞれ表示する事ができるという。
つまり、3440ドットの半分、つまり横幅1720ドットずつ、例えばPCとPS4の出力ができるというのである。
だが、この解像度があまりにも中途半端で、個人的にどうなの? と思わざるを得ない。
一方DELLは、USB 3.0アップストリームポートを使用したピクチャーバイピクチャーもしくはピクチャーインピクチャー機能で2台の異なるPC出力を同時表示することができるらしい。さらに1組のキーボードとマウスだけで両方のPCを操作できる機能もあるようだ。
ピクチャーバイピクチャーはおそらくLG製と同じような機能となり、ピクチャーインピクチャーでLG製と差を付けた…という事なのかもしれない。ただ、ISB3.0アップストリームポートを使用するとある通り、あくまでもPCを対象とした機能であり、ひょっとしたらPS4やPS3ではこの機能は実現できないのかもしれない。

普通の液晶モニターとして使用する分にはこれらの機能の有無はあまり関係がない。
対応していなければ中央にフルHDとして表示されるだけであり、PCではその画面サイズをフルに使用する事ができる。
そういう割り切った使い方で問題がなければ、かなり使えるモニターになるのではないかと思う。

希望は…

私は4Kモニターはまだ不要だと思っているし、万が一、今すぐ使える4Kモニターがあったとしても、私の周辺環境からまだ早いと思っている。
だからこのウルトラワイド液晶というジャンルが今の私の最良解になるわけだが、それでも今の3440×1440ドットという解像度に満足しているわけではない。
個人的な希望を言えば、3840×1640というパネルで21:9のウルトラワイド液晶を実現して欲しいと思っている。
こうすることでフルHDを確実に横に2画面並べる事ができ、デュアルデバイス表示が可能になるのではないかと思う。

余談だが、今回いろいろ計算してみた。
実は3440×1440という解像度は、正確には21:8.79と21:9よりも横長なのである。
これでシネマスコープと呼べるのかどうかはわからないが、現実問題として呼ばれているワケだが、3840×1640という比率は21:8.96と、より21:9に近い解像度だったりするワケで、これが実現可能ならやはりコチラが正解なのではなかろうか?
もし、3840×1600という解像度であるならば、21:8.75とさらに横長になってしまうわけだが…キリのいい数字で解像度を設定するとなると、なかなか難しい話になる。

だが、少なくとも横幅が1920ドットの2倍という数字のパネルは、もっと多くの人が待ち望んでいる解像度ではないかと私は思う。
4KはフルHDの4倍面積の解像度になるが、そこまでの解像度はなくともデュアルディスプレイを1枚で済ませたい、という人は多いハズである。
より商品力を高めるためには、こうした要望から商品を企画した方が良いと思うのだが…アチラの国の人の考え方は私には理解できない。
今からでも遅くないので、ぜひ3840×1640ドットのウルトラワイド液晶モニターを企画製作してくれないだろうか?
今回の34型ウルトラワイド液晶モニターと同じPPIで製造すると、パネルは38型を超える事になるが(計算上では38.8型)、せいぜい36~38型ぐらいで製造してくれると大変ありがたい。
多分、私と同じ要望を出したい人は沢山いると思う。
シネマスコープという規格に合わせたディスプレイというのは、それ相応の意味があるわけで、私はその意味自体はとても良い方向だと思っている。
あとは実際に使う際の問題だ。今の解像度では今一つ足りないのである。

とりあえず2015年は急激に4K化へと進んで行くだろうと思われるが、何度も言うように4Kの恩恵をどの部分で受けるか? で、その4Kの意味合いが変わってくる。
純粋にデスクトップを広く使いたいという意味での4Kであるなら、物理的サイズの問題から4Kは必ずしも必要ではない。
となるなら、やはり前述の私のような要望はかならず意味が出てくる。
ぜひ検討してもらいたいところである(というか日本メーカーで作ってくれる所が出てくる事を強く切望する)。

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武上

18歳の時、人生の最大の選択ミスをしてしまい、いきついた場所として山梨県人となる。 その後、建設業に身を投じ、資格をいくつか取得するものの、結局自分の性格と合わない事を理由に上京。 上京後、世間で話題になりつつあったアニメ・ゲームを主体とする業界の人間となり、デジタルコンテンツ業界を含む数々の著名人と同じ土俵でマルチメディアな仕事をするに至る。 一見華やかなメディアの世界の、その闇の深さたるやハンパない事こそ世間に何となく知られてはいるが、業界人しか知らないその氷山の全体像を十分すぎるほど目の当たりにした後、家庭の事情で再び甲州へと帰還。 しかし、この帰還も人生の選択ミスだったかもしれないなぁ…と今では思うものの、時既に遅し。 今は地元の製造業を営む会社の総務・品質保証という地味ではあるものの堅実な職につき、いつか再びやってくるだろう夢の実現を信じて隠者的生活を送っている…ハズだったのだが、またしても周囲の事情で運命は波乱の様相を見せ始めた。 私の人生は一体どの方向を向いているというのだろうか? ちなみに筆者はPCとの付き合いはかなり長いと思っている。 古くはPC-8801 mk2 SR、X1 Turbo、X68000、FM-Towns、PC-9801シリーズ(互換機含む)、PowerMAC 9500等をリアルタイムで使い、その後は、Windows PCの自作機を中心に現在に続いている。 デジタルガジェットに関しては興味もある事から、その時代の時々において、いろいろ使ったり調べたりして、専門家ほどではないが知識は蓄えてきたと思っている。 そうした経験を元に、今の時代へ情報発信させてもらっている。少々くどい言い回しが多いかも知れないが、お付き合いいただけるとありがたい。 連絡先:takegami@angel-halo.com (@を小文字にしてください)

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