ノートPCの次は?

ノートPCを7年ぶりに更新し、MacBook Pro 13インチを導入したが、デスクトップPCに何もしなくてもよいという事ではない。依然としてウチのメインPCはWindows機であり、デスクトップでは処理能力も含めてハイエンドクラスを私個人としては欲している。

来年入れ替え予定?

現在メインPCとして使用しているPCのスペックは、CPUがIntel Core i7-8700Kで、6コア/12スレッドになる。導入した当時は、まだZenアーキテクチャが登場する前あたりの話だったため、IPCの高いIntel製コアを選択し、しかもまだマルチコア化が進む前だったので、6コア/12スレッドでも搭載コア数は多い方だった。
しかし、現在のCPUにおいて、6コアは既にミドルクラス以下ぐらいの立ち位置になっており、ハイエンドに分類されるには最低でも8コアはないとその仲間にならないぐらいになってきている。
現在の用途として考えても、6コアで困る事はあまりないといえばないのだが、パワーユーザー出身としては最低でも8コアは欲しい、というのが今の率直な感想である。
なので次に購入するメインPCは最低でも8コア/16スレッドのCPUを搭載したモデルを想定している。
ホントの事を言えば16コア/32スレッドが欲しいところだが、今の所Ryzen9 3950Xしか選択肢がなく、価格も10万円に届こうかという高額CPUであるため、導入は躊躇われる。
ただ、この選択肢はあくまでも現時点での想定なので、もしメインPCの入れ替えが来年と考えると、ひょっとしたらZen3アーキテクチャのコアが登場しているかもしれないので、そこでまた状況は変わるかも知れない。
そんなにハイエンド製品を選んでどうするのか? という疑問はあるかもしれないが、私の場合、今も昔も自分に納得のいく構成で検討する事を定めみたいに缶変えているところがあるので、マルチコアを選ぶ事に特段の理由はない。

そんな中でも気になるCPU

ハイエンドを目指したいと言いつつも、気になるCPUがある。それがRyzen APUとでも言うべきか、4000シリーズの“Renoir”である。Renoirは、RyzenでありながらVega系のGPUを内蔵したAMDのAPUである。
モノシリックダイの新世代Ryzen本来ならパフォーマンス面でみても私には引っかからない性能しか持ち得なかったAPUだが、今回のRenoirはちょっと違い、そのCPU性能はRyzen7 3700Xに匹敵する8コア/16スレッドAPUである。
Ryzen7 3700XとRenoirの違いとしては、シリコンダイがマルチダイかモノシリックダイかという事。3700Xはマルチダイなのでダイとダイとの間に通信のオーバーヘッドが存在するが、Renoirは単一のダイで全てが完結しているためオーバーヘッドが最小で済んでいる。これが影響してか、Renoirの方がキャッシュ容量は1/4に減らされているが、性能的には微々たる違いでしかないと考えられる。
他、Renoirは内蔵するPCIeが3.0という制約はあるものの、dGPU用の16レーンに加え、NVMe M.2 SSD接続用に4レーン、その他4レーンと24レーンのPCIeレーンが用意されているのも、従来のAPUと異なる所である。
GPU性能としてはVega系といっても新しいVega20アーキテクチャが搭載されており、上位の4750G(4700G)は8cuを搭載しており、内蔵GPUとしてはかなり強力なGPUが搭載されていると言える。
正直、重度の3Dゲームをやらなければこの性能でも十分過ぎる能力を持っていると言えるが、前述したようにパワーユーザー出身の私からすると、Renoirは気になる存在ではあるものの、これをメインにするかどうかは悩ましい。
おそらく、もしRenoirを選択したとしても、GPUは外付けにするのではないかと思う。
だったらRyzen7 3700Xでいいじゃないかという事になるが…マルチGPUをもっと活用できる時代がやってきて、GPGPU的な処理を内蔵GPUを利用して、グラフィック処理をdGPUで処理…といった事ができれば、APUはもっと活用できる幅が広がって面白いのだが…。
そういう未来はあるのだろうか?

dGPUもよく考えたい

そして一番悩ましいのがGPUである。
おそらく来年になればRDNA2アーキテクチャのGPUが登場しているハズだが、現時点での予想だとFluid Motionが使えなくなる可能性が高い。
今の所、Fluid Motionが使用出来るのは、VegaアーキテクチャのGPUだけなので、ココが一番悩ましい。できればRDNA2ではFluid Motionが使える様になってくれると良いなぁ、と思っているが、どうにも日本でしかFluid Motionは需要がないという話もあり、AMDとしては搭載する機能としての優先順位は相当に低いらしい。
つまり現時点でRDNA2にFluid Motionが対応する事はほぼ絶望的と言っていい。
まぁ、現在の動画がほぼ30fpsで再生されていても滑らかさを持っていると言ってしまえばそれまでだが、より滑らかに動く動画を知ってしまったら、やはり60fps化したくなるのは人の性か。
そうしたFluid Motionの事も気にはなるが、純然たるGPU処理能力ももちろん必要である。
私は現在Radeon VIIを使用しているが、ゲーム性能的にはGeForce RTX2070よりちょっと下回る程度の性能…いや、今はNVIDIAのドライバが熟成して性能はもっと下回る程度かもしれない。ゲーム性能なので、ゲーム側の最適化が進んでいる方がより効率良く処理出来るという側面もあって、この部分ではAMDは毎回苦労する部分である。ちなみにNVIDIA製品と同等性能とか言っているが、Radeon VIIはレイトレーシングユニットを持っていないので、この部分では同じ土俵にすら上がれない事も忘れてはいけない。
欲しい能力としてはRadeon VII程度でも問題は全くないのだが、次期NVIDIA製品は少なくとも現行製品よりは10%程度以上の性能向上をしてくるだろうから、この部分でRadeon VIIを継続運用するか、それとも次の同等性能以上のRDNA2アーキテクチャ製品に乗り換えるかの選択になる。ましてレイトレーシング性能を要求するタイトルがもっと増えてくれば、そちらも気にする必要がある。
もしRDNA2でFluid Motionが対応してくれれば、ほぼ確実にdGPUも買い替えという事になるが、その可能性が低い以上、要求するゲーム性能で今後決めていくしかないと思っている。

