WH-1000XM4を試す

WH-1000XM4が手元に届いた。早速使ってみる。

程度の良い製品だった

昨日、ヤフオクで購入したと記事にした「WH-1000XM4」が手元に届いた。実に迅速な対応での購入となった。
出品者に感謝といったところだが、早速中を開けて現物を確認した。
良い状態の製品だった化粧箱も随分と綺麗なままで、当然中身も綺麗なままだった。私が使う分には申し分ないレベルの製品である。少なくとも、今の時点ではハズレを引き当てた感じは一切ない。
中身も欠品する事なく全て揃っているし、充電用のUSB Type-Cケーブルなど、纏める為のビニールすらそのままの状態である。
通電2回のみというのは、案外間違いないのかもしれない。
ヤフオクなどは、出品者のコメントはもう書かれている言葉を信じるかどうか次第であり、出品者をどう信用するかで全てが決まる。
時々、商品スペックのみ記載している人がいるが、中古品の場合、購入者はスペックなどを知りたいのではなく、現状がどうなのかを知りたいワケで、スペック表記のみで済ませている出品は、私の場合ほぼ購入対象にしない。
この製品に関しては、ちゃんとそのアタリの記載がされていたので、信用に足ると判断して落札したのだが、その判断は間違っていなかったようだ。
しかも、商品説明にあったソニーストアの延長保証の保証書もしっかり入っていた。
久々のアタリかもしれない。

早速セットアップ

「WH-1000XM4」を取り出し、iPhoneで早速セットアップをはじめる。
もともと「WH-1000XM2」を持っていた事もあり、ソフトウェアはインストール済みである。なので、iPhoneとペアリングすると、アプリケーション側もすぐに製品を認識、セットアップが始まる。
「WH-1000XM4」は「360 Reality Audio」に対応した製品なので、ヘッドフォン内部で立体音響を可能にする設定などを細かく設定する関係から、耳の形を撮影する必要がある(任意だが)。
Headphones Connectアプリで、左耳と右耳の撮影を促されたので、そのまま撮影し、セットアップを開始。ノイズキャンセリング設定やらいろいろと設定を進める中で、どうもヘッドフォンのファームウェアに新verがあるようで、アップデートが始まった。
それらを全て実施した後、Headphones Connectアプリでいろいろな設定を進めるが、「Speak to Chat」機能の設定もこの中に存在していた。
設定してみると、自分の声を登録する必要があり、その声を認識して外音取り込みが始まる事になる。使ってみたが、案外使いやすい機能だという事を確認した。コレなら…私の場合は便利に使える機能かもしれない。
また、DSEE Extreme機能の設定もある。これはAIを使って音楽ソースをより高音質にアップサンプリングする機能であるが、これを使うと「WH-1000XM4」のCPUを常にフルに使用するのか、消費電力が上がる事になるらしい。また、イコライザーと同時しようするとかなり消費電力が上がるようで、設定時に警告が出るレベルである。
ま、30時間使える事を必須としているわけではないので、私はとりあえずONにしておいた。これで「WH-1000XM2」との音質の違いも比べる事が出来るだろう。
あと、案外便利だったのが、接続デバイスを2台設定できるという事。
「WH-1000XM2」でもできた事は出来たのだが、案外イマイチな感じだったのだが、「WH-1000XM4」は確実に2台を捉え、しかもその両方でのコントロールを受け付ける。なのでWindowsとiPhoneで認識させると、iPhoneの操作とWindowsでの操作が簡単に切替えられる。これは便利である。

