自宅放送局高品位化2

昨日までは音響関係ばかりだったので、今度は映像の話。

Webカメラ

昨日までは音響系ばかりの話をしたが、自宅を放送局にする上で映像も避けて通れない話である。
私が自宅を放送局とする場合、そのほとんどはゲーム映像だったり、PC内の映像を使う事を第一とするが、人によっては自分自身を映し出す事もある。
その時、そのカメラの映像品質をどれだけ上げられるかという所が高品位化の一つの指針になる。
その時にほとんどの人が真っ先に思いつくデバイスはWebカメラではないかと思う。
最近はWebカメラも随分と進化して、オートフォーカスやら自動露出やらいろいろと機能は充実している。しかもメーカー側も「1080p対応」など、高解像度対応を謳っている製品もあるから、フルHDを意識した映像を考慮したとしても、Webカメラで何ら問題はない。
だが、本当に高品位を求める人は、このWebカメラによる高解像度を信じてはいけない。
仮に、本当に1080p対応のWebカメラが本当に高解像度で、最高の画質を与えてくれるとしたならば、どうしてデジカメの世界では35mmフルサイズのレンズ交換式カメラが未だに発売されているのだろうか?
カメラの本当の高画質を保証する基準は、そのセンサーサイズにある。いや、正確に言うとそれだけではないのだが、能力に余力を与えてくれるのは、物理的なセンサーサイズである事は間違いない。もしくは、高度なソフトウェア技術を組み合わせた、複数のセンサーによる合成映像である。
だから、普通に販売されている高画質なWebカメラは、確かに他のさらに安いWebカメラよりは高画質かもしれないが、本当の意味で高画質であるとは言い難い。
満足が得られる解像度としては1280×720ぐらいが限界で、それも大凡高画質というレベルなのではないかと思う。
…ま、それでもブロードキャスティングとして使用する解像度としては、このHD画質でも十分かもしれないが。

オススメは?

仮にWebカメラで十分として、どんな製品がオススメかというと、これはもう選択肢は余り多くない。
LogicoolのC920、もしくはマイクロソフトのLifeCam Studioあたりが十分な性能を持っていると言える。
ただ、LogicoolのC920は、現在販売されているC920Rがカールツァイス銘ではなくなった製品なので、人によっては敬遠したくなる気持ちもあるかもしれない。だが、そもそもこの大きさのレンズでカールツァイスである事の利点はあまりないといえる。よほど酷いレンズでない限りは、その差はないだろうから、C920Rでも性能的に何ら問題はない。
また、マイクロソフトのLifeCam Studioは1080pを謳ってはいるが、基本は720pの製品といえる。ただ、それだけに非常にバランスが取れている製品とも言えるので、ウェブブロードキャスティング機器として使用する分には申し分ない。
価格はどちらを購入しても1万円以下に収まるが、LifeCam Studioはさらに価格は安い。コストバランスはLifeCam Studioの方が数段優れていると言える。
もっとも、好みの問題でC920系を好むという人も多いかも知れない。私からすると…正直どちらも同じである。なぜなら…どうせならもっと高画質を求めたい、と考えるからだ。そうなると、もっと別の手段を必要とする。

さらなるセンサーサイズを求めて

ではブロードキャスティングする上で更なる画質を求めるにはどうすれば良いのか?
答えは簡単である。
ビデオカメラを使用すればよいのである。
少なくとも、ビデオカメラであればWebカメラよりもセンサーサイズは大きいし、しかも光学ズームを備え、オートフォーカスも持っている。現在のビデオカメラであれば、ほぼ全ての機器にHDMI端子を持っているハズなので、それをPCへと入力してやれば良いだけである。
HDMI映像をPC内にキャプチャする方法は、PS4などを取り込むのと方法は同じで、HDMIキャプチャボードやユニットを経由すれば良い。
問題はどのビデオカメラを使えば良いか? という事だが…これはもう予算との相談になるだろう。
4K画質、という事に拘らなければ、どの製品でもそう大きな差にはならないだろうし、少なくともブロードキャスティング機器としては十分すぎる性能を低価格なビデオカメラであっても備えていると言える。
なので、もしブロードキャスティング機器としてWebカメラ以上を求めるのであれば、ビデオカメラ機器を何をするかという事に迷うより、キャプチャする為の機器を何にするか、という事を考えた方がいいだろう。

