PC-8001誕生40周年

PCは昔はパソコンと呼ばれていたんだよ…。

40周年記念

8月5日に、NECパーソナルコンピュータはPC-8001誕生40周年記念記者会見を行うとした。
世界にまだ個人がコンピュータを所有するという概念すらなかった時代に、どのようにしてPC-8001が誕生したかを振り返り、PC-8001へのオマージュを込めた特別モデルを発表するらしい。
ちなみに、この「まだ個人がコンピュータを所有するという概念すらなかった」という事を変化させたいと思ったていたのは、あのスティーブ・ジョブズも同じで、ジョブズは「全ての人のデスクの上にコンピュータを」という思いを持ち続けAppleが、そしてMacintoshが生まれたというのは、結構有名な話である。
日本ではWindowsが普及する前、NEC製のパーソナルコンピュータ(パソコン)が圧倒的シェアを持っていた。官公庁ではPC-9801系が当たり前のように導入されていたし、その前のホビーパソコンとしてPC-6001、そしてPC-8001、PC-8801へと時代は過ぎ、8bit時代が終わりを迎えた時には、個人宅でもPC-9801が使われるようになった。
もちろんNEC以外のメーカーのパソコンもいろいろあった。シャープからはMZシリーズやX1シリーズ、そして後にX68000シリーズ、富士通からはFM-7、FM-77シリーズ、その後にはTOWNSシリーズと発売されたが、最終的にはWindowsの登場でパソコンからPC(ピーシー)と呼ばれるほぼ同一性能ハードへと移り変わっていった。
もともとパソコンという言葉を生み出したのは、おそらくNECではないかと思う。もともとマイコンと称されていたものを、パーソナル(個人)という言葉に置き換えた広告を出したのがNECだったように思う。
今でこそ、個人が当たり前のようにスマートフォンを持つ時代になり、その性能はとんでもない高性能なものとなったが、40年前は性能的には今のPCの数万分の1にも満たないパソコンが一部の人に未来を見せていた時代だったのである。

発表会

8月5日に開催されるこの発表会には、PC-8001を開発した後藤富雄氏やPC事業を立ち上げた渡辺和也氏、特別ゲストとしてASCIIの設立者である西和彦氏も登壇するという。
また、PC-8001用のBASICプログラムが実際に動作するハードウェアが披露される予定らしいが、一体どんなハードウェアが登場するのだろうか?古き良き時代の回顧録今更ながらエミュレーションで動作するものを持ってくるなどという安直なものではないと思うが、案外Raspberry PiでN-BASICが走るものを持ってきてプログラムを実行…とかだと、これを期待して集まった人はちょっとガッカリかもしれない。
ただ、ニンテンドーDSや3SDでも、Smile BASIC(プチコン)が走る時代である。Raspberry Piでも普通にN-BASICは走るだろうし、AndroidやiOSの上でもN-BASICが走ったところでおそらく誰も驚いたりはしない。何故なら、Raspberry PiもニンテンドーDSや3SD、スマートフォンも、全てがARMベースのコアを搭載したハードウェアなので、Smile BASICが走れば、自ずとエミュレーションであってもN-BASICが走る事は予想できる。おそらく、エミュレーションで動作しながらも、当時のハードウェアよりも速くプログラムが動作するだろうという事も想像できる。
もし、8月5日の発表会に、ハードウェアベースで何か特別モデルが発表されたりなどしたならば、おそらく相当話題になるのではないかと思う。
…ちょっと考えにくいかも知れないが。

古き良き時代のパソコンの記念日。それ自体はノスタルジックで私も嫌いではない。
ただ憂うのは、その当時に苦労して立派なプログラマーになった人達の技術は、現在ほとんど受け継がれていないという事である。最近のプログラマーは開発環境やライブラリがないとどうにもならないという人がとても多いと思う。
可能なら、日本からそのライブラリを作るプログラマーが今後多数生まれる事を期待したい。特にプログラム教育が遅れている日本だからこそ、原点に立つようなプログラム職人が登場して欲しいと切に願う。
他力本願だが(爆)

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武上

18歳の時、人生の最大の選択ミスをしてしまい、いきついた場所として山梨県人となる。 その後、建設業に身を投じ、資格をいくつか取得するものの、結局自分の性格と合わない事を理由に上京。 上京後、世間で話題になりつつあったアニメ・ゲームを主体とする業界の人間となり、デジタルコンテンツ業界を含む数々の著名人と同じ土俵でマルチメディアな仕事をするに至る。 一見華やかなメディアの世界の、その闇の深さたるやハンパない事こそ世間に何となく知られてはいるが、業界人しか知らないその氷山の全体像を十分すぎるほど目の当たりにした後、家庭の事情で再び甲州へと帰還。 しかし、この帰還も人生の選択ミスだったかもしれないなぁ…と今では思うものの、時既に遅し。 今は地元の製造業を営む会社の総務・品質保証という地味ではあるものの堅実な職につき、いつか再びやってくるだろう夢の実現を信じて隠者的生活を送っている…ハズだったのだが、またしても周囲の事情で運命は波乱の様相を見せ始めた。 私の人生は一体どの方向を向いているというのだろうか? ちなみに筆者はPCとの付き合いはかなり長いと思っている。 古くはPC-8801 mk2 SR、X1 Turbo、X68000、FM-Towns、PC-9801シリーズ(互換機含む)、PowerMAC 9500等をリアルタイムで使い、その後は、Windows PCの自作機を中心に現在に続いている。 デジタルガジェットに関しては興味もある事から、その時代の時々において、いろいろ使ったり調べたりして、専門家ほどではないが知識は蓄えてきたと思っている。 そうした経験を元に、今の時代へ情報発信させてもらっている。少々くどい言い回しが多いかも知れないが、お付き合いいただけるとありがたい。 連絡先:takegami@angel-halo.com (@を小文字にしてください)

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