そして伝説へ

ドラクエ35周年記念でドラクエ3がリメイクされ発売される。

プラットフォームはまだ不明

ドラゴンクエストシリーズは言わずと知れた日本のコンピュータRPGの金字塔である。
その中でも初期3作はロト三部作と言われていて、勇者ロトの物語としてドラクエの基本中の基本とされる作品群である。
ドラゴンクエストI、ドラゴンクエストII、ドラゴンクエストIIIと順番に並んではいるが、時系列からするとドラゴンクエストIIIがもっとも時代が古く、そこからI、IIへと話が繋がっていく。
その事から、今回のリメイクがドラクエIIIから行われるというのは、ある意味理にかなっているとは言えるのだが、ドラクエIIIが物語として盛り上がったのは、そのストーリーの中でIに繋がるシーンをIを経験した人が見たからでもあり、それを時系列に並べたものを初めて見る人が今世代にいる、となると、Iを経験した後にIIIを見た人の感動と同じものを得られるのか、と個人的にはちょっと微妙に感じる。

このドラクエIIIが最初にリメイク対象になったのは、どうやら作者の堀井雄二氏にとってロト三部作でもっとも思い入れがあった事が理由らしい。
ま、確かに思い入れはあっただろう。
何故なら、ドラクエ初の自由にキャラクターを作成してパーティ編成ができ、なおかつ転職ができるシステムだったのだから。このドラクエIIIにして、はじめてPCゲームの不朽の名作RPGであるWizardryに並んだという事を考えれば、感慨深いのも理解できるというものである。
ただ、現時点でこのリメイクドラクエIIIに関しては家庭用プラットフォームとしか言及されておらず、それがどのプラットフォームになるのかまでは発表されていない。
HD-2Dという表現方法しかしながら、ビジュアルがドット絵をベースに3D的な効果を加えた「HD-2D」と呼ばれる表現で作られている事から、処理能力的にはそんなに高級機でなくても実現できるのではないかと思われる。

そして新作へ

ドラクエ35周年記念特番でもう一つ発表されたのは、新作である「ドラゴンクエストXII 選ばれし運命の炎」である。
ティザートレーラーも発表され、堀井雄二氏からもコメントが出た。

コマンドバトルを一新する、と言われており、現在試作を使用したテストを実施しているという状況のようである。
ストーリーはドラクエとしては珍しくダークな感じになっている、と宣言しており、大人向けのドラクエになっていると言及している。面白いのは、受人口の生き方を選択する場面があるらしい。
こちらの新作もプラットフォームは後日発表という事で明かされていないが、世界同時発売を目指しているらしい。