HDMIキャプチャ機器

私はSKNETのMonsterX U3.0RというUSB3.0接続のキャプチャユニットを利用しているが、私がこの機器を選んだのは、フルHDで60fpsのキャプチャを可能にするからだが、ビデオカメラで同じスペックを必要とするなら、MonsterX U3.0Rは一つ大きな選択肢になるかもしれない。
ただMonsterX U3.0Rは、映像のエンコードをPC内部で行う事になるため、PC性能を結構必要とするところがある。
このエンコードをハードウェアとして持っているキャプチャボード/ユニットもあるので、そういった機器を利用する手もある。
その辺りを詳しく説明してくれているサイトがあるので、紹介しておく。

AviUtlの易しい使い方
おすすめのキャプチャーボード18選【ビデオキャプチャー】
http://aviutl.info/caputurebord-osusume/

記事が更新された日付が2016年7月なので、現時点ではほぼ最新と言っても良い内容である。
ここで紹介されているのは、ゲーム機等のキャプチャを目的としたような内容だが、それがビデオカメラになっても変わりはない。
この中から自分に合ったものを選べば、問題なく運用する事ができるだろう。

カメラについて一言

私はビデオカメラであれば何を選んでも変わらない、という事を前述したが、どうしてもカメラの性能に拘り、かつ、その撮影に拘るという場合、ビデオカメラではなく、レンズ交換式カメラを使用するという手もあるという事を最後に言っておく。
最近のレンズ交換式のデジタル一眼カメラには、総じてHDMI端子が搭載されているため、その映像をキャブチャボード/ユニットで取り込めば良いのである。
レンズ交換式の良いところは、自分が撮影したい映像に対して最適なレンズをセレクトできるという事である。
さらにセンサーサイズはビデオカメラよりも大きいものが使われている事が多い為、画質的にはさらに向上させる事ができる。
なので、レンズ等に拘り、さらなる高画質を求めるのなら、こうしたレンズ交換式カメラを使うと言う手もある。
私の場合…PEN miniを使ってマイクロフォーサーズカメラをブロードキャスティングカメラとして使う、なんて事もできるだろう。
これも選択肢の一つと考えておくと良いかも知れない。

音響よりも映像の方が予算は必要かもしれないが、ウェブブロードキャスティングにおいて、映像はそのデータ量から限界があるため、実際は驚く程高性能機器を揃えなくても必要十分な品質は得られる。
最終的には回線の速度とキャプチャ能力が大きく左右するため、そちらに注力する事を第一に考えておけば良いのではないかと思う。

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武上

18歳の時、人生の最大の選択ミスをしてしまい、いきついた場所として山梨県人となる。 その後、建設業に身を投じ、資格をいくつか取得するものの、結局自分の性格と合わない事を理由に上京。 上京後、世間で話題になりつつあったアニメ・ゲームを主体とする業界の人間となり、デジタルコンテンツ業界を含む数々の著名人と同じ土俵でマルチメディアな仕事をするに至る。 一見華やかなメディアの世界の、その闇の深さたるやハンパない事こそ世間に何となく知られてはいるが、業界人しか知らないその氷山の全体像を十分すぎるほど目の当たりにした後、家庭の事情で再び甲州へと帰還。 しかし、この帰還も人生の選択ミスだったかもしれないなぁ…と今では思うものの、時既に遅し。 今は地元の製造業を営む会社の総務・品質保証という地味ではあるものの堅実な職につき、いつか再びやってくるだろう夢の実現を信じて隠者的生活を送っている…ハズだったのだが、またしても周囲の事情で運命は波乱の様相を見せ始めた。 私の人生は一体どの方向を向いているというのだろうか? ちなみに筆者はPCとの付き合いはかなり長いと思っている。 古くはPC-8801 mk2 SR、X1 Turbo、X68000、FM-Towns、PC-9801シリーズ(互換機含む)、PowerMAC 9500等をリアルタイムで使い、その後は、Windows PCの自作機を中心に現在に続いている。 デジタルガジェットに関しては興味もある事から、その時代の時々において、いろいろ使ったり調べたりして、専門家ほどではないが知識は蓄えてきたと思っている。 そうした経験を元に、今の時代へ情報発信させてもらっている。少々くどい言い回しが多いかも知れないが、お付き合いいただけるとありがたい。 連絡先:takegami@angel-halo.com (@を小文字にしてください)

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