正直、本体も怪しいのに…とちょっと思っている私がいる。
74,980円
ソニー・インタラクティブエンタテインメント(SIE)が、PlayStation5用VRヘッドセット「PlayStation VR2」を2023年2月22日に発売すると発表した。価格は74,980円で、国内では11月21日から予約を開始する。
スペックとしては片目あたり2,000×2,040ドットの有機ELを搭載したリフレッシュレート120Hz、約110度の視野角を実現するVR HDMとなっており、モーションセンサーは6軸(内訳として3軸ジャイロ、3軸加速度)で、IR近接センサーを装備している。レンズ間隔を調節できるレンズ調整ダイヤルやレンズの曇りを軽減する通気口を持ち、視線の動きを検出する視線トラッキング機能、ヘッドセット内蔵の4つのカメラでプレイヤーとコントローラーをトラッキングする「」インサイド・アウト・トラッキング」機能なども持つ。
以前のPSVRより、大きく進化したと言える内容だが、価格も74,980円と本体を超える価格になっているので、正直普及に関してはまたしても悩ましいものと言える。
こうしたVRシステムは、確かに試みとしては面白いのだが、これを受け入れる側としては、価格に見合ったコンテンツになるのかが非常に疑問でしかない。
恐らくそのように考えている人も多いのではないかと思う。
熟れている事は間違いない
VRヘッドセットが進化して、以前のものより熟れてきている事は間違いが無い。
今まででは不都合だった事が最近のものではそういった事が無くなってきているのも、時間が解決してきた事である。
なので、PSVRにしても、PSVR2になって改善された事は多々あるだろう。だが、そうしたデバイスの進化だけで、それらが売れるようになるかというとそういうわけでもない。やはりキラータイトルは必須だろうし、そもそも新しい体験が瞬間で終わるようなものでもダメである。
今のコンシューマゲームが、これだけのプラットフォームとして定着し、大きなビジネスとして成長した背景には、常に安定した新たな体験というものがついて回っていたからである。最初は単純なアクションゲームから始まり、そのアクションゲームが進化していろいろなバリエーションを生み出し、新たなRPGというものが登場し、それらと混じり合って新しい体験がユーザーに提供されてきたからこそ、ゲームというコンテンツが今も生き続けている。
VRシステムも結局はそれと同じようにユーザーに与える体験が定着しないと、一過性のものになってしまう。
今回は、そうした新しい体験の種となるタイトルは用意されているのだろうか?
メタバースとの関係
結局、VRシステムが体験として定着できるかどうかは、メタバースとの関係に全てが係っているように思えてならない。
メタバースという、第2の3次元空間の中で、現実では体験できないものを体験するには、VRシステムが必須になる。このメタバースの広がり次第で、VRシステムの成功があるかどうかが決まってくる。
残念ながら、日本国内ではまだVRシステムとして絶対的な製品が登場していない。PSVR2がその役を担えるのか? はまだわからないが、担えるようであれば、ひょっとしたら日本国内で爆発的にメタバースそのものが普及するかもしれない。
だが、問題はPSVR2だけが背負うものではない。一番の問題は、PS5そのものが国内で依然として抽選販売になっているという事である。
本体が抽選なのにVRシステムだけが売れるわけではないし、そのPSVR2だって供給量がどうなっていくのかはまだわからない。
正直、判らないものばかりであり、だからこそ、今後が見通せない。
だから普及の可能性があるかどうかを推し量る事はなかなかにして難しい。
少なくとも、せめて入手性だけは何とかないと、普及できるものもできないという実情が、Sonyのアキレス腱になるのではないかと私は見ている。
人々のPS5離れを止める事ができるかどうかの切り札の一つがPSVR2であり、それをそのようにするのはサービスタイトルである。
キラータイトルの登場と、需要に耐える供給が揃わないと、またしても思い通りにならない状況になりかねない。
微妙かつ、難しいバランス問題だと思う。