35周年

初代ドラクエが発売されたのが1986年5月27日。ちょうど35年前になる。
当時はまだ一般家庭に普及しているゲーム機といえばファミコンであり、パソコンなどはあまり一般家庭にあるようなシロモノではなかった。
作者である堀井雄二氏は、PC版のパソコンソフトを制作してエニックスで販売したりしていた時代で、そこに作画の鳥山明氏、作曲のすぎやまこういち氏が加わり、集英社が大々的に宣伝する中、チュンソフトの開発、エニックスの発売で世の中に登場した。
発売する数週間前から、少年ジャンプで大々的に記事として取り上げ、全く新しいゲームがファミコンから発売されるという触れ込みで、その冒険の面白さをかき立てていた事もあり、当時の小学生や中学生は夢中になっていた時代である。
次作であるドラクエIIは、3人パーティとなり、仲間はAIで動くというのも大きく宣伝されたが、実際にAIで動いた時のサマルトリアの王子のバカさ加減には笑わされた記憶を持っている人も多いのではないかと思う。
そしてドラクエIIIは、前述したようにはじめて自由にキャラクターを作成してパーティ編成ができるタイトルとなり、転職というシステムと、隠し職業として賢者があった事で大きな話題になった。だが、個人的にはスタート画面が真っ黒だったという事の方が印象が強い。なぜ真っ黒になったかというと、当時のROMのデータ容量が足りなくてゲームにギリギリまでデータを回した結果、オープニングタイトルを入れられなかった、という話を聞いた事がある。当時はそうした技術的な問題がとても大きかったのである。
その後発売されたドラクエIV以降は、大容量ROMの登場で、徐々に技術的な問題は緩和されていったが、ストーリーとしてロトシリーズを続ける事をやめ、新しく天空シリーズが始まった。
ドラクエVは個人的にも2番目に好きなタイトルなのだが、結婚というシステムで親子三代の物語として話題を呼んだ。ハードウェアもスーパーファミコンとなり、その見た目も随分と良くなった。
私がドラクエとして馴染みがあるのはこの5作目までで、6作目以降は記憶が薄い。
理由はあまりプレイしていなから。時代は多様なRPGが溢れる時代となり、ドラクエ一択の時代が終わっていたという事もある。
実は、私はタクティクスオウガがあまりにも好きすぎて、ドラクエIVがほぼ目に入っていなかった、というのもある。
またPlayStationにプラットフォームを移したその後の作品も初期の頃のドラクエの良さが薄れた感じがして、私には馴染まなかった。
全くプレイしていなかったわけではないが、印象に残っているかといわれると、結構微妙である。
ただ、それぐらい長い歴史の中で生まれたドラクエシリーズは、直系ナンバリングタイトルで11、スピンオフ作品を含めると80タイトルを超えるものとなり、国内のRPGタイトルとしては超巨大タイトルになったという事は、誰も疑う余地はないだろう。

古き良き時代のドラクエが戻ってくる。
しかも名作と名高いIIIがリメイクされる。この話題だけでも盛り上がれる人は多いのではないかと思う。
おそらく40代で未だにゲームをプレイしている人であれば、当時の面白かった時代を回顧できるはず。
そして現世代の人は、なぜドラクエIIIが名作と呼ばれているのかを知るチャンスでもある。制作サイドには、そうした世代間を埋める為の作品作りをお願いしたいところである。

ドラクエ35周年記念特設ページ
https://www.dragonquest.jp/dq35th/

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武上

18歳の時、人生の最大の選択ミスをしてしまい、いきついた場所として山梨県人となる。 その後、建設業に身を投じ、資格をいくつか取得するものの、結局自分の性格と合わない事を理由に上京。 上京後、世間で話題になりつつあったアニメ・ゲームを主体とする業界の人間となり、デジタルコンテンツ業界を含む数々の著名人と同じ土俵でマルチメディアな仕事をするに至る。 一見華やかなメディアの世界の、その闇の深さたるやハンパない事こそ世間に何となく知られてはいるが、業界人しか知らないその氷山の全体像を十分すぎるほど目の当たりにした後、家庭の事情で再び甲州へと帰還。 しかし、この帰還も人生の選択ミスだったかもしれないなぁ…と今では思うものの、時既に遅し。 今は地元の製造業を営む会社の総務・品質保証という地味ではあるものの堅実な職につき、いつか再びやってくるだろう夢の実現を信じて隠者的生活を送っている…ハズだったのだが、またしても周囲の事情で運命は波乱の様相を見せ始めた。 私の人生は一体どの方向を向いているというのだろうか? ちなみに筆者はPCとの付き合いはかなり長いと思っている。 古くはPC-8801 mk2 SR、X1 Turbo、X68000、FM-Towns、PC-9801シリーズ(互換機含む)、PowerMAC 9500等をリアルタイムで使い、その後は、Windows PCの自作機を中心に現在に続いている。 デジタルガジェットに関しては興味もある事から、その時代の時々において、いろいろ使ったり調べたりして、専門家ほどではないが知識は蓄えてきたと思っている。 そうした経験を元に、今の時代へ情報発信させてもらっている。少々くどい言い回しが多いかも知れないが、お付き合いいただけるとありがたい。 連絡先:takegami@angel-halo.com (@を小文字にしてください)

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