第2世代Ryzen、発売

Intelに肉薄する第2世代Ryzenの実力は?

コストパフォーマンス抜群

ついに第2世代Ryzenが発売となった。
第1世代が発売になったは昨年3月の事だから、約1年で第2世代にアップデートした事になるワケだが、先日もちょっと話題にしたが、単純に言えばアーキテクチャを改良して「Zen+」とし、製造プロセスを14nmから12nmLPにしたものが第2世代Ryzenという事になる。
外観は第1世代とほぼ変わらず、ソケットもSocket AM4を引き続き使用している。適合するチップセットとしては、AMD X470を中核とした400シリーズがメインとなるが、ソケットが同じなので従来からの300シリーズでもBIOSのアップデートで使用可能になる。但し、300シリーズだと一部新機能が利用できないという面があるため、第2世代Ryzenの機能を全て使いたいという人は400シリーズへとアッブデートする必要がある。
今回発売となったのは、Ryzen7 2700Xと2700、Ryzen5 2600Xと2600という4モデルで、2700Xが現時点での最上位モデルという事になる。お買い得高性能CPU驚きなのが、この2700Xでも初値が約41,000円(税込)ほどで、しかも今回はX型番のモデルにもCPUクーラーが付属するため、かなりお買い得なCPUになっているという事。
しかも6コア12スレッドのRyzen5 2600Xも価格が約28,000円(税込)であるため、IntelのCore i7-8700K(CPUクーラー別売)と比較してもかなりのコストパフォーマンスと言えるものになっている。
気をつけなければならないのは、最上位モデルの2700XのTDPは105Wになっているという事。実際、Intel系CPUよりは1コアあたりの消費電力も大きめになるので、そこは覚悟すべきポイントである。

クロックが下がりにくい第2世代

第1世代のRyzen系の最大の問題点は、結構クロックが簡単に下がってしまうところにあった。もちろん、消費電力の面で言えば悪い事ではないのだが、重い処理を行う時、クロックを引き上げるタイミングの問題で一歩動作が遅れる面が多少見られたのだが、今回の第2世代Ryzenはこのクロックダウンの落ち幅が緩やかになり、比較的高クロックを維持する動きをするようになった。
しかも稼働中のスレッドを監視していて、その稼働しているスレッドの数によって段階を追ってクロックがブーストする。排熱の問題もあるので、確実にブーストするかは環境にもよるが、より動的に細かい制御が行われるようになった事で、マルチスレッドでの動作がより高パフォーマンスになったと言える。
実際、どれぐらいの動作になったか、という事は、既にベンチマークテストを実施しているサイトなどがあるので、そちらを見てもらった方がいいかもしれない。

impress PC Watch
https://pc.watch.impress.co.jp/docs/topic/review/1117989.html

さすがは8コア16スレッドと言うべき性能である。

ゲームに弱いのは相変わらず

第2世代Ryzenの全体的な性能傾向は、基本的には第1世代と変わっていない。
動画エンコードなど、マルチスレッド性能を必要とする処理に関してはその8コアという絶対数で圧倒的な性能を見せる。但し、H.265に関しては未だIntelの方が高速に処理をするという事に関しては変更がない。
しかし、1コアあたりの性能、つまりIPCは依然としてIntel系コアの方が上を行くため、ゲーム系はIntel系に譲る形となる。但し、この傾向は第1世代とIntel系との差よりも小さくなっているので、第2世代コアになって進化した事は間違いない。
また、マルチメディア系の処理は相変わらずIntel系の方が強い。これは命令セットへの最適化の問題がまだまだ未解決という言い方もできるかもしれないが、それだけIntelがこなれているという事だろうと思う。IntelはAVX系命令の効果が絶大で、Ryzenも実装している事になっているが、ココで大きな差が生まれているようだ。
このあたりは、自作する人は自分の用途でIntel系コアの方が向いているのか、それともRyzen系の方が向いているのか、コスト的にRyzenで賄えるのか、などを考えてコアを選択する必要がありそうである。

ただ、前述したように第2世代Ryzenはとにかくコストパフォーマンスが抜群なので、Intelはまたしても驚異的なライバルを相手にしなければならない事態になったと言える。
恐らく、そう遠くない内に8コアのCoffee Lake-Sを登場挿せてくるだろうと思うが、その時に全体の価格改定を行う可能性もあるのではないかとすら思える。
単にCoffee Lake-Sという同じアーキテクチャでの8コアなら、私もCPUだけ交換しようかなぁ…とかよからぬ事を考えてしまったりして(-_-;)

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武上

18歳の時、人生の最大の選択ミスをしてしまい、いきついた場所として山梨県人となる。 その後、建設業に身を投じ、資格をいくつか取得するものの、結局自分の性格と合わない事を理由に上京。 上京後、世間で話題になりつつあったアニメ・ゲームを主体とする業界の人間となり、デジタルコンテンツ業界を含む数々の著名人と同じ土俵でマルチメディアな仕事をするに至る。 一見華やかなメディアの世界の、その闇の深さたるやハンパない事こそ世間に何となく知られてはいるが、業界人しか知らないその氷山の全体像を十分すぎるほど目の当たりにした後、家庭の事情で再び甲州へと帰還。 しかし、この帰還も人生の選択ミスだったかもしれないなぁ…と今では思うものの、時既に遅し。 今は地元の製造業を営む会社の総務・品質保証という地味ではあるものの堅実な職につき、いつか再びやってくるだろう夢の実現を信じて隠者的生活を送っている…ハズだったのだが、またしても周囲の事情で運命は波乱の様相を見せ始めた。 私の人生は一体どの方向を向いているというのだろうか? ちなみに筆者はPCとの付き合いはかなり長いと思っている。 古くはPC-8801 mk2 SR、X1 Turbo、X68000、FM-Towns、PC-9801シリーズ(互換機含む)、PowerMAC 9500等をリアルタイムで使い、その後は、Windows PCの自作機を中心に現在に続いている。 デジタルガジェットに関しては興味もある事から、その時代の時々において、いろいろ使ったり調べたりして、専門家ほどではないが知識は蓄えてきたと思っている。 そうした経験を元に、今の時代へ情報発信させてもらっている。少々くどい言い回しが多いかも知れないが、お付き合いいただけるとありがたい。 連絡先:takegami@angel-halo.com (@を小文字にしてください)

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