選択肢

自作PCの良い所は、自分に選択権があり、その選択肢が非常に広いところにある。逆に選択肢が広すぎて選べないという人もいるかもしれないが、パーツの持つ性能を知っていけば何を選べば良いかは見えてくる。この辺りは経験と知識に裏付けされるものなので、とにかく理解する為にいろいろ知るしかない。
で、私がいろいろとパーツ選択していて一つ気付いた事がある。
今回の私は…そもそもIntelという選択肢とNVIDIAという選択肢を考えていなかった、という事である。
Intelは…ここ最近ホントにマズイ状況だと思う。何しろ、7nmプロセスの製造が来年以降になるとかいう話なので、ますますAMDとの差が付いてしまう。逆にAMDは順調にZen3アーキテクチャへ進んでいるというから、この差を考えると来年くらいまでにPCを自作しようと思ったら、CPUはAMDを選ぶのが妥当ではないかと考えてしまうのも不思議な話ではない。
NVIDIAは…GPU性能的にはやはりAMDよりもNVIDIAを選んだ方が今の時点であっても良いとは思う。ただ、前述したようにFluid Motionという機能が私をAMDに振り向かせているという事と、RDNA2アーキテクチャに期待できる要素が多いという事もあって、私の中では次もAMDかな? とは思っている。
というわけで、次回の私のメインPCは、CPUもGPUもAMDを選択し、それに併せたマザーボード含めた周辺機器で固められるのだろうと予想している。
その他のパーツに関しては、現行パーツの進化版を搭載していく事になるだろう。メモリやストレージはマザーボードに併せたものになるので、選択に困る事はないと見ている。

自作PCの面白さ

自作PCは、この構成を考えている時が一番楽しいのかも知れない。
組み上がるであろう性能を予想し、パーツを組み替えたらどうなるか? 予算的にどうか? など、いろいろなパターンを想像し、その一つ一つに歓喜し、その予算の高さに絶望する(爆)
この繰り返しでパーツへの理解も深まったりもしている。この面白さはある意味ゲーム的ではないかと思うが、人によっては煩わしさ以外の何物でもない、と思われているかも知れない。
自作PCの面白さを広めるのが簡単なようで難しいというのは、パーツは実際にリアルマネーで買わないといけない、というところに有るのかも知れない。みんなMinecraftとかドラクエビルダーとかやってるのに、この組合せの面白さを理解してもらえないのは、やはり構成したパーツで無事に動くのか心配になったりするからだろうか?
だとしたら、このリアルマネーが絡む部分を上手くシミュレートできれば、面白さはもっと伝わるのかも知れない…などと真剣に考えてしまった。
と言うわけで、自作PCに挑戦してみたい人は、ぜひこのソフトで遊んでみる事をお薦めしたい。

PC Building Simulator
https://store.steampowered.com/app/621060/PC_Building_Simulator/

ちゃんと日本語化されたゲームで、実在するPCパーツも数多く登録されているシミュレータなので、これで自作PCにおける一番難しい部分を知る事ができれば、実際に組立てる時に役立つのではないかと思う。

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武上

18歳の時、人生の最大の選択ミスをしてしまい、いきついた場所として山梨県人となる。 その後、建設業に身を投じ、資格をいくつか取得するものの、結局自分の性格と合わない事を理由に上京。 上京後、世間で話題になりつつあったアニメ・ゲームを主体とする業界の人間となり、デジタルコンテンツ業界を含む数々の著名人と同じ土俵でマルチメディアな仕事をするに至る。 一見華やかなメディアの世界の、その闇の深さたるやハンパない事こそ世間に何となく知られてはいるが、業界人しか知らないその氷山の全体像を十分すぎるほど目の当たりにした後、家庭の事情で再び甲州へと帰還。 しかし、この帰還も人生の選択ミスだったかもしれないなぁ…と今では思うものの、時既に遅し。 今は地元の製造業を営む会社の総務・品質保証という地味ではあるものの堅実な職につき、いつか再びやってくるだろう夢の実現を信じて隠者的生活を送っている…ハズだったのだが、またしても周囲の事情で運命は波乱の様相を見せ始めた。 私の人生は一体どの方向を向いているというのだろうか? ちなみに筆者はPCとの付き合いはかなり長いと思っている。 古くはPC-8801 mk2 SR、X1 Turbo、X68000、FM-Towns、PC-9801シリーズ(互換機含む)、PowerMAC 9500等をリアルタイムで使い、その後は、Windows PCの自作機を中心に現在に続いている。 デジタルガジェットに関しては興味もある事から、その時代の時々において、いろいろ使ったり調べたりして、専門家ほどではないが知識は蓄えてきたと思っている。 そうした経験を元に、今の時代へ情報発信させてもらっている。少々くどい言い回しが多いかも知れないが、お付き合いいただけるとありがたい。 連絡先:takegami@angel-halo.com (@を小文字にしてください)

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