PlayStation VR2が2023年に発売されると発表されたが、光はあるのか?
VR元年は2016年だった
2016年秋、PlayStation4に接続するPlayStation VR(PSVR)が発売された。
当Blogでもその事を記事にはしたが、その時、まだまだVRの機器にかかる費用が安くならない状況ではあったものの、PlayStationで発売されるという事から、他機種よりも価格の安いPSVRによって、VR環境が一気に普及する、と期待された。
しかし、実際には思った程VR環境は普及せず、結局大型施設などでの導入は進んだものの、個人レベルのゲーム環境下でのVRは普及したとは言えない状況だった。
また、当時は技術的にまだまだVR環境を整える事が難しかった、という事もあったかもしれない。VRゴーグルのモニタのリフレッシュレートや解像度に、まだまだ難色を示す部分があったのは事実で、それをコントロールするPS4も残念ながらパワー不足だったことは否めない。
そして今回、SIEは遂に2023年にPSVR2として、PlayStation5用にVR環境を発売する。
あれから7年経過し、技術的にも随分と進化した今なら、VR環境をおもしろくするだけの進化が得られたのだろうか?
今度はコントローラーとセット
今回発売が発表されたPSVR2は、PS5が別途必要である事は当たり前として、製品としてはVRゴーグルとVR2 Senseコントローラーとセットで使用する事になっている。
このコントローラーは3軸ジャイロと3軸加速度センサーが組み合わされた6軸モーションセンサーが組み込まれていて、両手にそれぞれコントローラーを持つ形を取る。コントローラーへのフィードバックは、トリガーエフェクト、ハプティックフィードバックが用意されていて、より人体に微細な感覚を与えてくる。
またVR2ゴーグルに関しても、ディスプレイは有機ELパネルを採用し、左右の目にそれぞれ2,000×2,040の映像、つまり両目では4,000×2,040の映像を表示できるレベルにスペックアップされている。またリフレッシュレートも90Hz、120Hzとなっていて、少なくともVR酔いが置きにくいリフレッシュレートが設定されている。ゴーグルのセンサーに関してもSenseコントローラーと同じ6軸検出システムになっていて、カメラはトラッキングカメラが4つ搭載されている。フィードバックに関してはゴーグルが振動するようになっていて、人体に感知できるようにしていたりと、以前から比べれば相当なパワーアップと言える。
ハードウェアは相当に進化したと言えるが、問題はこれらに伴うソフトウェアという事になるが…。
20作品を同時リリース
SIEはPSVR2に相当力を入れているのかもしれない。
今回は大きく失敗はできない、という意気込みなのかどうかはわからないが、元々少ないPS5用のソフトウェアを補うかの如く、ファーストパーティタイトルとサードパーティタイトルを合わせてなんと20作品を同時リリースするという。
一部のタイトルは既に公開もされていて、「Horizon Call of the Mountain」や「The Walking Dead: Saints & Sinners CH2 RETRIBUTION」、「BIOHAZARD RE:4」、PSVR2版「NO MAN’S SKY」やPSVR2版「バイオハザード ヴィレッジ」が発売されるという。
20タイトルが発売されるという事は今年の5月には既に言われていた事だが、今回の発表でも順調にそれらが進んでいるという事なのだろう。
これらのタイトルが実際の体験としてVRと相性がよいのかは私にはわからない。
ただ、VRは最初こそ物珍しさからその凄さを感じやすいが、慣れてくるとゲーム性が問われる事によって、一気に陳腐化する事がある。
体験が一人称視点であるだけに、その体験そのものが面白いものでないと、一気に冷めてしまうのは、通常のゲーム以上でないかと思う。
VRはまだまだ未開の領域の側面を持っていると思っているが、それでも2016年に登場したPSVRから7年が経過している。
開発側もいろいろな試行錯誤を繰り返してきている事は間違いなく、そこから作られる現在のVR作品は、初期の頃の弱点は克服していると考えると、今度こそ期待できるガジェットになるのかもしれない。
ただ…何が化けるかはまだ判らない。今後の展開に期待しつつ、希望ある未来が来ることを祈りたい。
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