比べてみる

早速「WH-1000XM2」との比較である。
最初にノイズキャンセリング機能の違いだが…これはもう圧倒的な違いがある。
「WH-1000XM2」もノイズキャンセリング機能は悪い方ではない。ちゃんと効果は実感できるし、かなり静かな環境を得られる事は間違いない。
だが「WH-1000XM4」はそれを遙かに上回る静けさを体感できる。さすがQN1チップの性能である。「WH-1000XM3」との比較では微妙な感じなのかもしれないが、「WH-1000XM2」との比較では比べものにならない進化である。サーッというホワイトノイズすらなくなるのはある意味感動モノである。
また、音質だが…これも圧倒的な差を感じる。「WH-1000XM2」の音も悪くはないが「WH-1000XM4」は「DSEE Extreme」が効いている事もあって、高音域の抜けの良さは格段に変わる。高音域はBluetooth音楽の場合、音の要素としては切りやすい帯域でもあるので、音声データを軽くする上では結構切り捨てられるのだが、DSEE Extremeはその高音域を補完するのでこの部分の音の抜けの良さは格段に向上する。もう聞いていてもすぐにわかるレベルである。これならDSEE ExtremeだけONにしてイコライザーの設定はいらないかもしれない。
あと、実際に装着した感触だが、これも「WH-1000XM2」から随分と進化していると言える。「WH-1000XM2」よりもハウジングが大きくなっているのか、或いは耳に合わせて形状が変化したのか、フィッティングが圧倒的に良くなっている。長時間使っていても痛みを感じる事はおそらくないのではないかと思う。「WH-1000XM2」は長時間使っていると、時々耳を開放してやりたくなる時がある。「WH-1000XM4」はおそらくそんな感じにはならないだろう。
あと、ちょっとした違いだが「WH-1000XM2」は充電の際のコネクタがMicro USBだったのだが「WH-1000XM4」はUSB Type-Cとなった。差し込む向きが固定ではなくなったのはとても便利である。
全体的な質、使い勝手全てが「WH-1000XM2」より格段に向上している。
「WH-1000XM3」からのアップデートは微妙かもしれないが、少なくとも「WH-1000XM2」からのアップデートであれば、アップデートしない理由はないと断言できる。

残念なところ

これは「WH-1000XM4」の欠点というわけではないのだが、360 Reality Audioの対応アプリケーションが結構微妙であるのは残念なポイント。
もっとグローバルなサービスでも利用できるようにならないと、使う意味が見いだせないのがとても残念である。
Appleは自前のサービスに自信があるはずで、それはiPhoneというデバイスを自前で持っているからで、サービスとしてのApple Musicとの連携は絶対的なものである。
SonyもXperiaを持ってはいるが、日本ではiPhoneユーザーが多い事から、今一つ広がりに期待が持てない。あり得ないかも知れないが、もし360 Reality AudioがApple Music対応になったら、その波及効果はとても大きなものになるのではないかと思う。
或いは、Spotifyなどに対応する事でも効果は大きいかも知れない。今後に期待したい。

というわけで長い間迷っていたノイズキャンセリングヘッドフォンのアップデートを完了した。結果は買い替えて良かった、という結論だが、もしノイズキャンセリングヘッドフォンが欲しいと思っている人は、ぜひいろいろ実機を試して自分にあった製品を探し出して欲しい。
私は昔からSony製品を使っていて、傾向がある程度見えているので「WH-1000XM4」という判断をしたが、世の中には他社のノイズキャンセリングヘッドフォンが存在する。いろいろ試して、最適解を見つけ出して欲しい。

 

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武上

18歳の時、人生の最大の選択ミスをしてしまい、いきついた場所として山梨県人となる。 その後、建設業に身を投じ、資格をいくつか取得するものの、結局自分の性格と合わない事を理由に上京。 上京後、世間で話題になりつつあったアニメ・ゲームを主体とする業界の人間となり、デジタルコンテンツ業界を含む数々の著名人と同じ土俵でマルチメディアな仕事をするに至る。 一見華やかなメディアの世界の、その闇の深さたるやハンパない事こそ世間に何となく知られてはいるが、業界人しか知らないその氷山の全体像を十分すぎるほど目の当たりにした後、家庭の事情で再び甲州へと帰還。 しかし、この帰還も人生の選択ミスだったかもしれないなぁ…と今では思うものの、時既に遅し。 今は地元の製造業を営む会社の総務・品質保証という地味ではあるものの堅実な職につき、いつか再びやってくるだろう夢の実現を信じて隠者的生活を送っている…ハズだったのだが、またしても周囲の事情で運命は波乱の様相を見せ始めた。 私の人生は一体どの方向を向いているというのだろうか? ちなみに筆者はPCとの付き合いはかなり長いと思っている。 古くはPC-8801 mk2 SR、X1 Turbo、X68000、FM-Towns、PC-9801シリーズ(互換機含む)、PowerMAC 9500等をリアルタイムで使い、その後は、Windows PCの自作機を中心に現在に続いている。 デジタルガジェットに関しては興味もある事から、その時代の時々において、いろいろ使ったり調べたりして、専門家ほどではないが知識は蓄えてきたと思っている。 そうした経験を元に、今の時代へ情報発信させてもらっている。少々くどい言い回しが多いかも知れないが、お付き合いいただけるとありがたい。 連絡先:takegami@angel-halo.com (@を小文字にしてください)

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